転生者剣士はハッピーエンドを迎えたい   作:虚構歴史学者(自称)

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 驚くべきことに続きました。 短いです。 なんでこの程度の文字数でこんな日数かかってるんでしょう、愚かですね。
 長いので修行期間はほぼカットです。 よしなに。


1話 最終選別

 

 

 

 

 

 俺が育手の元で修行してから早半年。 育手のセンセイ曰く俺は中々に才能があるとのことで、実際既に全集中の呼吸・常中を会得している。

 

 夜中にこっそり小屋を抜け出して自身に合った呼吸と型を模索し、それがだいぶ形になったきたりもしているが、まぁこれは今はいいだろう。 まだ未完成だし。

 

幽希(ゆうき)、少しいいか?」

 

 そんなことを考えていると、育手のセンセイが話しかけてきた。 内容はなんとなく予想がつくが、ここは次の言葉を待つことにする。

 

「今のお前の実力であれば、最終選別を越えられると判断した。 短かったが、お前のような才覚ある剣士を育てることができたこと、誇りに思う」

 

「・・・いえ、ひとえにお師匠の教え方がよかったんです。 僕はそれに従っただけですから」

 

「くくっ、なにを言うか。 既に自身の呼吸を編み出しているのだろう? それは紛れもなくお前の実力じゃよ。 さぁ、明日は早い、今のうちに休んでおけ」

 

 その言葉に従い、布団に入って眠りにつく。

 

(・・・さて、と)

 

 この半年間、修行の傍らずっと考えていた。 俺に何ができるのか、なぜ僕に前世の記憶が甦ったのか。

 ()は生きていたい。 ホントなら鬼狩りなんてせずに平凡に日々を過ごしたい。

 ()は生きる意味が、理由が欲しい。 なんのために生きるのか、なんのためにこの記憶を持つのか。 その理由を探し、見つけたい。

 二つの異なる記憶が、まるでそれぞれの人格を持つように矛盾し、相反する。

 

(・・・けれど)

 

 あの日、()は知ってしまった。 鬼がいる限り、そんな平凡な暮らしは脆い薄氷の上に成り立っているのだと。 そして、僕はその薄氷が砕け、崩れ落ちてしまった人間であると。

 なら、今の僕たちに生きる理由なんてない。 俺としてその理由を探すのも、一つの生き方なんだろう。

 

 そうして考えて、()は決めた。 鬼狩りとして生きること、それはこの世界の悲劇を防ぐことを意味する。

 ならば、俺の知る世界で故人となってしまった者を救えるのではないだろうか。 それを実行するためには、まず最終選別を突破しなければならない。

 

(あとは、今いる座標の確認かな)

 

 ここで言う座標とは地理的な意味合いではない。 時間的な意味合いである。

 誰も彼もを救うだなんてことはできない。 それでも、一人でも多くの人間を救うために。 まずは最終選別の手鬼から始めるとしよう。

 

 

 

 

 ───翌朝。

 

 空は快晴、まるで僕たちの新しい門出を祝福するかのような晴れ空である。

 旅立ちを見送る師匠を背に最終選別の会場である藤襲山に向かう。

 

 道中をカットして目的地に辿り着くと、そこは藤の花が数多咲き誇るなんとも神秘的な場所だった。 会場には同じく鬼殺隊を志す人間がまばらに待機している。

 ・・・そして、その中に記憶にある少女を三人発見した。

 

(・・・真菰と、カナエにしのぶか)

 

 原作ではすでに故人となっていた少女たち、そして未来で命を落とす者が今、目の前で生きている。

 

 真菰、元"水柱"、鱗滝左近次の教え子。 原作ではこの山で命を落としていた。

 胡蝶カナエ、未来の"花柱"。 本編の数年前に童磨と遭遇し命を落とすことになる。

 胡蝶しのぶ、未来の"蟲柱"。 本編の最終決戦の最中、童磨に毒を盛るため自ら餌食となった。 

 

 そんな三人はこの場にいる面々の中で互いに女性ということで既に打ち解けているようだ。 仲良く女子会と洒落込んでいる。 なんかあそこの一角だけ空気が違う。 まぶしい。

 邪魔しちゃ悪いと遠目から観察したが、めちゃくちゃ可愛い。 なんでこんな可愛い子たちが死ななくちゃいけないんだ(憤怒)。 きっとこの世界の創造者は鬼か悪魔に違いない。

 閑話休題(はなしがそれた)

 しかしそうなると、錆兎はもう死んでると見ていいだろうか。 義勇さんは原作通りコミュ障こじらせてる、と、メモメモ。

 

「皆さま、ようこそお越しくださいました」

 

 そんなくだらないことを考えながら待機していると、どうやら開始の時間が来たようだ。 最終選別のルールに関してはもう知ってるのであまね様のお話を聞いてる間に今回の目的を整理しておこう。

 

 まず、自身の生存。 これは絶対だ、大前提俺が生き残れないと話しにならん。

 次に、手鬼から真菰を守ること。 これも必須。 目の前で救える命があるのだから、救わなくてはならない。

 そして問題は手鬼の処遇。 もしこれが錆兎&真菰生存の時空なら排除しておしまいなのだが、既に錆兎が他界他界してる場合殺す理由がない。 一応アレ炭治郎の成長イベだし、今回は真菰を守りきれればそれでいいワケで・・・。

 

 その辺はひとまず確認してから決めるか。 真菰とエンカウントすれば勝手にペラペラ喋ってくれるだろうし錆兎の情報が落ちなかったら殺す、情報が落ちたら真菰だけ救出して放置ってことで。

 

「それでは皆様、いってらっしゃいませ」

 

 あまね様がそう言い終わると同時、他の剣士達が我先にと山に駆け出して行く。 ・・・俺も倣うべきだろうか。 いや、普通に歩いてこ。

 


 

「どけ! 俺の獲物だ!」

 

「いいや俺だ! 腹減ってんだよこっちは!」

 

「それはこっちも同じだ! 早い者勝ちだぜぇぇぇ!!」

 

 う る さ い 。

 

「騒がしいぞ」

 

「「ギャァアアアアア!」」

 

 最終選別が始まってから早三時間。 生き残るための水源と食糧を確保しつつ、襲ってきた鬼を斬り伏せるだけの単調な三時間。 鬼を斬るのにも慣れてきた。

 

「・・・ま、そろそろ動くとするか。 さて、それじゃあ───」

 

 自身の生存圏は確保できた。 林を出て、少し開けた場所で刀に手を掛ける。

 そして刀を振り抜き、四方から飛来する鬼の頸を一刀で切り捨てた。

 

「───これから大虐殺を始めるぞ

 

 不敵に笑い、森に足を踏み入れる。 最終選別はまだ序盤、早々に手鬼を捕捉した俺は遠くから逐一行動を様子見してたが、あの二人はまだ遭遇していない。 目的を果たすためにもここらから本格的に行動を開始する。 ・・・行こう。

 

 道すがら襲い来る鬼を一太刀で切り落とし続け、目当ての鬼に向かって歩き進む。

 飢餓状態でいちいち喚いていて五月蝿いことこの上ない。 雑魚の言葉なぞ聞く価値もないのだから黙って朽ちてればいいものを。

 

「ま、待て! そっちには異形の鬼がいる! お前も早くそっちから離れた方がいい!」

 

 適当に斬り進んでると目的地が近付いてきたようで、そっちから恐慌状態の剣士が走ってきた。 恐慌状態で逃げてきたにも関わらず他者の心配をするとは、なかなかいいヤツのようで。

 

「忠告ありがとう。 ・・・ソイツとは今誰か戦ってるか?」

 

「あ、あぁ。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が───」

 

 それを聞くや否や目の前の剣士が逃げてきた方向へ走り出す。

 ちょっとマズいな、あの二人ならある程度時間は稼げるだろうが、現実に"絶対"はない。

 ちゃんと救い出さないとね。 でなきゃ、俺が記憶を取り戻した意味がさっそくなくなっちゃう。

 


 

 

 

 

「はぁ・・・、はぁ・・・、どうしてここに異形の鬼が・・・!」

 

 最終選別序盤、私達はどういうわけか藤襲山にいた異形の鬼と対峙していた。 ここにいるのは人を2~3人程度喰った鬼しかいないはずなのに。

 

「カナエさん、下がって!」

 

 水の呼吸・肆ノ型 打ち潮

 

 前方から襲い来る無数の手を真菰ちゃんが斬り落とす。 真菰ちゃんがいなかったらやられてた。 気を引き締めないと。

 

「クク・・・。 今年も来たな、俺のかわいい狐が・・・。 小娘、お前で13だ」

 

「・・・何の話?」

 

「今まで俺が喰った鱗滝の弟子の数だよ。 アイツの弟子は全員殺すって決めてるんだ。 その厄除の面だっけか、アイツの天狗の面と同じ掘り方だ。 目印なんだよ、それをつけてるから皆死んだ」

 

 異形の鬼が放ったその言葉に思わず絶句する。 私だけじゃない、真菰ちゃんも同じ。 けどそれ以上に、目の前の鬼に対する怒りが沸いてくる。

 

「・・・黙って」

 

「キシシ・・・。 何か言ったか? こんな見た目だから耳が遠くてなぁ」

 

「黙ってって言ったの! 鱗滝さんの想いを踏み躙らないでッ!」

 

「待って! 真菰ちゃん!!」

 

 こちらの静止を意に介さず真菰ちゃんは鬼に突撃してしまう。 今の真菰ちゃんは傍から見てわかる程度にまで呼吸が乱れてる、その状態で突撃しようものなら・・・。

 

「おっと、お前はひっこんでろ。 俺は今狐娘と遊んでるんでな」

 

「くっ・・・! 花の呼吸・弐ノ型 御影梅

 

 地面から一気に現れた手を御影梅で斬り落とし防御する。 時間にして数秒、しかしその数秒で真菰ちゃんはもう鬼の間近にまで迫っている。

 

水の呼吸・参ノ型 流流舞い

 

「どうした? 動きがガタガタになってるぞ」

 

壱ノ型・水面斬っ」

 

 ダメ、罠だ。 そのまま進んだら───。

 

風の呼吸・漆ノ型 勁風・天狗風

 

「なっ・・・!?」

 

 掴まれる、そう思った刹那、空から巻き起こった風が真菰ちゃんを掴もうとした全ての手を容易く切断した。

 

 

 

 

 









 風の呼吸ってカッコいいですよね。 もっとも幽希君が使うのは最終選別限りですが。

 胡蝶姉妹と真菰の入隊時期は名言されてなかったので全員まとめてぶち込みました。
 自由ですね。
 なんでこんな可愛い子達が死ななくちゃいけないんですか?(怒り) おい幽希なんとかしろ。




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