ボイスロイドが実在する世界に来たらヤンデレハーレムだった件について   作:美月海月

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 今回のお話から新章開始です!


第2章
#11 ゆづきず襲来!


「マスター! やっと逢えました!」

「マスター! ずっと逢いたかったよぉ!」

 

 部屋の扉を開けて入ってきた2人の姿を見て、俺は驚愕する。

 そこにいたのは、紫色のショートヘアでサイドバングがおさげのように長くなっている特徴的な髪型に、髪と同じ色をしたオフショルダーのミニワンピースを着ており、その上からはうさ耳っぽいものがついた黒色のパーカーを羽織っている女の子――結月ゆかり。

 そしてもう1人が、銀色のロングヘアを左右で長く三つ編みツインテールにした髪型に、白いパフスリーブのブラウスに黒地のジャンパースカートを重ねており、オレンジ色のアームカバーとタイツを着用している女の子――紲星あかり。

 

 この2人は琴葉姉妹と同じボイスロイドである。

 つまり俺が散々気にしていた、この家にいるはずの琴葉姉妹以外のボイスロイドの存在ということになる。

 この世界に来てから1週間以上は経っている。他にもボイロはいると示唆されていたというのに一向に現れないから、本当に存在しているのか疑わしくなってきたところでようやく現れたか……。

 っていうか、ちょっと待てよ。登場するタイミングまずくないか? 今、俺はベッドの上で両サイドから茜ちゃんと葵ちゃんに抱きつかれている。そして、コッショリする寸前だったので姉妹の手がアソコへと伸びている。幸い、お互いの服ははだけていないので完全にアウトというわけではないが、それでもこのシチュエーションを見ればなにかいかがわしい行為をしようとしていたというのは想像がつくだろう。

 

「なんや、もう帰ってきたんか」

「早いね。もう1年くらい帰ってこなくてよかったのに」

「本当は即日にでも戻ってきたかったんですけどね。あなたたちがマスターになにしでかすか分からないし」

「ていうか、この部屋の匂い……もしかして、茜ちゃんたち……」

 

 あかりちゃんがスンスンと部屋の匂いを嗅ぐ。

 まずい! 俺はこの部屋にほぼずっといるから気づかないが、ここで琴葉姉妹とコッショリしまくっていたからそれはもう濃厚な淫臭が漂っていることだろう。

 それに加えて、ベッドの上で絡み合っている俺たち。服を着ているとはいえ、これまでこの部屋でなにが起きていたかは容易に想像できるだろう。

 

「あぁ、マスターならもうウチらが頂いたで」

「なんなら毎日ずっと愛し合ってるよ?」

「そ、そんな……! ずるいよ2人とも!」

「マスター、本当なんですか?」

「えっ」

 

 茜ちゃんと葵ちゃんが答え合わせをしたおかげで、俺と琴葉姉妹がすでに一線を越えていることがあかりちゃんとゆかりさんに知られてしまった。

 いや、言わなかったとしてもこの部屋の匂いと俺たちの姿を見れば、すぐに分かったことだろう。誤魔化すわけにもいかないので、正直に答える。

 

「……そうだね」

「……そうですか、残念です。マスターの最初の相手は私って決めていたんですがね」

「いやいや、そこは私だよね? ゆかりさん」

「残念やったなぁ。マスターはもうすっかりウチらに夢中やで?」

「マスターに、獣のように激しく求められるの最高にゾクゾクするんだよね」

 

 それはどっちかというと葵ちゃんたちのような気もするが……。

 それよりも1つ気になることがある。

 ゆかりさんやあかりちゃんの反応的に、もしかしてだけど……。

 

「マスター、今すぐ私とえっちしましょう。この2人にはない包容力でマスターのこと虜にしてあげますよ♡」

「ゆかりさんとじゃなくて先に私とシよ? マスター、おっぱい大好きだよね? 私この中で1番大きいんだよ♡」

 

 ゆかりさんとあかりちゃんが、ハイライトのない瞳にハートマークを浮かべて俺に迫ってくる。

 まだ出逢って間もないというのに、こんなにもグイグイ来るところに俺は既視感を覚えた。そう、それはこの世界に来たばかりの時の茜ちゃんと葵ちゃんがまさしくこんな感じだった。

 

「私のことしか考えられないようにして、茜と葵のことなんて忘れさせてあげますよ」

「茜ちゃんと葵ちゃんのぺちゃぱいじゃ満足なんてできないよね?」

 

 この感じ、おそらく彼女らも琴葉姉妹と同じヤンデレかもしれない。

 そうなると、ここにいるボイスロイド4人全員ヤンデレ!? いや、たしかにボイロヤンデレハーレムを思う存分堪能してやるとはいったが、まさか琴葉姉妹以外のボイロも本当にヤンデレだとは思わないじゃん! あれは茜ちゃんと葵ちゃんの2人がヤンデレであることをしっかりと受け止めた上で決意したわけなんだが。

 今まではヤンデレが2人いるとはいっても、それは茜ちゃんと葵ちゃんが姉妹だったから特に大きな騒動も起きることなくここまで来れたわけだが、そこにゆかりさんとあかりちゃんが加わるってなるとどうなることやら……。

 

「なんやと? 女の魅力は胸の大きさだけが全てやないで?」

「そうだよ、大きすぎるのも逆に考えものだよ? やっぱり私みたいなちょうどいいサイズが1番だよ」

「でもマスターはおっぱい好きだよね? 私だったら、葵ちゃんたちにはできないおっぱいプレイをやってあげられるよ」

「お、おっぱいプレイ……」

 

 あかりちゃんの発言に思わず反応してしまう。

 おっぱいプレイっていうのは、つまりあんなことやこんなことをしてくれるっていうことだよな……。

 茜ちゃんは全くないというわけではないが控えめで、葵ちゃんもそれなりには実っているが巨乳とは言い難いサイズである。だが、あかりちゃんは服の上からでも分かるくらいに大きい。巨乳という言葉は彼女にこそふさわしいだろう。そんな彼女になら、たしかに茜ちゃんや葵ちゃんにはできないことも容易くできるだろう。……ごくり。

 

「あはっ、マスター興味があるって顔してるね?」

「マスター!? 大きさなんて関係ないやろ!? あんなにウチの可愛がってくれとったやん!」

「残念だね、茜ちゃん。マスターも男の人なんだから、大きい方がいいんだよ」

 

 たしかに大きさはあまり重要ではない。大事なのは好きな人の胸かどうかだと思う。……思うのだが、やはり巨乳に興味を惹かれるのは男の性といったところだろうか。

 

「はぁ~……分かってませんね、あかり。いいですか、胸なんてただの飾りみたいなものです。それどころか、時として大きいが故に弊害をもたらすこともあるんですよ」

「弊害?」

「そう、例えばマスターとハグをしたとしましょう。その時、胸が大きいとその分密着できなくなります。ですが、私みたいに控えめなサイズであれば完全に密着することができるんです」

「な、なるほどな! さすがゆかりさんや!」

「胸の大きさイコール、マスターとの距離なんですよ。当然大きければ大きいほどマイナスですね」

「うぐぐ……たしかに私ほど大きいと、さすがにゆかりさんや茜ちゃんと比べて密着度は劣るか……」

「それならやっぱり、攻守共に優れてるちょうどいい大きさの私が1番じゃない?」

「いや、それはありませんね。なんなら私や茜ほど密着もできなければ、あかりみたいにダイナミックなおっぱいプレイもできないあなたが1番微妙です。美乳じゃなくて微乳です」

「ムキーーーッ!! めっちゃムカつくんだけど! なにこの人!?」

 

 気づけばあっという間におっぱい論争はヒートアップしていた。

 それにしても胸が大きいとハグの時の密着度が減ってしまうというのは盲点だった。たしかに巨乳なあかりちゃんよりも、控えめな茜ちゃんやゆかりさんの方がハグした時に密着はできるだろう。だが、大きい胸を押し付けられるのも、男にとっては嬉しいものなのである。それについては彼女らには言わずに心の中にそっとしまっておく。わざわざ燃料を投下する必要がないからな。

 

「というわけでマスター、とりあえず私とえっちしましょうね」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。聞きたいことがある」

「なんですか? マスターの聞きたいことならなんでも答えますよ。私のスリーサイズとかですか?」

「いや……そうじゃなくて」

 

 なんかこのやりとり、茜ちゃんと逢った時のことを思い出すな。

 それよりもだ、ゆかりさんとあかりちゃんに聞きたいことがあるんだよ。

 

「えっと、ゆかりさんとあかりちゃんはどこに行ってたの?」

 

 そう、1週間以上も不在にしていた理由を聞きたいのだ。

 最初ここに来た時は琴葉姉妹しかおらず他のボイスロイドはいないと思っていたが、彼女たちの発言の節々で他にもこの家の住人がいることが分かっていた。

 そしてようやく現れたゆかりさんとあかりちゃん。外出をしていたみたいだが、1週間以上もどこに行っていたのか気になるのだ。それこそ、彼女らもまた俺のことが好きなヤンデレならば、すぐにでも帰ってきそうなものなのに。

 

「あ~、それはですね。まあ簡単に言うと、お仕事ですね」

「お仕事?」

「はい。マスター、ここに来てからもう1週間以上は経っていますよね?」

「うん」

「では、もう分かっているかもしれませんが、この家ってめちゃくちゃ大きいじゃないですか。それに加えて、ありとあらゆるところで金かかってんなーって思いませんでしたか?」

「それはもう」

 

 実のところ、こっちに来てからそれなりに経つというのに、未だにこの家の全部を見れていないのだ。それくらいこの家はでかい。

 そして、そんな豪邸での暮らしということもあって、当然日々の金のかかりようも半端ない。

 まず、出される料理の食材は全て最高級のものだし、部屋の家具や家電ももちろん高価なものばかり。あとは、そもそも家がでかすぎるので水道光熱費だけでやばそうである。

 

「私たちボイスロイドは一応それぞれが稼ぎ口を持っています。そして1人1人がかなり稼いでるので、マスターに何一つ不自由ない生活を送っていただいています」

 

 不自由がないどころか、贅沢すぎる生活をさせてもらっているんだがな……。

 ゆかりさんたちボイロがめちゃくちゃ稼いでいるというのは、以前に茜ちゃんと葵ちゃんから聞いたな。その時は、てっきり身体を売って大金を得ているのだと勘違いしたこともあった。今思い返すと恥ずかしい。

 

「それで、私がこの家の稼ぎ頭なんですが、それ故に外で仕事をすることもあったりするんです。今回の長期不在の理由もそれですね」

「私はゆかりさんの補佐として一緒に行ってたんだ~」

「なるほど……」

 

 茜ちゃんや葵ちゃんだけでもめちゃくちゃ稼いでそうなのに、それ以上にゆかりさんは稼いでいるのか。

 言われてみれば、ボイスロイドといえば結月ゆかり。ボイロを知らない人でも結月ゆかりは知っているみたいな感じだったからな。それくらいの人気度ならば、ゆかりさんが稼ぎ頭なのも頷ける。

 

「というわけです。さて、それじゃあそろそろシますか?」

「いや……ちょっと待って」

 

 俺の疑問に答えたゆかりさんが、こちらへと歩み寄ってくる。

 不在だった理由は分かったが、それでもじゃあ早速コッショリしましょうという気にはならない。

 ソフト上では散々彼女たちと関わってきたが、こうして実際の彼女たちと関わるのは今日が初めてなのだ。もうちょっと色々とゆかりさんたちのことを知ってから、その先に進みたい。……まあ、琴葉姉妹とは初日の夜に一線を越えたわけなんだけど。

 

「ちょいちょいちょーい! ウチらがそう易々とマスターを渡すわけないやろ!」

「そうだよ。それにこれからちょうどマスターとえっちするところだったんだから、出ていってくれる?」

「でもマスターは私やあかりともえっちしたいって顔をしていますよ?」

 

 ぎくっ。

 いやまあたしかにさ? いきなりコッショリするのではなくもう少し一緒に過ごしてからしたいっていうのは、つまりそのうちゆかりさんたちも抱きたいっていうことなんだけれども。

 

「なっ! マスター、ウチらを裏切るんか……?」

「あんなに私たちのことを激しく求めていたのに……?」

「そういうわけじゃ……」

 

 両隣の琴葉姉妹から潤んだ瞳で上目遣いされる。

 今まで茜ちゃんや葵ちゃんとひたすら絡み合っていたというのに、ゆかりさんやあかりちゃんが現れた瞬間、彼女らも抱きたいと思うのはクズかもしれない。

 だが、俺は決めたのだ。ボイロヤンデレハーレムの主になると。

 だからこそ、琴葉姉妹からゆづきずに乗り換えるのではなく巻き込むのだ。全員まとめて愛してやるんだ。

 

「はぁ……このままじゃ埒が明きませんね。仕方ありません、アレを使いますか」

「「「「アレ?」」」」

 

 ゆかりさんの発言に、彼女以外の4人の声が重なる。

 

「マスター、これをつけてくれますか?」

 

 そう言って、メカニックなデザインをしたブレスレットのようなものを渡された。

 

「なにこれ?」

「怪しいものではありませんので安心してください」

「はぁ」

 

 まあ、ゆかりさんに限って身に危険が及ぶものは渡してこないだろうから、とりあえず言われた通りそれを右手首につけてみる。

 着用後、特になにか変わった様子はない。

 

「では、そうですね……茜、マスターに好きって言ってください」

「ん? いつも言っとるけど……まあええわ。こほん、マスター大好きやで〜♡ マスターさえいてくれれば、もう他はなーんもいらへん! マスター好き好き……愛しとるで♡」

「あ、あぁ……俺も好きだよ」

 

 頬を赤らめた茜ちゃんに見つめられながら愛の言葉を告げられる。

 こう改めて伝えられるとドキドキするな……。

 

「好きの一言だけでよかったんですが」

「いやいやマスターに愛を伝えるのに一言だけは失礼やろ」

「まぁいいです。それでは――」

 

 ゆかりさんがすぅっと息を吸う。

 そして、キッと顔つきを険しくして口を開いた。

 

「マスター……そんなに顔をニヨニヨさせて気持ち悪いです……」

「えっ」

 

 突然のゆかりさんからの罵倒に、俺の脳がフリーズした。

 

「……なんて、冗談ですよ。そんなこと微塵も思っていません」

「な、なんだ……安心した……」

 

 いきなり過ぎてビビったが、どうやら冗談だったらしい。心臓に悪すぎる。

 これまでのやりとりからしてゆかりさんも俺のことが好きなヤンデレなはずなのに、あんな風に言われたら人間不信になりそうだよ……。

 

「さて、それでは皆さんこれを見てください」

 

 そう言って、ゆかりさんはタブレット端末を取り出して、画面をこちら側へと向けてきた。

 そこには――。

 

 琴葉茜:1ポイント

 琴葉葵:0ポイント

 紲星あかり:0ポイント

 結月ゆかり:-1ポイント

 

 このように表示されていた。

 

「ここに私たちのポイント数が表示されています。マスターが喜ぶようなことをしたらポイントが加点され、逆に嫌がるようなことをすれば減点されます」

 

 なるほど。

 茜ちゃんに好きって言われて嬉しかったから1ポイント、ゆかりさんに罵倒されて傷ついたから-1ポイントになっているわけか。

 なんか、俺の感情が可視化されているみたいで面白いような照れるような……複雑な気持ちだ。

 

「これを……そうですね、2週間後のポイント数上位2名が、マスターと1週間好きなだけえっちできるっていうのはどうでしょう?」

「なんで上位2人なの?」

「トップだけにしたら、あなたがマスターとえっちできないからですよ」

「あ、なるほど~! ゆかりさんやさしー!」

「いや、それ遠回しに私はあなたに負けるわけがないって言ってるんだよ、あかりちゃん……」

「えっ? ……あぁ~!? ゆかりさん、絶対に負けないからね!」

 

 皮肉を言われていることに気づかないあかりちゃんに葵ちゃんが教えてあげると、彼女は笑顔から一転して頬をぷくりと膨らませる。可愛いな、この生き物。

 その瞬間、ピロンと音が鳴った。

 タブレット端末が音の発生源だということに気づき、画面を見てみる。

 

 紲星あかり:1ポイント

 

 あかりちゃんのポイントが加点されていたのだ。もしかして、俺が今彼女のことを可愛いって思ったから?

 

「あれ? 私のポイントが増えてる! マスター、私なんかやったの?」

「いや……なんていうか、今のやりとりのあかりちゃんが可愛いなって思ったんだよ」

「えぇー!? マスター、そんな可愛いって……照れるよ!」

「くっ……思ったよりも強敵になりそうですね……」

「てか、そもそもウチらに勝つこと前提なのが、ちょっとムカつくんやけどな」

「ん? なんですか、自信ないんですか? 2週間後、私に負けてマスターとられちゃうのが怖いんですか?」

「よっしゃ、やったろうやないの!! 2週間後の負けて悔しがるゆかりさんが楽しみやわー!」

 

 ゆかりさんの挑発に乗せられて、茜ちゃんが燃え上がる。

 さっきのおっぱい論争の時もそうだったけど、ゆかりさん人を煽るの好きすぎない?

 

「でもさ、マスターを喜ばせたらポイントが増えるっていうことは、それこそえっちなことしまくればいいんじゃないの?」

「おっ、いいことに気づきましたね、葵」

 

 言われてみれば、コッショリする権利を賭けた勝負なのに、その勝負内容が俺をより喜ばせたら勝ちだというのならコッショリをした方がいいという、本末転倒なことになっている。

 

「それじゃ試しに茜、マスターにえっちなことしてみてください」

「えっ、今この状況で?」

「はい」

「ちょっと恥ずかしいんやけど……」

「はぁ、できないんですか? 茜の、マスターへの気持ちはそんなもんなんですか?」

「くっ……そんなわけないやろ。しゃーない……マスター、失礼するで?」

 

 ゆかりさんに煽られ、茜ちゃんが俺のアソコへ手を伸ばしてくる。

 ちょっと待て! 俺もみんなが見ている中でえっちなことをされるのは恥ずかしいんだが!?

 茜ちゃんの手がどんどん近づいてきて、もうすぐ触れる――その瞬間だった。

 

『違反行為ヲ検知シマシタ。違反者、琴葉茜。ペナルティヲ与エマス』

「え? ……きゃあああああぁぁぁっっ!?」

 

 俺がつけていたブレスレットが急に喋ったかと思えば、バチィッという音と共に茜ちゃんの身体がガクガクと震えた。

 

「もしえっちなことをしようとしたら、ペナルティとして身体に電撃が走る上にポイントも0になります」

「はぁ……はぁ……ちょおっ!? なんてことしてくれんねん!?」

 

 電撃が収まったのか、肩で息をしながら怒る茜ちゃん。

 ゆかりさんにやれと言われてやっただけなのに、感電させられてポイントもリセットされる彼女が不憫すぎる……。

 しかし、それにしても……感電してビリビリしてた茜ちゃん、なんていうかその……ちょっとエロかったな……。

 

「ほら、見てくださいよ――って、あれ?」

 

 罠に嵌めて嬉しそうなゆかりさんがタブレット端末を見せてくる。

 画面には……。

 

 琴葉茜:3ポイント

 紲星あかり:1ポイント

 琴葉葵:0ポイント

 結月ゆかり:-1ポイント

 

 このように表示されていた。

 あれ、茜ちゃんのポイントが0じゃなく3に増えているぞ?

 

「お姉ちゃんのポイント増えてるんだけど、どういうこと?」

「マ、マスター……そういう性癖を持っていたんですね……」

「えっ、えっ!?」

 

 なんで、俺の性癖の話になった!?

 

「……これ、喜んだり可愛いって思うよりも、エロいって思った方がポイントが大きく増えるんですよね」

「「「「えっ」」」」

「つまり、ペナルティでポイント0になったけど、感電している茜を見てマスターが興奮したので、そこからポイントが増えたというわけですね」

「……ふふふっ、マスターは変態さんやなぁ♡ ウチが苦しんどるとこ見て興奮するなんて♡ でも、マスターが望むならいくらでもそういうとこ、見せたるよ?」

「茜ちゃんの苦しんでいるところ、いくらでも……ウッ!」

 

 未だに息を荒くしながら若干光が失われかけた瞳で、そう誘惑してくる茜ちゃん。

 思わず、()()()()()()をして苦しんでいる彼女の姿を想像してしまう。

 

 ピロロロロロロッッ!!

 

 その時だった。

 タブレット端末から大きな音が鳴る。

 画面を見ると――。

 

 琴葉茜:10ポイント

 

 またしても茜ちゃんのポイントが爆伸びしていた。一度、ペナルティを食らったとは思えないほど他メンバーを圧倒している。

 

「要するに、えっちなことをしたらダメだけど、マスターをえっちな気持ちにさせるのは問題ないってことだね!」

「……そういうことです」

 

 葵ちゃんが納得した様子を見せる。

 そうなると、これって俺からすれば彼女たちにエッチな気分にさせられるのに、コッショリはできないっていう生き地獄じゃねぇか? しかも2週間も……。これは久しぶりに自家発電することになりそうだな……。

 

 こうして、俺と彼女たちの激闘の2週間が始まるのだった――。




 今回から新たにゆかりさんとあかりちゃんが加わって話が進んでいきます。

 ちなみにそれぞれの一人称、二人称ですが、

 琴葉茜
 一人称:ウチ
 葵  :葵
 ゆかり:ゆかりさん
 あかり:あかり

 琴葉葵
 一人称:私
 茜  :お姉ちゃん
 ゆかり:ゆかりさん
 あかり:あかりちゃん

 結月ゆかり
 一人称:私
 茜  :茜
 葵  :葵
 あかり:あかり

 紲星あかり
 一人称:私
 茜  :茜ちゃん
 葵  :葵ちゃん
 ゆかり:ゆかりさん

 となっております。

 ここまでお読みいただきありがとうございました!
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 それではまた次回もよろしくお願いします!
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