Rebellion beats~青春の残響~   作:R提督(旧SYSTEM-R)

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こんにちは、R提督です。

今回は第三章、物語のカギを握る新たなキャラクターの新登場となります。ストーリーに花を添えてくれる、新しい登場人物とは一体…?それではどうぞ。


第三章:同志たちの共鳴

 蓮は少しずつスピードを緩めると、その場に立ち止まって肩で息をしながら、膝に手をついた。汗だくの彼の様子を見たKAIROSが、サドルに跨ったまま自転車の前カゴからタオルを引っ張り出し、投げて渡してくる。

 「だいぶ走れる距離が伸びたな。初めは数百m走っただけで息が上がってたのに、今じゃ3キロ強はすんなり走れるようになった。この短期間で大した進歩だ」

 「リズムと呼吸を意識しながら、走れるようになったおかげかな…。折り返しの後半5kmはまだまだキツイけどね」

 「まぁ、でも心肺機能もその分上がってきてるのは事実だろ。しんどくても愚直にやり続けてる成果だな」

 苦笑しながら答えた蓮の姿に、KAIROSは満足げに頷きつつ笑みを浮かべた。

 「このトレーニングの目的は、10km通しで走り続けられるようになること、それ自体じゃないからな。あくまでも、本丸は本番のDJパフォーマンスに備えたお前の心肺機能とスタミナ強化であって、航続距離を伸ばすのはその手段でしかない。そこが伸びてきてるなら、確実にポジティブだよ」

 「どうせなら、10km通しで走ってみたいけどね。直接意味はなくても、成し遂げられればきっと自信になるから」

 少しずつでも前に進めているという実感からか、蓮の声や表情は普段よりも力強かった。その様子に、KAIROSはフッと笑い声を漏らす。

 「…、お前変わったなぁ。ただ、これからは暑さが本格化するからな、『本丸』を忘れてやり込むあまり、熱中症なんぞでぶっ倒れんなよ。それじゃ本末転倒なんだからな」

 「分かってる、気をつけながらやるよ」

 夏本番を目前に控えた河川敷で、師弟の絆がまた一段強まった。

 

 河川敷でのトレーニングが始まってから、蓮の周りではもう一つ大きな変化が起きていた。これまではずっと一人きりだった帰り道、美咲と一緒に帰る機会が増えたのだ。同じ音楽を好む共通の趣味の友人である、ということはもちろん分かってはいても、学年でも男女問わず、誰もが「可愛い」と認める美少女と二人きりなのは、人付き合いに不慣れな蓮にとってはドキドキするイベントには違いない。

 「ね、蓮。この曲知ってる?」

 ある日、二人並んで歩いている時にふと、美咲が自分のスマホの画面を蓮に見せてきた。画面を覗き込んだ蓮が、目を見開く。

 「あ、これAnderexの『Rabbit hole』じゃん!もちろん知ってるよ、この近未来感マシマシで浮遊感のある綺麗なメロディと、ハードなKickの組み合わせいいよなぁ!」

 恐らく、蓮がここまで食いついてくるとは思わなかったのだろう。彼の言葉に見開かれた美咲の目が、パァッと輝いた。

 「わー、これ分かってくれるんだ、嬉しい!ね、このメロディめっちゃいいよね!しばらくダーク寄りの曲が多かったからさ、久しぶりにこういうメロディが主役の曲出してくれたの、めっちゃ嬉しくて」

 「美咲、Anderexのメロディ好きなんだ?」

 「もちろんメロディだけじゃないよ。彼のKickとか、アシッドシンセをよく使うところとかも好き。だからダークな曲も聴いてたけど、Anderexってあの綺麗なメロディや世界観があってからの、ハードなdropって展開が真骨頂だと思うからさ。だから私としてはメロディもしっかり欲しいんだよね」

 美咲はそう答えると、「ね、じゃあこれは?」とまた別の曲を見せてくる。そうしているうちに、二人の会話はどんどん盛り上がっていった。好きな楽曲やアーティストの話、過去に足を運んだライブの思い出など。気づけば、蓮もいつもの引っ込み思案で遠慮がちな自分など忘れて、熱心に話し込んでいた。

 「えへへ、楽しいしめっちゃ嬉しい!蓮とこんなにRawstyle談義出来るなんて思わなかったもん!やっぱり、同じ趣味を持ってる人と喋るのは楽しいね!」

 満面の笑みを浮かべつつ心底楽しそうな美咲の姿に、蓮もまた内心温かいものを感じていた。彼にとっても、この時間はかけがえのないものだったからだ。

 今までの蓮にとって、Rawstyleという音楽は「たった一人でコッソリ愛でる」ものであって、「誰かと好きをシェアする」ものではなかった。何故なら、ただでさえ内気で友達作りが苦手な彼の周りに、世間的にはニッチな部類に入る「自分の好き」をシェア出来る相手など存在しなかったのだから。いるとすればせいぜいKAIROSくらいのものだが、彼にしても普段住んでいるエリアも生活習慣も違う以上、ずっと隣にいてくれるわけではない。それを思えば、いかにこの会話が蓮にとって特別かは、想像に難くないだろう。

 「今まで、せっかく話しかけてくれてたのにちゃんと返せてなくてごめんな。俺、あんまり人との距離を詰めるの、得意じゃないからさ」

 「ううん、いいのいいの!きっと悪い人じゃないけど、多分人と絡むの得意なタイプじゃないんだろうなって前から思ってたから。それに、今こうして楽しくお話ししてくれてるんだからオールオッケー!」

 美咲は笑顔で首を横に振ると、ふと「でも、こんなに喋れるなら是非玲奈や優衣も交えて語りたいな」と呟いた。

 「玲奈や優衣?」

 「うん、私の友達。二人ともRawstyle大好きなんだよ。ほら、教室でウチらがよく喋ってるの、蓮も見たことあるでしょ?」

 桐谷玲奈と長谷川優衣は、美咲とは1年生の頃からの付き合いである。玲奈は黒髪ロングに大人びてキリッとした目元が印象的な美人、優衣はウェーブのかかった茶髪ショートで、ちょっと小悪魔っぽいが元気が取り柄のキャラクターだ。美咲も含めたこの華やかな白ギャル軍団、休み時間や放課後には揃ってつるんでいるので、クラスでは「2-Aの一軍女子三羽烏」などと呼ばれているのを蓮自身も耳にしたことはある。

 「せっかくだし、今度紹介してあげるから楽しみにしててね。ちなみに、二人とも超いい子だしめっちゃ可愛いぞ⭐︎」

 「ええええ、いきなりハードル上げてこないでくれよ…。いや、確かに可愛いのは知ってる…けど…さ…」

 最後の方は小声で呟きつつ、思わず真っ赤になりながらどもった蓮。そんな彼のウブな反応を見ながら、また楽しそうに笑い声をあげた美咲に対して、内心彼はこっそり呟くのだった。いや、めっちゃ可愛くて超いい子なのはあなたも同じだし、そんなあなたと友達でいられるだけで俺は幸せですよ、と。

 

 「見て見て、この間みんなで行ったカフェで食べたケーキの写真。もうインスタで3桁もいいねついてる」

 「おー、相変わらず優衣は写真撮るセンスあるねぇ。流石、ウチらのSNS担当だわ」

 優衣が自信満々に見せてきたスマホの画面に、玲奈は感心した様子で声をあげた。その様子を見ている美咲も楽しそうだ。

 放課後、この三人がすぐに下校する光景は基本的に稀だ。むしろ、ちょうどまさに今日もそうしているように、机を突き合わせて雑談にひとしきり興じるのが常である。休日も、特に他に用事がなければ一緒に遊びに行くことが多い。ショッピングやゲーセン、カフェ巡りなど、その姿はまさに等身大の17歳女子高生、という趣である。

 三人揃って華やかな見た目や空気感の持ち主であり、玲奈と優衣も美咲と同様、クラスの中では一軍と見られがちだ。ただし、肝心の本人たちがその暗黙の序列を意識しているかと聞かれれば、それは全くの別問題である。彼女たちにしてみれば、「たまたま美咲とウマが合い仲良くしてたら、いつのまにか周りから勝手にそういうレッテルを貼られてた」というだけで、そんな他者評価に意味などないし興味も持てない、というのが正直な実感だろう。

 それに、彼女たち三人の真骨頂はそんな価値尺度などでは到底測れない。何故なら、彼女たちの音楽的な趣味は、一般的に想像される女子高生のそれとは大きく乖離しているのだから。

 「でもさ、あそこのケーキめっちゃ美味しかったけど、正直BGMはだいぶ物足りなくなかった?なんか生ぬるいっていうか微妙…。どれだけ、MutilatorのKickが聴きたいと思ったことか」

 「いやー、流石にあのオシャレなカフェの雰囲気にMutilatorは合わないでしょw 正直物足りなかったのは同意するけど」

 「玲奈はXtra Rawで吠えるの大好きだもんねー。こんな美人のお姉さんが現場では誰よりも熱血なの、知らない人が見たらビックリだよねw」

 玲奈のボヤキに、美咲と優衣がすかさずツッコむ。美咲が蓮に説明したように、玲奈と優衣もまた筋金入りのRawstyle好きだ。それも、Hardstyleの中でも最も凶悪なサブジャンルと呼ばれる、Xtra Rawすらも当たり前に聴き込んでいるガチ勢である。玲奈はMutilatorとBloodlust、優衣はFrawとNcryptaが推しであり、いずれもKickに圧と破壊力のあるタイプを好む、という点では共通している。

 「そりゃ、あのKick聴いたらブチ上がらない方がおかしいでしょ!あー、早く次のイベント行きたいなぁ。未成年OKのクラブイベなんて少数派だし、待ち遠しい!」

 玲奈がそう口にした時、彼女の横を通り過ぎようとするジャージ姿の人影が美咲の目に入った。いつものように、トレーニングに向かおうとする蓮だ。

 「あ、蓮!今日も河川敷行くんだ?」

 「あぁ、そろそろ5km通しで走れそうになってきたから。今日こそ壁を越えたいなって」

 彼女の呼びかけに、蓮が一瞬足を止める。

 「そっか!いってらっしゃい、頑張って!暑くなってきたから、倒れちゃわないように水分補給しっかりね!」

 「ありがとう、行ってくる」

 笑顔で声をかけた美咲に向けて手をあげると、蓮は玲奈と優衣に軽く会釈してから、一人教室を出ていった。彼の姿が見えなくなってから、二人のやりとりを見ていた玲奈と優衣が揃って、キツネにつままれたような表情を浮かべながら、美咲の方に顔を向ける。

 「ねぇ、蓮ってあの藤原くん?前から優しくしてあげてたけど、いつの間にそんな仲良くなってたの?」

 「えっ、そこ二人ってどういう関係なの?美咲、教えてよ」

 二人からの問いかけに、美咲は周囲をチラッと見つつ、ちょっとだけイタズラっぽい表情を浮かべる。

 「んー…、知りたい?」

 「「もちろん!!」」

 その完全にシンクロした二人の返答が、美咲が彼女たちに蓮の挑戦について説明する号砲となった。あの「消しゴム事件」の後、学校を飛び出した蓮が河川敷で従兄弟のKAIROSと出会ったこと。その場で、事情を聞いたKAIROSから一発逆転を目指して、10月の旭祭のライブステージでDJパフォーマンスをするよう提案されたこと。蓮自身もRawstyleを愛する一人としてそれを決意し、今は身体作りのために体力錬成に挑んでいることを。

 「…マジで…?KAIROSってあのKAIROS?彼の親戚だったの…?そんで藤原くんって今そんなことやってるの…?信じられない…」

 玲奈は思わず声を震わせた。だが次の瞬間、彼女は興奮のあまり目をキラキラと輝かせながら、思わず勢いよく椅子から立ち上がる。

 「凄い、凄いよ美咲!彼、そんな激アツなことやってんの!?そんなん、ウチらこそ全力で応援しなきゃじゃん!こんな熱い話、何でもっと早く教えてくんなかったの!?」

 「そうだよ、水臭いよ!こんな素敵な話を黙っとくなんてさぁ!誇り高きRawstyle女子のウチらが、この挑戦を見て見ぬふりするわけないじゃん!」

 大声をあげて興奮を露わにする親友二人の姿に、美咲は思わず苦笑いを浮かべた。

 「ごめん、隠すつもりはなかったんだけどね。ほら、彼って内向的な性格で、あまり他人に迷惑とかかけたくないタイプだからさ。あまり今のうちから、大っぴらにはしたくなかったみたいなんだよね。だから、私が勝手にバラしちゃうのも良くないなって思って」

 「相変わらず配慮の鬼だねぇ、美咲は。そういうところが好きだから許すけどさ」

 玲奈は呆れたように笑い声をあげると、自分の右手をスッと真っ直ぐに伸ばした。一瞬、その意図を読み取れない美咲と優衣が目をパチクリとする。

 「でも、これからは応援団独り占めとかダメだから。今日からは、ウチら三人で彼のこと応援しよう!どうせなら、KickrollもHakkenもKlaplongも全部本気でやって盛り上げないと!」

 「そうだね!今までは接点なかったけどさ、正直この間のアレはあまりにも可哀想だったもん。同じ音楽を愛するクラスメイトとして、最後までウチらで応援してあげようよ!」

 声を弾ませた優衣が、玲奈の伸ばした手に自分の手のひらを置いた。そんな親友二人の姿に、美咲は今度は心から嬉しそうに笑みを浮かべる。

 「ありがとう、二人なら絶対そう言ってくれると思ってたよ」

 そう言うと、美咲も自身の右手を二人の手に重ねた。心を一つにした三人が、揃って口元に笑みを浮かべながら、お互いの顔を見やる。

 「よーし、これから藤原蓮応援団として頑張ろう!」

 「おーっ!」

 放課後の教室に、三人の明るい声が重なった。後に、伝説の「最前列トリオ」として蓮のパフォーマンス共々語り継がれる、サポーター集団が世に産声を上げた瞬間だった。

 

 その日の夕方。走り込みを終えてKAIROSと二人で土手で談笑していた蓮は、突然の「来訪」に驚きを隠せなかった。

 「お疲れ様ー!」

 不意に聞こえた明るい声に振り向くと、そこには両手にコンビニ袋を下げた美咲・玲奈・優衣の三人が立っていた。想定外の景色に状況を理解出来ないまま、目をパチクリとする蓮に彼女たちはどんどん近づいていく。

 「よかった、ちょうど終わったところか。タイミングバッチリじゃん!」

 「え、なんか人増えてる…?何で…?」

 「ふふふ、頑張ってる君にお姉さんたちから差し入れだよ」

 明るく声をあげた優衣の言葉に、状況を理解出来ていない蓮が思わず呟いたのに対して、玲奈は笑みを浮かべながら袋の中身を取り出した。

 「はい、プロテインバー。運動した後だしお腹空いてるでしょ?しっかり栄養補給しときな!」

 「私からはスポドリ!さっき買ったばっかだから冷えてるよ!」

 「私からは、定番だけどハンドタオル。しっかり汗拭いて、風邪ひかないようにね」

 優衣と美咲も、玲奈に続いてそれぞれ購入物を手渡す。

 「あ、ありがとう…?」

 まだ混乱した様子で品物を受け取った蓮に、美咲がいつもの明るい笑みを浮かべながら説明する。

 「改めて紹介するね。この子たちが玲奈と優衣。さっき、蓮がトレーニングに出てった後に二人から聞かれて、DJパフォーマンスのことを話したの。そうしたら、二人も蓮のこと応援したいって」

 「そうなんだ…。でも、何で…?」

 今までこれといった接点のなかった二人、それもかつての美咲と同じく別世界の住人だと思っていた相手。そんな玲奈と優衣が、急に華麗な手のひら返しを見せたことをどう受け止めていいか分からず、思わず彼女たちの顔を交互に見つめる蓮。そんな彼に向かって、まず玲奈が口を開く。

 「藤原くんさ、美咲から聞いたけど君もRawstyle大好きなんでしょ?だったら、ウチらは同じ音楽を愛する仲間じゃん!そんなの、全力で応援するに決まってるっしょ」

 「そうそう、頑張ってる人はウチら全力で応援したいタチだからさ。誇り高きRawstyle女子として、ウチらもこの挑戦一緒に走らせてもらうからね!」

 優衣も、フレンドリーな笑みを浮かべながら同調する。その友好的ながら頼もしい言葉に、蓮の胸が熱くなった。

 (そうか…美咲だけじゃないんだ。この二人も、美咲と同じくらい俺のことを応援して、優しくしてくれるんだ…)

 トレーニングで疲れきった身体の奥底に、どんどんとその熱は広がっていく。三人の応援団に向かって、蓮は不器用ながらも笑みを浮かべた。

 「ありがとう。正直、二人にも応援してもらえるなんて思わなかったから、ビックリしてるけど。でも、凄く嬉しいよ」

 その言葉に、美咲は嬉しそうに笑みを浮かべながら頷いた。かつての蓮は、内心感謝を感じていたとしても、それを素直に表に出すことが苦手だった。そういう時の振る舞いから、「ただ不器用なだけなんだろうな」と根っからの善人である美咲自身は察していたが、相手によっては誤解を受ける態度であるのも事実だ。

 だが、今の彼はその壁を乗り越えられている。河川敷でのラントレは、蓮にとっては決して易しいものではないだろうが、それに愚直に取り組むことで肉体的にはもちろん、精神的にも成長しているのかもしれない。

 「喜んでもらえたならよかった。それなら、ウチらとしても応援する甲斐があるよ」

 「よーし、これからも差し入れ持って応援しにくるからね!楽しみにしてて!」

 玲奈と優衣が、これまた笑顔を浮かべながら蓮の言葉に応じた直後。ふと、彼女たちの視線が蓮の脇にいる人物に向く。サングラスをかけ、ずっと四人のやりとりを見守っていた長身の22歳の青年。玲奈と優衣からすれば、ここで居合わせること自体が奇跡にも思える、ジャパニーズRawstyleシーンにおけるスタープレイヤー。KAIROSである。

 「えっ…、もしかして…」

 「えっ、ええええ!?マジで!?本物!?」

 状況に気づいた二人が、目を見開きつつ声をあげた。たちまち、彼女たちのファンギャとしての素顔がのぞく。夕方の河川敷に、悲鳴にも似た喜びの叫び声が上がった。

 「ちょ、ヤバイヤバイヤバイ、マジで生KAIROSじゃん!スゲー!」

 「えっ、一緒に写真撮っていいですか!?っていうかサインください!」

 「おいおい大袈裟だなぁ、俺はただの従兄弟だよ」

 自らを前に全力ではしゃぎ散らかす玲奈と優衣の姿に、思わずKAIROSは苦笑いを浮かべる。蓮はその様子に呆気に取られつつも、同時にフェーズが変わったことを実感し、拳を握りしめていた。もう、自分は孤独な挑戦者ではない。一緒に走ってくれる、かけがえのない仲間を得たのだと。

 夕方の河川敷に、また一度新たな始まりの音が響いた。それは、文化祭という本番のす舞台に向けた反逆の序曲だった。




【朗報】橘美咲、あまりにも大天使すぎる。

今回登場する「最前列トリオ」の三人は、敢えてかなり理想像寄りのキャラクターとして描いています。よりリアルな人間らしさを持つキャラクターとして描くことも出来ましたが、主人公である蓮の「努力により孤立を乗り越え逆襲する」という主題に、余計なノイズを持ち込むことを避けたかったので。

そして、蓮自身も少しずつ走れる距離が伸びているだけではなく、第一章では出来ていなかった「素直に感謝の気持ちを表す」ことが出来るようになっており、内面的にも少しずつ成長している様子がうかがえます。彼自身が人間的に成長していく姿を、是非これからも一緒に見守っていただければなと思います。

新たな応援団も加わり、次回からは物語がより一層華やかに展開していきます。今後の展開もお楽しみに!それではまたお会いしましょう。
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