◇◇◇◇◇
『第二形態』
◇王都アルテア 【
「《クリエイト・ゴーレム》」
生産ギルド奥の作業用個室の1つ、主にゴーレム作成に使われる部屋で私はジョブクエストを進めながらスキルの練習をしていた。
うまく言語化出来無いが、どうにもアヴィーの《
【戦像職人】の《クリエイション・ゴーレム》では多少時間をかけて素材に自然魔力を込め魔力で形を歪ませる事で体を作る。
一言で表すなら塑造だろうか?芸術作品の作り方みたいな…
粘土を素手で捏ねる様に、金属に魔力を混ぜて魔力ごと捏ねる感じが近い気がする。地属性の魔法で作るインスタンスゴーレムの延長線上にある作成方法なのだと思う。
対してアヴィーの《
こちらは工業製品が近い様な気がする。プラモデルとか
金属にMPを満たして形をイメージの通りに削り出し、足りない部分をパテ(正確には削った部分)で埋める。更に出来たパーツを既に出来ているパーツに組み合わせる。
実際には《
さて、ここまで説明した時点でわかるだろうけれど《
具体的に言うと構造的に《クリエイション・ゴーレム》製の方は丈夫で個体によっては関節の可動域を無視し、単純な命令を熟すのが得意、要はある程度無理が効く。
《
他の違いとしては《クリエイション・ゴーレム》で消費するMPにはロスが多く、ゴーレム自体に直接込められるMPはアヴィーの《
《
ただ、レジェンダリア等の自然魔力の豊富な場所ならロス以上に自然魔力を回収する事もあり得るだろうし、火山等の特殊な地形の影響を受けた自然魔力で特殊なスキルを得る事もあるらしい為一概に《クリエイション・ゴーレム》が《
まぁ結論は単純です。
「大変ですけど両方練習しておくべきですよね…。」
欠点はジョブクエストである程度ギルドに渡してもジュエルが限界を迎えそうなことなんですが…っと。
これでクエスト達成ですね…合計50体は流石に時間がかかりました。さてレベルは幾つに上がったかなーって、あれ?
「アヴィーが第二形態になってますね…演出とか無いんだ…」
気がついたら進化していたので実感がありませんが、喜ばしい事です。内容は…有用な新しいスキルが二つ
《
《
専用ジュエルの機能は基本一般的なジュエルに準じ、容量はレベルの上昇に付随して増える。
専用ジュエルはアヴィケブロンの一部として紋章に仕舞うことは出来るが耐久値は別であり、紋章から取り出す時にはスキル名を呼ぶものとする。最大数は1。
パッシブスキル
《
素材を消費し自身の所持している《
この時、ゴーレムの50%を超える構成素材のランクに満たない素材を大部分に使う事は不可能。
発動時に対象ゴーレムの残HPは無視するものとする。
アクティブスキル
特に《
もう片方の《
構成素材の質を問う辺りからの推測になりますが、恐らく構成素材のランクを上げる事が出来、詰まる所は【アイアンゴーレム】を【ミスリルゴーレム】に出来るスキル。
今すぐに役立つ訳ではありませんが、
最後の1行からして破損が酷い状態になっても直せる代わりに必要な素材のランクがそれで変わる事もないのでしょう。
「さて、アヴィーも進化してくれた事ですしもうひと頑張りしましょうか!」
尚、《
◇◇◇◇◇
『一般マスターと一般ティアンの差』
◇王都アルテア 【
「クエストクリア及び【魔術師】のカンストおめでとうございます」
遠くの方から賑やかな喧騒が聞こえる夕方
冒険者ギルドのクエストカウンターで受付嬢の人からの報告を聞いて、私は手袋に包まれた左手を胸に起きながら一息ついた。
リアルで二週間の時間をかけ、ようやく戦闘職を一つ埋める事が出来ました。その間に【戦像職人】をカンスト【
「すみません。このまま転職を済ましてしまいたいのですが構いませんか?」
「分かりました。次のジョブは決まっていますか?」
「はい。【
「えっ?【壊屋】ですか?」
ーーーギャハハハハ
私の隣カウンターから笑い声が聞こえる
笑っているのは見た目からして粗暴そうな若い男性達が6人。全員左手に紋章はない為恐らくティアンで、全員酒を飲んでいるのか顔が赤い。
そのままリーダーと思わしき頭に入れ墨を入れたスキンヘッドの男を先頭にゲラゲラ笑いながらこちらへ歩いてくる。
「どうした嬢ちゃん?ここはテメェみたいガキが来るところじゃないぜぇ?それに壊屋ぁ?そんな細腕で何が出来るのか教えてほしいねぇ?だいたい嬢ちゃんは今【魔術師】のレベルが50になったんだろ?知らねぇみたいだから教えてやるぜ、ジョブは系統を揃えたり近しいジョブじゃないとスキルの共有が出来ねぇんだぜw」
「いよっ!アニキったらやっさしー!」「流石っす!」
ーーーギャハハ
面倒な人に絡まれましたね…さっさと転職を済ませてログアウトしたいですが、急に肩を組まれてしまいログアウト出来ません。
酔っ払いの相手はしたことないのですが…
等と考えて居たら男が酒臭い口を開く
「さぁて、このオレ様が親切に授業をしてやったんだ。当然報酬は貰えるよなぁ?なぁにオレ様達の飯代を奢ってくれりゃいいのよ」
そのセリフを聞いて相手の思惑が分かった。この人達は私にタカろうとしているらしい。……視線からして体もか
なんで私が…とも思うが仕方ないのかも知れない。
そう
つまり相手は
…買い物をするとほぼ毎回義手を見てオマケされるからと隠したのが裏目に出てしまいました…
さらに私が【魔術師】だと聞かれていたらしいが、魔術師は魔法職の一職目にとる事が多く、【壊屋】に転職するのはティアンなら適性的に厳しいのだ
つまり現状相手からみた私は"【魔術師】一つしかジョブがなく常識すら知らない後衛の令嬢"である
ーーー正直ナメられても仕方ないが、それはそれとして気分は良くない。
それが顔に出てしまったらしくスキンヘッドの男が反応し拳を振り上げた
「…あ?ナニ睨んでやがる!」
「そこまでワン」
「…狼?」
しかし、その拳が振り下ろされる事は無かった。拳を振り上げるのと同時に制止が入ったからだ
問題は制止した男性が
どうにもスキンヘッドの男はその姿自体が気に入らなかったらしくそちらにも怒鳴りだした
「テメェ何様のつもりだ!ふざけた見た目しやがって!役者だか芸人だか知らねぇがさっさと失せろ!」
「ただの通りすがりワン。でも理不尽に女の子に手を上げるのを見逃す程人でなしでもないワン」
「うるせぇ文句があんなら喧嘩しようじゃねえか」
「ハイハイ分かったから場所変えるワン。ココじゃ迷惑ワン。それとも何ワン?周りを人質に取らないと俺に勝てないとでも言うワン?」
「上等だ!演習スペースに行くぞブッ殺す」
「…ほらお嬢さん。今の内に逃げな」
すごいスムーズにキグルミの人が進めてくれました、しかも私を
正直呆気に取られていますがそれはそれです。
私が巻いてしまったタネですから私が何とかしないといけません。また絡まれても面倒ですから自分で解決出来ると示さないと似たような事が起きるかも知れません。
…示せなかった時は最悪トラブルメーカーとして追い出されるかも知れませんし…
「ありがとうございますキグルミの方。ですがさっきの彼ら、私が倒してしまっても構いませんか?どうすればいいか分からず対応に困っていましたが、戦闘で構わないなら私でも何とかなりますから」
「………」
キグルミの人は黙り込んでこちらを観察している。
視線からして、本当に出来るのか確認している訳では無いだろう
なぜそんな事を言うのか。本気で言っているのか。確認しているといった所だろう
「確かに貴方の善意を受け取らない事になってしまいますが…」
「そこは別にいいワン。…でも大丈夫ワン?」
「ええ、問題ありません。確かに人生経験が足りない自覚はありますが…《
ケープの裾に右手を入れ、左肩の紋章からジュエルを取り出し右手に着ける。
「私には頼れる相棒がいるので」
◇◇◇
「おうおう、遅いじゃねぇか」
「アニキにビビって逃げたかと思ったんですがねぇ…」
15分程時間が経ちキグルミの人と私は演習スペースへ来た。
結局キグルミの人とは共闘という形になりました。
まぁ明言していないと言っても決闘を受ける事にしたのはキグルミの人で、その決闘を私が貰うとなるとキグルミの人の面子を潰してしまう事に繋がりかねませんので残当でしょう。
とは言っても私主導で進めて構わないそうです。何でもーーー『子供が大人に甘える事自体は悪い事じゃ無いワン。だが"それでも"と子供が勝算のある挑戦する時、邪魔をしたり支えないのは大人のする事じゃワン』ーーーだそうです。お言葉に甘えさせて貰いましょう
「何、お嬢さんがヤル気みたいだから作戦会議をしてきただけワン」
「…あ"?舐めてんのか?」
「また同じ様な事が起こらない様に出来る限りの事をしようかと思いまして…ですので、
私の呼び掛けに応えてジュエルから
「ゴーレム!即時放出のアイテムボックスか!」
「アニキ違います!起動済みのゴーレムはジュエルにしか格納出来ません!」
「バカ!あの女《
「でも【壊屋】志望なんじゃ…」
どうやら相手方は混乱しているみたいですので答え合わせと行きましょう。スキンヘッドの男を含めて片手剣を持っている人が3人、メイス、斧、セスタスが1人ずつと【
…上手く掌で踊って下さいな。
「先程の件含めて幾つか間違いがあるので訂正しましょうか。
一つ。私の本職は【
予想外の情報に相手は硬直していますね。このままブラフ込みで話させて貰いましょう。ちゃっかりアイテムボックスから2m程ある自作の棒を取り出しながら口を開く
「二つ。私が【壊屋】志望なのは【鍛冶師】等と合わせてSTRを伸ばす為です。貴方達の装備から推測するに私と同じLv200といった所でしょう?」
生産職ギルドで先達の【鍛冶師】の方が造っていた装備と同じ鋼製ですから相手のレベルは200からそう遠くは無いでしょう。
私の実際のレベルは125ですがアヴィーのステータス補正と合わせて合計はトントンでしょう。そして相手にとって重要な事を一つ、私は手袋を外しながら、キグルミの人は左手から
「最後に、私達は
「戦闘開始ワン」
キグルミの人のガトリング砲を号砲に相手は三々五々こっちに飛び込んで来ます。スキンヘッドの男がどうにか纏めようとしていますがパニックに陥った子分の男達は止まりません。既に片手剣持ちが1人キグルミの方に撃ち倒されてます。訓練弾なのか出血はありませんが戦闘続行は不可能でしょう。
私も負けて居られませんね、丁度こちらにメイスとセスタスの男が向かって来ていますし
「
『ーーー!』
「な!?盾が近づ」
「嘘だ「失礼しますね」ろ」
後ろから振り下ろされる片手剣は棒を手放しアヴィーで掴み受け止め、目を見開いた所に側頭部を新たに取り出したメイスで打ち気絶
残った斧の男はキグルミの人が斧を蹴り砕いて戦意喪失させていました、これで残りはスキンヘッドの男性だけですね。
最も戦意は折れておらず、怒りに震えている様ですが
「どいつもこいつも使えやしねぇ…!いくらマスターと言ってもガキとキグルミだぞ!」
「見た目で判断してる様じゃ勝てる訳ないワン」
「…フザケてんじゃねぇぞ!俺はカンスト出来る器!レベルも300を越えた選ばれし男なんだよぉ!《スティール》!」
スキンヘッドの男が私に突撃しながらスキルによってメイスを奪いとる。Lv300というだけあってAGIの差があり過ぎて回避は不可能でしょう
読み通り突撃してくれて助かりました。おかげ左手の
スキンヘッドの男が進む進路上に一歩踏み込み、アッパーの要領で拳を振り上げる
相手もこちらの動きに気づいた様ですが突撃の慣性を無視して止めることは出来ません。
つまり
「《破城槌》」
「がふっ!」
今のメインジョブである【
第二形態に進化した際にFになったSTR補正と私の左腕であるアヴィーの筋力補正に6倍化した拳の一撃はレベルにダブルスコアがあろうと模擬戦の止めとしては十分で、受け身もとれずに墜落したスキンヘッドの男がそのまま気絶した事によりこの戦闘は決着しました
「色々と助けていただきありがとうございました。キグルミの方」
「助けたって程じゃないワン。後、俺の名前はシュウ・スターリングだワン。キグルミの方だと他にもいるかも知れないワン」
「そんな何人も居ない気はしますが…私はロダン。【
シュウさんは少し驚いた反応をしてくれました。私が使った《破城槌》の様なチャージを伴うスキルで斧を蹴り砕いたのをみれば【壊屋】系統の上級職なのは予想がつくと思いますが、私がそこまで見ていたのは予想外でしたかね?
「私には頼れる相棒がいますから、少しなら周りを確認する余裕があるんですよ」
「これが近接職一つ目とか、相手は一杯食わされた訳だワン」
「事実ですからね。最悪
「随分と高い評価だワン」
「そちらこそ、やろうとして一杯食わせた訳ではありませんよ?ーフフッ」
二人分の笑いが演習スペースに響く、ティアンもマスターも同じでいい人も悪い人もいる。今回の失態で直さないといけない所(主に装備とか…)があるのは分かったけど、今は勝利の美酒に酔いしれていたいと思います。
尚、"やり過ぎだ"とギルドの偉い方にスキンヘッドの男達とシュウさんと私は、そこそこキツめに怒られる事になったのが今日で一番高い授業料だったかも知れません
…デンドロ内でも脚って痺れるんですね……
[Ⅲ] …はい。うちの作者代理としてきました
[Ⅲ] 先ずはノリと勢いだけで書いたこの小説を少しでも読んで下さった皆様に感謝と謝罪を伝えさせて頂きます
[Ⅲ] 書きたい所と書きたい所の繋ぎを考えていなかった結果、閑話で間を埋める事にするという誤魔化し方に逃げた作者はとりあえず墓に詰めときます
[Ⅲ] 元々燻っていた創作衝動が、体調不良で持て余した時間と幾つか(別原作作品含む)の二次創作を見て今更燃え上がったので書き出してしまいました…久方ぶりとか関係無く説明不足地の文不足の駄文ですねぇ…エミュも上手くないし…
[Ⅲ] 久方ぶりに設定のメモとかに目を通したら矛盾だらけでこれから先が思いやられますが、また気が向いたら筆をとるので誤字報告等お願いします
[Ⅲ] 次の話が書き上がるまでに幾つ月を跨ぐか分かりませんがまたお会いする事があればよろしくお願いします
[Ⅲ] 今更ですがシュウ・スターリング氏のキグルミはフェイウルです。内部1年経ってるのにフェイウルを使う理由も無いとは思いますが当時他に持ってるのが分からないので…