魔法科高校の劣等生に転生したら生まれた時から詰んでいた件について(仮)   作:カボチャ自動販売機

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ちょっと短めかもしれないです。


九校戦六日目①

ちーちゃんの誤解を解くことにかなりの時間と労力を使い女装趣味を疑われることの辛さを知って将輝を女装ネタで弄るのは止めてあげようと思った今日この頃。全ての元凶たる姉さんは無双していた。というより一校が無双していた。なんと新人戦女子アイス・ピラーズ・ブレイクにおいて一校が決勝リーグを独占したのである。いやぼくは知っていたけどね。だからこそ同一高が決勝リーグを独占するのは初めてらしく観客が騒然となっている中どうにもテンションが上がり切らずに微妙な感じになっているのだ。

 

 

「これで決勝リーグは無くなったわね。ポイントは一緒なんだし同率優勝にするのが無難。大会委員会は楽できるし」

 

「いや~決勝は行うんじゃないかな」

 

 

ぼくがニヤニヤとしながらちーちゃんに返事をしたところで明智英美選手が棄権、司波深雪選手と北山雫選手による決勝が午後一番で行われることがアナウンスされる。

 

 

「…この女装野郎」

 

 

ちーちゃんが悔しげに呟いた。酷い。

 

 

 

 

振動系魔法『フォノンメーザー』。

超音波の振動数を上げ、量子化して熱線とする高等魔法。それを北山雫は兄さんの得意技、否特異(・・)技である複数CADの同時操作によって放った。これにより今までの三試合、無傷だった姉さんの氷柱から白い蒸気が上がりはじめる。がそれだけだ。そしてそれさえも姉さんの魔法『ニブルヘイム』の冷却によって上書きされていく。北山雫の氷柱の一面に液体窒素の滴がびっしりと付着しその根本には水溜まりが出来ていた。

そしてそれは姉さんが発動した『氷炎地獄(インフェルノ)』によって一気に気化する。その熱膨張率は七百倍。轟音を立てて北山雫の氷柱が一斉に倒れた。

 

 

 

「…圧倒的」

 

 

終わってみれば姉さんの氷柱は全て残っており北山雫の氷柱は全滅。結局姉さんの圧勝。兄さんが北山雫に授けた奇策でさえも姉さんには届かなかった。

流石です!お姉様!というよりちょっと引いた。強すぎだろ。

 

 

「見つけましたわ!」

 

 

姉さんの無双に引き気味になっていたからかぼくが彼女の存在に気がついたのは後ろから抱きつかれてからだった。

 

 

「今日はなんて良い日なんでしょう!女神様に会えただけでなくお姉様にも再会できるだなんて」

 

 

強引に首を限界まで動かして後ろを確認するとそこには女の子がいた。肩に掛かるストレートボブの髪型にリボン。私服であろう夏らしいワンピースから伸ばされた二本の白い腕はぼくをガッチリとホールドしている。何この状況。というか誰!

 

 

「いいい泉美ちゃん!?何してるの!?」

 

 

そして全く状況が分かっていない中新キャラ登場。ぼくに引っ付いている女の子を引っ張っているらしくぼくも一緒にイスから引きずり下ろされる。

 

 

「ちーちゃん助けて!」

 

「無理」

 

 

実に冷たい友達に救援要請を断られぼくは為されるがままとなってしまう。

 

本当に何なんだこの状況!

 

 

「離して香澄ちゃん!」

 

「離れて泉美ちゃん!」

 

 

ぼくの背中で繰り広げられる戦い。ぼくはさながら取り合いされる人形である。

そして戦いはどんどんとエスカレートしていきガッチリとぼくをホールドしていた両手は腰から首へと移動し…。

 

 

「痛い痛い!首絞まってるから!ちょっマジでヤバ……」

 

 

あれ、なんだか音が遠ざかってい…く…。

 

 

めのまえがまっくらになった!

 




ついに再登場七草の双子。ぼくは原作を12巻までしか読んでいないので今一キャラが掴めていないかもしれないです。


さて明日も0時に投稿します。

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