祭りから翌日
俺はアリアの戦姉妹である間宮あかりの呼び出しに応じて屋上に向かっていた
ちなみに一人で来てほしいとのことでレキはおいていくつもりだったが一緒に行くと聞かなかったのでどうしようか悩んでいたら突然白雪が来て「レキさんと二人で話したいことがあるの」と言ってレキを連れて行ってしまった。まあ好都合だったといえば好都合だったな・・・
ただ一つ問題点をあげるなら・・・
「・・・ちゃんと時間も言えよな・・・」
今朝になって時間を伝えてなかったことに気付いたらしく・・・慌ててアリア経由で俺に
『あの子達時間言ってなかったことについさっき気付いたらしいわ。12時に来て欲しいそうよ。言っておくけど虐めんじゃないわよ?虐めたりしたら風穴開けるからね!』
なんてメールが来た
「別に虐めねえっての・・・まあ・・・確かめたいことはあるけどな・・・」
そして屋上に行くとそこにはすでにあかりがいた。そして両隣には先日の夏祭りで一緒にいた女子も連れておりなんだか物々しい雰囲気だ。それに・・・
(他にも見られてるな・・・少なくとも2人・・・いや・・・3人か・・・それと・・・)
「お、お待ちしていました!九狂先輩!!」
「ああ、お待たせ。で、そっちの二人は・・・確か夏祭りの時一緒にいた子達だよね?」
「はい、私は佐々木志乃、探偵科1年です」
「アタシは火野ライカ、強襲科1年だ」
「そうか、それで・・・俺に何の用?ひょっとして決闘の申し込み?面子揃えてきてもらって悪いけど俺そうゆうのやんないから・・・」
「い、いえ!それは違います!」
「じゃあ・・・もしかしてどこぞのギャルゲーみたいに屋上に呼び出して告白?でも仲間連れて来てるんだから違うよなぁ・・・」
「ち、違います!そうでもありません!」
「そうです!そんな事天地がひっくり返ってもあり得ません!!」
なんで君が言うの…てかそこまで言わなくても…
「じゃあ一体何の用?それとさ別に付き添い連れてくるのは構わないんだけど陰でコソコソ見られるのはちょっと落ち着かないから出てくるように言ってあげてくれない?まあ隠しカメラで見てる子は仕方ないけどさ、給水タンクの上に隠れてる子と俺の後ろでフェンスの向こうの壁にぶら下がってる子は出てこれるでしょ?」
「「「「「「――ッ!?」」」」」」
「き、気付いてたんですか!?」
「うん、なんか君たち以外にも見られてる感じするし、なかなか気配消して巧妙に隠れてるけどまだまだ自然に溶け込めてないから違和感があるね。」
『そ、そんな・・・まさかわたくしの事まで気付くなんて・・・』
「さ、流石・・・武偵校始まって以来の最強の1年生コンビの一員だったのは伊達じゃありませんね・・・」
「く・・・流石は九狂殿・・・師匠の相棒を務めただけの事はあるでござる・・・」
そう言って給水タンクに隠れていた子とフェンスにぶら下がっていた子が出てきた
俺は二人を見て
「で、君たちは?」
「私は乾桜、強襲科インターンです」
「・・・カメラ越しにいてるのは島麒麟、CVRインターンでアタシの戦姉妹だ」
「――?何を言ってるでござる?拙者九狂殿とは何度も顔を合わせているでござろう?」
「え?あ、ああ・・・そうだったな・・・」
しまった・・・あの覆面した子・・・あの子とは顔見知りだったのか・・・
「――?九狂殿?どうしたでござる?何か様子がおかしいでござるよ?」
「・・・そうか?そんなことないぞ?気のせいじゃないのか?」
「ふむ・・・何と言えばよいのでござろうか・・・うまく言えぬが・・・まるで九狂殿の顔をした別人と話しているような気がするでござる・・・」
(・・・その通りだよ・・・畜生・・・)
・・・何て勘のいい奴だよ・・・こりゃ下手なことは言えないな・・・追及される前に早く話本題に戻しちまおう!
「それよりもさ!君、結局俺に何の用なの?」
「あっ!は、はい!!え、ええと・・・そ、その・・・」
先程からあかりは何があったのかすごいテンバっていた
「九狂先輩・・・」
それを見て話が進まないと思ったのか志乃が口を開いた
「ん?なに?」
「話の前に一言言っておきます。私達はいざとゆう時のためにここにいます」
「いざとゆう時?」
「私たちはこちらからは何もしません。ですが貴方があかりちゃんに手を出そうとするなら・・・私たちが全力でお相手します!」
「ああ、もしアンタがあかりに手を出そうとしたら・・・アタシたちが相手になる!」
そう言って志乃は刀に手を掛けライカもトンファーを出して構えてきた
「は!?いや、ちょっと待て!話がさっぱり理解できないんだが!?確か決闘しに来たんじゃないんだよな!?」
「あ、あわわわわ!ま、待って!志乃ちゃん!ライカちゃん!」
そしたらあかりがテンバりながらも仲裁して
「ええと・・・その―――」
意を決して俺に何かを差し出して
「こ、これ!九狂先輩のですよね!」
と言ってボロボロの紙袋を渡してきた
「え?これ・・・」
(なんだこれ?これが何だっていうんだ?)
「は、はい!実は先月―――」
時は遡って・・・
ハイマキの襲撃騒ぎから数日後
実は氷牙が血眼で探していたあの袋は意外な人の手に渡っていたのだ
「・・・うう・・・どうしよう・・・」
1年の教室で間宮あかりは頭を抱えて悩んでいた
「どうしたのあかりちゃん?」
「何か悩みでもあるのか?」
そんな異変に気付いた志乃とライカが声を掛けると
「う、うわあああああああああん!!!」
突然あかりが二人に抱き着いて泣き出した
「志乃ちゃん!ライカちゃん!助けて!」
「あ、あかり!?どうした!?」
「ど、どうしたんですか!?ま、まさか誰かに虐められてるんですか!?誰ですか!?すぐに私が一族まとめて抹殺してあげますから!!」
「ちがっ、違うの!わたっ、わたしうわああああああん!!」
「あ、あかりちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「ああもう!とりあえず落ち着け!」
そして十数分後・・・
「で、おちついたか?」
「うん・・・取り乱してごめん・・・」
「それで・・・一体どうしたんですか?」
「うん・・・これなんだけど・・・」
そう言ってボロボロの紙袋を出した
「何だそりゃ?」
「この前志乃ちゃんと麗ちゃんと工事現場行ったときに途中で大きな犬とぶつかって・・・その時に咄嗟に掠め取っちゃたんだ・・・」
「ハァ?犬から?つうかお前それって・・・」
スリ、そしてネコババ・・・普通に犯罪である・・・
そしたら志乃が顔を真っ青にして
「あ、あかりちゃんが・・・そんなことありません!あかりちゃんは悪くない!大丈夫です!私がなんとしても揉み消して―――」
「ああ!聞いた限りじゃまだ誤魔化す余地はある!」
「え?」
「いくつか確認するぞ?まずその荷物は犬が持っていたんだな?」
「うん・・・首からこの袋下げてこっちに走ってきたのを見たから間違いないと思う・・・」
「とゆうことはその飼い主さんの荷物でしょうね・・・近くに飼い主はいましたか?」
「ううん・・・ぶつかった後すぐに行っちゃたし飼い主と思う人も近くにはいなかった・・・」
「大丈夫(です)だ!誤魔化せ(ます)る!」
「その荷物その犬が落としたことにして・・・」
「それを偶然通りかかったあかりちゃんが拾ったことにしましょう!!」
「え・・・それじゃあ・・・」
「ああ!後は飼い主を探してそれを渡せば万事解決だ!」
「私たちも手伝います!元気出しましょうね!」
「うん・・・二人共・・・ありがとう・・・なんてお礼すればいいのかな・・・」
「気にすんな!こんな時の友達だろ!」
「そうですよ!気にしないでください!」
(それに・・・嬉し泣きするあかりちゃん・・・これだけでも十分すぎる報酬です!!)
志乃はそう思いながらも胸元に仕込んだ隠しカメラのシャッターを切り続けた
「そういえば・・・これなんだろう・・・中身見たらまずいかな・・・」
「いや、見てみようぜ?もしかしたら持ち主の手がかりがあるかもしれねぇ」
そう言って袋の封を開けようとすると
「ま、教務課からの伝令ですっ!」
教卓からそんな強張った声が聞こえてきた
「あ、2年の中空知先輩だ」
そしてあかりと目が合うと
「あ、あれ?それって・・・」
あかりが手に持っていた袋に気付いた
「あ、これ知ってるんですか!?」
「え、ええ・・・た、確かずいぶん前に・・・九狂さんに紹介した・・・」
「「「九狂!?」」」
その名前を聞いてクラスの皆がざわついた
「ひっ!?」
「九狂って・・・九狂氷牙の事か!?」
「あの武偵校一の問題児で強襲科最強の男ともいわれている・・・」
「武偵校始まって以来の最強とも言われた伝説の一年生コンビ『ゴールド・フェンリル』の一人の・・・」
「100人を超える武装集団をたった一人で壊滅させたっていう・・・」
「アドシアードじゃバトルロワイヤルを優勝して世界記録を3つも同時に更新したっていう・・・」
「噂じゃ危害を加える奴にはたとえ民間人だろうと残忍なまでに容赦しないって・・・」
「確か彼に逮捕されて五体満足でいられた犯人はほとんどいないって・・・犯人の中には手足をブッた斬られた奴も結構いるらしいぞ・・・」
「ああ・・・それで何度も返り血で血塗れになって帰ってくるもんだから『血塗れ武偵』なんて二つ名で呼ばれてるとか・・・」
「そういえば最近彼が何かを血眼になって探しているって聞いたけど・・・」
様々な噂が飛び交う中で聞き捨てならない噂が聞こえてきた・・・
ライカは袋を見て
「なあ・・・まさか・・・」
そして志乃も袋を見て
「・・・もしかして・・・これがその人が血眼で探してる・・・」
「なあ・・・もし・・・あかりが掠め取ったなんてことがばれたら・・・」
あかりは顔を真っ青にして
「わ・・・私・・・殺されちゃうの!?」
と泣き顔になっていた
「お、落ちつけあかり!」
「とにかく!持ち主はわかったんです!すぐに返しに行きましょう!私たちも付き添います!」
「う・・・うん・・・」
「あ、あの・・・」
「「「中空知先輩!!」」」
「ひっ!」
「「「お願いします!九狂先輩と連絡してください!」」」
「あ、あの・・・その・・・そ、それなんですが・・・く、九狂さんは・・・」
「「「九狂先輩は!?」」」
「く、クエストで出かけていて…しばらく帰ってこないそうです・・・」
「「「へ?」」」
そして氷牙が帰ってきた時はそのまま入院して面会もできずそれからあかり達も多くのトラブルに巻き込まれてしまい夏祭りの日に偶然氷牙に会うまですっかり忘れていたのであった
「ご、ごめんなさい!私これレキ先輩が飼っている犬とぶつかった時に思わず掠め取っちゃって・・・しかも九狂先輩が血眼で探してるって言うから怖くて打ち明けられなかったんです・・・」
(ああ・・・なるほど・・・)
記憶を失う前の事か・・・どうやら血眼で探すほど大事なものだったらしいが・・・だけど・・・今となっては・・・
俺は紙袋を受け取ると中身を見てみる
「ん?・・・これは・・・」
(なんだこれ?俺はこんな物を必死に探していたのか?)
「う・・・」
そう思っていると突然頭に電流が流れたような激痛がして直感的にこう感じた・・・
これは・・・俺のじゃない・・・だけど・・・これは・・・俺にとって大事なもの・・・
そんな気がした・・・
「あの・・・九狂先輩?・・・どうしたんですか?」
あかりは俺から距離を取りつつも恐る恐る聞いてきた
「・・・いや・・・何でもない・・・これ・・・見つけてくれてありがとう・・・」
「「「「・・・え?」」」」
「あの・・・怒ってないんですか?」
「え?別に怒ってないけど?むしろ持ってきてくれて感謝してるけど?」
そう言うと覆面をした子以外は皆目を丸くして俺を見た
「え?あれ?本当に怒ってない?」
「予定と違うぞ?麒麟!どうなってんだ?」
『おかしいですわ!どうなってるんですの?この後先輩がキレて戦闘になって牽制しつつも撤退して逃げる手はずだったのですが.・・・』
「あの・・・相手は惨忍で無情な狂犬みたいに野蛮な人なんじゃ・・・」
「だから言ったでござろう・・・噂などあてにならないでござるよと・・・」
「お前ら・・・俺を何だと思ってんだよ・・・」
「ええと・・・犯人どころか民間人も平気で病院送りにする問題児って・・・」
「惨忍で抵抗する奴は容赦なく手足を叩っ斬る無情な性格の持ち主とか・・・」
(俺・・・悪い意味で有名なんだな・・・)
「まあ・・・当たってるだけに反論できないのが辛いところだな・・・」
「あ!す、すみません!!気を悪くしたのなら…」
「いや、別に気にしなくて・・・・・・いや待てよ・・・そうだな・・・」
突然氷牙は刀を抜いてあかりに突き付けた
「え!?ええ!?」
「な!?なんのつもりだ!?」
「あかりちゃんに手を出すなら私たちも容赦しませんよ!!」
「いや、折角見つけてくれたんだ礼と言っちゃなんだが稽古付けてやるよ」
「「「え?」」」
「どうだ?元とはいえSランク相手だ、いい経験になるんじゃないか?」
「わ、私ですか!?でも私Dランクになったばっかりなんですよ!?」
「それは・・・本当に本気で戦っての?」
「・・・え?」
「なんとなくわかるんだよ・・・初めて会った時から思っていたけど・・・君は・・・俺と同じ匂いがするんだ・・・」
「え!?」
「俺と同じだ・・・自分の力は武偵が持つべきものじゃないと、自分の力を忌嫌っていた・・・」
「・・・どうして・・・それを・・・」
「なんとなくわかるんだ・・・俺もそうなんだから・・・俺の技も・・・本来は・・・殺しの技だ・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「どうだ?勿論無理にとは言わないが?」
しばしの沈黙の後
「・・・・わかりました・・・」
そう言ってあかりはUZIを抜いた
「な!?あかり!?」
「ちょ、ちょっとあかりちゃん!?本気ですか!?」
「やめよ!あかり殿!!無謀でござる!!」
周りの皆は必死に止めるが・・・
「ごめん・・・皆、待ってて・・・」
あかりはそれを押し切り俺と向かい合った
「決まりだな・・・来い!!」
「はい!強襲科Dランク!間宮あかり!!手合わせ願います!!」
「ああ!強襲科Aランク!九狂氷牙!!相手になろう!!」
そう宣言するとあかりは氷牙に向けて発砲した
次回久しぶりのバトル展開・・・上手く書けるか・・・