アドシアードから数日・・・
氷牙はとあるドアの前で銃を構えて突入準備をしていた
そして・・・
『氷牙!同時に突入するわよ!準備はいい!?』
アリアから連絡が入る
俺は無線に手を当て
「ああ、いつでも行けるよ」
『あのバカ・・・もう許さない・・・』
無線越しでもわかるくらいにアリアは激怒していた
「アリア!!突入と同時に発砲するがいいな!?」
『構わないわ・・・ついでにあいつにも数発入れてやって!』
「了解・・・いっぺん灸を据えてやる・・・」
ついで言うと俺も大激怒していた
なぜかって?それは・・・
『じゃあいくわよ・・・』
っと後で話そう、いや・・・どうせ話さなくてもすぐにわかる
『3,2,1・・・GO!!!!』
そして俺はドアを蹴破り室内に向けて発砲した
数分前・・・
「ね?キーくん・・・いいでしょ?」
「り、理子・・・待て・・・」
とある一室でキンジは今理子に誘惑され迫られていた・・・
4月のハイジャック事件以降逃亡して行方不明の理子に・・・
武偵殺しの真犯人である理子に・・・
「理子をキーくんの物にしちゃえば理子はキーくんの望むことは何でもしちゃうよ?キーくんは理子をいつでもどこでも好きにできるよ?」
そう言って理子は更に詰め寄ってくる
そしてアリアとは比べ物にならないほどの発育のいい胸が押し付けられ嫌でも自身の血流が昂ぶってゆくのが分かる・・・
(ダメだ・・・気を抜いたら・・・なる・・・)
「そして・・・お兄さんのこともいっぱい話しちゃうよ?」
「――ッ!ふざけるな!兄さんは――」
「『武偵殺し』が殺したと思ってる?」
「――え?」
「――H、S、S」
「――ッ!!どうしてそれを知っている!?」
それはキンジや金一も滅多なことでは軽々しく誰かに言ったりはしない・・・
なのに何故理子は知っている?コイツも氷牙と同じ転生者とでもいうのか?
「理子は誰も殺してないもーん。だから『武偵殺し』なんて間違ったあだ名。正確には『武偵攫い』かなぁー?とすればなんで知ってるのかはわかるでしょ?」
確かに理子は兄さん以外は・・・いや・・・正確には兄さんは方不明になっており死亡は確認されていない・・・
理子はさっきから・・・兄さんが生きている可能性を匂わせている・・・
「はいここで分岐点でーす。キーくんは今からりこりんを受け入れますか?『はい』ならイベントシーンの後、お兄さんの話をいっぱいしちゃうよー」
「・・・・・・」
(兄さんが生きている・・・話を・・・聞ける・・・)
キンジは兄のこと崇拝してるとも言えるくらいに尊敬している
それこそ兄の事になると正常な判断ができなくなるくらいに・・・
それを見越した上で理子もこんな条件を突きつけたんだろう・・・
(クソッ!!)
そして俺は理子を押しとどめていた両手を下ろしそして・・・
理性で興奮を抑えるのも止めた途端・・・なってしまった・・・
ヒステリアモードに・・・
「もし嘘なら・・・たとえ理子でも許さないぞ・・・」
「やったぁ♪安心してよ嘘じゃないから!」
そして理子はブラウスを脱ごうとしたが・・・
寸でのところでやめてすっくと立ち上がると
「でも理子ハーレムルートは嫌いー」
「え?」
「「理子ぉおおお!!」」
その怒声と同時に
――がっしゃああああん――!!
アリアが窓をぶち破り・・・
――ドゴオオオオオン――!!
氷牙がドアを蹴破って・・・
理子に向け一斉射撃を放った
「アリア!?氷牙!?」
――バッ!ババババッ――!!
――ダガガガガガガガガガガッ――!!
4つの眩いマズルフラッシュと共に部屋の中に.45ACP弾と氷牙特注の9㎜パラべラム弾が部屋中に飛び交う
「ほいっと」
だがリコはひらりと飛び退いて床を転がり躱しついでに床にあったランドセルを背負いながら起き上がった
そして逃げ遅れたキンジは・・・
「いだだだだだだだ!!!!ちょっ!待て!俺に当たってるって!!」
アリアと氷牙の二人から同時射撃を食らっていた
さすがのヒステリアモードでもこの数は捌ききれない・・・
「アリアぁー?これどう見ても理子ルートの真っ最中でしょー?なのに別ヒロインが乱入なんてシナリオ的に無理じゃないー?しかもひょーたんまで来てBLルートもバッチリなんて需要広すぎないー?」
とほっぺを膨らましている
「あんたあたしの奴隷に手ェ出してんじゃないわよ!」
「理子・・・てめえどの面下げて戻ってきた・・・」
「こんな可愛いお顔でだよー、理子はクラスのマスコットだもーん」
普段滅多なことじゃ怒らない氷牙が額に青筋浮かべてる・・・
あれ・・・相当怒ってるぞ・・・
「・・・俺が一番嫌いな事をは何か知っているよな・・・」
「うん、仲間が傷つくことだねー」
「・・・お前自分が何してきたか忘れたとは言わせねえぞ・・・」
「でもいいじゃーん、誰も死んじゃいないんだしさぁ」
――ぷちん――
理子がそう言った瞬間氷牙とアリアの何かが同時に切れた
「テメェ・・・ごめんなさいはどうした!?この悪ガキが!!」
「あたしを・・・無視してんじゃないわよ!もー許さない!風穴開けてやる!!」
そしてアリアと氷牙は同時に銃を向けるが
「ほいっ」
――ピカッッッ――!!
理子が放り投げた何かを中心に部屋中がまばゆい光で埋め尽くされた
「クッ!?閃光手榴弾か!」
咄嗟に目を閉じたため被害はなかったが・・・
理子がいない・・・
「理子は!?」
「ベランダだ!」
だがベランダに出た時理子は既に
「アデュー」
そう言ってランドセルからパラグライダーを展開させて海へと逃げた後だった
が・・・
「逃がすか!!」
そう言って氷牙はベランダから飛び降りた
「ちょ!?下は海よ!!」
アリアはワイヤーで降りようとするがキンジはアリアを手で抑え
「大丈夫だ・・・問題ない・・・」
「え?」
氷牙は海に落ちる前に
――ドガンッ――!
転落防止用のフェンスを蹴って方向転換し
――ザザザザザザザザザザザザザ――
水上を走って理子を追って行った
「え!?なに!?あれどうやってんの!?」
「・・・氷牙曰く「右足が沈む前に左足をだしゃいいんだよ」だそうだ・・・」
「はぁ!?」
簡単に言うがそんな芸当あいつ以外の誰ができる・・・
いや・・・もう一人いた・・・それもキンジの身近な人物で戦姉妹の・・・多分あいつならできる・・・
そしてそれを見た理子は
「おー、ひょーたんニンジャみたい~」
なんてのんきな事を言っていた・・・
これから何が起きるか知らずに・・・
そして氷牙は水上を蹴ると
――パアン――!
という音と共にジャンプして
「落ちろ!」
両手にMP5Kを構えパラグライダーに向けて撃った
――ダダダダダダダダダダダダダダッ――
「おおっと、これしき当たんないよー、それにこのパラグライダー防弾製だよー」
と、理子はひらりひらりと躱す
だが氷牙は
「ああ、本命は俺じゃないからな」
とニヤリと笑った
「へ?」
――ビシュッ――
そして突如別方向から飛来した銃弾により・・・理子とパラグライダーを繋ぐ紐が切られた
「え?えええええええええええええええええ!!!!????」
そして理子は真っ逆さまに海へ落ちてゆく
そして俺はMP5Kをしまうと再び水上を走りながら耳の無線に手を当て・・・
「レキ、命中だご苦労さん」
と、レキに報告した
『構いません、この程度では練習にもなりません』
この程度って・・・1キロ以上はある場所からあんな細い紐を撃ったんだぞ・・・
「レ、レキュ!?もう戦線復帰してたの!?」
「もう逃がさねえぞ理子!」
氷牙は背中の刀を鞘ごと外すと理子の落下地点へと走り
「え!?ま、まさか・・・ひょーたん・・・・」
「理子ォ!歯ァ食いしばれェ!!」
「ま、待って!!せめて事情を・・・」
「問答無用ォオオオオオオオ!!!」
――バッシィイイイイイイイン――
「ふんにゃあああああああああああああ!!!!!」
理子は着水の直前に絶叫と共に真横へと方向転換して飛んでいった
そして・・・
「おう、キンジ、アリア、ただいま」
と言って氷牙はレキと一緒に帰ってきた
「「お、おかえり・・・・」」
ふたりの顔がひきつる・・・
だがそれも無理はなかった
右手にはずぶ濡れで
「うう・・・痛いよう・・・座れないよう・・・」
と涙目になりながら尻を押さえる理子を猫のように掴み上げて持って帰ってきたのだから・・・
そして理子を部屋に放り投げると理子はうつ伏せになりながらも
「ひどいよひょーたん・・・うら若き乙女のお尻にケツバットなんて・・・」
と涙声で訴えてきた
「あ?これくらいで済んだだけありがたく思え」
アリアは理子の尻を押さえてる手を見て・・・
「てゆうかなんで手錠してないのよ!?逮捕しなさいよ!」
理子は武偵殺しなのは確定してるんだから逮捕状がなくても今すぐ逮捕できるはずなのに・・・
「ああ、そりゃ無理だ、逮捕はできん」
「え?」
「司法取引です」
とレキが答えた
「そうでぇーす!理子はもう4月の事件についてはとっくに司法取引を済ませているんですよー、きゃはっ!あ!痛い痛い・・・」
動いたら痛みがぶり返したようで再び尻を押さえた
「だから今捕まえれば不当逮捕になる」
アリアは信じられないといった顔になり
「そ、そんな・・・じゃあママの冤罪は・・・」
「ああ、それは安心しろかなえさんの裁判には証言してくれるらしいからさ」
「え?」
「うん、それは証言してあげる」
「ほ・・・ほんと?」
「大丈夫だ、逃げようとしたら俺が地の果てまで追っかけるから」
と最後あたりを強く主張して言って理子を睨むと
「ひっ!?」
理子はまた自分の尻を押さえ
「け、ケツバットは嫌ー!」
と蹲って震えていた
「なあ氷牙・・・もしかして理子が証言してくれる理由は・・・」
氷牙はニヤリと笑うと
「ああ、もう一発喰らうか、かなえさんの冤罪を証言するかどっちがいいって選ばせた」
つまるところ・・・
「脅したのかよ・・・」
これが後、理子にトラウマがひとつ植えつけられた瞬間であった
だが突如理子が顔を上げ
「でもひとつ条件があるよ!これだけは絶対に譲らない!もちろんタダとは言わない!代わりにあと2つ情報をあげる」
「2つ?」
「まず一つ、イ・ウーについて・・・」
「――ッ!!!」
それを聞いてアリアは目を見開き
「そしてもう一つは・・・カナについて・・・」
「――ッ!!」
それを聞いて今度はキンジが目を見開いた
「二人にとっては絶好の手がかりだと思うけど?」
「で・・・その条件っていうのは?」
アリアが問いただす
「うん、みんなで理子と一緒に・・・」
にやっと笑顔になって言った
「ドロボーやろうよ!」
「・・・・・・」
それを聞いて氷牙は手錠を取り出し・・・
「言いたいことはそれで終わりか?・・・理子・・・短いシャバの空気だったな・・・窃盗未遂で尋問科まで連行してやるよ!」
「ちょっ、まってよー!窃盗じゃないもん!理子がブラドから盗られたものを取り返して欲しいってだけだよー」
理子が慌てて弁明すると
突如アリアが再び目を見開いた
「――ブラド!?まさか『無限罪のブラド』!?イ・ウーのNo.2じゃない!?」
「そーだよ。理子はブラドから宝物を取り返したいの。だからキーくん、アリア、ひょーたん、理子を助けて」
そんな理子の頼みに
「・・・アリア・・・どうする・・・」
「・・・わかったわ・・・ブラドはママに冤罪を着せている犯人の一人よ!あいつを逮捕すれば―――」
キンジとアリアは見返りを考えて受けることにしたが・・・
「知ったことか、お前を助けてやる義理なんぞない」
氷牙は一蹴した
「お、おい、氷牙!?」
「どんな理由があれどそいつは仲間を殺そうとしたやつだ、それをなんの贖罪も懺悔もなしにのうのうと過ごす奴のことなんか信用できないし助けてやる気にもなれないな」
「・・・・・・・ッ!」
理子は氷牙を睨み歯噛みをし
「じゃあな、俺は降りる、あとはお前らで勝手にやれ」
そう言って部屋を出ていこうとする氷牙を
「・・・300万円前払いだ!」
理子が呼び止めた
「・・・何?」
「協力してくれるなら報酬で300万前払いで出す!」
「・・・・・・・」
「詳しくは知らないがお前今金に困ってるんだってな?依頼として受けるなら文句ないだろう?」
「ちょ、理子!?」
「だからって300万前払い!?いくらなんでも破格すぎるぞ!」
余りにも破格な報酬にアリアやキンジも流石に驚きを露にする
「どうだ?やらないか?」
氷牙は理子を睨みつけながらも
「・・・いいだろう・・・ただし一度奪還してお前に引き渡した時点で終了だその後どうなろうが知ったことじゃないからな・・・」
と言い依頼を受けた
「契約成立だな」
かくして俺たちは武偵でありながら怪盗の仕事を手伝うことになった
これ・・・もしバレたらホームズ家始まって以来の不祥事になるんじゃね?
話が終わると氷牙は突如キンジを睨みドス黒いオーラを漂わせた
「ところでだ・・・キンジ・・・テメェさっきは何でなってたんだ?」
どういうわけか・・・いや、理由ははっきりしている・・・
ヒステリアモードになっていたのが何よりの証拠だ・・・テメェどこまで節操ないんだ・・・
「ああ・・・そういえばあんたは理子に落とされてたのよね・・・」
アリアもドス黒いオーラを漂わせ始めた
「あ、いや・・・それは・・・」
「氷牙・・・バットない?」
「ああ、あるぞ?釘のついたのがな・・・」
流石に理子に使うのは勘弁してやったが・・・コイツなら遠慮はいらんな・・・
「あら、素敵じゃない・・・」
「お、おい・・・二人共・・・?」
「一度殺されかけた奴の色仕掛けに陥落しやがって・・・」
そう言って俺は後ろからキンジの頭を押さえつけベルトを持ち上げる
「氷牙そのまま押さえといて・・・」
アリアは釘バットを2、3回素振りをするとこっちに歩いてきた
「お、おい・・・まさか・・・」
アリアはキンジの斜め後ろに立つとバットを構え片足を上げ
「この・・・」
前に踏み込むと同時にフルスイングを入れた
「バカキンジィィィィィーーーー!!!」
――ドバァアアアアアアアン――!!!!
「アーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」
その時のキンジの絶叫は女子寮中に響いたという・・・
次の日キンジがケツを押さえながら登校して来たことで一部の女子から「誰に掘られたの!?」と問いただされていたが・・・それはまた別な話だ・・・
昨日まで風邪ひいてダウンしてました・・・
おかげで職場でもネチネチ言われて・・・
風邪なんて引くもんじゃないですね・・・