緋弾のアリア 狂牙の武偵   作:セージ

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96話<後夜祭>

文化祭2日目、夜

 

文化祭も終了しキンジ達は体育館にて打ち上げという名の闇・・・武偵鍋の準備に取り掛かっていた。

武偵鍋、各自食材を持ち寄りそれをまとめて煮る、ぶっちゃけて言えばごった煮だ。

チームの親睦を一層深めるためにも毎年必ずチームごとで行わなければならない慣習らしい、そこまではいいんだが問題はその中身・・・

予め普通に鍋に入れる具材を持ち寄る当たり担当、普通は鍋に入れる物じゃない具材を持ち寄るハズレ担当、この二つに分け、なおかつ持ち寄る具材は同じ担当者であろうと直前まで伏せる事になっており誰が何を持ち寄るか全くの不明なのだ・・・

 

・・・やっぱし言い直そう、ただの闇鍋だ・・・ほんと誰がこんな慣習考えたんだかな・・・

 

ちなみにベースとなる出汁は凛香が作ってくれた。一応チームメンバーではないので逃げるようには言ったのだが固辞されてしまった。救急箱を片手に「・・・医者がいた方がいいでしょ?」の台詞がトドメだった。確かにいてくれた方がいい・・・

 

なぜなら・・・

具材の当たり具材はキンジ、氷牙、白雪と無難な面子が揃ったのだが・・・

外れ具材はアリア、レキ、理子と何を持ってくるか想像もつかない面子が揃ってしまったのだ・・・特に理子・・・あいつは何を持ってくるか想像もつかん・・・

 

 

 

 

「おいキンジ、そろそろ具材入れるぞ?いつまでも寝てないでいい加減起きろ」

「いや・・・無理・・・」

キンジは先程から鍋の前に死体のように横たわりぐったりとしたまま口だけを動かして返事をした。

「情けねえな?2日間フルに働いたくらいでへこたれやがって・・・中小企業にお勤めの社畜さん達はこんな生活を365日ほぼ毎日過ごしてんだぞ?」

「俺が動けないのは・・・お前の八つ当たりのせいだろうが・・・おまけにクラス全員、俺を生贄に差し出しやがって・・・」

そう言ってアリアや白雪、理子を睨むが3人共ばつが悪そうに眼を逸らした。

「それは悪かったわよ・・・氷牙もせっかくのデート邪魔したのは本当に悪かったけど仕方が無かったでしょ・・・」

 

「あのなぁ・・・言っとくが戻った後大変だったんだぞ・・・

俺はシェフやパティシエのおっさんたちに「ぜひわが店に・・・いえ!私を弟子にしてください!!」って土下座されるし・・・

レキは製薬会社の社長たちから「ぜひわが社の専属研究員に!!契約金は言い値で払います!!」って詰め寄られるし・・・

凛香に至っては危うく「ぜひわが団体に祝福を!!決してご不快な思いはさせません!!」とか言って強引に連れ去られる所だったんだぞ・・・」

「後、レキと凛香の所には途中からレコード会社とアイドル事務所のスカウトも混じってたわよね?あんたたち何したの?」

「・・・まあ・・・いろいろあってね・・・」

「大したことではありません。気にしないでください」

まさかあの会場にアイドル事務所の関係者がいたなんて・・・レキなんか夏休みの時にもスカウトされたからな・・・尚更目を着けられそうだよ・・・

 

結局、シェフ・パティシエのおっさんたちには俺がレシピを叩きつけて追い返し、製薬会社の社長達にはレキが特許を譲ってお引き取り願い、宗教団体の連中は凛香が力を使ってお帰りいただき、レコードやアイドルのスカウトはどう見てもスカウトには適任じゃない強面な顔と目をしたでかいおっさんが「せめて名刺だけでも・・・」と言ってきたので受け取ってお引き取りいただき、キンジには呼び出してくれた礼に台湾式マッサージを電気治療付きでしてやった。

よっぽど嬉しかったのか悲鳴にも近い歓喜の声を上げてやがった。周りのクラスメイトにすがるような視線を送っていたので「代わりにやってほしい奴でもいるのか?」って聞いたらクラスメイト全員がキンジに合掌して頭を下げていたがなんだったんだろうね?

意味が分かんないからついでに整体と柔軟体操もしてあげました。キンジが静かになって白目向いてビクンビクンと痙攣始めて泡吹いたらみんな真っ青な顔で震えたけどね。

「そういえばあの後、客が武偵校の関係者以外全然入らなくなったけどどうしたんだ?流石に食材が尽きて完売したのか?」

「お前の八つ当たりのせいだよ・・・あの拷問のせいで一般客が寄り付かなくなって開店休業状態になっちまったんだよ・・・」

「拷問とは人聞きが悪いな?ちゃんと体もほぐれたし疲れも取れただろ?それに誰も何も文句なんて言わなかったじゃねえか」

確かに腕は確かだったようで終わった直後、痛みは嘘のように消えていったし二日間の疲れも消えた。それどころか頭も冴えて気分も体調も絶好調そのものになった。体を動かす気力は欠片も残ってはいなかったがな・・・

それに客が来なくなって開店休業状態になってしまっても誰も何も言わなかった・・・触れたところで藪蛇以外の何でもないし・・・

 

「それに売り上げはトップだぞ?ならいいじゃねえか。終わりよければ全て良しだろ?」

俺達は本当に今年度どころか歴代1位の売り上げを叩きだしてしまったのだから・・・

 

 

 

 

事実、結果発表の時も

 

『次にCVRによるミュージカルの売り上げが・・・

チケット売り上げ総額700万円、

グッズ売り上げ利益、総額800万円、

総額利益1500万円になりました』

 

「一千万越えか流石に例年の優勝候補だな」

 

「貰いましたの―!!今年も優勝いただきですのー!!」

 

どこからか歓喜の声が聞こえるな

「あれって確かあかりのとこのCVRだっけ?」

「ええ、CVRインターンの島麒麟、正確にはあかりの友達の戦姉妹よ」

「まだ最後まで発表してないのにせっかちな奴だな?」

「まあ当然でしょー?例年の優勝筆頭だしもう9割方発表してるのに2位以下を遠く離してるからねー」

 

確かに・・・他の連中も「今年もあいつらの優勝か・・・」という雰囲気になっているな・・・

 

『最後に・・・2年生変装食堂の成果を発表します・・・』

 

「お、最後に俺達か」

てか司会、急に声にテンションっつーかやる気が無くなってないか?

だがそんな疑問もお構いなしに司会は「とうとう来ちまったか・・・やだなぁ・・・」って顔をしながら感情のない声で淡々と成果を読み上げた

 

『・・・まず飲食物利益が総額500万円』

 

材料費抑えた分価格も抑えたからな・・・おまけに2日目は途中で閑古鳥、そりゃ利益もこんなもんか・・・

 

優勝は決まったか、皆そう思ったが―――

 

『続いて・・・グルメ雑誌や食通やパティシエ、シェフの方々からの九狂さんへの取材、及びレシピ譲渡に対する謝礼が総額1500万円・・・』

 

「「「「「「「「「「「「・・・え?」」」」」」」」」」」」

 

その場にいた全員が一斉に固まる

 

『・・・宗教団体から姫神さんへのお布施が・・・総額3000万円・・・』

 

「「「「「「「「「「「「・・・・・・・は?」」」」」」」」」」」

 

やがて全員がゆっくりと振り返り視線を壇上から氷牙達へと移す

 

『・・・・・・製薬会社からレキさんへの特許料が・・・総額1億円・・・』

 

「「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」」

 

「・・・・・・・・ちょっと・・・氷牙?」

アリアが唖然とした顔をしながらも問い質す

「あの後、追い返した連中が謝礼とか何とかで勝手に置いて行ったんだよ。折角の3人でのデートを台無しにしやがった迷惑料代わりに貰っといたんだが・・・どうやらあれも変装食堂の利益に換算されたみたいだな」

 

『・・・総額利益1億5000万円となり・・・以上の利益から今年度の優勝は2年、変装食堂に決定しました・・・』

 

例年なら優勝が決まった時点で拍手が鳴り響くものだが・・・今、周りは通夜のように静まり返っていた・・・

CVRの連中さえも楽勝でぶっちぎる利益を出してしまい・・・誰もが開いた口がふさがらなかった・・・

そして優勝を発表した司会も言う事を全部言い終えると「やってられるか・・・」とさっさと引っ込んでしまった。そりゃあこんなに大差付きすぎてれば司会もやる気無くなるわな

 

「納得できませんのー!!」

麒麟が叫ぶが皆唖然としているため誰の耳にも入ることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「理子の言う通りだったな、勝負は僅差で勝ってこそ面白い。いきなりエースなんて確かに場が白けるな」

「だよねー、言っちゃなんだけどひょーたん一番手でロイヤルストレートフラッシュ出したようなもんだよ?」

「ああ、おかげで場が白けるどころか冷めきって凍り付いたな」

というか今思えば二つ目以降の収入って変装食堂の利益なのか?どちらかと言えば氷牙達個人の収入じゃないのか?

そう思ったがそのことについても誰も触れなかった。何度も言うが触れたところで藪蛇でしかないし・・・せっかく優勝できたんだ。なら黙っていた方がいいだろう・・・

「ちなみに当然だけど売り上げ歴代記録もぶっちぎりで書き換えたよねー」

「アドシアードの時といい・・・本当にお前何かあるたびに何かしらの金字塔立てていくな・・・」

キンジも横たわりながらジト目で俺を見て来るが

「お前にだけは言われたくねえよ・・・それに俺だって好きで立ててるわけじゃねえよ・・・」

 

そう話しているうちに鍋が沸騰したので

「っと出汁も出来たし、そろそろ始めるぞ?みんな持ってきた具材入れろ?」

そう言うとまずは当たり担当から、キンジ・・・はまだ動けないので白雪が代わりにキンジが持ってきた豚肉を入れ、自分が持ってきた野菜も入れ、最後に氷牙がつみれと豆腐を入れる。

 

続いてハズレ担当が具材を投入する

「あたしはこれよ・・・」

アリアは・・・ももまんか・・・中の餡が溶け出したら最悪だな・・・

「私はこれです」

レキは・・・ありゃカロリーメイトか。つーかあれも溶けたら最悪じゃねえか!!

てかお前等、せめて湯に溶けない物選んで来いよ・・・

 

そう思っていると

 

「甘い・・・」

 

「え?」

理子がいきなり立ち上がるとアリアとレキをビシィッと指をさし

「アリアもレキュも甘い!!甘すぎる!!!チョコケーキのように甘すぎるよ!!!それでハズレ!?片腹痛いよ!!」

と説教してきた。

 

「ほう?そこまで言うなら理子はそれほどの物を持ってきたんだな?」

氷牙がそう聞くと理子はニンマリと笑うと

「よくぞ聞いてくれました!!理子がハズレの手本を見せてあげよう!!!」

そうもったいぶると理子はなぜか袖まである長ゴム手袋とゴーグルとガスマスクをしてからカバンから密封パックに入ったしなびたトマトのような赤い実を鍋にドポドポといれた。

「ちょっと!?目が痛いんだけど何入れたの!?」

「おい理子・・・それってまさか・・・キャロライナ・リーパーじゃね?」

「うん、正解!!」

 

キャロライナ・リーパー、世界一辛い唐辛子として2013年にギネス認定された代物でそのスコヴィル値(辛みを感じなくなるまで砂糖水で薄めた時の希釈倍率)はなんと220万!!直接口に入れようものなら即気絶、下手すれば死亡レベルだ・・・理子はそれを丸々20個以上は入れやがった・・・

 

「それどう見ても入れすぎだろ!!これじゃあ辛すぎて食えねえよ!!」

「大丈夫!これで中和するから!」

そう言って再び鍋にざざーと入れたのは・・・

「おい・・・ネオテームって書いてあるぞ!?」

 

日本で食品添加物として承認されている甘味料の中で最も甘い(というか2008年には世界一甘いと認定された)甘味料で、その甘さは砂糖の1万倍!!、直に舐めたら甘すぎて舌が麻痺するぞ・・・

 

「さらに世界一――」

「言っとくがシュールストレミングとか出しやがったらまたケツ蹴っ飛ばすぞ!!」

氷牙がそう言うと理子はピタッと止まった

 

「・・・だめ?」

そう尋ねながら本当に鞄からパンパンに膨らんで変形したシュールストレミングの缶詰を出した

「当たり前だ!!そんなもん室内で開けたら大惨事になるだろ!!」

 

主にスウェーデンで食べられている缶入り食品で。ニシンを塩漬けにして缶の中で発酵させた漬物の一種でその強烈な臭いから世界一臭い食べ物とギネス認定もされている。

だが何よりも恐ろしいのは殺菌処理等が一切行われておらず、缶詰にされてもなお発酵を続けているため開封すると缶が膨らんでしまう程に発生し続けるガスが汁と共に噴出して臭いが広範囲に拡散するため間違っても室内で開けようものなら大惨事になる。

 

そう言われると理子も渋々と缶詰を鞄にしまい

「じゃあこれで我慢するー」

代わりに無色透明の液体が入った小瓶を取り出すとその中身を全て鍋の中へと投入した。

 

「・・・ちなみに理子?それは何だ?」

「デーナートーニウムー♪」

タヌキ似の某ネコ型ロボットのように返答した。

「お前それ世界一苦い化合物じゃねえか!!」

 

世界一苦い化合物としてギネス認定もされていて、一応は食品添加物として認可はされているがその用途は子供が誤って飲み込んでしまわないように口に入れると強烈な苦みを感じさせて吐き出させるために添加するものであり、つまりは食べてはいけないものに添加する食べれないようにするための代物なのだ・・・

 

「食えなくするために作られた添加物入れてどうすんだよ!!世界一の辛さと甘さと苦さが混ざってるって最悪じゃねえか!!」

「えー?臭くないだけいいじゃん」

「良くねえよ!!そもそもこれ最後は食わなくちゃいけないのわかってんのか!?」

氷牙が尋ねると理子はピタッと固まった。そして次第にダラダラと汗をかき始めた。

 

こいつ・・・やっぱり何も考えてなかったのか・・・

 

「り、理子ちょっと用事を・・・」

「バックレてもいいけどそうしたら蘭豹と俺に地の果てまでも追われて捕まればボコボコかボロボロにされるぞ?逃げ切れるプランと確信はあるのか?」

「諦めろ理子・・・お前が蒔いた種だ・・・」

調子に乗りすぎたツケを払わせようと追い詰めていると

 

 

 

「何じゃ、皆ここにおったのか」

武偵校の制服を着て頭には狐耳の形に盛り上がったニット帽をかぶった玉藻がやってきた

 

「「た、玉藻様!?」」

 

白雪と凛香は突然の来訪に驚いたようだが

「あ、玉藻じゃねえか?いきなり来て何か用か?飴ならないぞ?ネオテームならあるけどな?」

氷牙は何てことも無く何か用かと尋ねた。

「ねおて?何じゃそれは?というよりも神相手に相変わらず無礼な男じゃの・・・まあ良い。お主に礼儀など期待しておらんしのう」

そう言いながら相変わらず毛皮の敷物みたいにうつ伏せに突っ伏しているキンジの背中に腰かけた。

「おい・・・勝手に人の上に座るな・・・」

「神輿が無いからお主の背中で我慢してやっておるのじゃ、神にくっつかれると運気が上がるぞ?ありがたく思わんか」

楽しそうな顔でキンジの背中に乗っかりながら頭をぺしぺしと叩く玉藻に

 

「た、玉藻様!!お久しぶりです!まさか来られるとは思わず何の準備も無くて申し訳ありません!!」

白雪は床に這いつくばるように土下座をした。つーか凛香も正座して頭を低くしているよ・・・

「よい、二人共面を上げい。久しいのう星伽の白雪。相変わらずの謝り癖の様じゃが琴は上達したか?自転車には乗れるようになったか?」

「そ、そんな・・・もう何年も昔の話をされないでください・・・」

「わしにとっては昨日の事にも等しいわ。それに神姫も久しいの、いきなりこやつの元へ行くと言った時にはどういうつもりかと思うたがまさか嫁ぎに行くとは思わなんだ」

「は、はい・・・私も最初は傍に居たかっただけだったんですが気が付けば側妻になっていました・・・」

「よい、お主がそう望んだ事ならばわしが口をはさむことではない。それに元々お主は悪魔との共存派で人を介して悪魔との絆を結ぶ架け橋であろう。まこと良きかな、遠山侍と星伽巫女が同い年で悪魔の血を引く者と神の血を引く者がこうして結ばれてるとはのう。どうじゃ二人共、もうこいつ等と子供は作ったか?」

 

「「「「えっ!!??」」」」

「「はぁっ!?」」

 

今、会話の最後にさらっととんでもない事を言わなかったか!?

 

「お、お前何言い出してんだよ!!んなもん作るか!!」

「そ、そうよ!!あんた何言ってんのよ!!私たち学生よ!!子供なんて作るわけないでしょ!!」

「何じゃ?まだなのか?お主らとうに元服はしておろう?世継ぎの一人や二人おらんでどうするのじゃ」

「昔と違って今のご時世そんな晩飯作る感覚で子どもなんか作ってたまるか!!」

キンジはもちろんアリアも顔を真っ赤にして怒鳴りつけるがそれが普通の反応だ。普通の反応なはずなんだ・・・はずなんだが・・・

 

「そ、そんな私は・・・で、でもキンちゃんが望むなら何時でも何十人でも・・・」

「ずるいずるい!!雪ちゃんが作るなら理子も―!!キー君と一緒に愛の結晶作るー!!」

「わ、私まだ子供なんて・・・あ、で、でも・・・もしかしたらもういるのかな・・・?」

白雪は真っ赤にした顔を両手で覆って指の隙間からキンジを見つめて、理子は便乗してキンジに抱き着いて、凛香は顔を真っ赤にして下を向いてお腹を抱えた。

いや、凛香は確かに可能性はあるけど・・・

 

そんな3人を見て玉藻は顔をにやけさせると

「どうやら九狂のは既に仕込んでおるようじゃな、遠山にも既に妾になりたがってる者がおるではないか、据え膳食わぬは男の恥じゃぞ?」

「残念だな、俺は据え膳は食わない男だ!!」

「まったく甲斐性の無いのう、ウルスの巫女もどうなんじゃ?子供は作ったか?」

「問題ありません、たとえ明日にでも発覚しようと既に産み育てる決意は出来ています。出来る事なら最初は女の子を希望しますが男の子でも全身全霊の愛情をもって育てていきます。どちらの名前も考えてありますので備えは万全です」

「そうかそうか!ならば安心せい、もし出来た時はわしが最初は女子が生まれる様に縁起をかけてやろう!」

お前・・・そういう問題じゃ無えだろ・・・まあそん時は何があろうと絶対に責任取るに決まってるけどよ・・・

 

「・・・で?いい加減話を戻すが結局お前何しに来たんだ?てかなんで武偵校の制服なんか着てるんだ?」

とりあえず玉藻は後でシメてやるとして今は話を戻そう・・・じゃないと何も進まない・・・

 

「うむ、お主らがヒルダを討ち取って殻金を一つ取り返したと聞いての。それをアリアに戻すためにこうして来たのじゃよ。因みにこの服装はここの生徒に見えるようにじゃ、普段の格好では目立つようじゃからの」

「・・・言っとくがその格好とキンジの上に座ってあんな話題振った事で逆に目立ってるぞ?」

周りを見ればちらほらと玉藻を見る視線と話声が聞こえてきた

 

「おい、キンジの上に座ってるあの子なんだ?」「なんか子供がどうとか言ってるけど・・・まさかキンジの子?」「流石に年齢的にあり得ないだろ、小学生くらいか?」「でもインターンの制服着てるぞ?」

 

 

 

「これじゃあ落ち着いて話が出来ないな・・・」

「あ、それじゃあまた私が・・・」

「いや、俺がやる」

氷牙は周りのクラスメイトに顔を向けると

「あー・・・みんな気にするな!こいつはインターンの子で・・・キンジの新しい女だ」

「お、おい!お前何言ってんだ!?」

そう言うとキンジは驚くが

 

「ああ・・・やっぱりそうか・・・」「またかよ・・・これで何人目だ?」「チッ・・・なんであいつばっかり・・・」「あいつやっぱりロリコンだったか・・・」「インターンとはいえあんな小さい子の尻に敷かれるって完全にアウトじゃないのか?」「遠山?今更お前のたらしにとやかく言わないが警察の厄介になることはするなよ?」

 

皆、あっさりと納得してそれぞれの歓談に戻っていった。

 

「九狂の、わしは何時遠山の女になってしもうたのか?」

「お前の気が向いたときにだな、まあ今更一人二人増えても減っても何も変わらねえから何時何番目になっても何も問題ねえだろ、ただし来るもの拒まず去る者は逃がさずな奴でも構わなくて、自分から攻め込める女であることが条件だな」

「そうか、今代の遠山侍は甲斐性の無い癖に懐は広いのう。そういう事ならわしも何番目になろうと問題ないぞ?」

「問題大有りだよ!!俺の社会的信用と名誉に大打撃じゃねえか!!」

「お前の社会的信用?これ以上傷つきようなんてあるのか?それこそ今更じゃねえか」

キンジは異議を訴えるがいつも通り軽く流されてしまった。

 

 

玉藻も氷牙を指すと

「それと用があるのは主にもじゃ」

「は?俺にもか?」

「お主の存在についても説明しておこうと思うてな。お主らがヒルダを討ち取っても他の眷属が攻めてこないのは他の連中がヒルダを見捨て、儂がこのあたり一帯に結界を張り巡らせているという事もあるが・・・一番の理由はお主じゃからのう」

「いやだからどうして俺が一番の理由なんだよ?」

「黙って最後まで聞かんか!それを今から説明してやるというんじゃ。前にも言ったがお主はこの戦役において自分がどれだけ大きな存在か分かっておらん。

儂はかれこれ800年幾多の戦役を見届けてきた。じゃがそんな戦役の中でもたとえ人間との混血であろうとも悪魔の血を引く者がこの戦役に参加するなどほとんど無い。

そしてヒルダは元より戦役の開戦前にお主が藍幇の連中に、そして何よりもイ・ウーにどんな事をしてきたか今更知らぬ奴などおらぬ。

イ・ウー本拠地を沈めて壊滅に追い込み、シャーロックと刺し違えてなお生き延び、ブラドを、ココを、ヒルダを倒した実績を持ち、悪魔の血筋という不確定要素まで持っておるんじゃ。お主の戦力は正に未知数、下手に手を出せば奴らの二の舞、三の舞になってしまう。そんな理由もあってうかつに手を出そうとはしないんじゃよ」

 

「確かによく考えてみればあんた・・・とんでもない事を何度もやらかして、とんでもない奴らをことごとく叩きのめしているのよね・・・」

「言っとくがお前等だって片棒担いでるんだぞ?・・・っとまてよ?悪魔が出て来る事はほとんど無いって事は一応前例はあるのか?」

「うむ、記録では2000年前に一度純血の悪魔が参戦したことがあったそうじゃ」

「2000年前って西暦始まったばかりじゃねえか・・・まさかイエス・キリスト辺りと喧嘩してたのか?」

「いいや、そ奴は『無所属』を通し自分から手を出すことは無かったがお主と同じように自分の大事なものに手を出す者には欠片の容赦もすることなく殲滅したと聞く」

「大事なもの?そいつが大事にしていたものってのは何だ?」

「人じゃよ」

「人?俺みたいに嫁とか親友とかそういうのか?」

「そうじゃ、そ奴はお主のように人を愛し、人を慈しみ、人を守るために剣を振るった。そしてその戦歴は・・・驚愕の一言に尽きた」

「驚愕?何したんだ?俺みたいに事あるごとに建物や道路半壊させたのか?それとも山の地形でも変えたのか?」

 

「最終的に・・・国を一つ滅ぼしおった・・・・」

 

「「「「「「「・・・は?」」」」」」」

 

「悪い・・・もう一度言ってくれねえか?」

「何度言おうと変わらん。国を一つ滅ぼしおったんじゃよ。当時はまだ雑兵の戦用も禁じてはおらんかったからの。無関係の人間を巻き込んでの戦闘も当たり前の行われておった。そ奴はそんな奴らから人を守るためにたった1人で『師団』『眷属』両方と戦い続け。最後は国民すべてを強制徴兵して総力戦を行おうとした当時の大国にたった一人で殴り込み。その国の歴史に幕を下ろしおったそうじゃ」

「俺も人の事言えんが・・・・何やらかしてんだよ・・・」

まあ俺だってレキが殺されたと思った時には藍幇の奴等中国ごと滅ぼしてやるつもりだったけどよ・・・

 

「その出来事をきっかけにたった1人で大国を滅ぼし『師団』『眷属』両方と戦い続けられる戦力を持つような奴を相手に出来んと、かの者がいる間は無期限の停戦をすることに合意し、次の戦役が始まる頃には雑兵の戦用を禁じる項目が最優先に作られおったそうじゃ」

「因みにその悪魔はその後どうしたんだ?」

「わからぬ、記録によれば停戦が結ばれると同時にそ奴は舞台から姿を消し、その後の消息は一切不明じゃ。基本的に神や悪魔に寿命は無い。殺されておらぬ限りはどこかで生きておるはずじゃが、おそらくもう生きてはおらぬじゃろうな・・・」

「何でだ?国一つ滅ぼせるような奴ならそう簡単に殺されないっつーか殺せる奴なんていないだろ?」

 

玉藻は氷牙を指すと

「その悪魔は3振りの魔刀剣を使っておったそうじゃ。そしてお主が使っている刀、闇魔刀はその悪魔が使っていた内の1振りなんじゃよ。他の2振りの武器は同じく消息不明、その刀に関しても何故お主が持っていたのか今となっては確かめる術はない。じゃがその刀は少し前までは主を失くし折れておった・・・ならそう考えるのが当然じゃろ?」

「確かにな・・・だけど、物心着いた時にはこの刀が手元にあって今は俺を主と定めているならもしかして俺はその悪魔と・・・」

「可能性はあろう、じゃがそれも今となっては確かめる術は無いじゃろう?」

「そうだな・・・ま、情報ありがとよ。なかなか有益なこと聞けたよ」

「礼は形で示せ、情報料も・・・いや待て!!」

いつかのように賽銭箱を前に出そうとした所で止まった。

 

「金は要らぬ!!何か別の物で出すのじゃ!!また額にぶつけられてかなわぬからの!!」

賽銭を要求した時に額に思いきり500円玉を叩きつけられたのが軽くトラウマになっているのか氷牙に金銭以外を要求した。トラウマあってもきっちり要求するあたりはいい根性してるな

 

「そうか、じゃあこれ食うか?俺達特製の武偵鍋だ」

「うむ!頂こう!」

そう言って氷牙は鍋からキラキラと白い結晶が付いた白い膜のような物に包まれた赤い実を器に盛ると玉藻に差し出した

「お、おい氷牙・・・それは・・・」

それが何なのかよく見てみると大体わかった・・・デナトニウムが溶け込んだ出汁をたっぷり吸いこんでふやけて溶けだしてしまったももまんとカロリーメイトが上手い事キャロライナ・リーパーを包んでその上から結晶化したネオテームでコーティングされたものだ・・・

ネオテームは水に溶けにくいから溶けなかった分は結晶化して張り付いたんだな・・・

玉藻も初めて見るそれを疑問に思いながらも口に放り込むと

 

「むふぉ!?」

驚いて目を見開いた

「何じゃこれは!?下がしびれるほどに甘い!!こんな甘いものを食べたのは初めてじゃ!!」

「そうか、よく噛んで食えよ?そのうち天国から地獄が見えるからよ」

「?どうゆう意味じゃ?」

疑問に思いながらも咀嚼してゆく。

ある程度咀嚼してゆくと玉藻はピタリとまるでビデオの一時停止を押したように止まった。

 

やがて玉藻の顔が次第に青ざめていき・・・

「ぐむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!??」

玉藻は口を抑えながら各チームに常備されてるバケツに顔を突っ込んで吐き出した。そりゃあハズレ具材によっちゃあ悶絶したり吐き出す奴だっているからバケツの一つや二つ備えられてるよ・・・

あれはデナトニウムの苦さが来たな・・・無理も無い、あれは口に入れても吐き出させるために作られたものなんだから・・・

 

 

だがそれだけでは終わらなかった。

今度は首から頭頂部にかけて赤くなってゆく

 

最後にキャロライナ・リーパーの辛さが来たな・・・

なんか熱湯に入れた水銀温度計みたいだな・・・確かあれもどんどん上に登ってやがて天井に届くと・・・

 

――ボォンッ――!!

 

玉藻の顔も頭頂部まで真っ赤になると頭上が爆発して帽子が吹っ飛んだ。

そう!てっぺんが爆発するんだよ!!

 

「ぐうぉぉぉぉぉぉォぉォぉォぉォぉォぉ!!!!!!!!!」

 

玉藻は雄叫びを上げながら地面を転げまわるように暴れまわった

激甘から一転、激苦に加えて激辛が重なったんだ。甘さは辛さを引き立てるからな・・・感じる辛さは想像を絶するほどだろう・・・

 

「お前・・・いくらなんでも酷過ぎるだろ!」

流石にキンジも起き上がると転げながらごんっ、がんっ、と床に頭を撃ち続ける玉藻に

「ほ、ほら!水だ!!」

水を差し出し、玉藻もそれを奪い取るとボトルを逆さまにして浴びるように飲み干した。

「あ、バカ・・・」

そして飲み終えると・・・

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!」

 

一層強い雄たけびを上げ

 

「ア゛ッ゛ッ゛・・・・・・・」

 

死んだ・・・

 

「え?え?おい玉藻!?しっかりしろ!?」

「あーあ・・・それただの水だろ・・・」

「え?」

「唐辛子に水は逆効果なんだよ。余計に辛さを感じるぞ・・・」

 

唐辛子の主な辛み成分であるカプサイシンは脂溶性で水には溶けにくいです、なので水を飲むと舌が洗い流されて辛みが広がり、より鮮明に広く辛さを感じてしまい逆効果になります。緩和するにはヨーグルトやレモネードなど酸味のある物が効果的です。また事前に牛乳などを飲んで予防するのもいいでしょう。尤もキャロライナ・リーパー相手にそれが通じるかは不明ですが・・・

 

「これで俺達、神殺しか?てか凛香?神も死ぬときは死ぬのか?」

「・・・神様も不死身っていうわけじゃあないけど・・・少なくともこれで死んだりはしないよ・・・」

「じゃあほっとけばいいか。さっさとそれ捨てて新しく作り直すぞ」

そう言って氷牙は玉藻以外誰も手を付ける事のなかった闇鍋を鍋ごと処分すると新しく作り直した。

ちなみに玉藻は氷牙が鍋を作り直している間に凛香とレキが連れて行った。気絶しているだけで寝かせておけば目が覚めるそうだ。

 

そして作り直している途中で

 

「あ」

 

ある事に気が付いた

「氷牙?どうした?」

「今になって気が付いたけどそういえばその悪魔の名前聞きそびれたな・・・」

まあ、知ったところで今は意味のない事だし、今から聞いても多分教えてくれないっていうか答えられないだろうな・・・それに・・・

 

 

 

 

 

――ヒュッ――‼

 

 

 

氷牙は鍋の蓋を斜め上に投げると

 

 

 

 

 

 

 

――バァンッ――!!

 

そこに先端に錐の様なものが付いた長方形の布のような物が飛んできて鍋の蓋を真っ二つに割った

 

「「「「「――っ!!??」」」」」

 

「・・・やっぱり神に嫌われてるのか・・・どうも運は良くないらしい・・・次から次へと厄介事が尽きないな・・・」

「こいつは・・・布槍か!?誰だ!?」

「さあな?とりあえず敵なのは間違いなさそうだ」

上を見上げれば栗色のボブカットに赤いヴァイザーを掛け、体も黒のアンダースーツの所々にプロテクターを着けて何本もの刀剣を装備したまるでターミネーターのような出で立ちの少女がいた。

 

氷牙はMP5Kを少女に向けると

「で?お前誰だ?眷属の連中か?」

 

尋ねるも少女は氷牙を興味無さそうに見下すと

「・・・邪魔ぁ、私の標的はお兄ちゃんに近づく女だけ。お前には興味ない」

「お兄ちゃん?キンジ、お前に妹なんていたのか!?てかいきなり襲撃ってお前の妹はヤンデレなのか!?」

「そんな馬鹿な!!俺には兄さんしかいないはずだ・・・お前は誰だ!?」

突然現れたキンジの妹を名乗る少女に疑惑ばかりが浮かび上がるが少女はそんなことは知るかというかのように

 

「お兄ちゃんに近づく女はぁ・・・全殺し!!」

背中に背負った筋のように蛍光ブルーの発光が走る、氷牙のレッドクィーンにも引けを取らない大剣を軽々と振り回すと飛び降りてきた。

 

「そうかよ、じゃあお前は敵だ。敵は・・・ぶっ殺す!!!」

応戦するように氷牙はレッドクィーンを手に飛び上がり

 

――キンッ、キンキンッ、キキンッ――

 

空中で3度、4度と切り結び

 

「――ッ!!」

 

氷牙は表情を変えると

 

――ガァンッ――

 

右腕で大剣を受け止めると左手のレッドクィーンで少女を押し返した。

 

そして氷牙も床に着地すると

「キンジ、退却しろ・・・あいつ冗談抜きで強いぞ・・・」

「え?――ッ!!」

氷牙はレッドクィーンに目をやったのでキンジも同じようにレッドクィーンを見ると

「なッ!?嘘だろ!?」

レッドクィーンを見ればその刀身には切り結んだ数だけの切込みが入っていて、右腕も刃が通ったのか斬られた傷が出来ていた

「あの刀も、ただの刀じゃねえな、高周波ブレード・・・いや単分子振動刀か?先端科学兵装を使いこなしている・・・分が悪いぞ・・・」

氷牙の顔には汗が垂れていた。あいつがそこまで狼狽えるなんてシャーロック以来だ・・・

「あいつは俺が相手するからお前はアリア達連れてレキや玉藻と合流しろ!!」

「お前、また一人で殿をする気か!?バカ言え!2度もお前を置いて行けるか!!俺も加勢する!二人がかりなら何とか―――」

「お前あの女を殴れるのか!?撃てるのか!?そんな台詞はそれが出来るようになってから言え!!」

「――ッ!!ヤバくなったら迷わず逃げろよ・・・」

キンジもそれを言われてしまっては前科もあるためか反論できず従わざるを得なかった。

 

「逃げる算段してるみたいだけど非合理ぃー。お前なんてどうでもいいけど邪魔するなら容赦しない、それにお兄ちゃんをたぶらかす女は一人だって逃がす気なんかないよ!!」

そう言って再び飛び降りて襲い掛かってくるが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フォォォーーーースッッ!!!何してんだァァッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワラキアの魔笛のような体の底から震わせる威圧が混じった叫びが響くと少女はピタリと止まりそのまま俺達の前方に着地した。そして心なしか顔を青くして震えている・・・無理もない・・・俺だってあんな身を震わせる威圧喰らったのは金一さん以来だ・・・

 

「じ、GⅢ・・・でも・・・」

フォースと呼ばれた少女が上を見るとジジッ・・・という音と共に天井に誰かが現れ始めた。あれは・・・光屈折迷彩!?それにGⅢってことは・・・

 

「初撃が止められた場合は速やかに作戦をプロセスγに移せと言ったはずだ!!言う事が聞けねえのかぁ!?」

「ごごめん・・・少し勢い着いちゃって・・・」

 

あの派手なフェイスペインティング、そしてピエロのような派手な装い。見間違うわけが無い。というよりあんな派手な奴この世に2人といない。

「何だGⅢじゃねえか?久しぶりだな?」

「九狂氷牙。お前も何遊んでんだ?お前が本気になればフォースなんぞ返り討ちだろうが?」

「・・・・確かに本気でやれば勝てる。けど俺は武偵であるためには本気になるわけにはいかなくてな?」

「ハッ、しばらく見ねえうちに随分甘くなったな?会議で会った時のお前はもっと狂気が溢れていたぜ?」

「かもな?まあ、こいつが本当に手を出していやがったら少なくとも今頃五体満足ではいないだろうな?言っちゃあなんだが・・・お前こいつの奇襲失敗するの見越していただろ?俺とお前、何処か波長が合ってるのか、お前の考え・・・何となく察しちまうんだよ」

「どうだろうな?まあどちらにしろ奇襲は失敗だ。これより俺達はプロセスγに移行する。フォース、お前は落ちこぼれ同士こいつとHSSを使いこなせるようにしてこい」

 

そしてGⅢは徐々に透明になり消えていこうとしたが

「GⅢ、ちょっと待てよ!」

呼ばれるとGⅢは消え続けながらも氷牙に目線を向けた

「あのウォークマンいい曲詰まってたぞ?お前いいセンスしてるじゃねえか?」

あの時と同じようにまたしても氷牙が空気を読まずにそんなことを言うとGⅢも口元を吊り上げて笑みを浮かべると

「それを言うならお前等が昼間に歌っていた歌もなかなか心に響いたぜ?」

「何だ聞いててくれたのか?そりゃありがとよ。お前は気が合いそうな奴だけど敵なのが本当に残念だよ」

「・・・・・・俺もだよ」

そう呟くとGⅢは消えていった。

 

「じゃあまたね、お兄ちゃん。先に帰ってるね?」

そしてフォースもキンジに笑顔でウィンクすると天井まで跳び上がり引き上げていった

 

 

 

 

 

 

 

 

が・・・

「・・・でも帰る前に・・・ゴミは片付けて埋めないとね!!」

そう言って去り際に何かをばらまいた。

 

あれは・・・・・・M67手榴弾!!それも10や20じゃない!!

 

「――ッ!!伏せろ!!!」

氷牙がMP5Kで撃ち爆発させるがその爆炎の先から

「マジかよ・・・ヤンデレにも程があるぞ・・・」

角切りに切り取られた天井が降り注ぎ、アリア達は下敷きになってしまった・・・

 

 

 




舞台は次の日常へと移ります

最近1万字を超えての投稿が多いですが書くのに1か月以上かかるから筆は遅いですね・・・
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