緋弾のアリア 狂牙の武偵   作:セージ

51 / 133
ちょっと久しぶりな投稿・・・
上手く筆が進まないな・・・

後いつの間にかこの小説書き始めて早くも1年経ちました・・・
我ながら長く書いてるもんだと感心してます・・・


49話<憧れを越えて・・・>

「見事だキンジ・・・お前の初勝利だな・・・」

 

不可視の銃弾を破られ銃を破壊された金一はそれ以上の戦闘の意思を見せる事は無かった

「ああ、記念すべき100戦目・・・初勝利を飾らせてもらったよ」

 

そしてキンジは金一に歩み寄り

「なあ兄さん・・・もう一度俺に賭けてくれないか?」

「・・・なに?」

「俺はこれからアリアを助ける。そしたら氷牙と合流してその教授とやらを倒してイ・ウーを潰す。兄さんが一度は賭けた第2の可能性・・・俺はそれを実現してみせる」

「・・・できるのか?・・・『教授』は・・・俺やお前・・・氷牙君よりもはるかに強いぞ!」

「それでもだ!ここで引くわけにはいかねえんだよ!アリアは俺が守る!絶対にだ!」

そう言ってキンジは金一を真っ直ぐ見据えた

それを見た金一は

「お前・・・本当にキンジなのか?さっきまで腑抜けていたお前とは・・・別人だな・・・」

そう問いかけるとキンジはゆっくりと語りだした

「自分で・・・考えたんだ・・・」

「考えた?」

「兄さん・・・アンタは・・・少年時代の俺にとってはヒーローでもあり憧れでもあり目標でもあったんだ・・・いつか兄さんみたいな武偵になって兄さんと肩を並べられる相棒なりたいと思っていた・・・だけどあの日・・・兄さんが死んだと思った日・・・ずっと追いかけていた目標を失って・・・進むべき道が・・・目指すべき目印を失って・・・武偵をやっていく理由さえも失って・・・それで今日・・・兄さんに幻滅して・・・今まで追いかけていた存在がすごく小さく見えて・・・もうアンタの背中を追いかけるのをやめようとしたとたん「じゃあ俺はこれからどうすればいいんだろうな」って思った・・・そして自分で考えた・・・考えてみれば・・・俺はずっと兄さんの背中を追って兄さんの進んだ道をたどってばかりいたから・・・自分の道を自分で考えたことなんて一度もなかった・・・」

「・・・・・・・・・・」

「そしたらいくら考えても俺は武偵を辞めようって気にはなれなかった・・・それで思い知らされたんだ・・・俺はただ自棄になって武偵を辞めようとして・・・全てから逃げて目を背けていただけだったんだ・・・情けないよな・・・これじゃあ俺も氷牙と同じ・・・ただの人形だ・・・俺はずっと兄さんの背中を追ってばかりいて・・・ただ兄さんの人生をトレースしてばかりいたんだ・・・そんな半端な理由で武偵やってれば・・・目標を失っただけでこんな腑抜けになっちまうのも当然だよな・・・だから・・・俺は今日初めて自分で考えたんだ・・・俺はどうしたいのか・・・他でもない俺自身の・・・俺一人の意思で・・・そして決めたんだ!アンタを越えて・・・俺は俺の行きたいように進もうって!これからは俺の道は・・・俺自身の手で切り開くんだって!」

「キンジ・・・いい目だな・・・吹っ切れて一皮剥けたか・・・」

「ああ・・・全部、氷牙やアリアがいてくれたおかげだな・・・だから俺は・・・これから二人を助けに行く!あいつらには返しきれない恩がある・・・俺だって遠山家の男・・・義の一族の人間だ!受けた恩はきっちり返さねえとな!」

「ならば急げ・・・氷牙君は・・・すでにあそこにいる!」

「え?」

そう言って金一が見た先、

夜明けが近いためか空が少しづつ明るくなった海には・・・

 

「なっ!?あれは!?」

 

はるか先に一隻の潜水艦が浮かんでいた

「潜水艦ボストーク・・・あれこそが・・・イ・ウーの正体だ!!」

「あれが・・・イ・ウーの根城・・・あそこに氷牙が・・・」

『――ッ!!間違いありません!あの潜水艦から氷牙君の反応があります!』

「・・・キンジ・・・後はお前の好きなようにしろ・・・お前は可能性を示した・・・ならば俺には止める権利はない・・・」

「ありがとう・・・兄さん・・・」

「礼はいらん。その代わり誓え!今度こそ・・・俺を裏切るなよ・・・」

「ああ!俺はもう迷わない!もう間違えない!もう逃げない!兄さんが2度も賭けてくれた第2の可能性・・・今度こそ実現して見せる!」

『遠山君!大尉達を先に先行させます!貴方たちは神崎さんを救出後向かってください!』

「キンちゃん!これ持ってきたよ!着替えて!」

そう言って武装巫女装束に着替えていた白雪が差し出したアタッシュケースの中には・・・武偵校の制服と・・・強襲科時代に俺が使っていたB装備だった

 

「これは・・・俺の装備か!それにこれって・・・」

新しい女子制服もあった。おそらくこれはアリア用のだろう

「私もアリアを取り返したいんだよ、こんな形で決着なんかつけたくないもんね」

「――?よくわからんが・・・すまん!助かる!」

そしてキンジはB装備に着替えた

 

「よし!行くぞ!」

「うん!」

「・・・はい」

白雪と同じくこちらは制服に着替えていたレキもそう返事をするが・・・

 

白雪は首を振り

「ううん・・・ここは私達に任せてレキさんは先にあそこに・・・氷牙君の所に行って!!」

「ですが・・・」

「時間がないんだよ!それに・・・行きたいんでしょ?」

「そうだな・・・レキ!氷牙を頼む!俺達もアリアを取り返して必ず向かう!!」

「私達はするべきことをするためにここにいるんだよ!レキさんも・・・自分のしたい事をして!」

「・・・・はい・・・ありがとうございます・・・」

そう言うとレキは引き返しヘリに乗っていった

 

「ベスさん・・・お願いします・・・」

『了解です!遠隔操作で向かわせます!』

 

そしてヘリを見届けると

「さあ!私達も・・・急がないとね!」

「ああ!さっさとアリアを取り返して追いかけるぞ!」

そう言ってピラミッドに入ると

『残念じゃがアリアは大事な交渉材料じゃ、そうやすやすと返さんぞ!!』

パトラの声が聞こえ地面には緑色の虫の大群が、空には黄色い蜂の大群がそこら中から飛び出してきた

『テラーバイト来ます!!』

「任せて!」

白雪が両腕の白小袖を思いっきり振るとそこから無数の折り紙の鶴が飛び出し

「緋火星鶴幕!!」

投げた折り鶴が火の鳥になりテラーバイトを次々と焼き落としていった

『お見事です!』

「油断しないで!まだまだ来るよ!!」

いくら白雪が焼き落としても次々と沸いてきてキリがない・・・このままではジリ貧だ・・・

「くそっ!数が多すぎる!時間がないってのに!」

「キンちゃん伏せて!!」

「―――ッ!!」

カマキリみたいな虫がキンジに飛び掛かるが

 

――ザン――

 

白雪が咄嗟に切り伏せた

「キンちゃん大丈夫!?」

「ああ、助かっ――!!」

キンジはベレッタを素早く抜いて撃った

先程のカマキリが死に際に子供をばらまいていたのだ

 

――ババッ――

 

二体は撃ち落とすが・・・

(不味い!一体仕留め損ねた!)

「白雪!」

咄嗟に白雪を庇おうとしたが

 

――ザシュッ――

 

「全く世話の焼ける愚弟ね」

「兄さんいや・・・カナ!?」

割り込んできたカナが残りの一匹を仕留めた

「私はもう一度あなたに賭けた、なら今度こそ成し遂げてもらわないといけないわ。その為なら私も全力でサポートさせてもらうわよ」

「ああ!助かる!」

 

キンジは銃を構え

「あいつもきっとあそこで一人戦っているんだ!俺達もこんな所でもたついてられないな!さっさとアリアを取り返して追いかけるぞ!」

白雪も札を取り出し

「さあ・・・みんなまとめて焼いちゃうよ!」

カナも大鎌を構えて

「そう・・・それでいいわ、貴方たちは自分の思うがままに前へ・・・ただ、ひたすらに前に進みなさい!」

一斉にアリアの元へ向けて駆け出していった

 

 

 

一方・・・

 

レキは潜水艦に着くとすぐさまドラグノフを構え進んでいった

いくらラッシュと氷牙が先行して露払いがされているとはいえ後方支援が専門のレキ一人では危険すぎる。まずは二人と合流しなくては、そう思い気配を消して進んでゆく

 

(あれは・・・)

その途中で落ちていた銃を拾い上げた

見間違えるはずがない・・・この癖のある改造・・・それに入っている弾丸・・・間違いない・・・

(これは・・・氷牙さんの銃!)

そこに落ちていたのは氷牙が使っていたMP5Kだった

(何故銃だけがここに?落としたとは考えにくい・・・まさか氷牙さんの身に何か?)

そう考えていると

 

――ドゴォォォォン――

 

突如近くで響いた爆発音

(――っ!?)

氷牙達が戦っているのか!?そう思い音の発生に向かい慎重に現場をのぞき込む

 

そしてそこに居たのは・・・

(氷牙さん!?)

後姿だがあれは確かに氷牙だ、無事だったのか。そう思い部屋に入ろうとすると・・・

氷牙の前には瓦礫の上で血塗れで体中から煙を出して倒れている・・・男性がいた・・・

しかもその男性・・・胴体から下が無い・・・あれはどう見てももう死んでいる・・・はずなのに・・・その男は笑いながら動き出し手にはスイッチらしき物が握られてた

「シャアッ!!」

そして氷牙はすぐさま近くにあったコンテナを蹴り飛ばし男を吹っ飛ばし

 

――ドゴォォォォン――

 

男はエレベーターの中に突っ込むと大爆発を起こしてエレベーターごと下へと落ちていった

(――!!氷牙さん!何てことを!!)

あれは・・・誰が見てももう助からない・・・あの男は間違いなく死んだ・・・氷牙が・・・殺した・・・

 

「・・・・氷牙さん・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

レキが呼びかけると氷牙がゆっくりとこちらを振り返る

その時の氷牙は血塗れな顔に腐った魚のように虚ろで暗い目をしていた・・・

「―――ッ!!」

その目を見てレキには分かってしまった・・・あれは・・・人殺しの・・・一線を越えてしまった人間の目だ・・・

「・・・・・・・・・・・」

やがて氷牙がレキに銃を向けた

「――!?氷牙さん!?何のつもりですか!?」

やがて氷牙はゆっくりと口を開きこう言った

 

 

「俺は・・・もう戻れない・・・」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。