Fate/Evil   作:遠藤凍

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お久しぶり……でしょうか?
最近案がポンポン出てきて後が怖いと感じる遠藤凍です。

いよいよこの作品も終盤に近づいて来ました!いやぁ、ここまで来るのに四苦八苦しましたねぇ。

改めて、読者の皆様には感謝致します。

では、どうぞ。




怒りの傲慢様

 

 

突然だが、皆さんは転生特典というものをご存知だろうか?

 

 

それは運命のいたずらというべき神からの贈り物。

 

それは神の手解きが加えられ、その者は新たな力を手に入れる。

 

中には望み通りに、中には望まないものを。

 

欲し、欲さなくとも与えられる時もある。

 

 

 

その者はそれを望まなかった。だが神に近き者はそれを与えた、否、与えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが……後に世界を壊し、神すら恐れる存在になるとは知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬木市上空にて本物のライダー陣は戦車(チャリオット)にて移動していた。

 

 

「ライダー……後ろから何か来てないか?」

「ん?」

 

 

ふと後ろを見たウェイバーは怪訝そうに後ろを指差し、ライダーは後ろを見てみる。

見えたのは一人の人間、だがその移動方法に目を見開いた。

 

 

「なあ坊主、人というものは空を飛べるものなのか?」

「えっ?魔術師の中には出来る人もいるらしいけど……って、こっちに向かってきてないか!?」

 

 

逆立った金髪に碧眼。そしてよく鍛え上げられ、引き締まった筋肉。そして、人間であるウェイバーでも感じてしまう程の闘気と殺気をばら撒く男。

 

そんな男が猛スピードでこちらに向かって飛んできているのだ。ウェイバーが焦るのも無理はない。

 

 

「なかなか面白いではないか。是非臣下に誘ってみたいものだ!」

「いや多分無理d「ッ!伏せろ!」ーーー!?」

 

 

だろう、と言いかけたところでライダーが叫び、その勢いに負けて思わずその場にしゃがんでしまう。

すると光の球体が緑色に光りながら猛スピードで頭上を通過。そのまま上空へと上がっていき……大爆発を起こした。

 

 

「えっ?今のってーーー?」

「坊主!しっかり掴まってろよ!」

「え!?ちょっと!今度は何を!?」

 

 

手綱を持つ手を強め、戦車(チャリオット)は急降下を始め、山道の道路に車輪を付けて走り出した。

 

夜とはいえ、障害物のない空中にいればいい的となってしまう。故に道路とはいえ、降りたことで命中率が多少でも下がると踏んだのである。

 

 

「どこへ行くんだぁ?」

 

 

だがそうはいかなかった。

 

ズシン!と轟音が響き、舞い上がった砂塵と爆風がライダーのマントをたなびかせる。

 

そして、進む先には例の男が。

 

 

「ぬお!?」

 

 

いち早く気づいたライダーは急ブレーキをかけ、戦車(チャリオット)を急停止させる。

 

 

「おいライダー!一体何があってーーーえええっ!?」

「貴様何者だ?見たところサーヴァントのようだが、金髪の男なぞ見た覚えが……」

 

 

突然現れた人物に怪訝そうに見るライダー。しかし男はある一言だけ憤怒を込めた声で告げる。

 

 

「ライダーァァァァァァァァ!」

「その声、どこかで聞いたような……。ん?そうだ!思い出したぞ!姿が変わっているから気づかんかったが貴様、ビギナーだな!」

「……だからどうしたぁ?」

 

 

男……否、ビギナーはそう肯定した。姿形は違えど声は変わらず、ライダーはそこからこの男の正体を割り出した。

そのあまりの変化にウェイバーも目を見開いてビギナーらしい人物を凝視していた。

 

 

「ビギナー!?てか、何でそんな流暢に話せてるの!?」

「そんなことは知らん。また宝具かなんかで話せるようにしたんだろうな」

 

 

だが、ビギナーらしい人物は憤怒の表情を維持したままさっき飛ばしてきた緑に光る球体を自身の掌から作り出す。

 

 

「……まさかここでやるつもりなのか?」

「ふむ。どうやらそのようだな」

「おいライダー。まさかお前もやるのか?」

「無論だ。……奴は既にやる気のようだしのぅ。それにはしっかりと答えてやらなくてはなるまい?」

「いや、けどさ……」

 

 

ウェイバーはそんなことを気にしているのでない。もうこのライダーの性格は短い付き合いとはいえ、分かっているつもりだからもう諦めた。では気にしているのは何か、それはビギナーとの間合いのことである。

 

その距離は約数十メートル弱、しかし彼らサーヴァントにとっては飛び出せば一瞬で届いてしまう距離。更にこの戦車(チャリオット)は前進しかできない、しかし、肝心の進路方向にはビギナー。しかも二車線道路とはいえあのライダーの巨体を簡単に運ぶ戦車(チャリオット)。そのサイズは大きく、小回りすることもできないのだ。

 

そのことを踏まえ、ウェイバーはある結論に至る。

 

 

「まさか……真っ直ぐ突っ込むつもりか?」

「無論そうだが?」

 

 

ウェイバーは言葉を失った。コイツ、馬鹿じゃねえの?と。

 

 

「安心せい、ちゃんと策は用意しておる」

 

 

だが流石は博学、策はあるようだ。

 

 

「けど、ビギナーは優勝候補とまで言われてるんだぞ?いけるのか?」

「まあ見てろ。確かに奴はかなり場数を踏んでいる猛者だ。だが、そんな奴にも……否、どんな猛者だろうと必ず隙はある。そこに余は賭けてみるのだ。それに……彼奴とて、気が変わって余の臣下になるのかもしれんしな」

「お前……まだそんなこと言って」

「奴はそれほどの猛者ということだ坊主。余の軍勢に加えるからこそ、奴は良き臣下になり、やがては……良き盟友となるかもしれん」

 

 

そう言ってニヤリと笑みを浮かべ、キュプリオトの剣を抜く。

 

その笑みを見て、ウェイバーは諦めた。もうこの男は止められないと、なら自分はマスターとして見守ろうと。

 

 

「じゃあやれよライダー。お前のやり方で勝てばいい」

「ほう?話が分かるようになってきたではないか!」

 

 

そして二人は笑みを浮かべ、ライダーは宝具を発動する。

 

 

「いくぞ!『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』ォォォォ!!」

 

 

その雄叫びによって、戦車(チャリオット)を牽く神牛は雷撃を纏う。

ライダーの雄叫びに、戦車(チャリオット)の動きに、大地は揺らぎ、神牛が一歩踏み出せば雷が迸り、『神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)』は持てるだけの力全てを使ってビギナーを蹂躙すべく突き進む。

 

 

「……フッ、流石はライダー。そう来なくては面白くない!」

 

 

流石のビギナーもこの時だけはアイリスフィールのことは忘れ、目の前の敵との戦いに集中する。

 

 

「AAAAAlalalalalalalalalalalalalalalaie!!」

「うおおおおおオオオオオオオオオオオ!!」

 

 

ライダーの戦車(チャリオット)が今まで見たことないぐらいの速さで迫り、ビギナーは掌にある球体を掴み、戦車(チャリオット)に向かって全力投球した。

 

そして、辺り一帯は爆発と爆風、そして眩い光によって包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカッ!と荒々しく教会の扉が蹴破られ、ルシファーはズカズカと入っていく。

 

中は電気も何もついておらず、僅かに入り込んでいる月明かりだけを頼りに辺りを警戒しつつも奥へと進んでいく。

 

そして、奥の方に見覚えのある後ろ姿が見えた。

 

 

「あれは……あごヒゲか?」

 

 

間桐雁夜の怨敵である男を見かけ、手から光の槍を作り、ゆっくりの近づき……

 

 

「死んでおる、だと?」

 

 

悪魔の契約の際、対価で魂を貰うため分かったこと。それはこの男の魂からは生気が皆無に等しい程感じられないのだ。

 

 

「……ゼツ」

「はぁいルシファー様♡お呼びですか?」

 

 

そう言って信徒席の下からぬっと出てきた。

 

いつもならイラッときて蹴り飛ばしているがシリアスな空気のため、空気を読まない馬鹿(部下)とは違い、怒りを腹の奥へ押し込んだ。

 

 

「……奴の周囲に罠の類はないか?」

「ん〜、特にありませんよ?……あら?あの人物は?」

「遠坂時臣。屍もどきの怨敵であり、小娘の実の父親じゃ」

「そうですか、彼が……。エイジ様に比べたら貧相な身体ですね」

「ハッ、エイジと此奴を比べるでない。否、比べる価値すらないわ」

 

 

相変わらずゾッコンですね。とゼツは苦笑しながら言った。

 

 

「しかし、それならば一体誰が……?」

「恐らくあのクソ神父じゃろうな。教会の話をしておる時、腹の内にドス黒いものを感じたのでな」

「ルシファー様が感心する程とは、余程のクz……んっ!………悪なのですね?」

「ああ。じゃが、ありゃ純粋過ぎて妾でも寒気が感じたわ。……あれはエイジとは違う成長を遂げおるな」

「そうですか……ルシファー様、誰か来ましたよ?」

「分かっておる。隠れるぞ……ゼツ」

「了解しました♪」

 

 

指を鳴らすと二人は闇に紛れ、姿を消した。

そして、一瞬の静寂の後教会の外から誰かの足音が聞こえる。だがその足音に規則性などなく、微かに足を引きずるような音も紛れており、ルシファーはそこから大体を察したのだがあえて静観してみることにした。

 

彼女の契約は聖杯戦争に勝ち残らせること……なのだが、人間観察を行い、人間を見極めるという自身の確固たる願望には勝てないのである。

故に気になる。あの男が、死の淵を彷徨う男の答えを。情に流されるままでなく自身の強い意志を持った男が、どのような答えを見せてくれるのか。

 

だから彼女は隠れて静観することに徹した。例え、今後聖杯戦争が不利な状況になるとしてもだ。

 

そして彼がやってきた。

 

 

「遠坂……時臣ィ!」

 

 

原作通り呼ばれたのかどうか定かではないがやってきた間桐雁夜。

 

 

「俺を殺したつもりでいるようだが……残念だったな!」

 

 

弱々しいが強い意志の持った顔つき、足取りで遠坂時臣へと近づいていく。

 

 

「お前は桜ちゃんを泣かした!そして俺を怒らせた!だから……とりあえず一発殴らせろ!」

 

 

ほう、とルシファーは感心した。まさか殴らせろなんて言うとは意外だったようだ。

 

そして雁夜は時臣へと近づき、全力のパンチを顔にお見舞いするために肩を掴んで、

 

 

「その後桜ちゃんに謝ってもrーーーえっ?」

 

 

その後桜ちゃんに謝ってもらうぞ。そう言おうとしたがすでに死体である時臣の身体は押されたことによりバランスを崩し、重力に従って教会の冷たい床へと倒れ伏したので言葉を失った。

 

 

「死ん、でる……?」

「雁夜くん?」

 

 

死体に近づいて生死を確認しようとしたところで教会の入り口の方から雁夜にとって聞き覚えのある女性。否、居てはマズい女性の声が聞こえた。

 

 

「葵、さん?……ッ!違う!待ってくれ!これはーーー」

「満足してる、雁夜くん?これで聖杯は間桐に渡ったも同然ね?」

「だから待ってくれとーーー」

「どうして?私から桜を奪っただけじゃ物足りないの?」

「……は?」

 

 

危うく言いそうになったがルシファーも同じ言葉を発しかけていた。

 

小娘を奪った?両家納得の上で養子に出したのではないのか?しかもどんな解釈をしたらそのような言葉が出てくるのだ?

 

 

「(ルシファー様!気を抑えてください!)」

 

 

ルシファーのストレスがマッハで募り、爆発寸前のところでゼツの一声で何とか気を収める。

 

文句ならいつでも言えるのだがそれではダメだ。せめて間桐雁夜がどのように答えるか確認するまでは手出ししない。そう決めたので怒りを沈める。

 

 

「よりによって、この人を私の目の前で殺すなんて……どうして!?」

「だから殺してなんか……」

 

 

そこで気付いた。ああ、この人に何を言っても無駄だなと悟った。何故なら彼女の目は怒りに燃える目をしており、気分が高ぶっており、更に自分が時臣殺しの犯人だと思っているのだ。何を言ったところで言い訳にしか聞こえないのだろう、そう思った。

 

ここ数日、ルシファーの行動に引っ張られていたためかそれともルシファーのおかげで心に余裕ができたのか、意外と冷静にいられる自分に驚く。

 

そしてあることを閃いた雁夜は驚くべき行動に出た。

 

 

「だって仕方がないだろ?この男がいなければ……こんな男さえいなければ!俺は聖杯戦争に勝利し、楽に聖杯を手に入れていたはずだったんだ!……前々から鬱陶しかったんだよ。この男が、この男の魔術の才能が!この男の幸せが!ーーーだから桜を養子に入れたんだよ。あいつが少しでも不幸になれるようにってね!!」

 

 

なんとこの男。やってもない罪を認めた。認めてしまった。しかもありもしない理由で、しかも嘘の動機まで丁寧に語った。

 

何故なら自分は持って数日の命。だから自分は泥を、つまり時臣殺しの罪を被ったのだ。

夫が殺され、次はその魔の手が桜にもいくかもしれない。そうなれば流石の遠坂葵も間桐へ預ける気を失くし、桜を引き取るだろうと考えたのだ。

 

例えそれが……初恋の人から嫌われる結果になると分かっていても、だ。

 

 

それが、間桐雁夜の選んだ答えだった。

 

 

「ふさげないでよ!アンタなんかに!何が分かるっていうのよ!?アンタなんかーーー誰かを好きになったことなんか……ない癖に!!」

 

 

いざ言われると結構堪えた。暖かかったあの人が、命に懸けても守ろうとした人が今はどうだ?そんなものは今や見る影もない。

 

優しすぎる雁夜にとって、その言葉は厳しすぎた。

 

ふと、彼の目元から一滴の滴が流れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで気が済んだか?」

 

 

ルシファーの裏拳が遠坂葵の頬にヒットした。

 

 

「えっ……?」

 

 

何故か怒りの表情に満ちたルシファーがいきなり現れたことに雁夜は驚き、呆然としてしまい、ただ見るだけしかできなかった。

 

 

「さっきから聞いておれば貴様……意味の分からんことをほざきおって。娘を奪っただけじゃ物足りないの?……下らん、全くもって下らん。養子に出したのは両家納得の上でのことであろう?では貴様はそれに反対したのか?」

「それは……」

「やはりな。どうせそんなことじゃろうと思ったわ。所詮は口先だけの貴族令嬢のことはある。全ては流されるまま、自身の意見は直接言わず後から愚痴るとは……実に下らん女じゃ」

「……」

「だんまりか?本当に下らん女だ。しかもあれじゃろう?娘……遠坂凛が勝手に戦地に入ってきて死にかけたそうじゃな?」

「……ッ!」

 

 

実はキャスター討伐前、本格的なサーヴァント戦の準備のために下調べを行っていたルシファーは下水道付近にて雁夜を発見。首根っこを掴んで事情を問いただすとここがキャスターの根城であり、桜の姉の遠坂凛が無謀にもここに突っ込んで行ったのを確認したため、助けに来た。とのこと。

その後なんか海魔の餌になりかけていたところを発見、放置するのも良かったが雁夜がうるかったので渋々助けてやったのだ。

 

 

「全くもって下らん。力のない小娘如きが勝手に戦地に入ってきて死にかけておったからな。そこの男が助けんかったら今頃死んでおったものを……」

「そんな……」

「人を見る目がない、娘すらまともに見ることが出来ない。本当にお主は下らん女だ!」

「うっ……!」

 

 

遠坂葵の首を片手で掴み、上に上げる。

 

 

「やめろルシファー!」

「貴様は黙っとれ!」

「ッ!」

 

 

普段冷静な彼女からは想像もできない怒声を上げ、不意を突かれた雁夜は手を止めてしまった。

 

 

「失礼、雁夜殿」

「なっ……!ゼ……ツ?」

 

 

そしてその隙を突いて今まで黙っていたゼツが雁夜の首筋に手刀を当て、意識を奪い去った。

 

 

「貴様如きに何が分かる!?この男の苦悩を、小娘の苦しみを!……間桐の家に行った小娘が何をされたか知っておるか?まず奴は蟲ケラ如きに処女を奪われ、心身共に蟲に犯され続け、彼奴の髪色は今や変色して紫に変わっておるのだぞ?そんな小娘を救ってやったのがそこの男だ。奴は自らの命も省みずに赤の他人である小娘を救うために持って数日のところまで命を削りおった大馬鹿者じゃ。妾が来なければ今頃この二人は壊れておったわ。それに比べて貴様はどうだ?娘を奪った、夫を奪った?そこから更に八つ当たりじゃと?なら貴様はそうならないように何かしよったのか?どうせ何もしておらんのだろ?魔術の才もない、力も何もない、そんでもって事は全て他人任せの貴様には到底無理なこと。こやつらが苦労して生きておるのに貴様は汚れを知らぬまま、綺麗なまま毎日をのうのうと暮らしておったのだろう?ふざけるな……ふざけるな!妾はな、貴様のような者が嫌いだ。虫唾が走る、身の毛がよだつ!……ああもう!イライラさせる女だ!もういい、貴様も八つ当たりしたのだ。妾も貴様を見習ってさせてもらおう。勝手に後悔してろ勝手に懺悔でもしろ、そして無様に生きていろ!」

 

 

そう言って光の槍を振るい、左腕と両足を切断した。

 

ルシファーはいつになくイライラしていた。遠坂葵の生き方にイラついたのではなく、増してや間桐雁夜に同情して変わりに怒ったのではない。なら何故か?

 

 

「貴様如きがこの男を……間桐雁夜を勝手に語るでないわ。故に、貴様如きが間桐雁夜を責める資格もありもせんわ」

 

 

そうだ。何故なら自分は数日といえど間桐雁夜という男を理解していた。だからこそだ。間桐雁夜の表面しか理解していないこの女が許せなかったのだ。

 

表面上でしか人を知ることができなかった、終永時に出会う前の自分と重なるから、つまり同族嫌悪みたいなものを抱いたからである。

 

 

「せめてもの慈悲じゃ。右腕と命だけは取らないでおいてやる。間桐雁夜の優しさに感謝するがよい」

 

 

ルシファーがそう言うと痛みのあまり遠坂葵は気絶し、それを鼻で笑って一瞥すると入り口に向かって歩み出した。

 

 

「ゼツ。“カリヤ”を運べ」

「はい、ルシファー様」

 

 

気絶した雁夜を抱えながらもゼツは少し先を歩くルシファーの背中を見て、

 

 

(これもエイジ様の影響なのかしら?ルシファー様は随分と甘く……いえ、優しくなられたのですね)

 

 

驚く反面、嬉しいと思った。

 

しかし、ルシファーの足が急に止まったことでその思考を中断させた。

 

 

「そこにおるのだろう?クソ……否、外道神父。今妾は機嫌が悪いのでな。出て来なければ殺すぞ?」

 

 

そう言うと拍手の音が聞こえ、入り口から真っ黒な服装の人物が現れた。言わずと知れた言峰綺礼である。

 

 

「素晴らしい、流石は魔王だ。中々面白いものを見せてもらったよ」

「つまらん男じゃのう貴様。どうせ人の不幸に愉悦でも感じたのじゃろう?」

「ほう?どうしてそう思うかね?」

「何、貴様からは純粋な悪意を感じる。まるでオモチャを与えられて喜ぶガキのようだ。自身が心からいくら求めても意志がなくては残るのは虚無感だけ。だけど貴様はこんな下らんことで達成感を得ておる。だからつまらん男だと言ったのじゃよ」

「なるほど、ではどういうものが好みなのかね?」

「全くもってつまらん男だ。そんなことも分からんのか?妾が好むのはただ一人、終永時だけじゃ。貴様のような純粋過ぎず、かと言って濁り過ぎることのない最も人間らしいのに美しい()を持っておるのだ。貴様には到底分かるまい」

「……なら、衛宮切嗣はどうなのだ?」

「衛宮切嗣?ああ、あの無様な生き方をするクソガキか。確か恒久的な平和、戦いの根絶が願いとエイジが言っておったが、実に下らん妄言じゃ。笑い話にもならん。奴は単に自身が行ったことの罪滅ぼしがしたいだけじゃな。平和なんてのはただの免罪符。血で汚れた先の平和など到底無理に決まっておる。そもそも人は人同士で争い、戦うからこそ反省し、生きてきた生き物じゃ。……これは受け売りじゃが、正義や悪ってのは時代によって変わる、いわば生き物みたいなものじゃ。政治や経済、宗教、思想、環境などによってコロコロ変わりおる。今日までやってきた正義が、明日には悪となるかもしれんし、逆も然りとな。それに、どんな平和(正義)を望んでおるかは知らんがそんなもので平和が叶うのなら今頃世界平和なんて掲げる必要なんてなくなるじゃろうが。じゃが奴は無理をしてまでそれを実現しようとしておる。つまり結論として、衛宮切嗣という男は正義とも悪とも言えない、冷徹なロボットにすらなりきれない哀れな人間、ということじゃ……以上、参考になったか?反論は聞かんぞ?ではな」

 

 

言峰綺礼の答えはあえて聞かず、ルシファーは教会を出て行った。

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

ビギナーのステータス更新です。どうぞ!



【クラス】
・ビギナー

【ステータス】
・筋力A+→A++
・耐久A++→A+++
・敏捷A+→A++
・魔力B++→C-
・幸運B→C


【保有スキル】
・狂化D→A
(ある特定の人物に合わない限り、普段なら会話は出来る)

・騎乗A+→B-
(狂化のせいでランクダウン)

・直感A

・戦闘続行A

・千里眼B→A

・単独行動A

・異常体質B→A
(狂化により異常に近づいたためランクアップ。ステータス上昇の確率が上がる)

・祖龍の寵愛D→C
(異常に近づいたためか、何故か上がったスキル。あらゆる属性攻撃に若干の耐性がつく)


※追加スキル・破棄スキル

・縮地B《破棄》

・魔力放出A(気)《追加》
(魔力を気に変換して放出する)

・加虐体質A《追加》


【宝具】
普通求めし異常者(ノット・バット・ノーマル)

完全な異常になったため、破棄されました。


『原点にて頂点』

レジェンド・オブ・サイヤ

ランクEX

対星宝具

レンジ1〜???

最大補足???

神から与えられた転生特典。
某野菜王子をヘタレにさせたあの(悪魔)になる。
本来ならこれだけで王に君臨できたかもしれないのに本人は興味がないようだ。


『???』

異常になったことで使用可能になった。
これこそがルシファーの言っていたありとあらゆる原点を担うことになってしまった原因。サーヴァントの身で使うとほぼ勝てるが代わりに自身の身が滅ぶので今後一切使わない予定のようだ。






この作品を書く前、fateに伝説の悪魔をいれたらどうなるんだろ?って思ってやってしまいました。

ステータスが低い?そりゃサーヴァントの身ですから弱体化はしないと(汗)

反省はしていない、だがちょっと後悔している……。


で、ではまた次回!

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