コミケも近いし
多分これが今年最後の投稿です
氷牙side
氷牙がラッシュを追って潜水艦に入ると
「グォッ!!」
突然ラッシュの部下の一人が吹っ飛んできて
「クックックッ・・・」
声をした方を見るとそこにはサングラスをしたオールバックの中年男性がいた
「・・・お前は・・・」
「久シブリダナ・・・まっど・ふぁんぐ・・・」
「・・・まだ生きてやがったのか・・・出来れば二度と会いたくなかったよ・・・ドッグ・・・」
忘れもしない・・・あいつは・・・ワイルド・ドッグ・・・俺がこの世で一番憎むべき男だ・・・
「気を付けろ氷牙君!!腕にトラクタービームを装備している!!周りの物体を引き寄せて飛ばしてくるぞ!」
「・・・相変わらずの悪趣味なこった・・・」
氷牙は銃を構え
「大尉・・・ここは俺がやる・・・アンタたちは格納庫に急げ・・・」
「・・・わかった!君にも部下を数人・・・」
「いらねえ・・・俺一人で十分だ・・・」
「なっ!?無謀だ!!相手は・・・」
「口論してる暇はねぇだろ・・・さっさと行け・・」
「だが・・・」
「頼む・・・決着をつけたいんだ・・・」
「――ッ!・・・わかった・・・その代わり約束しろ!絶対に追いついてこい!!いいな!!」
「了解・・・」
そしてラッシュ達は格納庫へと走っていった
「で・・・よかったのかドック?あいつら止めなくて?」
「ハッ、下ニハふぁんぐガイル、アイツラハソコデ終ワリダ」
「そうか・・・ならお前はここで終わりだ・・・もう俺は武偵じゃねえ・・・だから遠慮なくこの力を振える・・・夢にまで見た日が・・・この力でお前達に復讐する日が・・・お前たちを殺す日がようやく来たんだ・・・」
そう言って俺は・・・とっくに狂牙モードになっていた。それも普段の手加減してのじゃない・・・本気のだ!
「ハッ・・・ハッハッハッハッハッ!!スバラシイ!!アノ失敗作ガマサカコンナもんすたーニ化ケルトハ!!」
「遺言はそれだけか?」
「オ前ニハ申シ訳ナク思ッテイル、俺ガ育テ方ヲ間違エタバカリニオ前ノ才能ヲ引キ出スコトガデキナカッタ、俺ノセイデオ前ハ感情ヲ持ッテシマイ武偵ナドトイウ半端者ニ堕チテシマッタ」
「・・・・・・・・・」
「ダガヨウヤクオ前ハ武偵トイウ檻カラ抜ケ出シ、コノい・うーニ辿り着イタ!胸ヲ張レ!オ前ハモウ失敗作ナドデハナイ!オ前ハ最強最悪ノ傭兵、人類史上最悪の殺人ましん、まっど・ふぁんぐダ!」
「そうか・・・じゃあドッグ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
――ドゥン――
パイソンを発砲してドッグの胸を撃った
武偵と決別し、自分はもう人を殺していると考えると今更一人二人追加で殺すことなど何も躊躇は無かった
「グァ!?」
「・・・もう黙れ・・・」
「マッド・・・貴様・・・」
「言っただろ?俺はもう武偵じゃない・・・もう人を殺す事にも、この力を全力で振る舞うことにも何も躊躇する必要なんかないんだ・・・だからさっさと死ね・・・お前は目障りだ・・・噛ませ犬は噛ませ犬らしく無様にやられろ・・・」
そう言って・・・
――ドゥン――
ドッグの頭に向けて発砲した
そしてドッグは吹っ飛ばされて仰向けに倒れた
「安心しろ・・・すぐにファングもそっちに送ってやる・・・」
そして氷牙はラッシュを追ってドッグに背を向け
「こいつは・・・もう必要ないな・・・」
――ガシャン――
MP5Kを捨てた
元々武偵であるために非殺傷弾を使っていたんだ・・・なら・・・もう武偵でないならこんなもの必要ない・・・
「こんなことなら・・・あかりにでも全部くれてやればよかったな・・・」
そう吐き捨ててエレベーターへと向かった
そしてエレベーター手前にさしかかった時
――ガシャン――
氷牙の前後左右からは針が出ていたり電流が流れてたり火炎放射機がついてたりチェーンソーがついてたりとバリエーション豊かな壁が出てきて閉じ込められた。おまけに上からは大量の固定銃器が降りてきた
「・・・罠か?だが大尉達もここを通ったはずだ・・・なんで今更・・・」
「マッド、ドコニ行ク?オ前ハココデオ留守番ダ!!」
そんな声が聞こえ・・・
背後から先程撃ち殺したはずのドッグが歩いてきた
そしてその手にあるリモコン・・・成程な・・・アイツが遠隔操作で作動させたのか・・・
それに胸と頭を撃たれたはずなのに平然と立ち上がっている・・・ってことは・・・
「頭を撃っても死んでない・・・心臓も脳味噌も無いのか・・・ここは人間辞めた奴ばっかりだな・・・」
「い・うーノ技術ハ私ヲ脆弱ナ人間ノ体カラ解放シテクレタ!!撃タレテ簡単ニ死ヌ体ナド邪魔デシカナイカラナ!!」
「自分から人であることを捨てたか・・・人でいたいのにいられない奴だっているのによ・・・」
いや・・・こいつは元々人じゃない・・・そもそも・・・ドッグはもう死んでいたんだ・・・2年前VSSEのエージェントに倒されたあの日に・・・ここにいるのは・・・ドッグの姿をした・・・ただの亡霊・・・哀れな存在だ・・・そして・・・俺も・・・
「情けねえ・・・俺はこんな奴に飼い殺しにされてたんだと思うと自分が哀れで情けなくて泣けてくる・・・」
そう言いながら氷牙はパイソンをしまい両手に刀を持った
「オ仕置キダまっど!飼イ主ニ逆ラウぺっとニハ躾ガ必要ダ!」
ドッグはトラクタービームを作動させると近くのコンテナを持ち上げ氷牙の頭上に運ぶ
それと同時に氷牙を囲っていた壁が動き出し・・・
――ドゴォォォォン――
上からは大量のコンテナや機材が降ってきて、4方からは壁が迫ってきて・・・
氷牙は押し潰されてしまった・・・
「眠レまっど・・・失敗作ハ所詮最後マデ失敗作ダッタカ・・・」
そう吐き捨ててドッグは背を向けた
「お前はその失敗作にやられるんだよ」
その瞬間そんな声が聞こえてきた
押し潰されたと思っていたが
氷牙はとっくに迫りくるコンテナやトラップ、銃弾を全て回避し脱出していた
「ナニ!?」
ドッグが振り向くと同時に氷牙は
――ザガッ――
一瞬で間合いを詰め下から斬り上げてドッグを宙に浮かせると
――ザガガガガガガガガッ――
まるで踊るかのように刀を振るい次々とドッグの全身を切り刻んでいった
「グァァァッ!?マッド!貴様ナニヲ!?」
ドッグは人間辞めてても血は流れていたらしく切り刻むごとに血しぶきが上がり氷牙の体に返り血がかかってゆき・・・
氷牙は最後に刀を一度納刀して片方だけ鞘ごと外すと鞘を左手に持ち、居合いの構えをとり
――ザンッ――
そしてドッグの腕のトラクタービームは・・・止めの居合い斬りにより肘から下が胴体ごと斬られた
「トラクタービームが実用化されなかったのは制御装置によるエネルギーの制御を失った場合のリスクがあまりにも高すぎたためだ、もし制御装置がそうなった場合・・・後はわかるだろ?」
そう言うと氷牙はドッグを蹴り飛ばすと床に刀を刺しその場に踏ん張った
その直後、制御を失ったトラクタービームが暴走を起こし周りの物体をなりふり構わず引き寄せて・・・
「グァァァアアアアアアアアア!!!」
氷牙は引き寄せられないように踏ん張る中、断末魔と共にドッグは押し潰されてしまい・・・数秒後トラクタービームは暴走を停止した
「哀れだな・・・だがあんたには相応しい最後だ・・・」
しかし・・・何か大事なことを忘れている気が・・・
やがて瓦礫の山と化した場所から
「クッ・・・ハッ・・・ハッ・・・ハ・・・」
ドッグが笑い声と共に瓦礫から出てきた、そしてその手にはまた何かスイッチのような・・・
「――――ッ!!!」
「誰ニモ・・・俺ハ・・・殺セナイ・・・」
そうだった!!ドッグは―――
それを見て俺は忘れていたことを思い出したと同時に全力で逃げ・・・ようとしたがあるものが目についたのでやめて近くにあったコンテナをドッグめがけて蹴り飛ばし
――ドォン――
ドッグがスイッチを入れると同時に―――
――ゴガァン――
「グァッ!?」
ドッグは吹っ飛ばされその先にあったエレベーターに突っ込み
――ドゴォォォォン――
エレベータの中で大爆発が起こった
そう・・・ドッグは・・・自爆狂なんだ!!!
そしてドッグはエレベータもろとも下へと落ちていった
いくら人間辞めていてもあれだけ切り刻んで胴体上と下に分けられてコンテナに押し潰された挙句自爆をしているんだ・・・流石にもう生きてはいないだろう・・・
「本当に・・・どこまでも噛ませ犬な奴だ・・・」
俺はそうドッグを憐れむと同時に感謝もしていた、これで見切りが付いたのだから・・・
ドッグは死んだ・・・結果はどうあれ俺が殺そうとして死なせた・・・そして・・・
「・・・氷牙さん」
「・・・・・・・・・」
背後からそう呼ばれ振り返る・・・
そう・・・いつの間にか俺の背後には・・・レキがいたのだ・・・
もしドッグがあそこで自爆していたら間違いなくレキも巻き添えをくらっていた・・・だから俺は逃げずにドッグを吹っ飛ばしたのだ・・・
俺はレキに銃を向けると
「――!?氷牙さん!?何のつもりですか!?」
そう問いかけてきたので俺は
「俺は・・・もう戻れない・・・」
そうレキに言った
そうだ・・・俺はもう・・・そっちには戻れない・・・いや・・・そもそもそっちに俺の居場所なんてとっくに無かったんだ・・・俺は・・・この傷を負ったとき・・・ブラドを殺した・・・本当なら・・・俺は目を覚ましたあの日・・・殺人犯として逮捕されるはずだったんだ・・・
ただ俺は記憶を失くしていたから・・・これまでの日常を過ごした方が記憶が戻りやすいから・・・それだけの理由で俺はお情けで武偵を続けさせてもらっていただけだったんだ・・・
そして今度はドッグを殺した・・・俺は・・・今度こそ一線を越えてしまった・・・外道に堕ちてしまっているんだから・・・だから・・・
「だから・・・お前はこっちに来るな・・・」
・・・・そうだ・・・これでレキともお別れだ・・・レキは武偵・・・そして俺は殺人犯だ・・・決して相容れぬ関係だ・・・もう・・・二度と会うことも無いだろう・・・
そして氷牙はレキに背を向けて奥へ向かっていくが
「――!待ってください・・・私は・・・」
レキが後を追って来ようとしたので
――ドゥン――
氷牙はレキの足元に向けて発砲して足を止めた
「――ッ!!」
「帰れ!この先にはお前の居場所も進む道もない!ここから先は血に塗れた世界だ!一度入ればもう戻れない!」
そう言って追い返そうとしたが
「・・・嫌です、私は決めたんです!いつだって貴方の味方であり、あなたと共にあろうと!貴方と共に居られるのであれば・・・血塗れに堕ちようとも何も後悔はありません」
そう言ってレキは氷牙の元へ歩み寄ってきた
それを聞いた氷牙は顔を伏せて―――
「・・・お前は・・・俺のために自分から血に塗れた世界に堕ちようっていうのか・・・」
「はい・・・私は――ドスッ――――ッ!?」
氷牙はレキに首に手刀を入れた
「だったら・・・猶更連れて行けるかよ・・・俺なんかのために手を汚すんじゃねえよ・・・」
そして倒れてきたレキの体を受け止め床に寝かせた
「氷・・・牙・・・さん・・・な・・・にを・・・」
「キンジ達にも伝えておけ・・・イ・ウーは俺が壊滅させてやる・・・手を血で汚すのは俺だけでいい・・・だからお前らはこっちに来るなと・・・」
「・・・待っ・・・て・・・」
「ああそうだ、これ持っていけ・・・今まで俺のために動いてくれたせめてもの礼だ・・・どの道俺には必要ない・・・」
そう言ってレキのスカートのポケットに入れたのは・・・あの社長からせしめた9億の小切手だった・・・
「じゃあな・・・いままで・・・ありがとう・・・」
そう言い残し氷牙はレキの頭を撫でるとエレベータシャフトに飛び降りて下層へと落ちていった
氷牙の背中が見えなくなるとレキは朦朧とする意識の中必死に体動かした
嫌だ・・・このまま道を違えてしまうなんて嫌だ・・・貴方が血に塗れた世界に堕ちるならば私も共にありたい・・・この命尽きるまで貴方のそばにいたい・・・
そう願いながら先程拾った氷牙のMP5Kを握り・・・自分の脇腹に銃口を押し当て引き金を引いた
――バァン――
「―――ッ!!」
その直後、腹部に尋常ではない痛みが走る、だがそれで構わないおかげで激痛で意識が一気に引き戻された
「く・・・はぁ・・・」
そしてレキはよろよろと立ち上がるが・・・
「ぐ・・・あ・・・」
この鈍痛・・・もしかしたら・・・肋骨が折れたか・・・
だが立ち止まってはいられない!そう自分に言い聞かせレキも氷牙を追うべく下層へと続くルートを探し始めた
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