トレセン学園の保健室にいる男の先生。
彼は生徒の人気者で、ウマ娘に甘々で、隙を晒してはウマ娘たちを悩ませている。


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貞操観念逆転世界でウマ娘の性癖を破壊する違法年上お兄さん

トレセン学園の保健室。

 

どの学園にも必ず保健室があるように、ここトレセン学園にも当然ながら保健室がある。

しかし、ウマ娘たちはそれぞれのトレーナーによって極めてしっかりと健康管理がなされており、万が一にもトレーニング中に怪我をしないようにと常に厳重注意されているため、実のところ、この保健室は本来の用途である保健の措置のために使用する機会はあまりない。

 

その辺ですっころんだトレーナーやウマ娘に引きずられたトレーナーや、自分の担当するウマ娘が初めて出る重賞レースが近づいて胃がキリキリしてきたから胃薬をもらいに来たトレーナーや、練習ベタを直しに来たついでに体力を20ほど回復していくウマ娘や、安心の名を冠する職員でもなんでもない部外者の勝手な不法侵入とそれを咎めるために訪れたたづなさんの方が訪れる機会が多い。

 

それに、どのみち万が一どこか体を傷めようでもしたならば念のためにと大事を取って医者に見せるトレーナーの方が多いのだ。

 

 

そう聞くと、このトレセン学園の保健室はあまりウマ娘たちにとって重要な場所ではないように思える。

 

しかし、実際にそうなのかと在籍するウマ娘に聞けば、100人中100人がNOと答えるだろう。

 

なぜか?

 

 

 

ーーー

 

 

 

トレセン学園は女性社会である。

トレーナー、職員を含めて、在籍者のほとんどが女性である。

女男平等が是とされる現代社会においても、やはり昔からの風習や環境というものが一夜にして消えるということはなく、新しい風を入れながらも、昔の色を残している。

 

それもそのはず。ウマ娘という存在は得てして女である。URAはレースを観戦するファン層に男性ファンをもっと取り込むためにいろいろと動いており、近年ではその比率も増えたが、その内部は女性主体のままだ。

 

しかし、男性トレーナーの積極的な採用というものはあまり進んでいない。トレーナー採用試験は国内でも屈指の難関資格と言われており、そもそも受験者数の母数が圧倒的に女性の方が多いこともあって、男性トレーナーは年度に一人いれば良いほう、といった具合である。

 

余談だが、トレーナー採用試験に男性枠を設けてはどうか、という議論が展開され、インターネットを巻き込んだ大論争になり、ウマッタラーたちが熾烈な舌戦を繰り広げた挙句、URAは実施を見送ったという過去があったりする。理事長は頭を抱えた。

 

それは置いておくとして。男性トレーナーの在籍数が少ない理由というのは他にもある。

 

 

辞めていくのだ。必ず。

卒業した担当と結婚して。

例外はない。

ままならないものである。

理事長は頭の猫を抱えた。

 

 

その仕組みはこうだ。

 

20代前半~の若いヒトオスが採用される。

いきなり新米トレーナーがチームを組むことはない。

一人だけの担当を受け持ち、その子を全力で支える。

 

ウマ娘の脳裏にどうしようもないほどに刻まれる、異性の存在。

夏の暑い日に共にトレーニングをしていれば、半そでの白いシャツが薄っすら汗ばんだことで見える異性の体。隣に座って話し合いをしているときに感じる、大人の男性の色香。

 

「青春という人生における濃い密度をもつ期間を共に駆け抜けてくれた大切なパートナー、いつも私に尽くしてくれて、私だけを考えてくれるちょっと大人な異性。共に泣き、共に笑い、苦楽を共にした大切な人、え、うまぴょいしない選択肢とかないんですが」

 

である。

 

だってしょうがないよね。そんな自分の人生に深く刻まれた異性を放っておくはずがないよね。ウマ娘の独占力を舐めてはいけない。

 

ちなみに、この場合における男性トレーナーの対応は大きく2パターンに分けられる。

とっくの昔に堕とされているか、もしくは告白されて、一人の大人として、トレーナーとしての良心から断ろうとするものの、ウマ娘の真剣な瞳とヒトオスでは絶対に叶わない力量差でわからされて、優しく墜とされるかである。

その後はごく普通の一般家庭を築くのもよし、レースの名家に婿入りするのもよしである。

メジロ家はいつでも新築ボロアパートを提供している。

 

そんなこんなで、入ってから3~4年で退社する男性トレーナーが多いため、トレセン学園の女男比率はいつまでたっても変わらないのだ。

 

 

 

ここで話は最初に戻る。

 

トレセン学園の保健室がなぜウマ娘たちにとって重要なのか?

 

 

 

 

 

目の保養になるかっこよくてかわいくてちょっと抜けてるとこもあってそんなとこが魅力的な年上の大人の男性でしかもトレーナーじゃないから誰のモノにもならないことが保証されていて気軽に話しかけられて話しかけたら笑顔で返してくれていつでも会いに行くことができる思春期の妄想みたいな存在がいつでもそこにいるからである。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

トレセン学園のとある一角、人が行きかう職員室前の廊下から少し離れたところに、僕の職場であるトレセン学園の保健室はある。

 

トレセン学園の中ではやや辺鄙なところにあると言えるだろう、時折トレセン学園の周りを走るウマ娘の元気な掛け声が聞こえてくる以外は、静かなものである。

 

その様相は一般的な保健室となんら変わりはない。

簡単なイラストが描かれた病気を予防するポスターが壁に貼られおり、整頓された棚には簡単な救急道具が入っている。カーテンレールで仕切られたベッドが3床と座り心地のいいソファ、そして分類上は「養護教諭」にあたる保健の先生が作業をするデスク。

 

僕のデスクは部屋に入って奥側、つまり外の窓側に近いところに設置されており、外から声をかけやすい位置にある。

 

そのため、トレーニングの折に保健室の前を通り過ぎるウマ娘の子たちが声をかけてくれることが多い。

 

「あ、ひろくん先生!こんにちわー!」

「今日もかわいいねー!」

「聞いてー?私今日めっちゃキツイトレーニングするの!だから先生に頑張れって言ってほしいなぁー?」

 

今年入学したばかりのまだあどけないウマ娘たちが窓の外から身を乗り出してくる。

出会ったばかりの頃は「本当に男の先生だ...」と委縮していた様子だったのに、今ではすっかり距離が近くなり...近くなりすぎてしまったようだ。

 

「はいはい、頑張ってね。それと、アジム先生と呼んでください」

 

他愛もない話に花を咲かせる。自分たちのトレーナーさんが頼りになるけどとっても厳しいヒトだとか、トレーナーさんがもういい年なのに彼氏ができずに悩んでいるから貰ってあげてという冗談だとか、立ち寄ったお店のスイーツがおいしかったから今度一緒に行こうだとか。

そういった冗談を受け流しながら数分ほど話を繰り広げた後、彼女たちはきゃあきゃあーわーわーと甲高い声を上げながら去っていった。今はまだ実績のない雛でしかないが、やがてこの学園生活を通して数多くの熾烈なレースに身を投じることになるのだろう。

そんな子たちにとって少しでも楽しい時間を提供できるのならば、このトレセン学園で働く身としては嬉しいものだ。

 

備品の管理や保健だよりの作成といった細々とした雑事に精を出す。

 

今日はケガや病気をしたというウマ娘の子たちが一人も来なかったことを喜びつつ、少し感じる退屈を誤魔化すように新しいコーヒーを入れる。

 

...うん、流石マンハッタンカフェさんが選んでくれたコーヒーだ。自分にコーヒーを入れる腕が十分にあるとは言えなくても、こんなに美味しくなってくれる。

 

保健室にコーヒーの香りを漂わせるわけにはいかないため、必ず換気をしなくてはならないのが少し手間だが、この充実感にはその手間をかけるだけの価値がある。

なお、夕方近いことを配慮してのカフェインレスである。

 

 

 

...まどろみのような時間が過ぎる。

 

 

僕がここに勤務するようになってもう4年になった。

赴任したばかりの頃はいくらか大変なことがあったものの、今ではすっかり落ち着いてしまった。

 

主に少数存在する男性トレーナーのプライベートな相談...もとい、恋愛相談だ。

なぜだかわからないが、何人かのトレーナーの相談に乗っているうちに、トレセン学園内の男性コミュニティにおける相談役のようなポジションに収まってしまった。

 

もっとも、相談といっても僕が大したアドバイスをしているわけではない。ちょっとお酒を飲みながら彼らが自分の思っていることを吐き出して、一人で解決していることがたいていだ。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

そうこうしているうちに、今日やるべき仕事が終わってしまった。

時刻にして夕方少し前くらい、このまま保健室を訪れる人がいないなら、先に戸締り支度をしてしまってもいいかなと考え保健室の中を見渡すと、妙な違和感を覚えた。

 

僕以外には誰もいないはずなのに、なんとなく感じる人の気配。

 

...まさか、マンハッタンカフェさんのことに触れたから、彼女の「おともだち」が...?

 

誰に見られているわけでもないのに誤魔化すようにして席を立ち、辺りを見渡す。

 

閉まっているドア。

換気のために開けられた窓。

あまり開けることのない棚。

飲み物の入った小型の冷蔵庫。

カーテンの掛けられたベッド。

 

...カーテンの掛けられたベッド?

 

今日は保健室を利用した人はいない。当然、誰もベッドに案内していない。

いつの間に...?

 

いぶかしみつつ、恐る恐るベッドに近づく。三つあるベッドの左端だけカーテンがかけられていることに、今まで気づかなかった。

 

シャッという軽い音を上げながらカーテンを開く。

 

 

「...はぁ」

 

思わずため息を吐く。心配して損した。

 

そこにいたのはおともだちではなく、実体を持ったウマ娘。

薄い水色がかった髪に、傍に置かれているタンポポの髪留め。

ここトレセン学園に通う生徒にして、やる気が行方不明で知られたウマ娘...

セイウンスカイさんだ。

 

 

 

...いつからここにいたのだろう、ひょっとしたら放課後中ずっとかもしれない。

靴を丁寧にそろえて置き、気持ちよさそうに眠りこけている。

 

セイウンスカイさんは生徒の中でもよくこの保健室を訪れる。

もっとも、それはケガをしたからではなく、きちんとしたベッドが目当てだ。

 

立場上、体調不良でもないのにベッドを使わせることはできない。

 

実をいうと、セイウンスカイさんがこうやってベッドを使ってサボっていることは初めてではない。

たびたびといった頻度で訪れており、そのたびにセイウンスカイの担当トレーナーさんが探しにきたり、僕が注意してのらりくらりと時間をつぶしてから出て行ったりしている。

 

今日は担当トレーナーさんが来なかったからか、全く気付けなかった。

 

本当ならセイウンスカイさんを起こして、勝手に使ったらダメだと叱らなくてはならない。

ならないんだが...

 

あと小一時間で下校時刻になる。

今日はもう人が来る気配のない。

そして、とても充実したといった様子で眠るセイウンスカイさん。

 

...まぁ、いいか。今日くらいは大目に見ても。

セイウンスカイさんの満足げな顔を見ていたら、叱る気もどこかへ行ってしまう。

たづなさんにバレたら僕が怒られるかな。

 

そう思いつつも、ベッドの傍においてある椅子に座ったまま、彼女が起きるまで待つことにした。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

私にとって保健室は結構、居心地のいい場所だ。

ふかふかのベッドがあって、静かで、温かい。

 

ほかの皆は保健室の先生...ひろ先生のことをよく話題にするけど、私的には眠る場所の方が大事だ。

 

ただ、ひろ先生も悪くない先生だと思う。

なにせ、温和で柔らかい先生で、私がサボっていても結構見逃してくれることが多い。

それに私が悪戯を仕掛けると、いちいち新鮮なリアクションをしてくれる。

その点からいえば、比較的好ましい性格をしているなと思う。

まぁ、私がというより、ウマ娘全員に対して甘いところがある性格をしているからだが。

ちょっと真面目な性格のトレーナーさんは、ああいうところを見習ってくれたらいいと思う。

 

どちらかというと中性的な顔立ちをしていて、いつも軽く笑顔を浮かべている先生。

一見同い年くらいに見えたりもするんだけど、あれで20代後半らしい。クラスの子が話しているのを聞いた。

 

このトレセン学園にいる数少ない男の人で、何人かいる男性トレーナーを除けば唯一の男の人。というより、他所のトレーナーさんと話す機会なんてほぼ無いので、話せる男の人という意味では唯一といってもいい。

 

そういうわけで、ひろ先生は結構な人気者だ。

 

さっきまでのように、先生を慕う後輩のウマ娘の子たちとワイワイ盛り上がっていることはよくあるし、そういう時には私はあんまり声をかけない。ああいう盛り上がり方は私はしない。

 

けど、どっちかというと先生もあまり得意そうには見えない。本当はおとなしめな性格をしていて、話しかけてくれているから合わせている、みたいなカンジだ。

そういうところも、人気者の要因なんだろう。

 

ただ、二人でいる時の会話は結構好きだ。ゆったりしているというか、妙に波長が合うような気がして、言葉がすらすら出てくる。柄にもなくテンションが上がる。

 

関係性としては、男の先生というよりも気の合う友人と言った方が近いと思う。

あとは冷蔵庫に牛乳か、ニンジンジュースを置いとかせてくれたら完璧なんだけど。

 

 

 

...それは置いといて、実は少し前から私、とっくに起きているんですよね。

 

結構寝すぎたと思うし、そろそろ下校時間なのでいい加減起きようとも思うのだが、やむにやまれぬ事情があって起きることができないのです。

 

と、いうのも。

 

 

(...私のお腹の下あたりで先生がうつぶせになって動かないんですけど...!多分この人、寝てるんですけど...!)

 

流石の私もこれはちょーっと想定外と言いますか、予想だにしていなかったわけで、テンパるのも無理はないと思うんですよ。

 

なにせ、一年の時からずっとトレセン学園にいるし、トレーナーさんももちろん女性だから、男の人に触れる機会すらなかったわけで...!

 

手とかでも結構緊張するのに、思いっきり体重乗っちゃってるんですけど...!

...ていうかこの人、めっちゃ体重軽い。私よりは身長あるはずなのに、もしかして私より...

 

と、と、とにかく、いったんおきあがった方がいい...よね、今が何時か確認しなきゃだし。

 

てか先生のこと起こした方がいい...よね?

何で私のこと起こさなかったんだろう...?

 

 

 

 

内心では右往左往しつつも、セイウンスカイはそっと目を開けて、自身の腰の方に向けた。

 

直後、ガッと勢いよく目をそらす。

 

(先生の白衣!ちょっとはだけてる!...うわ、うわわっ、うなじが...!てか、コレ角度的にさ、鎖骨までっ...見え)

 

セイウンスカイは良い子だ。普段はやんちゃな風に振舞ったりもするが、根は善人である。

ゆえに、揺れていた。

 

早く先生を起こした方がいいという良心と、

もっとこの乱れた姿を見たいという、その呵責との間で、である。

 

普段はきちんと大人然とした態度を崩さない先生が、自分の前で居眠りをしてしまっている。しかも体の一部をくっつけて。

 

こんな大事件、二度と起きないかもしれない。

 

もっと堪能したい。

 

いや、でも、先生は大事な友達であって...これ以上は流石に...

 

 

セイウンスカイが内心で葛藤しているときに、セイウンスカイは自分のへそのあたりで先生が身じろぎをするのを感じた。

 

 

(ああああああぁ!や...!やめて先生っ!顔!こ、こすらないでぇ...!)

 

両腕を自分の前に出してセイウンスカイに寄りかかっているため、先生が身じろぎをするとその顔や腕の動きや温度がセイウンスカイに直に伝わってきた。

 

もはや寝たふりをしているような余裕はセイウンスカイにはなかった。先生の両肩をつかんで引きはがすこともできずに、ただただこの状況に心を振り回されるのみである。

 

そうこうすること数分、先生が体の下の方に体重を移したのを感じ取ったセイウンスカイはようやくといった様子で上半身だけベッドから起こした。

 

すでに頬が上気しており、呼吸も少し荒い。

それでも、流石に少し時間が経って慣れてきたのか、先ほどよりは冷静さを取り戻していた。

なるべく先生の方を見ないようにしつつ、傍に置いてあったスマホに手を伸ばす。

 

(えっと...時間...時間...やばっ!下校まであと5分じゃん!)

 

いい加減先生に起きてもらわなければ。そう思ったセイウンスカイは、改めて自分の太ももに頭を落ち着ける先生に目をやった。

声をかけるために目を向けたはずなのに、かえって自分より年上の大人の男であるしっかりした先生が、自分の前で無防備にあどけなく眠る姿を目に焼き付けてしまい、かける声をつまらせてしまう。

 

(...こうして見ると、先生って結構まつげ長いんだ...髪もサラサラしてるし、なんかいい匂いも...手とかも細いし、体重乗ってるはずなのに全然力とか感じない...やっぱり、男の人だからなのかな...)

 

まるで吸い寄せられたかのように、目が離せなくなる。

自分がいけないものを見ているような自覚と、代えがたいものを見ているという自覚が合わさり、セイウンスカイの身動きを取れなくしている。

 

肩からは白衣がずれてしまっており、中の白いシャツの横から男性用のインナーの一部分が見え隠れしている。年頃の少女である彼女としては、自分の意志とは関係なしに、どうしても目が吸い寄せられてしまう。

白い白衣と白いシャツに合わせて選ばれたであろう、無地の白いインナー。特別色気のあるようなデザインでもないが、今のセイウンスカイにとってそれはなによりも魅力的に感じた。

 

(いや...だって、しょうがないじゃんこんなの!見ちゃうに決まってるってぇ...!!!)

 

規則正しい寝息とともに胸が上下し、先ほどからセイウンスカイの太ももと触れ合ってしまっている。先生の存在を肌と肌で感じてしまい、今までに感じたことのない、言葉では表せない複雑な感情が流れ込んでくる。

 

眠る先生の呼吸音より、自分の呼吸音の方が大きくなるのが分かる。

先生の肌がもっと見える角度に体をずらそうとし...

 

 

直後、がらりという音とともに、重たい保健室のドアが開いた。

 

「アジム先生ー?ちょっとお話したいことが...あら?」

 

 

ばっちりとセイウンスカイと目が合ったのはたった今ドアから入ってきた第三者...

トレセン学園の秘書こと、駿川たづなであった。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「いいですか?アジム先生、勤務中に居眠りなんて、気が緩みすぎですよ」

 

「はい...」

 

「そしてセイウンスカイさん、保健室は理由なく利用してよいところではありませんからね?」

 

「はい...」

 

下校時刻を少し過ぎたころ、たづなさんによるお説教は切り上げられた。

 

安心院ひろはその勤務内容を、セイウンスカイは生徒としての心構えを丁寧に口説かれ、ぐうの音も出なかった。

 

とはいえ、むしろこれは二人にとっては好都合だったのかもしれない。

たづなという第三者の介入により、二人の間の気まずさが多少和らいだためである。

 

「はあ...まぁ、今日のところはこのくらいでいいでしょう、セイウンスカイさんは早く寮へ戻りなさい。アジム先生はもう少しお説教です」

 

「な...そんなぁ」

 

「お説教だけで見逃してあげるんですから、むしろ感謝してくださいね」

 

 

 

 

セイウンスカイはさっきまでとはまた別の意味で、少しだけ罪悪感を覚えた。

その後、今日の体験が一生のモノとして脳裏に刻まれたことを自覚し、身悶えするのであった。

 

 

 

 




主人公の名前は出さない方向で書いてたのですが、展開に詰まったので名付けました。
個人的には名前は出さない方が没入感があっていいと思うんですが、まあしょうがない。


https://x.com/5dXrHiigmO26672
僕のウマ娘xです。もしよかったら。

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