学術機関の建造物はガラスと煉瓦とコンクリートのモザイクであり、統一感というものを忘れている。
上空の土塊の怪物からまるで足を伸ばすかのような光線が降りてくる。二連の砲台が穿ったアスファルトの穴は、足跡のようである。
追われるようにソウスケは走る。
塀のように道を作る建造物の上をリーフェが軽やかに飛び跳ね、高低差を無視して並走する。
「くそっイナホはどこだ」
ソウスケは最強の戦力である半人キュウコンと見事に分断された。擬人化のワーストケースであるホリゼの手腕は実に見事である。
「自力歩行不能者含め、第8棟まで避難場所への誘導を完了しました。これより規定の経路を閉鎖します」
拡声器から、落ち着いたアナウンスが響く。
その声はランチタイムを一緒に過ごしたヨウさんの同僚である。ヨウさんの仲間は職務を全うしてのけた。
「マスター! これで存分に暴れられるよ!」
メガホンを持った女性職員は、ヒゲをたくわえ背筋を伸ばし切った初老の男性を従えている。
彼の野太い発声と共に脇道に分厚い氷壁が形成されていく。水氷ポケモンの最終形態の一体、トドゼルガの擬人化とソウスケは推察した。
……やはりこの地方はアベレージが高過ぎる。
この上空に居座り続ける、ホリゼのネンドール、しかし、ボールは関与していなさそうなそれにソウスケは思考を戻す。
おかしい。いや、まさか。
青の凍てつかせる光線、黒の禍々しい波動、そして紫の鞭のような実体を伴うエネルギーが、順にソウスケ達の背後を穿つ。
「リーフェ! あいつ地面技使っていたか?」
「見ていない! 大地の力も地震も!」
リーフェは掠れば即死するであろう高火力氷結エネルギーを軽やかに躱す。
そのときだった。ネンドールの表面が波打った。それはまるでCGの3Dモデルが処理落ちした様であった。
「おい、まさか!」
ソウスケがボールをかざし、黄色い少女が形作られる。
「ええ、試してみる価値は有りますねマスター!」
彼女は着地と同時に、並走する。パーモットの擬人化――イシスだ。
ソウスケがそれに腕を突きつけると同時に彼女は地面を蹴る。左右の煉瓦とコンクリートの壁をライチュウの尾のような軌跡を描き跳ね跳ぶ。
「相性電気無効、格闘いまひとつ。だが! やれ! インファイト!」
そして彼女はネンドールの下から迫り、無数の拳を叩き込む。
上空に叩き上げられるネンドールにノイズが走った。
マホイップであるドロップが放ったノーマル物理奥義とっておき、ことパイルドライバー。
その被害により、構内の広場に土煙が立ち上っていた。それを腕組みして眺めているのは、イケメントレーナーのカインだ。
小さな放射状の地割れを伴う爆心地に、頭から刺さっている女。彼女の白衣の下のインナーがチカチカとサイケな光を放つ。白のケーキのような美少女ドロップが跳ね退き、さらなる追撃のため、その脚をバネにする。
「おいおい、テクスチャが剥がれてしまったでは無いか」
埋もれた彼女の頭部から、くぐもった声がした。
「もう一発行くよ!」
地面から頭を引き抜く彼女は青、赤、つまりポリゴンZのような色彩のボディスーツに包まれている。その上から着ている白衣から土を払い、敵対者に相対した。
「させるわけにいかないじゃないか」
ホリゼは紫のエネルギーを束ねた。建物と差が無いサイズ感のそれは目前に迫った拳ごとマホイップを叩き潰す。 彼女はその不定形の肉体を晒した。
「さて、カインくん。実は先ほどマスカーニャが追加された、完全擬人化が可能な種族にポリゴン、ポリゴン2、ポリゴンZを足してくれたまえ。あ、ソウスケ君とも共有しておいてくれ」
割れたサングラスを払い除け、黄色の虹彩に二重の黒の瞳。その人工生物の左目を彼女は開いた。
「参ったね」
彼は汗を隠せなかった。
ネンドールに走ったノイズがそのまま裂け、霧散する。その中から、ホリゼが出てくる。ただし、白衣では無く、青と赤のボディスーツ姿でニヤニヤ笑っている。コピーである。
「まじかよ! 擬似イリュージョンかよ、強者が策を弄するな!」
確かに、ビームだけならネンドールもポリゴンZも見分けつかないが。
「ばかされてゃわね」
何故か黒い塊を咥えたイナホが現れた。
「おいなんだそれ」
「空から降ってきた」
拡声器から怒鳴り声が響く。
「トロピウスのトレーナーに告ぐ! ポケモン災害時は撃墜のリスクのため、上空の飛行はやめさせなさい! 直ちに低空から離脱させなさい!」
確かに上空に緑の飛行物体が見える。本人は見えない。
「は?」
アンリのトロピウスだ。あのホリゼと同等か、より悪質なストーカーである女子高生である。
デジタルを封印したソウスケ達は散々部屋に警告を書いて、最悪の監視をされている状況を伝えていたのに、出しゃばってきたらしい。それも最低限の最適解。最高火力であるイナホの炎技をさらに強化する、デメリットの無い小道具の木炭。合理的過ぎて末恐ろしい。
本人は見えないあたり、犬死を避けるギリギリの介入だったことがうかがえる。だが、本人は確実に市内に潜んでいる。
「まずい! これはサイコショック!」
イシスの頭上に家屋一棟分のエネルギー体が降ってくる。
「イシスどの。この暴力は私が引き受けます!」
伊達男、ミノルがタックルでエネルギー体を吹き飛ばす。
「があっ」
高レベルルンパッパである彼も呻き声をあげる。
「こっちを無視しないでよ」
アスファルトが融けた。陽炎の中心イナホから炎が放たれる。
急げ、観戦している暇は無い。
「そこの3階!」
ソウスケを抱きかかえながらイシスが走る。リーフェを追いながら。
「あ、これ駄目ね、ごめんソウスケ」
ソウスケは物理的な衝撃を受けた。横っ飛びしてきたイナホがイシスごと突き飛ばしたのだ。
「君で止まると思うのかい?」
コピーが当然のように口を開いた。手に禍々しいエネルギーが溜まっていく。
もしかせずともオリジナルと同等。むしろ、こちらがオリジナルの可能性すらある。
「試してみる? 大地の獣の速さを」
イナホは手に熱量を溜めた。
リーフェより速かったイナホである。撃ち負けることをソウスケは考えたくなかった。
「良いから行きなさい下僕! 何があっても振り返るな!」
悲鳴のような絶叫。
爆轟が発生する。
イシスに背負われ、コンクリートの建物内に全身が入ったそのとき。
視界の切れ端に。
極太の光線に貫かれるイナホと、庇うように巻き込まれたミノルをソウスケは見てしまった。
「え」
景色が切り替わる。
それは、コンクリートの建物の内部に、かつての煉瓦造りが残された入れ子構造の建造物だった。再建を繰り返したのだろう。
内側の建物、その3層目サーバールームのガラスが見える。
中から無数のポリゴンZの目だけがソウスケとイシスを見下ろしていた。一匹一匹があのホリゼかもしれない。
こんなの世界が燃えちまうだろ。
「壊すぞ!」
「させると思うのかい?」
着地し、イシスから降りたソウスケの背後に傷一つないボディスーツの美女が立つ。
リーフェが花爆弾をぶつけるが、多少汚れる程度。
「なんで、お前らそんなにつえーんだよ」
「そうだね。データとして自己複製して片方を食い尽くしたら強くなるぞ」
ソウスケは時間稼ぎのつもりだったので、思考にフィルターをしていたが、聞こえてしまった。
それ強要されたら人類滅ぼしたくもなりますわ。
ソウスケは背後のパソコンに気づき、片手で操作していた。
早く、ソウスケの最後の一体、メラを出さねば。
ハンデトレーナーの本気の早業である。
しかし、攻撃により床が割れ、下層に設定だけされたパソコンが落下していく。
ソウスケは自分がまた抱きかかえられていることに気がつく。
「おい、俺じゃなくてサーバーを狙え!」
イシスはソウスケを突き飛ばすように跳ねる。念力の塊は辛うじて逸れた。
「ここなら大技は使えない!」
リーフェの花爆弾がコピーホリゼに飛ぶ。しかし、それは横から、青い光線でなぎ払われる。
「おやおや、これを見られたか。困るよ」
白衣のホリゼ。ソウスケが昔から存在を確認していた方である。しかし、ポリゴンZの目や体色が一部表出している。
手から出る冷凍ビームがリーフェにまで向けられるが、素早いマスカーニャは難なく躱した。
今、白衣の本物とボディスーツのコピーが揃った。
コピペかよ。
「コピペですか!」
妙なところでソウスケの内心とシンクロしたイシス。
彼女は手に電流を漲らせて、金属の手摺を掴む。
そのまま、彼女は横にスライドし始めた。吹き抜けに面した階段の手摺をつたい加速度的に上昇していく。
「電磁気力による移動か!」
「レールガンの原理だな。素晴らしい!」
絶賛しながらサイコショックを放つ二人のホリゼ。念動力エネルギーの塊下から迫り、手摺が順に破壊されていく。
「リーフェ!」
ソウスケも崩れ行くホールの階段を駆け上がりながら相棒の名を叫んだ。
巨人の手のような紫のエネルギーがイシスを潰す瞬間、緑と黒の獣人が割り込み、エネルギーが瞬間に霧散する。
「無効よ!」
エスパー技を悪のリーフェは無効化出来る。それも完璧に。
「リーフェ横です!」
直後、青い横からリーフェを刺し、ふっとばされる。余剰エネルギーが爆風を生み出し、ソウスケは空中の踊り場の柵に叩きつけられた。ソウスケのボールが散乱する。
顔を上げた彼の頭にそれが当たった。マスカーニャのマスクだ。
「リーフェ?」
「くっ、あなたの場所に今行きます!」
イシスが電気を纏い壁を蹴り、サーバーに突進する。
「後は任せました! 気の利いた言葉は浮かびません!」
おい、この馬鹿!
ソウスケは映画で死にに行く戦士のような台詞を組み立てるパーモットにふざけるなと内心で詰った。
「おい、何故だ。データ脱出を開始できない! やめろ、やめてくれ!」
吹き抜けに浮かぶ白衣ホリゼから断末魔の悲鳴が聞こえる。
さあ、なんでだろうね。くそがよ。
「まあ、聞かないよな」
瞬時にスン、と彼女は落ち着いてみせた。
コピーホリゼがイシスの足元を粉砕した。彼女が体勢を整えている間に、本物がサイコショックを放った。
「ここまでですか!」
「爆破圏内に入ったわ」
そこにいたのは傷だらけの傾いた身体で立つ緑髪の少女。マスクを失い、ニャローテのような姿。彼女が再びサイコショックを身体で霧散させた。
「リーフェお前」
「トリックでは、無いよ。残念だけど。あのオーダイルですら出来たことがたまたま起こったの」
懐きによる食いしばり現象。それがソウスケの手持ちで生じることは決して珍しくない。
「不本意だけどね」
ホリゼが割り込む。
「マジシャンポケモンの君にとって不本意なことは同意するが、それも実力だろう。だが、その運を捨てに来たのかい?」
イシスはコピーホリゼと死の追いかけっこをしている。
サーバーの前でリーフェは構えた。爆破の構え。
「やめろ、リーフェ、正面から撃ち合うな! イナホですら早撃ちで勝てなかったんだ!」
素早さでリーフェはイナホに勝てていない。キュウコンはかなり素早い種族だが、それに加えイナホのレベルの暴力が凄まじかったのだ。
ホリゼはその上を行く。
「ふいうちだ!」
「それは捨てたよ。バンギ姉さんに諭された。そんなものに頼るなよと。それぐらいならレベル上げて意味のあることをしろってね」
ホリゼが述べる。
「時間稼ぎはやめたまえ」
「それにね、マスター? 私達はポケモンだよ?」
ソウスケは階段を駆け登る。身体が勝手に動いているのか、動かないのが正解だと理解しているのか足取りがおぼつかない。
「おい、俺は死にに行くなと言っているんだ!」
リーフェ手前の階段が崩落していく。
ホリゼは手に破壊光線を溜める。
「マスターはそこで見ていてね」
「ばーか」
リーフェの手が動いた。しかし、その腕は。
消滅した。
リーフェの身体は瞬時に超高密度のエネルギーの奔流の中、黒くなり、崩壊していく。
ソウスケの目にマスカーニャが一瞬映った後、それは瞬時にボールに返った。
イシスはコピーを振り切り、まるでサンダーのような光を纏いつつ咆哮を上げる。
「マスター!」
全てが光りに包まれた。
微かな光をソウスケが感じた。
そこは地下であった。古い機器に、新しい機器。残骸が落ちている。
常人なら重症は免れない高さだった。
ソウスケは顔に液体を感じ不快感を感じた。しかし、大丈夫だ。頭に大きな傷は無い。と自分の状態を処理した。
「おい、どうすれば良いんだよ」
今出てるやつらは全滅した。
振り返ってみた。上を覆う錆びた剥き出しの鉄筋が牢獄のようである。瓦礫の山が複数あり、その中に黄金色尻尾の束が混ざっている。
動かないイナホも崩落に巻き込まれていたらしい。
ソウスケは心の中で絶叫を繰り返した。
カイン! お前足止めしてきたんじゃないのかよ!
彼は死んだ。そう考えるのが自然じゃないのか。
おい、イシスは電攻双撃したんじゃないのかよ、おかしいだろ。
リーフェ、お前馬鹿野郎、ふいうちを何に変えたんだよ!
本物ホリゼが煙の中から輪郭を得つつ、ソウスケに向かってくる。
「悪役らしいことをやろう。冥土の土産に講義してやる。うん。実に良いロールプレイだ」
手に"ヒメリ100%ジュース"のペットボトルを持っている。
ホリゼが瓦礫を踏み付ける。
「ここは閉鎖された、カラタチ教授の研究室跡地。まあ、私が爆破したんだがね。私は実験ポケモンだったんだよ。そして優秀な君を実験ラッタにして、私の正体に気づけるか試してみたんだ。実験は大成功さ。これは良い時間制限の検証になったよ」
ホリゼがゆっくり歩く。
「ああ、そうだ。安心したまえよソウスケ君。コピーはただのデータだ。どうせ他のサーバーでも増殖できる。殺人したなどというセンチメンタルな考えは捨てたまえ」
ホリゼがさらに迫る。
「おいおい、口は拭えよ、ソウスケ君。まあ、親しいものが、目の前で消し飛んだら、心的外傷を生じるのは当然のことだ」
手にリーフェを屠った禍々しいエネルギーを溜めたかと思えば瞬時に霧散させた。
「逃げたまえよソウスケ君。君のパートナーが瀕死になってまで、時間を稼いだのに、その想いを無駄にするのかい? まあ逃さんがな」
ソウスケは動かない。
「知らないはずは無いだろう。タマゴから孵ったばかりのキャモメでさえ、チャンピオンの電気技を喰らっても瀕死になるだけで、死にはしないと証明されている。リーフェ君は今頃、君のボールの中で元の姿でスヤスヤさ。追撃しない限り死なんよ」
知らないはずが無いだろう。
「全く、君は本当にポケモンの気持ちを理解していないな、実質的な不死であるからして、そうでない主人を必死に守るのだ。君はせっかく擬人化して意思疎通が出来るようになった彼女達とまともにコミュニケーションを取っていたのかい? サザンドラの事例も見せてあげただろう」
ソウスケは目前に立つホリゼの人生最後の講義を傾聴していた。
良く分かったよ。リーフェ。
俺はトレーナー失格だ。
「ああ、俺を殺せ」
ホリゼは無表情で手をかざす。
「ところで、俺はソーナンスです」
「ああ、知っているよ」
「ソーナンスの奥義を知っていますか」
「知っているとも。だから君の道連れの構えが切れるまで待っていたのだよ。そうでなければ長話などするものか。いつ切れる? そろそろ辛いだろう」
ホリゼはタブレットからこれ見よがしに"オボン100%ジュース"の紙パック取り出した。
バレていたなら意味は無いか。
「全く、君はあれほど、ポケモン達に守られていたのに、本当にポケモンの気持ちが分からないな。自分が死んでまで私を瀕死にしようとするなんて」
ソウスケの拳が届かない位置で彼女は舐め腐っているのか飲み干した。
「……しかし、黙ってやればよいものを。何故ここでチラつかせる?」
「……おい、まて、ソウスケ君」
俺は本当にトレーナー失格だ。仲間を信じることを一時諦めてしまっていた。
「君は何を待っているんだ?」
「リーフェはいつも言うんだよね。敵を欺くにはまず味方からと」
険悪な口調が地下に響いた。
「だからと言って完璧に騙され過ぎだよマスター」
ふわふわの赤みがかり虫の触覚のある女の子。
十数日アナログ作戦に従い、ボックスに幽閉されていたメラルバ。
リーフェ。そう、お前がやったのは、トリックフラワーじゃない。
トリック。彼女は攻撃するフリをして、落ちていたトルーネンのボールをあのPCに放り込んでいた。後はセッティング通りにメラのボールと入れ替わる。
リーフェはイナホに、そして、ホリゼに素早さで勝っていたのだ。
「待たせたのはそちらもだろ、メラ」
「私も待たないと駄目だったんだよ、ねえ」
話し合う二人にホリゼが狙いを定める。
しかし、それは出来なかった。
メラが突然、光輝き始める。地下がフラッシュにより全てが塗りつぶされていく。
「イシス、遅いよ」
さらに熱線が降り注ぐ。メラからでは無い。上からだ。
日照り。その持ち主は説明するまでも無い。
「わがまま言わないでくださいよ」
そうだ。イシスは自爆特攻なんて出来ない。反動技を持たないからだ。
電気を失う、でんこうそうげき、そして防御を捨てるインファイト。いずれも代償に体力は無い。
気道から異物を吐き出す壊れた笛のような音が断続的に始まった。
「おいおい。面白いことしてくれたな。さいきのいのりか」
ホリゼが言う。
後ろで咳き込みながらイナホが立ち上がる。背中を支えるのはイシスだ。
「いったいわねえ本当」
直後エスパーの奔流をイシスがかばい、彼女の代わりに弾き飛ばされる。間一髪だった。
「やられたよ。そしてまさか、リーフェちゃんは経験値を託したというのかい。このメラルバに」
ホリゼは溜息つきながら続ける。
「死亡フラグをあからさまに林立させていたそこのパーモットと良い勝負な悪辣さだな。まあ、どちらも成功だが」
メラを包む光が収束する。瓦礫の裂け目から降り注ぐ強烈な太陽光を受けながら。
美しい白のドレス、背中に3対の放射状に広がる紅い羽。
そして成長した顔立ち。
「ウルガモス」
ホリゼがその姿を呟く。
「おいおい、太陽神二柱とか勘弁してくれよ」
イナホも憤然として瓦礫を崩しながらその伝統的な衣服を整えた。
姿を変えたメラが舞い上がり、6枚の翅を広げきる。舞い散る炎の鱗粉が地下を照らす。
「私達があなたの力」
静かに、しかし、力強い言葉が地下に響いた。