転生者剣士はハッピーエンドを迎えたい 作:虚構歴史学者(自称)
なんかはちゃめちゃに筆が乗りまくってまさかの連日投稿。 天変地異の前触れかもしれない。
感想ありがとうございます、モチベーションが上がる音が聞こえます。
最終選別を終え、玉鋼を選び、鎹鴉を支給され、帰路につく。
流れ作業のようにそれらを終え、修練場に帰ると
「よう、忙しそうで何よりだぜ」
「・・・おかげさまで」
「そんな恨めしそうな目ェすんなって。 オレの言うことなんざあんま間に受けんなって言ってんだろ?」
「はいはいそうですね・・・って、なんかキャラ変わってない? もっとこう、“じゃろ?”とか“じゃよ”とか言ってたのに」
「あーアレな、師匠っぽく振る舞う為にオレの師匠の口調を真似てただけだ」
「・・・さいですか」
今明かされる衝撃の真実、風叢さんの口調はキャラ付けだった。
「ま、んなこたぁどうでもいい。 ほら、布団の用意は済んでっからとっとと休め休め」
「あっちょ風叢さん?」
選別を突破したことに対する言及もなく小屋に押し込まれ、瞬く間に服装が寝間着に変わると布団に捩じ込まれる。
「さっさと寝とけ。 束の間の休息だ、お前さんは明日からまた忙しくなるからな」
「え、それってどういう」
その質問の答えは返ってこない。 聞いても無意味だと判断したので諦めて眠りにつく。
おやすみ世界。
剣士見習いの朝は早い。 起きたらまず身体を作るための走り込みを
これらを可能な限り全集中の呼吸を持続させたまま行うこと、それが風叢さんの修行だ。
令和の感覚なら余裕で労基案件だが、人間の身で鬼と戦おうとしてるのだからこれくらいやれないと話にならない。
ちなみにこれをやってるうちに俺は全集中・常中を会得した。
ちゃんと効果があるのを身を以て体験してるので何も言えない。
と、いうことで早速走り込みの方を───
「あ、もう走り込みとかの基礎鍛練はやんなくていいぞ?」
「ゑ?」
「アレはあくまで最終選別を突破する為の基礎造りだからな。 ま、個人的にやる分にはいくらでもやって構わねぇが・・・今は違う」
「というと?」
「刀が届くまでちとばかし時間がかかるからな。 その間に、お前さんが隊士として生きてくための実戦経験ってのを積んでもらおうってワケだ。 つってもやることは単純明快、本気のオレと殺り合うだけさ」
そう言うと風叢さんはこっちに一本の日輪刀を投げ渡してくる。 ・・・え、本物?
まぁいい・・・いやよくないけど。 鞘を腰に差し、いつでも抜刀できるよう構える。
「オレから一本取れるか、お前さんが気絶したらその日の手合わせは終了だ。 これでも、オレは元“甲”でな。 柱になる条件も満たしてた。 ま、オレが現役の時ゃ柱が定員だっ風の呼吸・捌ノ型 初烈風斬り」
「・・・は?」
風叢さんが話の途中に放ってきた捌ノ型でなす術もなく地に伏せられる。 防御しようとしたが、咄嗟のことで反応が間に合わなかった。
「油断したなぁ幽希。 鬼に武士道なんてもんねぇんだから話してるからって油断してりゃこうなるぜ? 鞘から抜いてねぇから死にゃしねぇだろうが」
なるほど、大体わかった。 コレが風叢さんなりの経験を積ませる実戦なのだろう。
だからってサンズ戦を彷彿とさせる理不尽不意打ちは如何な物かと思うが。
「さて、これで概要もわかったろうし、こんな物騒なモンは没収な。 こっからは模擬刀でやっから、殺す気で来いよ?」
流れるように日輪刀が回収されると、代わりに模擬刀が手渡される。 今度こそ手合わせの始まりということだろう。
風叢さんは“殺す気で来い”と言った。 なら、俺も虚の呼吸を使うとしよう。
元“甲”、それも柱相当だった実力者にどれだけ通用するか、見物だな。
「行くぜ? 風の呼吸・壱ノ型 塵旋風・削ぎ」
「虚の呼吸・肆ノ型 黒穴」
「ほう? 面白れぇ技だな、風が呑み込まれた。 弐ノ型 爪々・科戸風」
塵旋風で肉薄してきた風叢さんは、そのまま刀を振り上げて弐ノ型を放つ。 黒穴は連発ができないので防御ではなく回避、つまりここでの適解は参ノ型。
「参ノ型 虚影・冥月霧切」
「おっとと、残像か。 肆ノ型 昇上砂塵嵐」
速い・・・! 冥月霧切でカウンターまでする余裕がない・・・!
「ぐっ・・・! 黒穴・・・ッ」
「だが、まだ遅せぇな。 漆ノ型 勁風・天狗風」
肆ノ型を黒穴で防いだのも束の間、風叢さんの姿が消えていた。 そう思った瞬間、空中から背中に漆ノ型が叩き付けられ身体が宙を舞う。
「これで一本。 まだ行けるよな?」
「・・・当然ッ! 弐ノ型 晦冥新月!」
立ち上がり、今度はこちらからだと言わんばかりに晦冥新月で突撃する。
「消えた? まぁいい、参ノ型 晴嵐風樹」
晴嵐風樹による全方位の斬り上げで晦冥新月が防がれた。 だが晦冥新月を防いだ場所に生じた綻びを目掛け次の技を放つ。
「壱ノ型 亜空切断・天壊」
「伍ノ型 木枯らし颪───っと、読まれてたか」
参ノ型で晦冥新月を防いだ風叢さんが次の攻撃を空中に退避して避けると読み天壊を命中させることに成功する。 だが、当たりが浅い、決定打には程遠い。
「壱ノ型 塵旋風・削ぎ」
「肆ノ型 黒穴」
空中から再び突撃してきた塵旋風を黒穴で無効化する。 そして眼前に迫った風叢さんに次の技を放たせる隙を与えずカウンターに転じる。
「全集中 虚の呼吸・伍ノ型
黒陽、名前の通り黒い太陽を思わせる自身を中心とした全方位攻撃。 風の呼吸や月の呼吸よろしくエフェクトにも当たり判定のある所謂“クソ技”なので見た目より範囲が広い。
「ほう・・・ッ! 防いだ塵旋風の威力をそのまま技に乗せたか・・・!!」
さらに、黒穴と組み合わせることで防いだ攻撃の威力をそのまま相手に返す事ができる。 まぁ、さすがに自身の技量や武器の耐久との兼ね合いで威力に限界はあるが。
「───だが、まだ届かせねぇよ。 風の呼吸・玖ノ型 韋駄天台風」
しかし、その黒い太陽は地上に降り注いだ韋駄天の暴風に掻き消された。 黒穴を展開する隙もなく斬撃に晒され、衝撃で意識が飛びそうになる。
「ま、こんなもんか。 選別突破したばっかのひよっ子にしちゃ持った方だな」
頭上で聞こえた風叢さんの言葉を最後に、眼前が暗転した───。
「・・・うーん、痛たたたた」
「お、目覚めたか。 ほれ、飯出来てっぞ?」
「あー、ありがとうございます」
目覚めると、風叢さんが鍋で肉を茹でていた。 どうやら今日の晩食は肉豆腐のようだ。
「さて、それでお前さんの評価だが・・・大したモンだった、正直想像以上だ」
「・・・! ホントですか?」
「あぁ、ぶっちゃけ塵旋風と科戸風でくたばると思ってたからな。 今のお前さんなら十二鬼月に満たない鬼なら難なく殺れる。 なんなら、下弦の肆程度までなら単独で倒せるんじゃねぇか?」
「・・・そんなに」
「あぁ、そんなにだ。 半年もすりゃ甲になれると思うぜ? 柱に空きがありゃ、そのまま柱にもなれるだろうさ」
・・・思ってたより高評価だな。 というか、本気の風叢さんはあまりにも強かった。 柱相当の実力者ってスゲー。
あ、この肉美味っ。
「んじゃ、刀が届くまでは毎日この試合稽古やっから、ちゃんと休んどけ。 間違っても夜中にこっそり抜け出して技の模索とかすんじゃねーぞ。 オレとの実戦は今しかできねぇからな」
「・・・はい」
これは、大人しく従った方がいいな。
刀が届けば正式に鬼殺隊の隊士としての任が始まる。 そうなればこうして試合をする時間も取れなくなるだろう。
食べ終わった食器を片し寝る準備に入る。
おやすみ世界。
風叢さんとの試合稽古が始まってから早数日、刀が完成したと刀鍛冶の人間がやってきた。
「日輪刀は"色変わりの刀"とも呼ばれてまして、使い手によって色が変わるのですよ」
あぁ、知ってる。 そう思いながら刀を手に取り、そして鞘から引き抜いた。
「・・・ほぉ、黒・・・いや、紫ですかね? あまり見ない色です」
「ふむ・・・」
「ほーん? コイツが“虚の呼吸”の色か。 いい色してんねぇ」
・・・紫か。 兄上の月の呼吸の色・・・。 いや、アレに比べるとより黒に近いように見える。 月の紫と日の黒の中間・・・とでも言える色合いをしている。
「カァー! 任務! 任務ゥ!」
「・・・早くね?」
「だから言ったろ? オレとの実戦は今しかできねぇって」
「最終選別を突破し刀を手にした瞬間から、鬼殺隊士の任は始まっているのですよ、幽希殿」
「・・・さいですか」
仕方がないので急ぎ足で支度を済ませ、鉄影さんと風叢さんに見送られながら鎹鴉に言い付けられた目的地へと向かう。
とはいえ、所詮は入りたての新人がこなす任務。 大したことはあるまい(フラグ)。
そうして歩くこと二時間、目的地の屋敷がある村に入る。
「おーい、そこの旅人さんや」
「・・・ん?」
旅人? この辺りにそれっぽい人は見当たらない。
「アンタだよアンタ。 編み笠に青紫の羽織着てるの」
編み笠に、青紫の羽織? ・・・あ、俺のことか。
「お、やぁっと気付いたな。 アンタ、この先には行かない方がいいぜ? この先の屋敷は人喰い鬼の根城だって言われててな。 怖いもの見たさで近付いた奴らは誰一人帰ってきた試しがねぇ」
「・・・そうですか。 ご忠告ありがとうございます」
一応聞いた話を念頭に入れておくことにして先に向かう。
そんなことより、真菰達は元気にやってるだろうか・・・。 最終選別が終わったら各々育手のところに帰ったから、その後はわからないのよな。
そのうち蝶屋敷の世話になる日も来るだろうから、遅かれ早かれしのぶ達とは再会できるだろうけど。
「・・・と、ここか。 ずいぶん寂れた屋敷だな」
そこまで遠い場所ではなかったのもあり、考え事をしていたためかすぐに到着した。
目的地の屋敷に目を向けると、屋根の藁は所々が剥がれ、障子はボロボロ、床板には穴が開いている。
村人の言っていた通り、ここへ近付くにつれて人通りが少なくなり、この場に寄り付く人間は誰一人としていない。 廃墟と言われても納得がいく。
なんともまぁ、陰気な場所だ。
「
「カァ、ココハ完全ナ空キ家デス」
「オーケー、なら最悪更地にしても問題ないな。 行くか」
そうして屋敷に足を踏み入れる。 内部も外から見た通り、あちこちが朽ちてボロボロになっている。
探索を続ける。 しかし何も見つからない。
探索を続ける。 半刻が経過したが何も見つからない。
探索を続ける。 鬼の気配はどこかからか感じるのに何も見つからない。
(・・・うーん、おかしい。 ずっと歩いてるのに一向に端に着かない)
あれもしかしてコレ空間系か幻術系の血鬼術? だとしたら厄介だなぁ。
(・・・後方から殺気)
殺気を感じたので軽く身体を横に傾けると、さっきまで心臓があった場所を斬撃が掠める。
これで幻術で眩まされているか、空間操作により斬撃が飛ばされたかの二択で確定した。
何かしらカラクリを突破しないと解けないタイプか、向こうが任意で弄くれるタイプか・・・。
いずれにせよ厄介だな関係ねぇ壊せばいいだけだ(IQ3)
「虚の呼吸・壱ノ型 亜空切断 ・・・ふむ、斬撃を与えた箇所の見た目が変わってない。 となると幻術系か?」
まぁ、どちらでも関係ない。 今が昼間だからこそできる手法がある。
ただコレあまりにも倫理に反してるやり方なんだよな。 ・・・そもそも鬼が人間の倫理に反した存在だし問題ないか。
さて、じゃあまずは───
「虚の呼吸・壱ノ型 亜空切断・天壊」
亜空切断・天壊で屋根を粉々に切り裂いて飛び上がり屋根に上る。
血鬼術とは、鬼の術である。 そう、鬼の、術である。
つまりだ、日光の当たる場所では効果を発揮しない。 ということで、幻術系の可能性を考慮してまずは日光浴を行い血鬼術の効果を打ち消す。
「さぁ~て、破壊活動の始まりだぁ! 弐ノ型 晦冥新月」
次に、屋敷の屋根を全て破壊していこう。 鬼がいるなら、日光を凌げないよう更地にしてしまえばいい。
幸いにも人の気配は感じない、鬼に連れ去られた人間は居ないようだ。 人の心配をしなくていいなら何の憂いもなく破壊活動に勤しめる。
「ほぅら晦冥新月! 更に晦冥新月! もいっちょ晦冥新月ゥ!」
そうして次々に屋根を破壊していくと、足元からドタドタと逃げ回るような足音が聞こえてくる。
「ここで一旦亜空切断っ!」
足音のするところを目掛けて亜空切断を放つと、微かに刀が掠った手応えがあった。
「お、ビンゴ。 うんうん、わざわざ正攻法で突破してやる必要なんてないんだよね」
そのまま室内に飛び降りることはしない。 まずは逃げ場を全部奪う。 あ、でもあまり遊びすぎると地中に逃げられるかもしれないな。
どうしたものか。
「ほらほら、頑張って逃げないと灼かれるよ~♪ 晦冥新月! からの~、黒陽!」
う~ん、これじゃどっちが悪役かわからんな。
まぁいいや、せっかくだしヴィランごっこをエンジョイしよーっと。
そうして立場が逆の鬼ごっこをしてると、部屋一つ分残して全ての屋根が消失した。
ここで満を持して室内へ突入する。
「こんにちは~! 死んでくださ~い!」
これじゃどっちが悪役かわからんな(二回目)。
「アンタ無茶苦茶にも程があるわよ! 幻術にかけたのに平然と屋根破壊して回って、おかげで走り回る羽目になったじゃない!!」
「いやー、だって昼間だもん。 こうした方が楽なんだから仕方ないじゃん?」
「ふざけんな! 正々堂々戦いなさいよ剣士でしょ!?」
「いや、幻術使ってくるようなヤツに言われても・・・」
先に搦め手使ったのはそっちなんだから正々堂々とか言われる筋合いはないと思う。 わざわざ正攻法で付き合ってやれるほど暇じゃないのだ。
「鬼! 悪魔!」
「鬼が言うな鬼が。 そんなことより───」
刀を構え、技を放つ。 先手必勝、また幻術にかけられたらたまったものじゃない。
「───一緒に日光浴しない? 虚の呼吸・伍ノ型 黒陽」
黒陽で部屋の壁を、天井を全て消し飛ばす。 遮るもののなくなった空間に暖かな陽光が降り注ぐ。
「・・・は? ・・・・・・ッ、ギャァァアアアアア!!!! 熱い熱い熱いィィィィィ!!!!!!」
「あらあら、こんなにいい天気なのに。 哀れだねぇ」
「いやだ! しにたくない!! こんなふざけたやつに殺されるなんていやだァァァァァァァァァ───・・・」
そうして泣き叫びながら鬼は焼失した。 これじゃどっちが悪役か(以下略。
何はともあれ、これにて初任務は終了。 壊した屋敷については・・・ま、隠がなんとかしてくれるだろ。
剣士が気にするようなことじゃない。 鬼狩りに犠牲は付き物だ。
「璃空、次の任務は?」
「カァ、次ノ任務ハ南ノ街! ソコデハ老人ガヨク謎ノ失踪ヲシテルト噂ニナッテマス」
「オーケー、急ごう。」
次の目的地へと向けて歩き出す。 まだまだ剣士の道は始まったばかり。
風叢さんの年齢は37歳です。 若い。
なんでアンタ育手やってんの? 全然余裕で前線張れる強さしてるよ?
ちなみに風叢さんの実力はこんな感じ → “甲”時代の実弥<<(越えられない壁)<<風叢≦“柱”(柱稽古後痣無し)の実弥
なんでアンタ育手やってんの???
ぶっちゃけ鬼の仲間化ってアリ?(オリ鬼、原作鬼問わず)
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好きにしろ
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鬼だって救われるべきだ
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悪鬼滅殺、慈悲はない