緋弾のアリア 狂牙の武偵   作:セージ

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近いうちにオリ主のスペックもう一度まとめようと思います・・・
自分でも結構弄りましたから・・・


35話<かつての牙>

 

翌朝

 

 

――ピンポーン――

氷牙の部屋のインターホンが鳴る

こんな朝早くから誰だ?

「はい、どちらさん?」

『氷牙か?俺だ、キンジだ』

隣に住んでいるキンジだった

「キンジか今開けるよ」

そして玄関を開ければ

 

「氷牙、おはよう」

「おはよ、氷牙」

「おはよう氷牙君」

キンジだけでなくアリアや白雪も一緒だった

「・・・・・・・・・・」

「どうした?」

「いや・・・二人共本当にキンジの部屋に住んでるんだなって思ってな・・・」

「それを言うならお前もレキと一緒に住んでんじゃねえか・・・」

「まあ・・・そうなんだけどよ・・・」

「で、レキはどうしたの?」

「まだ寝てるよ、昨日俺もレキも明け方まで寝てなかったもんでな」

 

「「「え!?」」」

 

「ふ、二人共寝てないって・・・」

「それって・・・まさか・・・」

「ま、上がってけリビング昨日一晩でかなり散らかしちまったけどな」

 

「「「え?」」」

 

そう言われ家に上がりリビングを見れば・・・

大量の写真やアルバム、クエストの報告書や調査書といった資料がそこらじゅうに散乱していた

「氷牙・・・自分の過去の記録を漁っていたのか?」

「ああ、過去の記録あるだけ全部な・・・一晩かかったが・・・一通り読み終わったよ」

「あ、ああそういうことね・・・それで・・・なにか記憶の手がかりはあった?」

「いいや・・・どれもこれも・・・まるで実感が無い・・・俺の姿と名をした別の誰かの記録を見てるような気分だったよ・・・」

「そう・・・やっぱり文章や画像だけじゃなくて実際に体感しないとダメみたいね・・・」

「それで・・・記録全部読み終えた後、ソファーで3時間くらい寝たよ・・・あいつと一緒にな・・・」

氷牙の視線の先を見れば・・・

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

一応毛布はかけられているが・・・レキはソファーに座ったまま寝ていた

 

「レキさん!?どうしてソファーで寝てるの?」

「俺につきあってくれたんだ・・・少しでも記憶が戻る手助けになるなら協力は惜しまないってさ・・・」

「だからって何でソファーに座ったままで寝てんのよ!?ちゃんとベッドで寝かせてあげなさいよ!こんなところで寝ていたら風邪引くわよ!」

「俺もそう言ったよ・・・けど・・・襲撃に備えての用心も兼ねていたらしくて・・・ここで寝るって聞かなかったんだ・・・」

 

「「「え・・・・・」」」

それって・・・

「ていうか襲撃って何だ?武偵の巣窟でもある武偵寮に襲撃なんかする命知らずなんているのか?」

「あー・・・うん・・・・てゆうか俺の部屋もこの部屋も襲撃被害あるんだよ・・・」

「へ?・・・マジかよ・・・そんな命知らずいるのか・・・」

「いるんだよ・・・それも一人・・・凄い間近に・・・」

 

そう言ってアリアとキンジは白雪を見ると・・・

「・・・・・・ごめんなさい・・・」

と言って申し訳なさそうに目を逸らした

そんなやり取りをしてるうちに

 

「ん・・・・」

レキの目が開いた

 

「ああ、レキおはよう」

「・・・はい、おはようございます・・・氷牙さん・・・」

 

「えっと・・・レキさんも起きたことだし・・・朝ごはん用意するよ。台所借りるね?」

そう言って白雪は台所に向かった

 

そしたらアリアが

「そういえば氷牙は料理しないの?」

と聞いてきた

「俺が?俺・・・料理なんてしたことないぞ?」

 

「「「え?」」」

 

「料理した事がない!?アンタ・・・料理とか家事全般プロ顔負けの腕前じゃない!」

「そうなのか?少なくとも今の記憶にはないな・・・」

どうやら武偵校入学以前の氷牙は家事経験がないらしい

「なら氷牙君?ちょっとやってみたら?何か思い出すかもよ?」

と白雪が提案してきたので

「・・・そうだな、この際だからなんでもやってみるか・・・」

そう言って俺もキッチンに向かった

 

「じゃあ食材切ってくれる?」

「ああ、やった事ないけどやってみるよ」

そう言って俺は包丁を持つと・・・

 

――タタタタタッ――

 

あっという間に食材を切って・・・

 

――ジュウ、ジュウ――

 

フライパンで炒めて・・・

 

――ジュワッ――

 

それを卵で包んで・・・

「・・・こんな感じかな?」

あっという間にオムレツを作ってみせた

「すごいよ!相変わらずの鮮やかな手際だよ!」

「・・・どれどれ・・・」

アリアは氷牙が作ったオムレツを一口食べてみる

 

「こっ、これは!」

ふわふわの外側に半熟でとろとろの中身、そして中に閉じ込めた口いっぱいに広がる野菜の旨み・・・

 

「ふにゅう~」

顔が恍惚な表情になる

アリアの舌をも唸らせるほどの美味であった

だがアリアはハッとすると

「・・・って、どこが料理したことないのよ!すっごい美味しいし、慣れた手つきで作ってたじゃない!」

「うーん・・・俺も思いつくままに作ってみただけなんだがな・・・」

「あはは・・・こうゆうのって案外、体が覚えてるものなのかもね・・・」

白雪もこれには苦笑する他なかった

 

「・・・・・・・・・・」

そうしているとレキがキッチンに入ってきた

「レキ?どうした?」

「私も手伝います・・・」

レキがそう言うとキンジも驚いて

「え?レキって・・・料理できるのか?」

そう尋ねてきた

「はい・・・氷牙さん達がクエストに出かけている間白雪さんに弟子入りしました」

「そうなのか白雪?」

「うん・・・でもレキさん・・・まだ始めたばかりなんだから無理しちゃ・・・」

 

 

白雪が心配する中レキは包丁を持つが・・・

 

「あ、あの・・・レキさん・・・包丁はそんなナイフみたいに持つんじゃんなくて・・・」

 

・・・手つきが危なっかしいな・・・

 

「え、ええとレキさん・・・食材はそんな首根っこ掴むみたいに押さえるんじゃなくて・・・」

 

ってかよく見れば手、切り傷だらけじゃねえか・・・

 

「ま、待って!包丁は突き刺すんじゃなくて切るものなんだよ!?」

 

ああもう!危なっかしすぎて見ちゃいられない!

 

「・・・ホラ」

俺はレキの両手に自分の手を添える

「・・・氷牙さん?」

「力入れすぎだ、それじゃあ自分の指も切っちまうぞ・・・包丁は軽く引けば切れるからあまり力を入れずに、慣れないうちはゆっくりでいいから慎重に切れ」

「・・・はい」

そう言いながら俺はレキの手をゆっくり動かしながら材料を切っていった

 

そんな二人を見てアリアは・・・

「記憶を失っても・・・この二人に関しては相変わらずね・・・」

と呆れていた

 

だが白雪は・・・

「・・・・・・・・・」

どうしてか悲しげな顔で二人を見ていた

「白雪?どうした?」

「あ、ううん・・・何でもないよ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして朝食を食べ終わると

「じゃあ学校行きましょう」

「ああ、制服はこれでいいのか?」

「ええ、大丈夫よ、それと・・・これ預かっていたから返しとくわ」

そう言ってアリアが俺に渡してきたのは・・・

「コルトパイソンに・・・MP5Kが2丁・・・それに・・・これ、俺の刀か!?」

「あんたが普段から使っていた武器よ・・・武偵なら銃剣の携行はしなきゃね」

「そうか・・・そうだった・・・」

そう言って俺は武器を受け取り具合を確認してゆくが

「っておい?このMP5Kに入れてるの・・・非殺傷弾だぞ?」

「ああ、お前普段からその弾丸しか使ってないからな」

「・・・武偵は人を殺すのは禁じられてるからってこんな弾丸使うなんて・・・我ながら訳の分からないことしてるんだな・・・別に殺さなきゃいいだけの話じゃねえか・・・」

「え?アンタ何言って―――」

アリアが尋ねようとしたら・・・

 

突如全員の携帯が一斉に鳴った

「――!?緊急救援要請!?」

内容は逮捕した犯人を移送中の車輌が残党に襲われ至急救援に向かえとのこと

「場所はすぐ近くよ!私たちも行きましょう!」

そして携帯を見ると氷牙はニヤリと笑い・・・

「肩慣らしにはちょうどいいな・・・」

氷牙は右手に刀を左手にMP5Kを持つと窓に向かい

「先に言って終わらせとくよ」

そう言って窓から飛び出していってしまった

「なっ!?おい!?氷牙!?」

「キンジ!早く追うわよ!何だか・・・嫌な予感がするわ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ダダダダッ、ダダダダダッ――

「くそっ!!救援はまだか!」

逮捕した犯人を移送している途中その残党に襲撃を受け痛手を負ってしまったがこっちも武偵、黙ってやられる程ヤワではない

横転した車両を盾に応戦するが・・・

「マズイぞ!このままじゃ奪い返されっちまう!」

ここにいるのは全員車輌科・・・数も装備も戦力も全てが圧倒的に不利だった

「おい!聞こえてるのか!?早く強襲科と狙撃科の救援を寄越してくれ!」

先程から無線に向け何度も叫ぶが一向に応援は来ない・・・

ここまでか・・・そう思っていたら

 

 

「強襲科だけでもいいか?」

 

 

「え?」

後ろを振り向くと・・・

顔の左側に大きな傷がある白髪で赤目の武偵がいた

「なっ!?おまえ・・・九狂か!?」

「お前戦線復帰してたのか?」

だが氷牙は質問に答えず

「あとは任せな、あいつら黙らせてやるよ」

そう言って前へと出て行った

「なあ・・・あいつ今・・・なんで・・・笑ってたんだ・・・?」

 

 

 

「ナンダアイツハ?」「新手カ?」「構ウナ撃チ殺セ!」

カタコトの日本語・・・中国系の組織の残党か・・・

「テメェら・・・武偵を敵に回したこと・・・後悔するんだな!」

そう言って刀を構え

 

「シャァアアアアアアアア!!!」

 

犯人たちへと一気に間合いを詰め・・・

 

 

 

――ザザザザザザザザザザッ――

 

 

一瞬後にはあれほど喧しく鳴り響いていた銃声は一斉に止んだ

 

なぜなら・・・

 

 

犯人たちは・・・一人残らず銃を切り落とされたからだ・・・

 

 

 

 

それも銃を持っていた腕ごと!!

 

 

「ア?・・・ギ、ギャァアアアアアアアアア!!!」

 

そして銃声の代わりに犯人たちの悲鳴があたりに鳴り響いた

そして氷牙は刀についた血を振り払うとMP5Kを構え

 

――バラララララッ――

 

犯人たちに向けて発砲して追撃をかけた

 

「ギャァアアアアアアアア!!!」「ヒッ!?ナンダアイツ!?」「武偵ハ人ヲ殺セナイハズダ!」

 

「こいつは非殺傷弾だから死にはしないよ・・・まあ・・・お前らは今から死んだほうがマシな目に遭うけどね」

氷牙は口元をニィッと引きつらせると

「言っただろ?武偵を敵にした事後悔させてやるってさぁ」

そう言って赤く光る目で犯人たちを睨みつけた

 

「ヒ、ヒィッ!」「ダメダ逃ゲロ!」「コンナ奴ガイルナンテ予定外ダ!」

 

そう言って犯人たちは一斉に逃げ惑うが・・・

「ダメダメ・・・こんな事して・・・逃げるなんて・・・余計に殺意が沸いてくるよ!!」

そう言って氷牙は犯人を追いかけていった

 

 

 

 

そしてキンジやアリアと言った応援の武偵が駆けつけた頃には・・・

「さて・・・お前で最後だな・・・」

氷牙は全身返り血に塗れながらも犯人たち全員に重傷を負わせ最後の一人に銃口を向けていた

「ヒ、ヒィ・・・タ、タスケテ・・・」

「助けてくれか・・・襲おうとした奴に助けを請うなんて・・・虫酸が走るんだよ!!」

そう言って目を見開き口元をニィッと歪ませ最後の一人にも

――バララララララッ――

容赦ない銃撃を浴びせた

「ギャァアアアアアアアアアア!!!」

その光景には白雪はおろかアリアやキンジでさえ思わず目をそらした

「ア・・・ガ・・・」

犯人はピクリとも動かないまま呻き声を上げるが

氷牙はなんてこともないかのように

「制圧完了だ」

そう告げた

「クッ!!大至急救護科を呼ぶんだ!俺たちは犯人の止血と応急処置だ!」

そう言って応援に来た連中はみんな犯人に駆け寄り応急処置をする

犯人は全員かろうじて生きているがその全ては重傷だった・・・

「ああ、みんなやっときたか・・・」

それを見て氷牙もやっと応援が来たとわかった

「氷牙・・・お前・・・何してんだよ!」

キンジが問いただすが・・・

氷牙は血塗れの中笑顔で

「遅かったな、もう終わった・・・よ?」

そう言おうとしたところで突如デジャヴ感を感じた

 

『非殺傷弾しか使わない』

『武偵を敵に回したこと!後悔するんだな!』

『血塗れの中で笑っていた・・・』

 

「うっ!?」

なんだ!?この光景・・・どこかで・・・

氷牙は頭を抱え

「う・・・があああああああああああ!!!!」

激痛に絶叫を上げた

「氷牙!?どうした!?」

なんだこれは!?頭が割れそうに痛い!!

けど・・・それに伴って・・・頭のノイズが少しづつ鮮明になって・・・

 

【そうだ・・・この弾丸は・・・過去の自分と決別するために・・・俺が武偵であるために・・・特注して作った弾丸で・・・初めて使ったのはあの日・・・すべてが変わってしまった日・・・】

また頭の中にあの声が響いて

 

「あ・・・あああああああああ!!!」

そして激痛と共に頭の中に鮮明な記憶が蘇り・・・

 

 

そのまま意識を失った・・・




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