鬼滅の刃 〜炭塗りの刀〜   作:サモア リナン

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※誤字修正ありがとうございます!!

今更ですが
モチーフ(パクリ)にしているキャラクター紹介します
似たような見た目だと思って頂ければ良いかな?

るろ剣モチーフ
陽村心太(緋村剣心)
獅子森誠(志々雄真実)
雪之環(雪代縁)

BLEACHモチーフ
灰崎壱華(黒崎一護の女性版)
朽土由羅(朽木ルキア)

ルパン三世モチーフ
石野川門(石川五右衛門)

ウシジマくんモチーフ
肉蝮かな子(肉蝮)

原作改変キャラ(※追加の可能性あり)
捨木彩子(サイコロステーキ先輩の女性版)
村田(村田)

完全オリジナルキャラ
五十嵐甚兵衛
田中姫乃
赤嶺左内(著者が1話しか書いてないオリジナル小説の主人公)


第8噺「絆は家族だけのものではない」

那田蜘蛛山…夜の闇は累の血鬼術によってさらに深く、重苦しく沈んでいた。

累が放つ血のように紅い強化糸が、森の樹々を、大地を、そしてそこに立つ全てを切り刻もうと蠢いている。

 

鬼殺隊士・捨木彩子(すてぎ さいこ)と、同じく隊士の村田は、助力に来たは良いが、糸の檻の中で急速に消耗していく。

 

村田の隊服は破れ、息は荒い。

「――はやっ、硬い!!?くそぉ…これが下弦の鬼…強すぎだろぉーー!」」

村田が吼える。

 

彼の刀は、累の糸に阻まれ、キン、キンと甲高い金属音を立てるだけで、鬼本体に届く兆しすら見せない。

 

糸の硬度は岩石以上であり、村田は汗を流しながらも、力任せに刀を振るう。

「あらあら、嫌ねー、村田先輩。相変わらず直情型なんだから、もう少し清潔感を大切にして下さいよー」

 

捨木は、村田とは対照的に、まだ余裕の笑みを浮かべていた。

彼女の呼吸は、規則正しい拍子から、時折、意図的に外れる不協和音のような乱れが混じる。

 

「こんな緊迫した状況で、清潔感とか言ってる場合か!俺たちの刀じゃ、この糸は斬れねえんだぞ!」

 

「すいませんねぇ。わたしお片付け専用の”破調の呼吸”で、この糸をぶっ壊してあげるから、村田先輩は先行してくれません?」

 

捨木は、日輪刀を構える。

累に近づく、その動きは、不規則で予測不可能だった。

 

「しよーがないなー!村田の呼吸 壱ノ型 漢気一直線(おとこぎいっちょくせん)!」

村田は、荒々しく渾身の突進突きを放つ。…が、累が張った透明な強化糸が、その一撃を難なく受け止める。

 

「――ぶ、ブフォッ!?あはははは!!

なになに!?なんなの、その呼吸と型は!?」

田中姫乃が、場違いにも吹き出し笑い声を上げる。

 

「うるっせぇな!これが俺の呼吸なんだよ!」

その隙に捨木が続く。

 

「破調の呼吸 参ノ型 乱調のワルツ(らんちょうのワルツ)!」

彼女の刀は、不規則な軌道で累の糸を叩き切る。糸の一部が砕け散る中、捨木は累の懐に潜り込む。

 

「終わりよ、蜘蛛野郎!!」

捨木の挑発的な笑みに、累は無言で、しかし明確な苛立ちを露わにして、より強固な赤糸を繰り出し捨木を振り払った。

 

ギィン!!!

「ゲ!?思ったより強い」

 

「君は思った以上に弱いね。口の悪さを呪いながら死ぬといいよ」

累の白い肌の下の血管が怒りのように脈動した。

 

捨木と村田の連携は、累の防御を破ることはできない。

彼らが守勢に入った時、炭十郎と鋼鉄の鎖を持つ灰崎が加勢する。

 

「村田殿、捨木殿、助力かたじけない。息は十分に整えさせてもらった。我らも加勢する」

「2人ともありがとね!…おりゃ!!」

 

灰崎が鎖を振り回し粗々しく攻撃するが糸の壁を突破できない。

「くっそぉ!!!」

 

 

炭十郎は静謐な表情で、一切の淀みもない動作で刀を構える。

「奉納神楽《ヒノカミ》……壱ノ手 円舞(えんぶ)」

ザンッ!

炭十郎の刀が、静かな一閃を放つ。

累の糸の壁は、何の抵抗もなかったかのように両断される。

 

累の表情に、驚愕の色が浮かぶ。

「お前!やはり強い……!?」

次いで炭十郎は次の攻撃に備えて呼吸を整える。

その静かな強さが、累にとって不気味な脅威となった。

 

4人が戦っている間、森の奥から、数人の「隠(かくし)」と呼ばれる後方支援部隊が、傷だらけになりながらも走ってくるのが見えた。彼らの手には、いくつもの日輪刀が握られている。

 

「皆さま!これをお使いください!予備の日輪刀です!」

 

隠の一人が叫ぶ。彼らの持つ刀は、通称“色残ノ刃(いろのこしのやいば)”と呼ばれている。

戦死した隊士が残した刀であり、持ち主の”色”が刀に残っているため、そう名付けられた。

 

隠達は全員の前に、その刀を差し出した。

全員が刀を手に取り、わずかに色を帯びた刀身を見つめた後、胸に押し付けた。

瞬間、彼らの脳裏に、戦死した隊士たちの微かな、しかし熱い魂の残響が伝わってきた気がした。

 

 

――死ぬなよ。

 

 

一瞬の哀悼。

彼らは、この刀と共に、死んでいった者への敬意と、鬼を滅するという決意を再度、胸に刻み込む。

 

「皆!今のうちに態勢を整えるわよ!」

 

田中姫乃は、感傷を振り払い、冷静に指示を出す。彼女は“色残ノ刃”を抜き、その観察力と知性で戦術を組み立てる。

 

「炭十郎さんは、そのまま奉納神楽で累を討つ中心でお願いします。捨木さんと村田さんは両脇を固めて防御と牽制に徹すること。灰崎も鎖で炭十郎さんの援護しつつ、可能であれば累の体勢を崩して!私は後方で、広範囲の索敵と残っている鬼蜘蛛の排除、累の動きを予測して、指示を出すわ

陽村と獅子森と雪之は臨戦体制を維持しつつ指示を待って!!

石野川と朽土は私と来て!」

 

全員が臨戦態勢に入る。

 

累は怒りを露わにして攻めてくる。

 

「家族の絆を、邪魔するな……!お前ら程度がなにをしても…

僕らの絆の強さには勝てないんだ!」

 

累が両手を広げ、血のように紅い極太の糸が、津波のように押し寄せる。

「血鬼術・刻糸牢(こくしろう)!」

 

「各員、散開!!!」

 

石野川、田中、朽土と

陽村、獅子森、雪之はそれぞれ班になって分かれる。

前線に立つ鬼殺隊員は必死に避け、傷付きながらも回避に成功する。

 

しかし、紅い糸の津波は、彼らの後方にいた隠達に、一瞬で到達してしまった。

 

ズバン…

 

ザシュ…

 

鮮血が飛び散る。

 

刀を渡した後、退避途中だった隠達は、累の強力な血鬼術に、一瞬で切り裂かれてしまった。

 

「――あ……」

刀を握る手が、激しく震える。

 

「――な!?ちぃ……刀を持ってこなければ、死なずに済んだかもしれねーのに……」

獅子森が顔を歪ませる。

 

その時

「あんたバカァ!?…わたくし達が弱く未熟なせいで死なせてしまったのよ!助けてくれた仲間のせいみたいに言うな!!!」

捨木は言葉を間違えた獅子森を責める。

 

「あっ…わりぃ…」

獅子森は珍しくバツが悪そうに気落ちする

 

「哈ッ!珍しいコトだ…が、高飛車女の言う通りダナ」

雪之も歯を食いしばり己の無力を嘆く。

 

陽村の瞳が、怒りで燃え上がる。

「――累!お主は、絶対に許さぬ!」

 

 

陽村・獅子森・雪之は怒りに突き動かされる

 

「3人とも!今はダメだ…く、仕方なし…

奉納神楽《ミズカミ》捌ノ手 飛瀑焔華(ひばくえんか)」

 飛び散る水滴が炎をまとい、花のように乱撃が咲き乱れる。

 

3人ともが炭十郎が切り開いた糸の隙間を縫って飛び込む。

 

 

「死にに来たの?馬鹿だね。… 刻糸輪転(こくしりんてん)」

最硬度の糸を渦状に回転させ、高速で3人に飛ばそうとするが

 

「あれは…いかん!!

奉納神楽・転嫁・《ヒノカミ》捌ノ手 陽華突(ようかとつ)!!」

累が放つ術の脅威を感じ最速のヒノカミの突きへと技を変化させ刻糸輪転を貫き発動前に粉砕した。

 

バツン!!!!

 

 

 

「またお前!?」

累は炭十郎を睨みつける。

 

 

しかし、その余波で3人は後退せざるを得ない状況となる。

「くそ!!」

「マタか!」

「何故、こうも!!」

 

 

それを見て

 

「姫乃!」

鎖を振り回しながら灰崎が叫ぶ。

 

「あの…三馬鹿がぁ!!!

仕方ない…ちょっと早いけど畳み掛ける準備するよ!!

灰崎は鎖で両腕の拘束狙って、捨木さんと村田さんは牽制で足と胴体狙い!」

 

灰崎が、唸りを上げて鎖を投げつけ、累の両腕と胴体に巻き付かせる。

 

「破調の呼吸 壱ノ型 不協和音(ふきょうわおん)!」

捨木の不規則な斬撃が、累の胴体に細い傷をつけていく。

 

「村田の呼吸 弐ノ型 意地の一太刀(いじのひとたち)!」

村田が捨て身で滑り込み、累の膝裏を横薙ぎに切り裂いた。

 

累の腕、足、胴体、全てが傷つけられ、血で真っ赤に染まる。しかし――

「無駄だよ……」

 

バギィ!!!!

 

累は拘束していた鎖を砕き、傷ついた肉体を僅か数秒で完全に修復した。

「――くっそぉ!!やっぱり鬼って卑怯だぁ!!…」

村田の顔に絶望の色が浮かぶ。

 

その時、後方の森から、けたたましい声と、驚異的な速度の呼吸音が響き渡った。

 

「うおおおおおおお!猪突猛進、猪突猛進!!!!」

 

「いやあああ!死ぬ死ぬ死ぬ!なんで俺がこんな目に遭うんだぁぁぁ!!!」

 

森の木々が、何かに叩き折られ、木屑が舞い上がる。

猪の頭を被った隊士――嘴平伊之助が、二本の欠けた日輪刀を構え、叫びながら、捨木と村田のすぐ横を、文字通り突進して現れた。その勢いは、周囲の鬼蜘蛛を無視する狂暴さだ。

 

「なんだテメェらは!邪魔だ、さっさと鬼を斬って俺様は強くなるぜ!」

 

「ちょ、ちょっと!なによ、あんた達!!」

伊之助は、捨木の言葉を無視し、累に向かって、その獣の呼吸を極限まで高める。

「獣の呼吸 漆ノ型 空間識覚(くうかんしきかく)!」

伊之助は、周囲の糸の微細な振動を捉え、その感知能力で累の防御の隙を瞬時に見抜く。

 

その伊之助の猛進の、一瞬の背後を、雷鳴のような鋭い音が追った。

「え!?俺が行くの!?何で!?

やだ!怖い!誰か俺を助けてよぉぉぉおぉぉ!……あふん…」

 

黄色い羽織の隊士――我妻善逸が、目を閉じ、恐怖に気絶した状態で、超高速で駆け抜けた。

その速度は、伊之助の突進を置き去りにする凄まじいものだった。

 

「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃!」

善逸の金色の髪が、雷を纏ったように逆立つ。その一閃は、累の頸を守る何重もの防御糸を切り裂く。

が、善逸はそのまま累の横を通り抜け、森の木に激突し動きを止めた。

 

「っ、なんだ、さっきの奴らは!」

累は、伊之助の荒々しく予測のつかない攻撃と、善逸の超高速の斬撃という、全く異なる二つの攻撃パターンに一瞬戸惑い防御が崩れる。

 

「え、我妻くんと嘴平くん!?…こんな良いタイミングってある!?

ううん…今、考える事じゃない…コレならギリギリ誰も死なずに勝てる!」

田中が機を逃すまいと必死に頭を働かせる

 

 

「累の防御は、炭十郎さんと我妻くんの攻撃で薄くなっている!でも…おそらく、このままだと、あと五十六手後に誰かが死ぬ!その前に何としても倒すよ!…

ごめんなさい、炭十郎さん!一旦引いてヒノカミ神楽に全力を注ぐ準備して下さい!私達が時間を作ります!」

姫乃の指示が響き渡る。

 

 

「え?…あ、…いや…うむ、承知した!」

炭十郎は思うところはありつつも一旦引き集中力を高めるため、刹那…目を閉じる。

 

そして

 

「弱々女ぁ!俺様を忘れるなよぉ!!

獣の呼吸 弐ノ牙 斬り裂き(きりさき)!」

 

ギリギリまで気配を消していた伊之助。

ゆっくり累に近づき二刀で累の両足の腱を切り裂き、彼の体勢を強制的に崩壊させる。

 

「破調の呼吸 伍ノ型 狂想曲(きょうそうきょく)!」

捨木は、伊之助の攻撃で体勢を崩した累の胴体に、予測困難な連続斬撃を叩き込む。

 

「村田の呼吸 参ノ型 意地と根性の一回転(いじとこんじょうのいっかいてん)!」

村田は、全身を使い一回転しながら、累の顔に強烈な蹴りを叩き込み、わずかだが視界を奪う。

 

「それが何?…うざいだけ」

累は、予想外の連携に苛立ちの声を上げる。

 

灰崎が色残ノ刃で村田の足を切ろうとした累の糸を切り腕に残った鎖を巻き付ける。

 

だが累は、その攻撃で生じた隙を見逃さなかった

「死ね…」

 

ズバン!!!

 

キィー…ィン…

 

累は反撃し灰崎を糸で斬り殺そうとしたが色残ノ刃が盾となる。

死なない程度とは言え、胸部が深く斬りさかれた。

 

「ぐぅ!?今あぁ!!(折ってごめんなさい。守ってくれてありがとう)」

心から色残ノ刃に感謝しつつ叫ぶ灰崎。

 

即座に陽村が声を上げる

 

「2人とも!合わせるでござる!!!」

獅子森誠と雪之環が陽村の呼吸に合わせて技を放つ。

 

「あん!?

偉そうに指示なんか出しやがって…ムカつくぜ!!

が、…やってやろうじゃねーかぁ!!

焔の呼吸 陸ノ型 焔翔閃(えんしょうせん)!」

獅子森は熱い空気を限界まで吸い跳躍する。

そして空中から炎を撒き散らしたような斬撃を放つ

 

 

「カカ!気に食わない…が、タイミングは絶妙…虎の呼吸 捌ノ型 破邪白光(はじゃびゃっこう)」

雪之は口に刀を咥え、獲物を狙う虎のように伏せる。

瞬間…美しい虎の牙に似た白光のような一閃を放つ。

 

「2人とも感謝するでござる。

辰の呼吸 捌ノ型 天空龍閃(てんくうりゅうせん)」

陽村は納刀状態から限界まで跳躍し落下斬撃を見舞う。

獅子森を大きく越える上空から、落下の力を合わせて抜刀の威力を底上げする。その姿はまるで龍が天より舞い降りるような姿だった。

 

次々と襲う斬撃は累の手足・腹・頭部を切り裂き確実な行動制限に繋がる

「ぐ!?…お前ら…いい加減に!!」

 

しかし、累も血鬼術“殺目籠(あやめかご )”を放ち、相討ちとなる。

3人は顔や腹部、手足に浅くない傷を刻まれる。

 

…ギュアアァォ!!

 

「「「!?ぐあぁぁぁぁ!!」」」

 

 

「お前たち…邪魔したね?あいつらを殺せなかったじゃないか!」

そう言って累が睨んだ相手は石野川・朽土・田中の3人。

 

田中が3人の仲間の死を予測し2人に声をかけた。

おかげで陽村、獅子森、雪之は重症を負う程度で済んでいたのだ。

 

「絶対に拙僧の仲間を……殺させぬ」

「命に比べれば…腕なんて!!」

「ぐ…この程度で…引くと思うでないぞ!!」

だが、代償に石野川は左眼、田中は右腕を失い

朽土は顔に大きな傷を負った。

 

炭十郎は、静かに、しかし深い覚悟を込めて、刀を構えた。

彼が繰り出すのは、代々竈門家に伝わり最も身体に馴染んだ神楽。

 

「いかん…一刻も早く蝶屋敷に皆を連れて行かねば

奉納神楽《ヒノカミ》拾参ノ手、無限」

 

炭十郎は、舞いを始める。

その舞いは美しく、優雅に、全ての型を繋いでいた。

残りの糸や残る鬼蜘蛛を切り裂きながら急速に累へ接近していく

 

「―ーッ―ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなぁ!!家族の絆を大切にする僕が負けるわけがないのに…守るべき絆を作ろうとしているだけなのに!!」

 

大・小入り乱れる鬼蜘蛛の波と銀糸、赤糸が織り交ぜられた結界が炭十郎の行く手を阻みつつ…累は逃げようとする。

 

 

「逃すわけないでしょーが!!」

だが、灰崎の鎖が累を捉え両脚に鎖が巻き付き数秒、撤退までの時間を稼ぐ。

 

「邪魔するなぁ!!」

 

その一瞬

 

「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃」

我妻善逸が右腕を切り飛ばし

 

「破調の呼吸 捨身一閃」

捨木の防御を考えない捨身の突撃が背中を傷つけながらも左腕を押さえた

 

「ちくしょう!!蜘蛛どもが邪魔すんなぁあぁ!

獣の呼吸 伍ノ牙ぁ! 狂い裂き!」

 

「うおぉ!!近づかさせるかぁ!!!

村田の呼吸 玖ノ型 漢気烈破(かんきれっぱ)」

 

迫ってくる糸と鬼蜘蛛達を仲間に近づけさせまいと

嘴平伊之助と村田が身を挺して守り抜く。

 

 

それは鬼殺隊全員の力で累への道をこじ開けた瞬間だった。

 

 

 

「これが私たちの鬼殺隊の思いだ!絆だ!

お前の身勝手で押し付けるような絆ではないのだ!!」

 

 

「黙れ…黙れ、黙れ黙れえぇぇ!!!」

 

炭十郎のヒノカミ神楽が舞いながら累へ迫り

 

ついに…

 

 

ーッ…ザシュッ!

 

 

輝炎を纏った刀が、累の頸を切り裂いた。

 

累の頸を守っていた最後の強化した糸も、炭十郎の完成されたヒノカミ神楽によって消滅する。

 

「……ま、さか……僕が……家族との…絆を…」

 

累の白い顔が、驚愕と、わずかな寂寥を浮かべ、地面に落ちる。

 

彼の体は、炎に包まれ、ゆっくりと、しかし確実に崩壊していく。

 

累の討伐が完了した。夜の森に、重苦しい静寂が訪れる。

 

 

「勝った……のか……?」

 

村田が、日輪刀を杖にして、膝をつく。

捨木は捨身一閃を放った際に背中に大きな傷を負い

地に顔を伏せていたが…

「……当たり前でしょ、村田先輩。わたくし達、鬼殺隊士の勝ちよ」

と、彼女のいつもの挑発的な口調が少しだけ戻っていた。

 

「本当に助かった、皆に最大限の感謝を。

さぁ、早く皆を蝶屋敷に連れて行くぞ!」

 

炭十郎は勝利の余韻に浸るまもなく共に戦った仲間を介抱を始めた。

 

彼は思う

(…今まで知らなんだ…家族以外でも、これほど絆は強くなるのだな)

 

山奥で家族とのみ密接に関わって来た炭十郎。

他者との出会い訓練・連携により、新しい学びを得た。

 

顔を伏せつつも新しい絆を感じることに顔を綻ばせ、その思いを馳せ皆が生きている事に安心し、搬送の準備を進めた。

 

皆、それぞれに浅くはない傷を抱え、荒い呼吸を整えながらも、夜空に浮かぶ満月を見上げていた。

 

 全身が痛み、血の匂いがまだ鼻腔から抜けない。それでもなお、確かな達成感が胸の奥にじわりと広がっていく。ここまで生き延びた、やり遂げた――そんな静かな実感に、誰もがひと息ついたその瞬間だった。

 

 

 月光がふっと揺れた。

 影が差す。まるで天から冷たい刃がゆっくりと降りてくるように。

 

 

 

「「「「「「……え?」」」」」」

 

 

 

 空気が、その場にいる全員を一瞬で凍りつかせた。

 

 

「おとうちゃん……ひどいよ……私たちは、いっぱい、いっぱい苦しんでるのに……“仲間”なんか作って楽しそうにしてるなんて……悲しい……くすん……」

 

 

 その声は幼い頃と同じ響きなのに、まったく違う色を帯びていた。

 夜気を切り裂くように、ゆっくりと影が降りてくる。

 

 

 月を背に、逆光の中から姿を現したのは――

 

 竈門家の次女。

 

「……花子」

 

 炭十郎の唇が勝手に震え、懐かしい名がこぼれ落ちた。

 花のように優しく、のびやかに育ってほしいと願ってつけた、大切な名前。

 その名を呼んだだけで、胸の奥に刺さっていた古い痛みがぶり返す。

 

 だが――現れた彼女は、もう人ではなかった。

 鷹のごとく巨大な翼を広げ、月光に縁取られた姿は、美しくも残酷だった。

 花子だったものが、夜空に向けて張り裂けるほどの声で吠える。

 

「そんな不愉快な名前で呼ばないで!!」

 

炭十郎の顔が強張り身体が跳ねる。

 

「私は堕摘《だつみ》! あの方から“素敵な名前”と“新しい姿”を頂いたの!!」

 

名乗りには誇りがあった。

 

その加虐的な笑みに

 

あの愛らしい花子の面影がある事が耐えられなかった。

 

 

 ――炭十郎の中の何かが崩れ落ちる。

 

「う……あ……あぁぁ……あぁぁぁぁああぁああぁ!!」

 

 叫びは悲鳴とも嗚咽ともつかず、感情の底が抜け落ちたような声だった。

 膝が震え、頭を抱え、地面に落ちた刀が鈍い音を立てる。

 

 “人に戻す方法を探す。

 それが無理なら、この手で討つ”

 

 覚悟した“つもり”だった。

 何度も自分に言い聞かせ、心を固めた“つもり”だった。

 

 しかし――実際に鬼となった我が子が敵として目の前に立たれた瞬間、

 その覚悟は脆く砕け、何の役にも立たなかった。

 

 

鬼など……

 

鬼殺隊など……

 

何も知らないままの方が、どれほど良かったか……

 

手は震え、足はすくみ、視界は涙で滲む。

 

思考は白く飛び、口から出るのは、ただの慟哭だけ。

 

これが――鬼になった我が子と再会し、そして討つということ。

 

逃げ道のない現実を正面から叩きつけられ

竈門炭十郎は完全に打ちのめされた。




読んで下さってありがとうございます!

そして…キャラをパクリすぎてごめんなさいorz

さて、炭十郎さんは立ち直れるかな?

……

つらたん(泣
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