鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
※雨宮蓮視点
ビーチバレー大会へのエントリー、雨宮がペア予定だった三島に謝りに行くと。
三島由輝
「…うん、大丈夫…
三島は顔に大きくガーゼを張り、痛々しい痣を作って死んだ目をしていた。
…。
ペルソナ5プレイヤーの誰もが知っている、原作序盤の怪我立ち絵のような状態である…!
三島由輝
「良いんだ。夢は…夢は見れたんだ…」
「誤解によるものだからってわかったら、謝ってもくれた上にこれ以上は不問にしてくれるなんていう好待遇だったし…」
5月に生まれた『新島真は三島由輝を狙っている』という、怪盗活動のカバーストーリーが巡り巡って三島に伝わってしまった結果。
水着の真に気安く話しかけボディタッチしたら普通に殺されかけたらしい…
面白そうなので放置した事により、心へかなり罪悪感が湧くものの…ボディタッチには成功しておりギリギリ役得はあったようなのでまだ良かったと思う事にした。
というわけで、憂いも無くなり一二三と一緒にビーチバレーに出場。
社会人は参加しない、未成年限定のトーナメント。
毎日やっているような気安いもので、出場する現地住民ものんびりした表情の若者ばかり。
東郷一二三
「…案外カジュアルな集まりなんですね。」
「少し練習した時にも感じましたが…早指しのような息もつかせぬスピード感で培う判断力は、将棋にも活かせそうな気がします。」
「優勝、目指しましょうね?」
雨宮蓮
ショウタイムだ
トロフィーを頂戴する
気楽に行こう
ショウタイムだ←
トロフィーを頂戴する
気楽に行こう
笑って、可愛い彼女に頷いていると。
エントリー受付の近くで三島と鈴井、鴨志田先生が雑談をしているのが見えた。
〜〜〜
※3人の会話
三島由輝
「先生、午前もビーチ居たんだよね?ビーチバレーやった?」
鴨志田卓
「おう。引率もあるし、監視員感覚でビーチに立ってたら…現地の方から誘われてなぁ。」
三島由輝
「…にしては、周囲の人とやたら打ち解けてない?さっきもなんか英語で話してたし。」
鴨志田卓
「いやぁ…何でもレシーブするっていう中年がジャパニーズオジサンなんか屁でもない、プロの球だって余裕で拾うとか大口叩いてたから…全力で打ったら脱臼してなあ。」
「龍神なのがバレて、軽く崇められちゃったんだ。」
三島由輝
「つっよ!」
鈴井志帆
「待って? 中年が、先生の全力で脱臼で済んだって…」
鴨志田卓
「48だって言ってたな。」
三島由輝
「え、あ、相手つっよ!」
鴨志田卓
「俺もそう思う。脅しのためにちょっと横狙ったら完璧に拾いに来たし、浜辺をクッションにして衝撃をほとんど逃がしてた。」
「そんなこんなでお互いに検討を称え合っててな。今じゃ皆、異国の友人だよ。」
「やっぱ、スポーツって良いなぁ…」
鈴井志帆
「…うん。今は、続けてて良かったなって感じてる。」
三島由輝
「鈴井…」
鈴井志帆
「昨日は『お小遣い』でたっぷり買い物したし、高校はあと1年あるし。これからもたっぷり返してくれるって信じてる。」
「…それじゃ、杏とエントリーしてるから。」
「何があったか知らないけど、三島くんもお大事にね?」
三島由輝
「お、おう…。」
鴨志田卓
「…。」
「くぅ…」
三島由輝
「…良かったじゃん、先生。」
〜〜〜
…。
〜〜
午後
〜〜
結論から言うと、三位だった。
優勝は鈴井・高巻ペアである。
以前見た、鴨志田先生がほぼ一人でビーチバレーをやっていた戦い方を参考にして3回勝つことができたのだが、準決勝で当たった現地住民が曲者だった。
13歳程度の悪ガキ達は、彼女である一二三を全力で集中狙いしたのである。
どれだけ庇いに行こうとも執拗に一二三に当てるつもりでボールを打つ悪ガキに、悔しくも敗北してしまったのだ。
尚、同じく経験者+素人の鈴井と高巻が勝てたのかと言うと…
高巻杏
「おねが〜い♡」
肌の黒い悪ガキ
「Wow...」
【悩殺術 ♡】。
高巻杏
「そんなぁ…ひどぉい…」
声変わり中の悪ガキ
「Oh my gosh...!!!」
【ウソ泣き】。
鈴井志帆
「ごめんねッ!間違えちゃったッ!」
鈴井による、意図的な側頭葉への鋭いスパイク。
高巻が悪ガキ達を魅了し、その隙に鈴井が一人に退場寸前のダメージをぶち込んだのである。
目眩でふらっっふらになった悪ガキの顔面を集中狙いし、無事に勝つことができたのだった。
戦法にバッシングがあるかとも思ったが、現地住民の方々も悪ガキには手を焼いていたようで称賛を浴びることになっていた。
東郷一二三
「くぅ…やはり杏はその、強烈ですね…」
雨宮蓮
気にしないでいい
いい勝負だった
ナイスファイト
気にしないでいい
いい勝負だった
ナイスファイト←
東郷一二三
「…ええ。負け方こそ悪いものでしたが…道中、手厚い補助をありがとうございます。」
「金将に守られる玉の気分が味わえました。…かっこよかった、ですよ。」
そんなこんなで表彰式が始まる。
マナー違反しまくりの悪ガキは自動で4位になっており、一二三と共に3位表彰を受けた。
気安い大会なのでそこらで売っているレイ(首に掛ける花の輪)を貰うだけの簡素なものだが、それでも思い出には残る一時だった。
東郷一二三
「あ、蓮…潜水艦の時間!」
雨宮蓮
!!
三島由輝
「潜水艦?あ、あのアクティビティか…」
「え、ビーチバレー大会出るのに予約したの!?開始まであと30分だぞ!?」
この後は夜のレストランまでのんびり過ごす予定だったらしい三島に対し、俺達は記念写真だけ撮り終えたらすぐに一二三を連れ潜水艦ツアーに走る。
…。
サーフィンに東郷一二三が参加せず応援するだけだったのは、この為に体力を温存する必要があったからだ。
東郷は元々、潜水艦までゆっくり浜で過ごすつもりだったところ…雨宮蓮を一人で歩かせていると誰かしら女性を引っ掛けかねないと気づき、ビーチバレー大会へと急遽参加していたのだった。
高巻杏
「…バレーボール部って体力付くんだ?」
鈴井志帆
「いや、付くには付くけど早すぎると思う…」
「それじゃ私、時間だしシュノーケリング行ってくるね?」
高巻杏
「バレーボール部って体力付くんだ…」
…。
※明智吾郎視点
潜水艦乗り場に、3人で集まっていた。
日本でない他所からの観光客も含めて、さまざまな人が入り交じり…これからの海底観察を楽しみにしていた。
ガーリックシュリンプを食べながら、もうじき出発する潜水艦を眺める。
喜多川祐介
「海中の世界…まさに異世界だと聞いている。心が躍るな。」
坂本竜司
「どうせ窓ガラス越しなんだし、You◯ubeで見るのと変わんなくね?」
「異世界なら、もっとやべー異世界も見てっし。」
喜多川祐介
「実際に赴くことが重要なんだ。匂いや揺れ、それを見るまでの過程が、見たものの芸術的価値を引き上げる。」
明智吾郎
「こういう経験は種類や回数が大切だからね。一つ経験したら他は経験しなくていいってわけじゃない。」
坂本竜司
「あ〜…。」
わかったような、わかっていないような返事。
恐らく、後で聞いたら2割も思い出せないのだろう。
坂本竜司
「ま、おもしれーから良いけどよ。」
「まだ時間あんよな?トイレついでになんか飲むもの買ってくるわ。」
明智吾郎
「迷子になるなよ?」
坂本竜司
「ならねーっての。」
ポケットに手を突っ込んだまま、竜司がトイレのある方に向かっていく。
その隙に、先程浮かんだ疑問を聞いてみることにした。
明智吾郎
「…そういった付加価値だったり物語の付与は、まさに斑目の得意分野だったんじゃないのかい?」
喜多川祐介
「…ああ、その通りだ。」
「その思想に屈した訳では無いが…重要性は理解した。今は学んで、自分の物に落とし込む過程だ。」
両手の親指と人差し指を使って、祐介が景色を切り取っている。
喜多川祐介
「美については、俺はもう悩んでいない。ただ、一つ吾郎に相談事がある。」
明智吾郎
「?」
喜多川祐介
「俺は、斑目を殺した事を後悔していない。」
「相応に辛い決断だった。しかし、悪い決断をしたとは思っていない。」
「ただ…吾郎が正道へと戻る以上、俺に芽生えた『殺人剣』の認知を、どうするべきか迷っていてな。」
「必要だと判断すれば、俺は悪人に手を掛けることに躊躇わないだろう。それが、何かの拍子で悪化してしまうことを恐れている。」
祐介が打ち明けたのは、殺人への躊躇いの話。
気持ちは痛く分かる。悪化した状態というのが…まさしく過去の俺なのだから。
明智吾郎
「…聞く人を間違えてないかい?俺より、鴨志田先生にでも聞けばいいだろうに。」
喜多川祐介
「既に聞いた。」
「『その考えを一番持ってあるのは明智だろうし、同じ悩みを共有して分かち合うのが友達ってものだろ』…だそうだ。」
明智吾郎
「…ふぅん。」
薄々、察しては居た。だけれども、聞くことができずにいた。
祐介も、同じ道の上で苦しみを抱えている。
あれからも、悪夢は続いていた。*2
一人で抱えて苦しむことが、己の罪への罰となると解釈していた。
罪人である自分を誰も罰しないのだから、自分自身は罰せねばならないと考えていた。
しかし、友もその苦しみを持つとなると…助けてやらねばならない。
この罪悪感を和らげる方法を、共に考えなければならない。
明智吾郎
「そうだな。じゃあまた…日本に帰った後にでも考えようか。」
「あれだけの凶悪犯達でも改心はできるんだ。俺達も、きっと前に進んで行けるよ。」
喜多川祐介
「ああ。」
その返答は祐介のお眼鏡に適ったのか…噛み締めるように頷いた彼は、そう声を漏らした。
喜多川祐介
「やっぱりお前は、人の為に動ける男じゃないか。」
明智吾郎
「…うるさい、黙って助けられてろ。」
その後、何故か雨宮とその彼女らしき人を連れてやって来た竜司と合流した。
祐介の同級生の者らしく、2,3会話してから皆で潜水艦に乗り込む。
友達の輪と言うものが、俺なんかにも徐々に広まっていくのを感じた…
現状を、嬉しく感じられる心を失わずに持てていることを…
何より嬉しく思う。