痛いのがイ○ので○○○に極振りしたいと思います。 作:仏のマスター
一難去ってまた一難。
「はぁ〜」
あれからなんとなくカイと会うのが気まずくてNWOに数日ログインしていない……メイプルにちょっと実家の用事で忙しくしていると誤魔化してもらって、今は朝から自宅の自室のベッドの上でゴロゴロしているところだ。
「流石にいつまでもこのままってわけにもいかないよね〜」
そんなふうに考えていたら、何気なく付けていたテレビから緊急報道が流れてきていた。
『人気モデルで俳優の板杉海斗さんがストーカーと思われる女性に襲われ病院に緊急搬送されたとの事です! 犯人と思われる女は現行犯で取り押さえられ逮捕されたとの事です!』
「うわぁ〜恐い事件起きてるなぁ……」
この時はそんなふうに流していた。
夕方。
『板杉海斗さんを襲った犯人の身柄が分かりました! 犯人は佐藤海奈容疑者――あっ、追加の情報が入りました! 調査結果によりますと二人は学生時代に恋人関係にあり、別れた後も佐藤容疑者のつきまといで被害届が出されていたとの事。あと板杉海斗さんは無事回復に向かっているとの事です』
「板杉【海斗】……佐藤【海奈】……【カイト】……【ミナ】…………まさかね」
まさかそんな事はないだろうと思ったのだけど、妙に気になってしまい私は数日ぶりにNWOにログインをしてしまったのだった。
【楓の木】アジト
「はあっ……今日もサリーちゃんは来てくれないのかな…………」
あの日……盛大に爆沈したあの日からサリーちゃんに会えていない。このままログインしてくれなくなってもう会えないなんてなったら最悪だ。それこそ昇天してしまいそうだ。
「あぁ〜何もやる気起きないなぁ〜」
あれから殆どアジトに籠もっている。外に出ると海奈(ミィ)が絡んでくるのを警戒しているからだ。他のメンバー達が助けてくれて今は何とかなっている。
「運営が上手く対応してくれると良いんだけど」
命からがら逃げ出した俺はアジトに逃げ込み、経緯を運営に通報。一応警告文を送ってはくれたらしいが、討伐に出たメンバーが近くで潜んでいたのを何度か発見している。
「はぁ〜サリーちゃんに会いたいなぁ〜」
「…………」
? ふと後ろに気配を感じて振り返る。
「「…………」」
待ち人来たり!? というか今の独り言聞かれた!? なんというか複雑な表情でこちらを見てきています、はい。
流石にこのまま沈黙は厳しいと思ったので何とか会話を! と思ったのはお互い様だったようで…………
「「――あ、あの!」」
声が重なる。また沈黙になりかねない状況に俺が頭を悩ませていると向こうから声を掛けてきてくれた。
「……ここに居るって事は【アレ】は名前だけの別人って事だったのかな?」
「??? 何の事?」
勿論、ログアウトした現世の世界の事など知らない俺が不思議疑問に思っていると……
「【板杉海斗】さん」
「――!?……何故に俺の本名知ってるの? 名乗った事無いよね?」
「えっ? 本名って……本当に【板杉海斗】さんなんですか!?」
「このなりで信じてもらえるかは分かんないけど、はい、板杉海斗です」
それからお互いの情報を擦り合わせて、一本に繋いでいく…………
「えっ? 現世ではそんな事になってるの!?」
「はい……っていうか何で当事者のカイが知らないの!?――あっ、すみません。知らないんですか?」
「あぁ〜〜別に今まで通りでいいよ。その方が俺も嬉しいし」
俺はもうこの際だからとサリーちゃんには全てを話した。俺がパラレルワールドから転生してきた存在で、実はNPC扱いのキャラである事、バカ閻魔のせいで女の子にさせられた事などなど。
「あぁ〜だから事件の事は知らないんですね」
「うん……ってことはだよ? 海奈が捕まったって事はもう追われる心配無くなったって事だよね!?」
「そうなりますね。傷害、殺人未遂って報道されてましたし」
「そっか……なんかなぁ〜でも何か後味悪い感じになっちゃったな」
「けどカイトさんは被害者側なわけですから」
「う〜ん」
そんなふうにサリーちゃんと話していると、他のメンバーも続々とログインしてきた。
「あっ、サリーもう良いの!?」
「うん、ごめんね迷惑かけて」
「……それでカイとはちゃんと話せたの?」ヒソ
「あぁ〜話はできたけど肝心なとこはまだ……」ヒソヒソ
「あれ? 今日は僕が最後だったかな。久々に全員集合だね」
アジト内に全員集合したのは一週間振りくらいかもしれない。俺は良い機会と頃合いかなと思い、さっきサリーちゃんに話した事をみんなにも話す事にした。
「「「「「「「…………」」」」」」」
「……にわかには信じられんが」
「……嘘を言っている様にも見えない」
「けどそれだと全てに辻褄が合うのもあるんだよね」
「わ、私はカイの事信じるよ!」
「「私達も信じます!」」
皆が各々の返事をしている中で、一人だけ沈黙したまま下を向いたイズさん。不思議に思ったのは俺だけでは無かったようで、近くに居たクロムさんが声を掛ける。
「オイ、イズ。さっきからどうしたんだよ?」
「……!?」 ピクッ
ピクリと反応したイズさんはクロムさんを腕で押し退け、そのままじわりじわりと俺の方へと近づいてくる。そして、俺の前で止まったかと思うとおもむろに俺の両肩を掴み、俺の目を見て説いてきた。
「さっきの話は本当なの?」
「……は、はい」
何か不穏な感じに感じながらも嘘は言っていないので肯定する。
「じゃあ、カイの中の人は本当にあの【板杉海斗】様なのね?」
「はい……ん? 海斗【様】?」
不穏な言い回しに嫌な予感が込み上げてくる。
「そういえばイズは板杉海斗の大ファンだって言っていたな」
「そういや前に見せて貰ったスマホの壁紙も海斗のモデル写真だったな」
「へぇ〜って、スマホの壁紙ってどういう事だ? 何故クロムがイズのスマホの壁紙を見テ知ッテイル?」
カスミさんがハイライトの消えた目でクロムさんを見つめている。
「アッ…………」
「アッ……ジャナイ。イズどういうことだ? 貴様裏切ったのカ?」
カスミさんが今度はイズさんの方へと詰めかけるがイズさんはそんなの気にした風もなく俺を見つめてくるのは何故だろう?
「カスミうるさい。こっちはそれどころじゃないの!」
「それとは何だ! 明らかにコレは協定違反――『あぁもう! クロムはアンタの好きにしていいから邪魔しないで!』――はぁっ!?」
何だろう……嫌な予感がする。あっ、サリーちゃん助けて……ヤメて目を反らさないで?
「海斗君は年上のお姉さんは好き? 私なんてどうかな?」
ピキッ
一難去ってまた一難ってこういう時の事をいうのかな?
「あぁ〜海斗さん頑張ってね★」
サササとメイプルさんの方へ逃げていくサリーちゃん……待って、俺まだサリーちゃんの事諦めてないよ? ねぇ、ねぇってば…………
それからの事をざっと話そう。
表の世界でミイ(佐藤海奈)が逮捕された事でギルド【炎帝ノ国】は解散。メンバーは様々なギルドに散らばる事になる。暫くはドタバタとしたものの一月も経てばいつもの日常が戻って…………
「海斗君! コレ新しい装備作ってみたの! 試着してみて☆あっ、何なら私が着替えるの手伝って――『結構ですぅ!?』――あっ、また逃げた、もう♡」
「なぁイズ、俺の大盾――『今忙しいからまた後で!』――今日は無理そうだな、はぁぁぁぁぁ〜」
「…………(クロムを独り占め出来る様になったのは良いのだがこれはこれで良いのだろうか?)」チラリ
カスミがチラリと逆サイドを見ると、そこにはまた一つ新しくも違った風景が展開されている。
「カナデ、はい、アーン♡」
「アーン♡美味しいよ、メイプル♪」
こっちもカップル成立して、付き合い始めていたのだった。因みにクロムとカスミはまだ付き合ってはいない。
ん? ユイマイ姉妹はどうなったかだって?
二人はメキメキと実力を伸ばし、実力者とも渡り合える様に成長していっている。
「次のコンビネーションの練習いくよ!」
「オッケー!(はぁ〜何か周りがピンク色に染まってるなぁ〜私にもいつかまた素敵な恋が舞い降りてくれるのかな…………)」
肝心のカイとサリーの関係ですが…………
「うん。私はイズさんの事応援してますから頑張って下さいね♪」
「まって! だから俺の好きな人はサリーちゃんなんだって!」
「ごめんね〜」 サササッ
何度も何度もアプローチするものの、その度にサリーには逃げられ、イズに追われる毎日を送っている。
「それでまた僕の所に来たって訳かい?」
「今日も一発お願いしゃーす!」
実らない恋路をペインに恋愛相談して、【断罪の○剣】で慰めてもらう為に【集う聖剣】のアジトに通うカイが度々見られているらしい。
「ねぇ、もう一回くらいカイと一緒にデート行ってあげたら?」
「ナッ!?……別に私は……それにイズさんの事もあるし…………」
「そう言って本当は少しずつカイ……海斗さんの事意識しだしてるくせに」
「そんな事――『あるでしょ? 見てたら分かるよ』――ナナッ!?」
度重なるカイからのアプローチに少しずつ実は心が動いているサリー……メイプルは長年の付き合い+自身もカナデとの愛に目覚めた事で鋭さを増しているのであった。
「…………(そんな……今更だよね?)」
海斗君の恋路はいつか実るのか…………?
はい! というわけで一旦完結で御座います!(強引?)
二章に進出するかは悩んでおります……その前に別作の短編新章&アフターを少し書く予定です。
その後で、この続きを書くか、また新作を書くか……それとも…………
色々と考えたいと思っております!
とりあえずここまでの完結までお付き合い頂いた読者の皆様☆ありがとうございました♡
良かったら作者の他の完結作品も読んで頂けたら嬉しいです♪
それでは……何か微妙な感じですが、一旦FINと致します★
ミィ「……★滅★」
猫ミィ「みゃふぅ……みゃみゃみゃ〜んみゃ!『まだ……私達マスコットキャラ戦争が終わってないニャー!』」
アイ♡メン?「ガ……ガ……ガッ(ヤバイのだ! このままじゃ創造神様に僕が怒られちゃうのだぁ〜しかしこんな結末になるとは…………)」
創造神様「…………ギルティ」