君と出会えた僕は、最高のトレーナーになりたい 作:ティファールは邪道
ソウヤが目を覚ますと、消毒液の匂いが鼻をついた。見慣れない天井と、白いカーテン。どうやら、ポケモンセンターの病室のベッドの上のようだ……。
「……コノハナ」
隣を見ると、疲れてぐったりしているものの、元気そうなコノハナが小さなベッドで眠っていた。
その頭の葉っぱには、やはり疲れ切った様子のシャリタツが乗っている……。
「……ん?」
その光景になにか違和感が感じたソウヤは、コノハナが使っているベッドを良く見る……。
一見すると、ピンク色なのだが……。
「……これ、もしかしてメタモン……?」
良く見ると、それはメタモンだった……。
このメタモン、まさか物に化けるのは得意なのか……?
そんなことを考えてると、突然病室の扉が開く……。
「あら、目が覚めたのね、ソウヤ君」
そこに立っていたのは、カナズミシティのジムリーダーにして、ソウヤの担任教師であるツツジだった……。
彼女は相変わらず、厳しさと優しさが入り混じったような表情をしている。
「ツツジ先生……」
「無事で良かったわ……。突然、シャリタツが助けを求めてくる上に、あなたが倒れて、学校中大騒ぎだったのよ?」
ーご両親も心配してたから、呼んで来る前に……
ツツジはそう言いながらソウヤを見詰める
「まずは報告よ。あのコドラは、警察と私の手持ちポケモンによって無事に捕獲され、保護下に置かれているわ。今はポケモンセンターの保護施設で落ち着いているようよ」
ソウヤは、それを聞いて、心底安堵の息を漏らした。
「ありがとうございます……。」
「どういたしまして……っと言いたいところですが、ここからは教師やジムリーダーとしてでなく、一人の大人としての説教よ」
ツツジの顔が厳しくなる。
「あなたは、自分のポケモンと、自分自身を極度の危険に晒した。どんな事情があっても、トレーナーとして最も避けるべき行為です。解りますね?」
「……はい……。」
ソウヤは反論せず、ただ頷くしかなかった……。
「しかし、その一方であなたの行為はある意味では正しい、というのもまた事実です。」
ツツジは、そこで言葉を区切った。その眼差しは、ソウヤの才能を見定めるような、鋭いものだった。
「これまでのあなたの授業態度や、ポケモンに対する今までの(過剰とも言えるだろう)重りやりの深さを鑑みて、今回は処罰等は不問とします。」
-次からは気を付けるように、良いですね?
その言葉を聞き、ソウヤは安心しながらも頷き、「有り難うございます。」と言った。
それを聞いたツツジは優しい笑顔をしながら頷くが、すぐに紙を一枚取り出す。
「ただし、流石に完全な不問とするとまたやらかしそうなので、ソウヤ君には宿題を出そうと思います。」
とツツジはその紙をソウヤに手渡す……
「?……これって……?」
「コノハナ君達には既に話したんだけど、それはあの保護されたコドラについて書かれた紙よ」
そこに載っていたのは、確かにソウヤが戦ったコドラについての資料だった……。
通常のコドラがどんなモノなのか解らないが、あの個体はやはり少し特殊だと言うことは理解できた
「彼は今、人間への恐怖と不信感でいっぱいで、このままじゃあ故郷に返すのも難しいの……そこで、貴方にはコドラの人間への恐怖と不信感を軽くさせるための手伝いをしてもらいます。」
「……へ?」
それを聞いたソウヤは、目を点にするしかなかった……