IS‐ターンXと行く月面開拓‐   作:袖幕の傍観者

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48話ー束の間の日々ー

 

 IS学園の開校から半年の年月が経ち、千冬達のモンド・グロッソ日本選手達が日々鍛錬を行っている中、大地はMR社で各国から来る既存ラインナップMSの共同開発による武装化の申請数を見て溜息をつきながら愛飲している珈琲を飲むために給湯室へ向かっている途中、通りかかった休憩室のソファーでぐったりしているスコールとオータムを見つつテレビのニュースが目に入った。

 

「緊急ニュースです。ドイツ郊外に位置する廃墟区画にて所属不明MS部隊による襲撃がありました。ドイツ軍のMS部隊が急行しましたが、襲撃したMS部隊は破壊活動を行った後ドイツMS部隊の到着前に逃走したとのことです。破壊された現場には、稼動していた施設と思われる設備などが残っており、先月フランスで発生した所属不明MSの襲撃で発覚した人体実験と思われる施設の発見との関連性があるのではないかと示唆されています。続報です。周辺を飛行していた民間ヘリコプターからの撮影画像が入って来ましたので、後程公開し専門家との協議を行います。なお、ドイツ政府はこれを最近世界中に出没している謎のMS部隊と断定。国連の調査を申請したとのことです。本来のニュースに戻ります……」

 

 大地はそのニュースを見終わった後、給湯室へ再度足を進めた。

 ここ最近、大地はサイクロプス隊に新たに亡国企業やアンネイムドのナイト1から情報提供された情報を元に、クロエのような存在達を製造する各国で秘密裏に作られた人体実験施設の破壊及び保護任務遂行のため世界中を飛び回ってもらっていた。

 給湯室へ着いた大地がお湯を沸かし始めると、ルナからの思考通信へ応答する。

 

<大地、サイクロプス隊から任務完了の信号を受信したよ。後、メッセージが来てて最近の出撃回数増加にともなって補給と増援が欲しいって。>

(わかったよルナ、月面で防衛隊に組み込まれていたグリムエッジ隊を地球に降ろそう。次の定期航路便でウドガルドまでこれそうかな?)

<定期便のスケジュール確認中……確認完了!次のヨーツンヘイムには乗れそうだよ。でも月面の防衛設備はどうする?ウォドムの増産しようか?>

(そうだね、現状月面地下の生産プラントの増築もかけているからカバー範囲の広いウォドムの増産と保険としてスモーも少数生産しようか。後新しくステルス性能を持たせたアスピーテ級より積載量がありそうな戦艦クラスを建造したいね。)

<ウォドムとスモーの件は了解!生産プラントのMS製造ラインに発注しとくね!戦艦か~、それはターンXの方がいいかも!>

(そうだね、ターンXとも相談しようか。)

ー大地様、お呼びになりましたか?ー

(あぁ、実は……ごめん後で話す。)

ー肯定ー

 

 コーヒーを淹れるためにミルを使ってゴリゴリと砕き、コーヒー豆の良い香りが休憩室まで行ったのかスコールたちから『私達の分も~』と声が聞こえたからだ。

 そのため、更にミルへ豆を追加し大地はコーヒーを3人分淹れて休憩室へ行く。

 そしてスコールとオータムにコーヒーを渡して、大地は自分のコーヒーに立ったまま口をつけて一息つくとスコールがソファーから立ち上がり大地へ身を寄せオータムの眉間にしわが寄った。

 

「ねぇ、社長?」

「スコールさん、俺はもう貴方の上司ではないんだけど……?」

「そんなこと言わずに、この後少し休憩しません?」

「露骨だね……2人ともコーヒー飲むより仮眠とった方が良かったんじゃない?」

「っけ!」

「こらオータム……大丈夫ですよ。コーヒー飲んで少し仮眠をとった方が寝過ぎなくて良いんですから。」

「それならいいけど、引継ぎは順調なの?」

 

 身を寄せてきてスコールを大地が優しく引きはがして、スコールとオータムが座るソファーの反対にある1人掛けの椅子に腰かけて聞いてみた。

 現在は亡国企業のトップになるため、2人はMR社への出向を終了しVSカンパニー日本支社へ戻っている事になっている。

 だが、大地との綿密な情報共有や連携などのために米国防省の要請をMR社が受諾した事にしてMS関係の技術提携のための常駐スタッフとし、MR社内にVSカンパニーMR社支所なる部署が新設され、スコールとオータムはそこで引継ぎ作業や各所への指示出しなどを行っていた。

 大地が椅子へ座り姿勢を正すと、スコールとオータムもちゃんとした姿勢で座りなおして話が始まる。

 

「えぇ、大体7割程度は完了しました。ですが、どうしても現地で行わないといけないこともありますので、近々アメリカに一旦戻ります。アメリカ以外の国に関してはオータムに回ってもらって実質2topの体制で行う予定ですね。オータム。」

「あぁ、とりあえずアタシの会うメンバーの名簿は作った。だが、アメリカで兵器関係の管理をしていた双子の弟の方とその部下達が見つからねぇ……下部組織を動かしてはいるが……あの双子、女の趣味は悪いが逃げる事と隠れる事に関しては亡国企業内でもトップクラスに上手いんだ……なんか手掛かりがありゃぁ良いんだが……」

 

 2人の報告で、大地がふむと顎に手を当てて少し思考する。

 

(やはり、開校式で見つけた人は弟の方だったのか……半年前の情報なんて役に立つか?それにしても兵器関係の管理か……国防にも関わっている可能性は高いな……副国防長官には接触しないだろう……もしかしたらナイト1が何か知っているかも……一応聞いてみるか…)

 

 少し思案した大地は、口を開く。

 

「その弟の方、少し俺の方でも探ってみるよ。ちょっとつてがあるからね。」

「そうか……社長ならなんか知ってそうだもんな…本っ当に気に食わんがこういう時のアンタはちゃんと仕事するタイプだ。頼んだぜ。」

「まったく、オータムはご主……しゃ、社長に嫉妬しちゃって……」

「スコール……!」

「(定期的にスコール俺の事をご主人様って呼ぼうとするけど……やっぱ仕置きをやりすぎちゃったかな……)」

<大地……ご愁傷様。>

ーまったくです。これは責任と言うやつでは?ー

「(俺に救いなしか!あとターンXちょっと夜にそっち行くからウドガルドに月面基地のデータ室との高速回線繋げておいてもらえる?)」

ー肯定、準備しておきます。何か御用で?ー

「(ちょっと宇宙船の新造を考えていてね、意見交換しながら考えたいから夜そっちへ行くよ。)」

ー肯定、それではお待ちしております。ー

 

 そして、大地はスコールとオータム達と会話をした後、業務へと戻った。

 

 

~当日夜~

 

 大地は現在業務を終えて、静止衛星軌道にいるウドガルドへ来ていた。

 ウドガルドの格納庫内でウァッドやフラット、ウォドム達と少し会話を行いながらルナを纏い船外へ出ると甲板上にターンXが立っており、久々にターンXのコックピットへ搭乗する。

 

ーおかえりなさい、大地様ー

「うん、ただいま。やはりターンXのコックピットは落ち着くよ。」

ーそう言っていただき光栄です。それで、新造の宇宙船とのことですが?ー

「あぁ、それなんだけど。アスピーテ級は戦艦なこともあって火力と速度に優れているけどどうしても積載能力が低いからね。今後LLRユニット装備のアスピーテ級との連携も考えて積載性のある程度確保できていて、ステルス性能を付与できる戦闘艦を月防衛戦力として組み込みたいんだ。」

ー肯定、理解しました。以前月で行われた対BETA戦闘での対策ですね。ー

「そうなんだ、BETAの惑星間航行ユニットの防御能力が想定より高かったからね。火星での動きが停滞したこともあって少し後回しになっちゃったけど、ここらへんで戦力の拡充を行おうと思ったんだ。」

ー肯定、それでしたらアルマイヤー級の生産を提案します。アルマイヤー級はアスピーテ級より古い設計のため、アスピーテ級の無砲身型メガ粒子砲は搭載しておりません。ですが、単独での大気圏突入や大気圏内飛行も可能。有砲身型の大型メガ粒子砲と小型の副砲が多く搭載され、積載能力は純攻撃艦であるアスピーテ級より高いです。さらに、改造を加えMS搭載数を減らす代わりに副砲を実弾兵装へ換装し、アスピーテ級1隻につきアルマイヤー級を2隻随伴させれば正面限定になりますが火力はBETA惑星間航行ユニットへの有効打が与えられると推測します。そして、ギャルセゾンに装備しているステルスナノマシン散布装置を組み込めばステルス性能も搭載できてよろしいかと。ー

「なるほど……アルマイヤー級か。」

<大地、私もそれ賛成だよ!>

 

 ターンXとルナの意見で大地は思案する。

 

 ここで、軽い紹介を加えるがアルマイヤー級は∀ガンダム劇中に登場した艦船である。

 劇中ではアスピーテ級よりも登場が早く、大気圏の単独突入能力や大気圏内での飛行が可能で更に格納庫が大型のためかなりの物資等も積載可能である。

 なお、アスピーテ級同様に正確なスペック表が公開されていないためこの世界では200~300m級の艦船と思っていただきたい。

 

(ん~、確かにアルマイヤー級はいいアイデアだ……これは採用しよう。そして、今後の世界の動きも考えると宇宙進出を加速させつつ地球圏での防衛網の構築を俺の戦力だけでってのは避けたいな……各国の宇宙軍の創設とか利権とかあるから面倒だな……建造ノウハウを提供して初めはこちらから艦の提供を行うってのはどうだろう……少し前に発表した静止衛星軌道上での開発拠点通称『軌道拠点』も第1ブロックを建造中だし、数ブロック完成したら1つを造船ブロックにしてそこでで作ったという事にして……そうだな初めに臨床実験艦としてある程度の性能ダウンさせたペガサス級の製造を行って、実証実験等を公開しつつビーム兵器以外を搭載したペガサス級へアップグレードさせて、そのデータを元に低コストかつ実用性重視の性能のサラミス級を製造し、その設計図を公開して動力源のみブラックボックス化してMR社から販売を行うか…)

 

 そう思案した大地は現在思考した内容をそのままターンXとルナへ送り、今後の予定を更に詰めておおまかにまとめた事を確認し、そのまま付近の宙域で軽くターンXを操縦して戯れていた。

 また、現上の状況が停滞している火星についても話し合い、補給物資等も潤沢になったためムットゥー小隊を一度火星へ降下させて火星の環境データやBETA群とモビルアーマー群の反応調査を行うことにした。

 

 数十分間飛行していると、ウドガルドにMSの反応が増えた事をターンXから報告が入り、数分後通信がつながる。

 

「社長、こちらにいるとは珍しいですな。」

「シュタイナーさん、任務お疲れさまでした。今日はちょっと用事があってこちらに来てましたよ。」

「ほう?お時間あるようならまた一杯付き合ってほしい物です。」

「ははは、ミーシャさんは変わりませんね。良いですよ!皆さんで飲みましょうか!」

「勘弁してくださいよ社長、潰されるのはごめんだ……」

「ガルシアさんも久しぶりです。まぁ、無理のない範囲で飲みましょう。」

「あはは、またトイレと仲良くしないと……」 

「バーニィさんも…無理しないでくださいね。」

 

 そうして、通信相手のサイクロプス隊と話しながら大地はウドガルドへと帰投した。

 そして、ウドガルドで遅めの夕食に誘われた大地はサイクロプス隊の面々が酒類を飲んでいない事に気付いて聞いてみるとシュタイナーが切り出した。

 

「社長、この後お時間は大丈夫ですか?」

「えぇ、この後は社に帰るだけですから。」

「それでしたらお願いがあるのですが……」

「…?補給の件とかですか?」

 

 シュタイナーの一言で、大地は首を傾げるがサイクロプス隊の面々は手に持つスプーンや箸を止めて真剣な顔になる。

 

「いえ、補給と増強戦力の追加は聞いておりますし、対応に満足しております。……その〜、別のお願いなのです。」

「別のお願い……ですか?」

「はい、社長の都合のよい時に我々と一戦交えませんか?」

「……へ?」

 

 シュタイナーの一言に大地はポカン口を空けて固まってしまう。

 固まった様子を見たシュタイナー達の中でミーシャが口を開く。

 

「我々はシミュレーションではターンXと戦闘を行ったことがありますが、社長の搭乗したターンXとの実機戦闘を行ったことがありません。それに戦闘シミュレーションでは1対1での戦闘です。可能なら実機を用いたうちの隊VS社長というのをやってみたいのですよ。」

 

 ミーシャの発言で、固まっていた大地は回復してきたのかゆっくりと口を開く。

 

「な、なるほど……それはいいですけど、ジオン軍でも精鋭のサイクロプス隊と俺で勝負になるんでしょうか……?」

 

 若干の困惑を乗せた表情で大地が返答すると今度はガルシアが口を開く。

 

「いやいや、社長の模擬戦映像とか見ましたけどありゃぁうちの隊全員でかかって中破に持っていければ御の字だと俺は思いますがね……スペック的に1対多を想定している機体ですよね?是非やってみたいもんです。」

「確かにそうですね、オールレンジ攻撃もありますし。」

 

 ガルシアの発言に返す大地に対してバーニィも口を開く。

 

「お、俺もやってみたいです。以前ターンXさんから聞いたんですけど、社長の空間把握能力とマルチタスク能力を前回に発揮すればシミュレーション以上に動くって言われましたし……」

「え、ターンXがそんなことを?」

「え、えぇ……以前ちょっと気になって聞いてみたら快く答えてくれて……だめ、でした?」

「いえいえ、ターンXが他の人と話していたのが驚いただけですから問題ありませんよ。」

 

 少々驚いた表情を見せながら大地は話を戻し、大地はサイクロプス隊との模擬戦を計画しつつ、無人メッサー部隊『グリムエッジ』が数日後合流する旨を伝えた後、席を立つとそのまま地球へと帰還した。

 

 

~MR社社長室~

 

 大地がMR社へ帰ってくると時間はもう深夜で、社長室の椅子に深く座りサイクロプス隊のミッションレポートを確認しているとルナが実体化して社長室デスクの上に座りこちらを見てくる。

 

<大地、模擬戦の件大丈夫そう?一応ターンXに搭乗するから抑制剤とか身体スキャンは問題ないと思うけど……>

「うん、大丈夫だよ。それにそんなに警戒しながら生きていてもって思っちゃってね……たまには俺もターンXに乗りたいしルナとも宇宙を飛びたいよ。ちなみに、俺の代わりは用意できそう?」

<あまりやりたくないけど……ターンXがバイオスーツの応用と脳スキャンによる思考ルーチンのデータ化はできているから大地に限りなく近い存在は作れるって……>

「そうか……」

 

 大地がそう呟くと、ルナが空中投影ディスプレイで人体の構造データの様な映像を大地に見せる。

 それはナノマシンを使用し作り出されたナノロイドの一種で、容姿が大地そっくりになっている。

 これは大地が万が一ナノマシンの脳侵食で正常な判断ができなくなってしまった際、自身の代役を担ってもらう保険の存在として作り出したものである。

 そのデータと現在の完成度を見つつ、大地は溜息をつく。

 

「これを使う日が来ない事だけを祈るばかりだけどね……」

<そうだね、現時点でも私とターンXで浸食をどうにかできないかを模索しているけどまだかかりそう……そういえば、千冬と束から早く真耶を落とせってメッセージ来てたよ……>

「……」

<だ~い~ち~?>

「いや……その……と言うか今なの?」

<私だって大地が居なくなる前提で進めているような話されていい気分じゃないよ……私はあなたの心臓でもあるんだから……それに真耶もこちらから観測できる限り、良い関係になりそうだと思うよ?それに好みなんでしょ?>

「……うぐっ(否定できない…)」 

<(否定できないんだったら今度の休みスケジュール合わせてデートにでも行ってきなよ。思考で本音言うの悪い癖だよ?)>

「思考にまで……い、いや……それは社交界の場では必須技能でだな……でもわかったよ……山田さんとは今度一緒に出掛けてみる。」

<期待しているよ!>

「まったく……この世界来てからは驚きの連続だな……」

<でも楽しいでしょ?>

「ははは、全くその通りだよ……この瞬間を大事にしないとな……」

 

 大地はルナと見つめ合い笑いながら談笑していると、何時ものごとく研究結果を教え突撃してきた束と内緒で帰ってきた千冬も乱入し一悶着起こしながら夜は更けて行った。

 

 

次回へ続く

 

 

~織斑邸~

 

「なぁ一夏……」

「なんだよ、弾?相談したいことがあるって急にうちに泊まりに来て……」

「少し前に転校してきたシャルロットちゃんっているじゃん?」

「あぁ、シャルか……」

「あ、あだ名だと!も、もうそんな親密な関係に!?お前って奴はー!」

「揺らすなあぁぁぁああぁぁぁぁ!ったく……大地兄の伝手で日本に留学しに来たんだ。大地兄と千冬姉からも仲良くしてくれって頼まれててな、鈴と一緒で日本語が少し不得手みたいだからって。それで話してたらシャルでいいって言われたんだよ。」

「ほんとお前ってやつは……ってか、嫁……いや、鈴と箒はどうしたんだ?いつもお前に近づく女子居ると怒るだろ?」

「あぁ……なんかよくわかんないけど、仲良いよ。今日は箒の家でお泊り会するって言ってたな。」

「それはうらやまけしからん……一夏、俺達も混ざりに行こうぜ!」

「それは流石にダメだろ……俺等だって中学生だ。前みたいには難しいだろ……」

「一夏……なんか前より女子との距離感ができてないか?」

「そうかな?俺は大地兄がたまに助言みたいなこと言ってくるからそれに従ってるだけだよ。」

「大地の兄貴は優秀だな……」

「自慢の兄貴だぜ!ってか、相談ってなんだ?シャルの名前まで出して?」

「あ、あぁ……お、俺……シャルロットちゃんに、こ、ここ、告白!っしようと思っててよ……な、何かアド、アドバイスとか……くれねぇか?」

「……」

「な、なんだよ……難しい顔で黙り込んで……」

「い、いや……凄く申し訳ないんだけど……」

「ま、まさかお前シャルロットちゃんの事が!」

「い、いやちげぇよ!シャル、多分恋してるぞ?誰かは分かんねぇけど、フランスとかに想い人でもいたんじゃないかな?」

「……は?」

「なんか話していると、たまに誰かに思いをはせてる雰囲気があるんだよ……多分、千冬姉も似た雰囲気出してたこともあったからな……あってると思う。」

「お前……よく見てるんだな?」

「あぁ!大地兄にも女の子の視線とかは注意して観察しろって言われてるし!」

「………」(ジトー)

「な、なんだよ……」

「お前が、もっと視野が広ければ……」

「広ければ?」

「クソーーーー!この灯台下暗しヤローーーーー!」

「うわぁぁぁぁぁぁ!掴みかかるなーーーー!」

監視兼護衛BOID(ログをルナ様へ送信。危険性なしと判断。)

 

 

~篠ノ之邸~

 

「シャル、こちらのお菓子も美味しいぞ。」

「ありがとうホウキ!おいっしー!」

「あたしにもちょうだい!美味しいわねこれ!」

「こら鈴!行儀が悪いぞ!」

「にしても、箒も鈴も仲が良いんだね?」

「「良くない!」」

「……えぇ…」

「と言っても、仲良くしようと努力はしている。なぁ鈴よ。」

「えぇ……あんなの見せられたらアタシたちだって期待しちゃうじゃない……」

「何を見たの?」

「シャル……あんたこのことは絶対口外しちゃだめよ。一夏にだって言っちゃダメなんだから!」

「そうだ、これがバレると非常にまずいのだ……」

「あぁ、そんなすごい事なの……!?」

「シャル、耳かしなさい!」

「うん……」

ゴニョゴニョタバタバウサウサバニバニ 

「え、えぇ!やっぱりそうだったの!?」

「何よ、知ってたの?」

「そうか、確かシャルは大地さんに連れられて日本へ来たのだったか……」

「う、うん……そうなのかなとは思ってたけど……そうかぁ……」

「「……」」

「シャル、あんた隠しているようだけどわかりやすいわよ?」

「え、えぇ……な、なんのこと?」

「私でもわかるというのに……シャル、大地さんの事好いているだろ?」

「……ふぇ?」(ボン!)

「そんな赤面しちゃって……バレバレよ、だからあたしたちも警戒せずに済んでいるんだけどね。それに数人まとめて愛せるくらいの大地さんなんだからアンタもアタックしちゃいなさい!」

「い、いやいやいや、そんなことは……た、確かに私を助けてくれてかっこよくて甲斐性もあって……って!ふぇぇぇぇぇ~~~!っというか2人こそどうなの?一夏にアタックしてるの?」

「「……」」ッス

「目を逸らさないの!僕の事たくさん聞いたんだし次は2人の馴れ初め話してもらおうかな!」

「い、いや~それは……」

「アタシ達のは必要ないんじゃない?」

「それは僕が決めるから大丈夫だよ。夜も長いんだから……」

「「ひ、ひえぇぇぇぇぇぇぇ!」」

 

 




 お読みいただきありがとうございます。

 今回もまた長引きました。
 オリジナル設定同士が変にならないようにと思考しつつ、リアルのタスクが激増して日に12〜14時間の労働で脳がパンクしました。
 本日は久々に休日でしたので、少しお高めの団子を食べつつゆったりと書けました。
 また週一で投稿できるように妄想を爆発させつつリアルタスクも蹴散らします。

 気長にお付き合いいただけると幸いです。

【御礼】

 前話にて誤字のご指摘本当にありがとうございます。
 また見つけてくださった際はご指摘いただけると幸いです。
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