緋弾のアリア 狂牙の武偵   作:セージ

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月1更新も厳しくなってますが頑張って書いてます


102話<答え合わせ>

「・・・・・・・・・」

 

秋葉原にてライカはゲーセンにて音ゲーをプレイしていた

いつもならこれくらいはお手の物だ、たとえ雑念があっても無心でもフルコンボも朝飯前だ。

その証拠に浮かない顔をしながらもコンボを順調に積み重ねていくが・・・

 

「・・・・・・・・・・」

 

これ以上続ける気にはなれず・・・台を離れた。

そしてコンボは途切れゲームオーバーになり

「あーあ、フルコンボ行きそうだったのにもったいねえな?」

「――?」

 

後ろからそんな声が聞こえ振り向いてみれば

「ようライカ、珍しく元気なさそうだな?」

「九狂先輩か・・・何でこんなところにいるんだよ・・・」

「俺もここの常連なんだ。ま、クレーンゲーム専門であまりすれ違わないかもしれないがな?」

右手の袋にはクレーンの景品が溢れんばかりに詰め込まれていた。

 

「で?なんであんないいところでやめたんだ?それと元気なさそうだが何かあったのか?」

「別に・・・何でもねえよ・・・」

「なら質問を変えようか?俺の親友にも今のお前によく似たリアクションする奴がいるんだが・・・なんでそういう奴って、口では何でもねえって言うくせに全身から何かありましたってオーラ振りまくんだ?」

「・・・うるせえよ・・・」

「当ててやろうか?あのバカみたいに誰かと喧嘩別れでもしたってところか?」

「・・・黙れよ」

「何だ当たりか?誰とだ?あかりとか?それとも・・・麒麟とかいう戦妹とか?」

「・・・黙れっつってんだろ!!」

「黙ってほしいなら力ずくで黙らせろ。弱い奴には従わない。弱肉強食。それが武偵校のルールだろ?」

「――ッ!!」

ライカが怒りに任せてトンファーを振りかぶってきたが

 

――ドパンッ――!!

 

氷牙はクレーンで取ったぬいぐるみで難なく受け止めた

「俺に真正面から攻撃を当てたいなら音速の壁を越えてからにしろ。それと・・・」

 

――バチィィッッ――!!

 

「――ぁっ!?」

カウンターでライカの首に電気を帯びた手刀を入れ

「やりたいなら相手なるけどここじゃ店に迷惑だ。ただでさえクレーン取り過ぎて出禁寸前なんだ。場所変えるぞ」

そして昏倒したライカを担ぐと店を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんであんなに荒れてたんだ?誰かと喧嘩してこじれたのか?」

店を出て近くの公園のベンチにライカを座らせるとしばらくして意識を取り戻したので問いかけた

「・・・・・・・・・・」

だがライカはもう何も言わない。

 

「何だ?もう黙れとも言わないのか?黙らせにも来ないのか?」

「もう勝負ついてんじゃねえか・・・あっさり返り討ちにしといて嫌味かよ・・・」

「そうでもないぞ?お前を返り討ちにするために100円で3つ同時に取ったぬいぐるみの一つがダメになった」

「・・・あたしはそれくらいの価値ってかよ・・・」

「少なくとも今のお前はな?屋上でやり合った時はもっと手ごたえがあると思ったんだけどなあ・・・それともまた大食いで勝負するか?」

「・・・・・・・・・・」

ライカはがっくりと頭を下げた。流石に凹ませすぎたか?まあいいか

「んで?頭も冷えたようだし本題に戻ろうか?あんなに荒れて何があった?」

「・・・アンタには関係ないだろ・・・」

「もっともな事だがもしその事情が遠山かなめが編入して来てから始まったってなら無関係でもないんだよな?」

「―――ッ!!」

「どうした?急に表情変えて、もしかして当たりか?」

「あんた・・・何処まで知ってるんだ!!」

「教えてやってもいいけど情報は時に値千金の価値がある。こっちが情報を提供するならそっちもそれなりの代価を出せ」

「・・・いくらだ?何をすればいい?」

「金はいらねえ、代わりにさっきの質問に答えろ。俺の要求はそれだけだ。それに・・・」

「それに?」

「さっきので勝負はついたっていうなら敗者は勝者に従う。それも武偵校のルールだろ?」

「・・・わかったよ・・・」

 

そしてライカはポツポツと語り出した。

誰かからの匿名メールで麒麟が別の女子と親密な関係になっているとタレコミがありそれを問い詰めた結果喧嘩別れになってしまったと

「成程な?戦妹に裏切られた。それが荒れてる理由か」

「ああ、そうだよ・・・わかったか・・・」

「ああ、聞いてて本当にくだらねえってのはよくわかったよ」

「なっ!?ふざけんな!!何をどう聞けば――」

「黙って聞いてりゃ裏切られたなんて言い訳してるけどそれは本当に裏切られたのか?お前が信じられなかっただけじゃないのか?」

「ち、ちが―――」

「違わねえよ。お前は自分の戦妹の言葉よりも素性も知れねえ誰かの言葉を信じたんだ。だからこうなってるんじゃねえか。まあ信じる事が出来ねえ相手と戦姉妹なんて組めるわけないからちょうどいいじゃねえか?そのまま戦姉妹も解消しちまえよ?」

 

「ふざけんなぁ!!!」

 

ライカは涙を流しながら俺に掴み掛かってきた

「あたしが麒麟を信じなかったわけないだろ!!!最初からずっと思ってたさ!!麒麟はそんな奴じゃない、何かの間違いに決まってる!!!ずっとそう信じていたさ!!けど聞けなかった!!もし聞いたらそれは麒麟を疑ってるってことじゃねえか!!麒麟を疑うなんて出来る訳無いだろ!!」

「だから問い詰められず、心の底ではずっと疑心暗鬼なままでいたか・・・そりゃ溝もできる。お前は悪手を選んじまったな」

「じゃあどうすればよかったんだよ!!!あたしに少しでも麒麟を疑えばよかったのか!?あたしに麒麟を裏切れっていうのかよ!?」

「ああ、疑って問い詰めて話し合えばいい。友情も愛情もそうやって何度も傷付けて積み上げていくもんだろ?」

「・・・え?」

「親友でも恋人でも戦姉妹でも結局は自分とは別の人間だ。簡単に信じるなんて無理に決まってる。傷つくのは嫌だけど信じ合える人が欲しいなんてそんなのはただの我儘じゃねえか。背中合わせてばかりいないで辛くてもちゃんと向き合え、あっちはもうこっちを向いてるぞ?」

「え?」

ライカが後ろを振り向けば・・・

 

「あ、あの・・・ライカ・・・こんばんわ・・・」

申し訳なさそうに挨拶するあかりと・・・

「・・・・・・・・・」

今にも泣きそうな顔で仁王立ちしてこちらを睨む麒麟がいた

「え!?な、なんで・・・」

「お前が気絶してる間にあかりに呼んでもらった。「お前の戦姉は預かった。返してほしけりゃ今すぐ来い」って伝言も添えてな」

「い、いつから聞いてた?」

「・・・お姉さまが目覚める前からですの」

つまり最初から聞いてたってことだ

 

やがてこちらに歩み寄ってくると

「き、きり―――」

 

――パァン――!

 

ライカに平手打ちを入れた。

あんな腰も体重も入ってない平手打ち、止めるのも避けるのもその気があれば訳も無いはずだ。わざと受けたんだろうな・・・せめてもの罪滅ぼしとして・・・

 

「ッ・・・ごめん・・・」

ライカは謝ろうとするもそれよりも前に麒麟はライカに抱き着き

「いくらでも疑ってくださいの・・・それで気が済むまで問い詰めてくださいの・・・全部答えてあげますの・・・黒歴史から今日の下着まで全部答えてあげますの・・・」

「ああ・・・ああ!!」

ライカもまたもう二度離すものかと麒麟を抱きしめた

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人共、もう大丈夫そうだな」

「はい、私だけじゃなくてライカの事まで本当にありがとうございます」

あかりが俺に感謝の言葉を告げると

「方法はともかく取りなしてくれてありがとよ・・・感謝するよ・・・」

ライカも先ほどまでの態度はどうしたのか素直に礼を言った

「別にいいさ、それじゃ仲直りしたところでもう必要ないと思うけどいいもの見せてやるよ」

氷牙は1枚の書類をライカに差し出した

 

「何だよこれ?」

「いいから見てみろ」

ライカと麒麟は書類に目を通すとそこにはいくつもの英数字が羅列していた

「何ですのこれ?メールアドレスですの?」

「こんなのがどうしたって・・・ッ!!」

ライカはある一行を凝視した

「このアドレス・・・あたしに匿名メールしたアドレスだ!!」

「やっぱりか・・・これで点は繋がったな・・・」

「どういう事だよ!!こっちも話したんだ!!いい加減教えろよ!!あんたどこまで知ってるんだよ!!」

「ああ、教える。教えるがその前にいい加減出てきたらどうだ?もう片方はそっちが引き受けてくれたんだろ?」

そう言って路地の方を見れば・・・

 

「もしかして・・・私達・・・」

「とっくにバレてたようね・・・」

「だから言ったじゃないですか!あの人相手にこんな隠れ方じゃ無意味ですって!!」

話声が聞こえ路地から出てきたのは・・・

「志乃ちゃん!?桜ちゃん!?高千穂さんまで!?どうしてここに?」

「それは・・・」

「当ててやろうか?けどその前にさっきの質問に答えてやるよ。そのリストはかなめがここ最近使っている匿名ケータイの捨てアドレスだ。1日に何回も変えるから苦労したぜ?」

「じゃああのメールは遠山かなめから送られたもの・・・ってことは・・・」

「そういう事だろうな?で、お前達もだろ?」

「はい、お察しのとおりです」

「私達も・・・遠山かなめに嵌められて仲違いをしていたんです・・・」

「でも、そっちの誤解は君が解いてくれたみたいだね?」

高千穂と呼ばれた少女は上品な仕草で礼をすると

「ええ、お初にお目にかかります。1年、強襲科Aランク高千穂 麗です。あなたのお噂はかねがね承っております」

「へぇ?こんなEランク武偵の事を知ってくれているなんて嬉しいね」

 

「九狂先輩・・・それ本気で言ってるんですか・・・」

「強襲科どころか武偵校最強とも言われてる男が何言ってるんだよ・・・」

「あなたが本当にEランクならこの学校にDランク以上の武偵は1人もいなくなります・・・」

「どこの世界に平気で100人無双をする悪魔の血を引いたEランク武偵がいるんですの・・・」

あかり達にジト目で突っ込まれたが今は無視だ・・・

 

「けど、どうしてこいつらの間を取り持ってくれたんだ?それに高千穂って確か武装弁護士の一族だろ?武装検事の一族である佐々木家の人間と仲良くしてるのは色々とまずいんじゃないのか?」

「・・・確かに手を組むのは大問題、スキャンダル物よ。けど・・・守りたいものが同じならそんなものどうでもよくなるものよ。それは貴方が一番よくわかってるものではありませんか?」

高千穂があかりを見ながらそう答えると氷牙は笑みを浮かべた

「そりゃそうだ。家の事情?そんなくだらねえもん知るか。邪魔なら風穴開けて不燃ごみと一緒に捨てとけばいい」

高千穂はワトソンやアリアとは違い自分の本当に選びたい選択を選ぶために家を捨てる覚悟を決めている。

貴族としては最低な行いだが武偵としては最高の決意だ。俺個人としても称賛に値する。

いや、高千穂だけじゃない。ここにいる連中全員、いざというときは何の躊躇も無しに家柄なんて知るかと一蹴するだろうな・・・

他でもないあかりの力になる為に・・・

 

(ホントあかりが羨ましいな・・・キンジと同じように自然と人を引き寄せて―――――)

 

 

 

「ところで九狂先輩?」

志乃が俺に話しかけてきた

「ん?何だ?」

「聞いた話では九狂先輩、屋上からあかりちゃん連れて行く際に何でもネクタイをあかりちゃんの口に詰め込んだそうじゃないですか」

「ああ、あれか。確かにそうだな。ああでもしないと耳元で叫び続けてうるせえし着地のたびに舌噛むから不憫でな」

志乃は俺の肩をガシッと掴むと

「お願いします!!そのあかりちゃんの唾液が染みついたネクタイ売ってください!!」

 

「・・・はぁ?」

 

「あ!ずるいわよ!!志乃、貴女は引きなさい!!氷牙先輩!!それは私に譲ってください!!」

「あなたこそ引いてください!!あかりちゃんのアイス棒、臣下の双子に回収させてるんでしょう!?」

「そ、それとこれとは別よ!!それにあなたは私に借りがあるのではなくて!?ならそれを返すためにも引くのが筋でしょう!?」

志乃と高千穂はさっきまでとはうってかわり犬猿のように(あかりの唾液が付いた)俺のネクタイをめぐって睨みあっていた

「なあお前ら・・・」

あかり達を見れば・・・

 

あかりは何事?とキョトンとして

 

ライカはまたか・・・と頭を抱え

 

麒麟と桜は俺と目を合わせようともしなかった

 

それを見て大体を察した俺は

「お前等もなかなか苦労してんだな・・・」

 

「「「先輩ほどではありませんけどね・・・」」」

 

俺が言うのもなんだが・・・キンジといい、あかりといい・・・なんでこいつらが引き寄せる奴はバカかアホか変態のどれかばっかりなんだろうな・・・

 

俺はそう呆れながらも携帯を取り出した

 

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