鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
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スタンガンを受けた後…初めての、意識の覚醒。
普通、気を失ったのなら知らない天井を見上げるのが相場なはずなのだが…そこは、随分と見知った場所で。
威圧的な刑事
「チッ…クスリの効きすぎか?」
(お〜う、知ってる状況〜……)
冷や汗が流れるのを背中に感じながら。
原作冒頭で主人公の訪れる、裁判所横にある警察ビル。
その地下の特別尋問室に居ることを悟った。
部屋の中に人間は三人。俺と、目の前の刑事と、白衣の男。
ひとまず緊迫感ある状況過ぎるため…テンションは上げず、縛られた状態で刑事を見上げる。
刑事はちょうど、手に注射器を持っている所だった
鴨志田卓
「えっと…」
威圧的な刑事
「ああ、手間が省けたな。状況は理解してるか?犯罪者め。」
鴨志田卓
「なんだろ…運転中の所を拉致して、警察署の取調室に連れ込んだ感じです?」
威圧的な刑事
「…。」
考えていたセリフが使い物にならなくなったからだろうか。
黙って、台に置かれた薬剤を鴨志田卓へ注射し始める刑事。
(えっ脅しとかじゃなく本当に投与するんすかぁってうっっわいったい!!!!血管!もっと血管探して!慎重に!心得ある人に代わってくれません!?この体めちゃくちゃ血管わかりやすいから研修医くらいでも血管当てれると思うんで!!武見さんびっくりしてましたよ!?)
…。
憑依転生者は運動が不得手であった為、当然筋肉も少なく血管も見えにくかった。
下手な人の採血を食らうと相当な回数やり直された経験等から、注射針の痛みに対しては嫌いではあれどそこそこ慣れがある。
鴨志田卓
「あの、もう少し躊躇わないと…表の顔で生活してる時にふとした瞬間に出ちゃって露見とかしません?無罪の容疑者殴っちゃってコンプライアンス違反とか うぶっ ほらそうそうこういうの」
鼻を殴られ、目の奥に火花が散る。
威圧的な刑事
「チッ、とんだ減らず口だ。オリンピックは口論で勝敗が決まるのか?えぇ?」
鴨志田卓
「海外ドラマとか参考にしてます?(笑)比喩がアメリカンですね。」
胸を押され、縛られたまま椅子が倒れた。
乱暴に手錠を掛けた手の関節から嫌な痛みがする。
後ろにいるもう一人の刑事の視線からして、恐らくドンピシャに図星を踏んでしまった…
白衣の男
「あの、それくらいに…」
威圧的な刑事
「チッ。」
(おもろ)
(…さて、どうしたものかねぇ…怪盗団については徹底的に隠蔽してある。表立った活動は0だから、原作と違って捜査本部もできてない。つまり、新島冴がリーダーを務める集まりは無いということ。出世できたとは聞いてるけど…それがどこまでの物か…)
(原作通りに冴さん来てくれねぇかなぁ…そうしないと詰みだし、ってか明智吾郎にこのまま脳天ぶち抜かれる感じ?まだそんな怒らせることやってねぇじゃん、許してくれよ…)
シリアスな状況で笑かしにかかろうとする悪癖を出しながら。
じわじわと、現状の危険を認知していく。
危機的状況になったときほど冷静に。対人のアクションゲームで培われた経験。
(後でこの悪質プレイヤーは通報してブロックだな…いや、こいつが通報聞く側なの?いんや汚職警官って目の当たりにするとコエ〜…)
原作ゲーム内で知ってる空間と状況と言うのが功を奏し、どうにか心は保てている。
注射針の刺さった当たりが脈動するように熱く、
その違和感は血液に乗って運ばれ、全身の体温が上がるような感覚があった。
(自白剤ってやつ?ドラマでよく見るけど結局なんなんだろう…調べたこと無いって…)
そうこうするうちに、覗き込んできた刑事がもう一発注射をぶち込んでくる。
鴨志田卓
「ええっ!2本!?」
真剣な雰囲気、シリアスに痛がる方が良いのだろうが…こういった場所でふざけてみたいな、という事を考えてきたからだろう。ボケてしまう。
ここで『驚くより先に痛がれやアホ!』なんてツッコミを入れてくれれば良いのだが…ベルベットルームの住民と違って東京の住民は冷たい。
さっきのやり取りも、もう少しツッコミを入れて欲しかったのだが…
威圧的な刑事
「…これでいいんだな?」
白衣の男
「はい…」
注射器を乱暴に抜き、後ろの白衣の男へと渡した。
原作ではここら辺で監視カメラを見て、可視化法に期待してるのか、犯罪者を守る法なんて無いんだぞ、と脅されるのだが…そんな事をする前に、思いっきりサッカーボールキックを腹にブチかましてくる
(やっべめちゃくちゃ怒らせてる 普段されないようなおちょくり方だったんだアレ。P4の足立系の後輩居ないんだろうな)
思わず咳込んでしまうも、鴨志田卓ボディの強靭な腹筋のお陰でダメージは軽微。
徹夜をした時のような、光が眩しく感じるような感覚と倦怠感。
それも鴨志田卓が徹夜をした時ではなく、憑依転生者がした時くらいの程度の強さだ。
威圧的な刑事
「無事に出られると思うなよ?」
鴨志田卓
「犯罪者も何も、ただ日々を幸せに過ごしていただけなんですが」
そう、最大の疑問…まだ何も表に活動内容は明かしていないのに、何故警察が捕まえに来たのか。
威圧的な刑事
「冥土の土産に教えてやるよ」
注射痕を突きながら、刑事がニヤけて話し始める。
…随分と性格が悪い。原作ムービーシーンと顔が違うのはモブ顔グラフィックだったからと考えていたけれど…もしかすると、別の人間なのかもしれない。
どちらかと言うとそれは悪役のほうが言う台詞になってますよ、なんて言えば教えてくれなさそうなので黙って聞いてみる
威圧的な刑事
「これを使えば、『お前の心は終わり』だそうだ。こんなクスリ、何の役に立つか知らないがな。」
「おめでとう、お前は今日から
白衣の男
「…ほ、本当に構わないのですよね。」
威圧的な刑事
「それが俺と、お前らの仕事だよ。ただ言われたことをやれば金が貰える。人生の質を上げるには、付く相手は選ぶべきだ。」
「じゃあな。鴨志田卓。」
そう言うと刑事は、白衣の男を突き押す形で外に出し、自分も去っていってしまう
モルモットになるなら生きて飼われる訳だし冥土の土産の用法間違ってません?…なんて軽口を叩く余裕がない。
薬による作用なのか、全身に痺れるような痛みがビキビキと走る。
(マジかこいつら…怪盗団を逮捕するために集まった公安とかじゃねぇの!?シンプル獅童正義傘下汚職警官!?)
(っべ〜…絶対ぶち殺されるじゃん…ぶち殺されるじゃん…推定自白剤効いてもきちゃったよ、漏れたら拙い情報抱えすぎてるってのに…ここ異世界入れるよな?スマホさえあれば…)
(あっ)
(自白剤飲ませて、聞き出す意味のある情報は?なんで何も聞かずに出てった?なんで、白衣の男が同席していた?)
思考が進む。何故か、思考が鈍っていない。自白剤は判断力なんかを希薄にするはずなのだが。
P5原作で、白衣の男はそうそう登場しない。
P5Rで丸喜先生が居たくらいであり、原作に登場する者であれば容易に絞り込める筈。
(白衣の男…そういや、本当に丸喜先生来なかったんだよな。調べても名前が見つからないし。何処か別の所で辛い目に遭ってるのか存在していないのか、後者であることを祈るよな…認知訶学の研究者、味方になってくれたらすんごい心強かったんだけども。)
(…認知訶学の研究者?)
ひらめき。
気づいてしまう、事がある。
(獅童正義に予告した時、獅童正義が対策として一時的にパレスを崩壊させる?みたいな仮死する薬を飲んでた。)
(その時…白衣を来た認知訶学の研究者が近くに居なかったっけ…)
原作が繋がる。
つまり、飲まされたのは…
(パレスを…心をぶっ壊す薬…!?)
いつの間にか。
体の麻痺は進み…息が苦しくなっていた。
気づいた頃には…何故か、己の精神が異様に消耗しているのを感じる。
鴨志田卓
「ま、じかよ…普通に毒盛りやがった…」
息が吸えない。指先ひとつ、自分の意志で動かせなくなる。めまいが酷く、視界が眩む。
このままでは、明智吾郎に脳天ぶち抜かれるどころか…認知訶学の実験用モルモットとして扱われる。もちろん、悪用する研究の。
何なら、経口摂取でもなく血管に2本ぶっ刺されたせいでそのまま…
悪寒と、汗が止まらない。
(武見さん以外のモルモットなんて御免だ…)
(こんな、所で…せ、せめて、誰かを庇って大怪我して皆に泣きながら優しい言葉かけて貰いながら死にたい…絶対嫌だ…どうにか、どうにか…活路を…)
藻掻きたくても藻掻けない。更には体を動かせたとしても、椅子に手錠で繋がれて居ては何も出来ない。
やむなく…意識が消えてしまう。
大量の、『死にたくない』を思い浮かべながら。
パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください
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原作と同じ本名表記
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わかりやすいコードネーム表記