私立秀知院学園、生徒会室の外に続く廊下を通る一組の男女が歩いていた。1人は微笑む表情をする四宮かぐやともう1人はしわしわな表情をしている海瀬阿含、廊下の両端では大勢の生徒が聞こえるか聞こえない位のコソコソ話をしていた
「ねぇ、隣の人の表情を見て、具合悪いのかしら?」
「えぇ、しかも薄っすらだけどなんか悪人みたいな表情してる様にも見えるけど」
「それに人と喧嘩してそう雰囲気もあるよね」
阿含の表情は初等部までは普通だったが中等部の2年になる頃には強面過ぎる程の悪党面に風変わりして、阿含も好きでこんな風になったわけじゃ無い。生徒会室に入ったかぐやと阿含の2人は他の3人を待つまで寛いでいた
「(生徒会室に入るまで生徒会メンバー以外生徒の視線が刺さる程見られてた、しかも好き好んでこんな悪党面になったわけじゃ無いのに。それにさ学園の外じゃ偶に喧嘩はやるよ、正当防衛だけど。それよりも長椅子に座った途端にかぐやが俺の膝に座るんだよ!?そこは隣に座るべきだろ、常識的に考えて)」
「生徒会室に着くまで妙な噂されてるみたいですね?特に阿含君の事で」
「ソウダネ、所詮は噂は噂さ。聞き流せば良い(ひいいいいぃぃぃぃ!!誰か助けてえええええぇぇぇぇぇ!!恍惚の表情をしながら俺を睨みつけるが如く百獣のライオン*1がいるんだけど!?)」
「そうですね、所詮は噂は噂。気にする程じゃありませんし(アァ、何度見ても阿含君の凛々しい美顔が素敵。阿含君に対する愛の箱が収まり切れない程好き、此処で既成事実を作ってしまいましょうか。でも此処は我慢よ!!もし此処で手を出せば四宮家の恥に繋がり阿含君が悲しむ事に、あっ!でも悲しむ阿含君も良いかも)」
阿含は先程の噂は肯定していた、でも問題は阿含の膝の上に座っているかぐやである。かぐやは自分の愛する阿含の噂を聞いて涼しい表情を取るが内心では怒っていたが阿含の優しい一声で事なきを得る、同時に恍惚に獲物を見る様な表情で阿含を見るかぐやに阿含は恐怖を感じて、かぐやは阿含との既成事実を作ろうと考えるが理性が本能をブレーキを掛ける。阿含は自分の膝の上に座っているかぐやを見て
「思ったんだけどよ、なんで俺の膝の上に座ってんの?」
「阿含君の膝の上は私の特等席に決まってるじゃないですか」
阿含は何故自分の膝の上に座るのかかぐやに聞くとかぐやは特等席だと返した、かぐやはさりげなく自分の手を阿含の制服越しの胸を触り。2人の心の中ではこう思っている
「(この一分一秒の時間を無駄にしたくない、本当は布越しじゃなくて肌で感じ合いたい)」
「(なんでかぐやは制服越しとはいえ俺の左胸を触るんだ?ハッ、まさか俺の心臓の位置を探って。いつでも俺の命を握ってますよ的な、もし俺が他の異性を話したらいつでも殺す気じゃ!?)」
かぐやは他の3人が来るまでこの時間を無駄にしたくないと同時に阿含の左胸を触って布越しではなく肌で感じ合いたいと思っていた、阿含は自分の左胸を触ってくるのか疑問に思い。左胸辺りに臓器は心臓と分かり、自分の命を自分の手の中だとなぞの恐怖心に駆られ。心臓の鼓動が早くなり、かぐやも阿含の心臓の鼓動の違和感に気付き
「(あら?心臓の鼓動が早く───って、阿含君ったら流石私が魅力的だからと言って。焦るなんてお可愛いこと)」
「(ヤッベ、半端ねぇ位に見られてる!早くこの気まずい状況から俺を助けてくれ!!)」
勘違いが勘違いを呼び、かぐやは阿含が自分に魅力的だと思い込んで。阿含はこの気まずい状況を救いの手を願った、生徒会室の扉の外では会長の白銀と書記の藤原と会計の石上の3人が扉を少し開けて覗いていた
「会長、海瀬君とかぐやさん。良い雰囲気になってますね」
「あぁ、正直な所どっちかが告白するんじゃないか?」
藤原と白銀はイチャイチャしてる2人を見るが石上は阿含をジッと見てると
「違いますね、どっちかと言うと海瀬先輩は一緒に檻の中に閉じ込められたライオンと草食動物ですね」
「石上君!?」
「どうして分かる、石上」
「見て下さい、海瀬先輩の表情を一見何ともない様に見えますが実は恐怖で怯えて。助けを求めてますね」
石上はかぐやをライオンに見立て、海瀬を小動物に見立てて。同じ檻に入れられていると見立てている、藤原はかぐやをライオンに見立てている石上に驚いて。白銀は石上に詳しく聞くと石上は阿含の表層心理を読み取って説明した、
そんな事があって半年が過ぎたが何も無かった訳でも無かった
「阿含君、これはどう言う事ですか?」
「……………」
かぐやは一枚の写真を取り出して阿含に見せた、阿含は沈黙をしていた。その写真には阿含と他校の女生徒が写っていた
「どうして、黙っているんですか?私はこの写真について伺っているんですよ?まさか。私以外の女性とお付き合いを?」
今の生徒会室は修羅場に発展していた、かぐやは阿含に詰め寄り
「阿含君?どういう訳か教えて下さい、私は怒っていませんよ?素直に言って下さい」
「(道を迷って送っただけなのに顔は笑ってるけど目が笑ってねぇんだよな)」
「そうですか、黙りを通すのなら罰としてこういう映画を見に行くのはどうでしょう?」
かぐやの手に握られていたのはカップルや夫婦でさえ裸足で逃げる様なホラー映画である、映画名は『呪怨』である。阿含やかぐや以外の生徒会メンバーは真っ青になり、阿含は何ともない表情をして
「なぁ〜んだ、呪怨かよ」
「海瀬は呪怨は怖くないのか?」
「怖くねぇよ、他のホラー映画を見てたから耐性ついた」
嘘である
「(何よ!!折角阿含君の怯える姿を見れると思ったのに)」
かぐやは内心では怯える阿含の姿を見れると思ってたらしく
「(フッ、俺の怯える姿を見れると思ったのだろう。そう都合良く見れると思うなよ!!転生前に何度もホラー映画やホラーゲームをやり尽くした男だぞ!!そう簡単に怯えるか)」
阿含はかぐやを見て勝ち誇り、だがその驕りが仇となる。阿含のスマホからメールの着信がなった、阿含はスマホを取り出して。画面を開いてメールを見ると
「(あの時迷ってたあの娘か)」
阿含はメールの内容を確認すると迷っていた娘だと思い、メールの内容を見ていた阿含の背後からかぐやが立っていた
「阿含君?やっぱり私以外の娘の方が楽しいみたいね、もうわからせる必要があるみたいね」
「(あっ!これ終わった奴や)」
「阿含君、下校時私と一緒に帰りましょうね?」
「(一体何をされるんだろうか、想像したくない)」
後日映画は2人で楽しく見に行きましたとさ、チャンチャン
「いや!!チャンチャンじゃねぇよ!!」
「阿含君、上映中ですよ?静かに見ましょうね」
「アッハイ」(´•ω•̥)
おまけ 〜阿含と将吾〜
「兄ちゃん、女の子って怖いね」
「ゑ゛っ!?阿含、今俺の事兄ちゃんって言ったか。いつも兄貴って呼ぶのに!?もう一度兄ちゃんって呼んでくれ」
「やだよ、もう17になったばっかだよ。もう流石に言わねぇよ」
「小せぇ頃は兄ちゃん兄ちゃんって呼んでたのに大きくなるともう呼んじゃくれねぇか」