【先輩と別れる】
それに納得出来なかった京介は必死に黒猫を説得する。
果たして黒猫と別れないですむかどうか?
黒猫好きな人が読んでくれたら嬉しいです。
【先輩と別れる】
その文字を見た時俺はその意味に気付けずその場に固まってしまう。
「運命の記述にしたがい、私達の関係は今日で終わり...」
手に持ったノート『運命の記述』を閉じながら黒猫は寂しそうに言う。
「な、んで?」
黒猫と別れるのはやだ、この一夏を一緒に過ごし隣に黒猫が居るのが当たり前になっていた。
その日常がいきなり崩れる?
「そんなのは嫌だっ!」
俺は子供のように駄々をこねてしまう。
「先輩、しょうがないのよ」
それに対し子供を宥めるように優しい声を黒猫はかけてくる。
「何故なんだよ、黒猫!」
「あなたの妹がいるからよ」
何故ここで妹が出てきたのかは分からない。
「桐乃は関係ないじゃないか!」
「関係あるわよ、少なくともあの娘はあなたが誰かと付き合うなんて快く思ってないと思うわよ?」
「それは桐乃の意思だ!お前はどうなんだよ!俺は、お前の事が好きだ、愛してると言ってもいいよ、なのにいきなり別れるなんてふざけんなとしか言いようがねえよ!」
「先輩...」
「で、お前はどうなんだ!」
説いただすと黒猫の頬を一筋の涙が伝い、嗚咽と共に黒猫が語り出す。
「私は、私はあなたの事が好きよ!何者にも変えられないほど好きよ!でも、桐乃の事も大切なの本当はどっちも取りたい、けど!あの娘の事を考えるとこうするしかないのよ!」
一夏を一緒に過ごして、俺は黒猫の色んなことが分かった。
普段は拒絶を張ってるけど本当は友達想いで優しく、思いやりがある女の子。
不器用だけど何事にも一生懸命で応援してやりたくなる。
家でも家族想いで両親が共働きだからしっかりと妹達の面倒を見る。
俺はその全部が好きになって、全てが愛おしかった。
涙を流している黒猫をみていると何もしないのはもどかしいから次の瞬間に俺は黒猫を胸に抱きしめていた。
「離して頂戴」
「やだね」
黒猫を抱く腕に一層力を込める。
「俺は黒猫の事が好きだ、お前が隣にいてくれないなんて耐えきれねーよ」
「先輩...」
「なのにいきなり別れようなんてやめてくれよな、俺が寂しくて死んじまう...」
少し腕の力を抜いて黒猫の顔を見る。
「なあ、黒猫あの時はお前からだったけど今度は俺から言わせてくれ」
「何かしら、先輩」
「俺は黒猫の事が好きだ、これからずっと一緒にいてくれ」
この言葉を聞いた黒猫は目を見開きまた泣き出してしまう。
「え!?俺何かしたか?」
「違うの、嬉しいの先輩からその言葉を聞けて」
黒猫は指で涙を拭いいつもの調子で話し出す。
「そうね、私達は契約で結ばれているのだからね」
「契約てw」
「なら今度はその契約を確なるものにすべくもっと強力な呪いで上書きしてあげる」
「何するんだ?」
「少し目を瞑ってて頂戴」
「ああ、分かった」
言われた通り目を瞑る、すると首に手を回されたかと思ったら唇に柔らかい感触がする。
「んっ」
驚いて目を開けるとすぐ近くに黒猫の顔がある。
黒猫の目は閉じていて、キスをしてる時の顔は凄い可愛いい。
桐乃を連れ戻して来る時は頬に軽くキスをされたくらいだった、けど今回は違って唇にキスをされている。
しばらくしてから口が離される。
「またお前からだなw」
苦笑いしながら言う。
「これで契約は成立されたわ、永遠をともにする呪いよ」
「ああ、そうだなこれからもずっと一緒にいような」
そして、今度は俺からキスをする。
それに対して黒猫は目を閉じて受け入れてくれる。
今度はさっきよりも長いキスをする。
これからも、同じ事を繰り返していく。
辛いこともあるだろう、けど黒猫と二人なら何も怖くない。
これからずっとさっき何があっても俺達は永遠に一緒に居ると誓ったのだから。
「そういえば」
祭りの帰り道黒猫が唐突に声を上げる。
「なんだ黒猫?」
「お父さんが今度二人でじっくり話がしたいと言ってたわよ」
「え?」
「頑張ってね、京介」
黒猫はそういって色っぽく微笑む。
俺の苦労はこれからも絶えないらしい。