波乱万丈な旅が始まります・・・
9月14日
今日から修学旅行という名のチームの最終調整『修学旅行Ⅰ』が始まり、俺達は京都へ向かうべく新幹線に乗っていた
「しかし・・・この新幹線、のぞみ100系、確か最高速度は時速270キロで京都までは2時間くらいだったか?」
「営業最高速度ではそうですね、ただし設計限界速度は360キロまで出るそうですが本当の限界速度はJRも公表していません、ただ試験車両では397キロまで出したという話もあります」
「そうらしいな?でもそれがどうしたんだ?」
「遅いな・・・俺の隼なら700キロは出せるぞ・・・京都まで1時間切れるな・・・」
「お前・・・あれ片腕で運転出来る代物じゃないだろ・・・かつてのお前なら訳もなく乗りこなしていただろうけど・・・今のお前が乗ったら間違いなく事故って死ぬぞ・・・」
「分かってるよ・・・だからこうして新幹線乗ってるんじゃねえかよ・・・」
「氷牙さん、これは元々チームの最終調整のための旅行です、できる限り団体行動を心がけてください」
「レキ・・・コイツはそう言っても聞くような奴じゃないでしょ?」
「確かにねー、ひょーたん1年の時から協調性なんてまるで無くていっつもキー君とレキュがカバーしてたからねー」
「まあ、それでも何だかんだで息は合っていたから別に苦ではなかったし・・・それなりに楽しかったけどな・・・」
「けど・・・三人共もう一度『ゴールド・フェンリル』結成する気はないんでしょ?」
「まあな、だから今はこのチーム・・・『バスカービル』に入ろうとしてるわけだからな」
「氷牙さん・・・もうあなたは昔と違い弱くなりました、これからは一人では乗り切れないこともたくさんあります。お願いですから協調性という物を・・・少しは仲間を頼ると言う事を覚えてください・・・」
「問題ないわ、どうせこいつは言っても聞く奴じゃないしアタシもこいつには遊撃手に任命してイザってときは独自の立場から独自の判断でチームをサポートしてもらうつもりでいるから、その時はレキ!アンタが氷牙をサポートしなさい?コイツを支えられるとしたらそれが出来るのはアンタだけよ?」
「おいおい、言っていくが俺は弱くなったことは十分自覚してるし、それにもう死にたがっちゃいないぞ?なにせ一生レキのそばでレキを守るために生きるって決めたんだからな」
そう言って氷牙はレキの髪を梳くように撫でた
「はい・・・私も氷牙さんと共に生きると決めました・・・だから氷牙さんは私が絶対に死なせません・・・」
そしてレキも顔を少し赤くして嬉しそうに笑った
それを見て3人は・・・
「そう言う事でもないってのに・・・てか二人共空気が甘いわよ・・・キンジ・・・ブラックコーヒー買って来て・・・」
「うわー・・・お二人とも砂糖出しまくってますなぁ・・・理子もいちごオレじゃなくてブラックコーヒー飲みたくなっちゃたよ・・・」
「ある意味流石と言うべきか・・・情報科調べの夏休みトップニュースベスト3を独占した二人なだけはあるよな・・・」
そう言ってキンジは頭の中で先の情報科による夏休みのトップニュースベスト3を思い返してみる
・ 九狂氷牙、特秘クエストにて重症、右腕と左目を欠損
これについては多くは語る必要はないだろう・・・シャーロックとの死闘の末・・・刺し違えて左目を失い、脱出するために止むを得ず自ら右腕を斬り落としたのだ・・・シャーロックを取り逃がしたとはいえイ・ウーを壊滅させ俺を立ち上がらせる代価は・・・あまりにも大きかったと言えるだろう・・・
(だからこそ決めたんだ・・・俺はもう逃げないって・・・)
・ 九狂氷牙、レキ Eランクに降格
これも多くは語る必要はないだろう・・・1年Sランクにして『ゴールド・フェンリル』の3人がついに全員Eランク降格したのだ・・・もっともレキはスランプは既に乗り越え、キンジも腑抜けから立ち上がった、二人はそう遠くないうちにSランクへと返り咲けるだろう・・・しかし・・・
(氷牙は本当に弱くなっちまった・・・返り咲くにはまだまだ時間がかかるだろう・・・その為にも・・・俺は強くならないとな・・・)
・ ロボット・レキ、陥落
これは・・・少し語る必要がありそうだな・・・一年の時は無口・無感情・無表情さらに性のことや自らの容姿にも無頓着のため「ロボット・レキ」なんてあだ名で呼ばれていた彼女が夏休みの間に正式に氷牙と恋人同士になったのだ・・・
それからというもののレキは・・・普段から(本人曰く狙撃の邪魔にならない範囲で)薄化粧をしたりアクセサリーを着けてみたりして身だしなみに気を配り氷牙とべったり・・・休みの日になれば私服でお洒落に着飾って氷牙とデートしてべったり・・・
それで氷牙に綺麗だと言われれば恥ずかしそうに照れ笑い、氷牙に頭を撫でられれば嬉しそうに笑いと激甘なバカップルぶりを見せびらかしてるのだ・・・
(まさに今・・・目の前でそのバカップルぶりを見せていただいてるしな・・・)
ちなみに武偵校の皆も二人を見て
「レキが・・・笑った!?」「俺・・・幻覚でも見てるのか?」「デレた―!?レキがデレたぞ!?」「あの難攻不落のロボットが・・・」「九狂の奴・・・1年がかりでついに落としやがった・・・」「本当に未来から来たロボットじゃなかったんだ・・・」
と驚愕の声が相次ぐばかりだった・・・
そして会話が終わると
「そう言えば聞いてなかったけど旅行の予定はどうなってんだ?」
と氷牙が尋ねるとキンジは・・・
「・・・初日は社寺を最低三か所、適当に回ったら後でレポート提出だ・・・」
とだけ答えた
「・・・その後は?」
「自由行動」
「は?」
「だから自由行動、大阪か神戸の都市部を適当に見学してろってよ」
そう言ってキンジは一枚の用紙を見せてきた
そこには・・・
『現地集合・現地解散、
初日、京都にて社寺見学(最低3か所見学して後日レポート提出)
二日目、三日目、自由行動(大阪か神戸の都市部を見学しておくこと)』
とだけ書いてあった・・・
この新幹線の切符もキンジが代表でみんなの分まとめて買ってきたところを考えると武偵校も引率も管理もやる気なんてないんだなと思っていたが・・・案の定だったか・・・
「・・・引率の先生の名前も書いてないし何の役にも立たないしおりだな・・・こいつこのまま東京都の教育委員会に送ってやるか?」
「頼むから火に油注ぐな・・・」
そう言うとキンジはしおりを丸めて捨てた
次回のために今回はちょっと短めです・・・
って書いてるところで気付きましたが・・・連載当初は2000文字書くのが精いっぱいだったのに今じゃ2000文字を短いと思っているなんて・・・成長したんだなあと実感できました