Blue Archive -Document SKIP feat.OMEGA and...- 作:LN58
――――――殲滅細胞怪獣:ゾメラの撃破ならびに【怪特隊 特務班】大木田 ソラトの
初めての怪獣:グライムが出現したK-DAYから1年が経った。
その真相である“目覚めの刻”はピークを過ぎたと推測され、今でも怪獣が現れては突如として人々の平穏な日常を壊すことはあっても、キヴォトス滅亡に繋がる危機からは確実に脱していた。
一説によれば、殲滅創世体:ゾヴァラスの洗脳波動を獲得したゾメラが世界中の怪獣たちを洗脳して一斉に呼び寄せようとしていた間一髪のところに現れたウルトラマンオメガの決死の攻撃によって発光器官が破壊されたことで洗脳が中断され、
その瞬間の最後の命令が洗脳した怪獣たちの“目覚めの刻”を偶然にも封じる結果になったのではないかと推測されている。
それが事実かどうかを確かめる術はないものの、ウルトラマンオメガがゾメラを撃破した前後で怪獣の出現頻度に大きな差が生まれていることが明確となったため、時間の経過と共に怪獣の出現頻度が下がる一方で装備とノウハウが充実していく【NDF】の怪獣退治は絶好調となっていた。
そう、アユム先生が予期していたように、ゲネス人最後の生き残りであったアーデルが開発した殲滅創世体:ゾヴァラスの細胞が組み込まれた人造怪獣:ゾメラがある意味において怪獣の出現を制御して“目覚めの刻”を
ゲネス復活のためにゾヴァラスを送り込んでオメガ抹殺を図ったことで 紛れもない侵略宇宙人の一人に成り下がったものの、“怪特隊の母”石堂 アユムはゲネス人:アーデルの情報を公開し、彼らの命の旅と尊厳を後世に語り継ぎ、遥かなる未来に受け継いでいく教訓とするように取り計らったのであった。
そのため、ゲネス人の慰霊碑が建てられることになり、新しいキヴォトスの住人になるかもしれなかった者たちへの冥福を捧げることになったのである。
その間に防衛体制の強化が順調に行われていき、【
そして、
否。正確にはゾメラ撃破作戦において至近距離のカエン102の大爆発に巻き込まれた大木田 ソラト/ウルトラマンオメガと、銃弾を浴びても痛いで済む程度のキヴォトス人と比べたら銃弾一発が致命傷になるような地球人:星見 コウセイはあの爆発の瞬間に同時に死を迎えていたのだ。
しかし、光の巨人が自身の肉体を脱ぎ捨てて限りある肉体を持つ地球人と一心同体となったことで二人の存在が一つに現実世界に再構成され、“二人で一人のウルトラマンオメガ”へと生まれ変わっていたのである。
それはまさに宇宙を揺るがす真実。新たな可能性の始まり。これまでの真理に終焉をもたらす奇跡――――――。
眺めているだけで 良かったのに
遥か遠い 月の裏側で
ここは……?
悪い、コウセイ。
お前のこと、守れなくて……。
……そうか。俺、死んだのか。
じゃあ、ソラト、お前も――――――!?
守りたい
そこにあれば いつでも
……楽しかったな。
……俺、ずっとひとりだったから。
……一緒に笑える仲間が欲しかったんだろうな。
終われやしない 終わらせない
灯す ヒカリ 重ね合えば
このままじゃ終われない。終わらせたくない。
ああ、俺もだ。
コウセイ、1つだけ方法がある。
みんなを守れるのなら、かまわない。
ソラトと一緒なら、なんだってやってやる。
俺たちのやるべきことをやろう。
I'll be the light, I'll be the light
共鳴レボリューション
そうしてゾメラを見事に討伐した“二人で一人のウルトラマンオメガ”がその後の
それはただ単に“怪獣だから倒す”のではなく、時には怪獣の親子を助ける“優しさ”も示し、“戦うだけが道じゃない”ということを人々の心に深く刻み込んでいったのである。
そうして宇宙人と地球人と怪獣とで積み重ねてきた学園都市:キヴォトスの過酷なる運命に導かれた1年の集大成として、卒業の日を迎えた生徒たちの進路は可能性に満ちたものとなったのである。
星見 コウセイ「――――――『
アユム先生「うん。セイアは立派に【怪特隊】の代表を勤め上げたよね」
アユム先生「その次の役割が宇宙人✕
アユム先生「ソラトさんが言っていたように“目覚めの刻”を経て、
アユム先生「だから、【
――――――【
アユム先生「他にも、マコトは“宇宙戦争”で『もうパワーアップしていくだけの殺し合いはたくさんだ!』ってことで【“雷帝”の遺産】の平和利用を卒業後の進路にしたし、」
アユム先生「リオは【宇宙科学局】の立ち上げの準備をして、これから始まっていく宇宙時代の礎を築こうとしてくれている」
アユム先生「私のやることは変わらないけれど、卒業生たちに負けないぐらい今日という日を頑張らないとね」
アユム先生「ロッピーもガロンちゃんもね!」
ロッピー「ロッピーにおぅまかせですわー!」
ガロンちゃん「ガオガオー!」
星見 コウセイ「そうだな、アユ姉。俺も【太陽倉庫】の管理人を辞めることになったしな」
星見 コウセイ「で、今日から俺は【科特隊】隊員だ!」
――――――みんな、ありがとう!
梯 スバル「先生! コウセイさん!」
星見 コウセイ「おお、スバルじゃないか!」
アユム先生「おはよう、スバル」
梯 スバル「おはようございます」
梯 スバル「えと……」
アユム先生「誰か探しているの?」
梯 スバル「ソラトさんはやっぱり居ないんですね……」
梯 スバル「今日は【
梯 スバル「今日という日を迎えることができたら、また会えると思っていたんですけど……」
アユム先生「スバル……」
星見 コウセイ「あいつ、冷てえんだよ。なんせ宇宙観測隊員だから」
星見 コウセイ「まあ、どこかで見てくれてんじゃない、俺たちのことを?」
アユム先生「だからね。今夜、月に向けてメッセージを送ることにしているんだよ」
梯 スバル「はい。私も応募しました。ソラトさんには本当に親切にしてもらえましたから」
梯 スバル「あの日、バグリゴンが迫る中で
梯 スバル「おかげで、私たち【アリウス学園】にも新校舎ができて充実した学生生活をみんな送ることができるようになったんです」
梯 スバル「だから、ウルトラマンオメガにみんなで感謝の言葉をいっぱい書いたんです」
梯 スバル「でも、私は“ウルトラマンオメガ”だけじゃなくて“大木田 ソラト”にもメッセージを送りたかった……」
梯 スバル「ゾメラとの決戦を最後にもう二度と会えないだなんてこと、思ってもいませんでしたから……」
アユム先生「うんうん。スバルは優しい子だね」
星見 コウセイ「大丈夫だって。宇宙観測隊員の決まり事で
梯 スバル「はい。そうだと思いたいです……」
アユム先生「みんな、忘れてないよ、ソラトさんのこと」
星見 コウセイ「ああ。思い返してみると、1年にもならない短い付き合いだったってのに、俺たちに“目覚めの刻”の先の未来を残していってくれたんだ」
アユム先生「まあ、私は『ソラトさんがコウセイくんに命を与えて死んだ』なんて思っていないけどね」
アユム先生「――――――ヒーローってのは不滅だから」
アユム先生「いつか、魔法のランプのように
星見 コウセイ「だな。アユ姉にもオメガメテオがあることだしな」スッ ――――――大木田 ソラトから受け継いだオメガメテオ。
アユム先生「本当は宇宙観測隊員としての使命を思い出して元の場所へ帰っていくはずだったソラトさんとの思い出の証になるはずだったんだけど、」
アユム先生「可能な限りの
――――――まさか、
大木田 ソラト「ひっでえな、コウセイ。『冷たい』はないだろう」
星見 コウセイ「わるいわるい」
アユム先生「無愛想な宇宙人だって思われたくないなら、またロッピーの身体を使えばいいのに……」
アユム先生「それで帰ってくるのを待っているスバルやアリスのことを抱きしめてあげればいいよ」
大木田 ソラト「あれ、結構 疲れるんだよな……」
大木田 ソラト「肉体がなくなったから、コウセイが作った焼きそばを食べて元気をモリモリ回復ってこともできないし……」
アユム先生「今、頑張って【シッテムの箱】に繋いでアロナとプラナの居る場所に立たせて ソラトさんにまたコウセイくんが作った焼きそばを食べさせることができるか試してはいるけれど、まだ目処が立ってないから もう少し待ってて」
大木田 ソラト「すまない、アユ姉。いつも本当に助かる」
大木田 ソラト「アユ姉が居なかったら俺もコウセイもどこかで歩みを止めていた……」
大木田 ソラト「だから、コウセイと同じぐらいアユ姉のことを大事に思っている。幸せでいて欲しい。幸せになって欲しい」
アユム先生「気にしないで。私もソラトさんとコウセイくんに出会えて夢を叶えてもらったから、こうして今も一緒に居られることがとても嬉しい」
――――――あなたたちは二人で一人の“私のウルトラマン”。そして、かけがえのない“仲間”で“友達”だから。
星見 コウセイ「結構 時間が経ったけど、あれから何も言ってこないな、宇宙観測隊?」
大木田 ソラト「たぶん、見ているんだろう」
大木田 ソラト「宇宙観測隊員と現地の人間が融合するなんてことは初めてだから、どうなるか興味津々なんだ」
アユム先生「うん。黒服くんが『月で反応があった』って言ってたからね」
アユム先生「だから、セイアが『会いに行こう』って月を目指しているわけ」
星見 コウセイ「だったら、これからも見せてやろうじゃないの」
大木田 ソラト「この星で生きる人たちと――――――、」
大木田 ソラト「宇宙人と――――――、」
大木田 ソラト「怪獣と――――――、」
大木田 ソラト「みんなで創る 新しい この惑星の未来を」
星見 コウセイ「ああ」
星見 コウセイ「じゃあ、行くぞ」
星見 コウセイ「ソラト」
大木田 ソラト「ああ」
大木田 ソラト「コウセイ」
アユム先生「あらためて よろしくね、ソラトさん、コウセイくん」
――――――3人の変わることのない絆のグータッチ!
アユム先生「よし」
大木田 ソラト「これからもよろしくな、アユ姉」
星見 コウセイ「それじゃあ、任命式、行くとしますか、アユ姉!」
アユム先生「おっと、あんまり時間に余裕がない感じだから、走るよ」
――――――二人が目指す未来を共に創っていこう!
私の中に受け継がれた
一方、私がソラトさんとコウセイくんがウルトラマンになったウルトラマンオメガの世界では、宇宙観測隊が外敵の侵入を防いでいたということもあり、宇宙人や宇宙怪獣が極めて稀である一方、“目覚めの刻”で復活する怪獣の中には世界滅亡レベルの災厄の化身が紛れ込んでいるという点で特徴的だった。
だからなのか、ソラトさんとコウセイくんが融合して“二人で一人のウルトラマンオメガ”となったことで、
そのため、殲滅細胞怪獣:ゾメラを撃破寸前まで追い込んだガイリュウガ砲の大量配備で怪獣退治は安泰だと思われた矢先に訪れた宇宙からの侵略者との攻防は銃声と爆発音が響き渡る学園都市:キヴォトスの卒業シーズンを最後まで硝煙と排莢で彩ることになったのである。
50m級の怪獣たちに対しては防衛チーム【NDF】と調査チーム【怪特隊】の独壇場だったのだが、宇宙人の侵略だとわかると災害の化身相手に手も足も出なかった鬱憤晴らしに宇宙人狩りが始まったので、これはこれで大問題となったのである。
もちろん、法治国家の国際常識として不法入国は処罰の対象なので、少なくとも各自治区の自治体に対して上陸許可を求めようとしなかった時点で 発見され次第 通報されて追いかけ回されるのは至極当然ではある。
しかし、このままだと学園都市:キヴォトスの治安の悪さと住民のモラルの低さが宇宙中に知られることになると思うと、今までキヴォトスの中での外聞や評判しか気にしていなかったからこそ、お天道様が見ているかのように途端にお行儀良くするように触れ回るようになったのが各学園の生徒会組織であった。
うん、腐っても学園都市:キヴォトスが【キヴォトス連邦】という法治国家として整備された法制度があるわけだから、これで遵法精神が培われて少しでも犯罪発生件数が減ってくれれば良いのだけれど、
元から
実は宇宙観測隊員だったソラトさんの記憶の中には学園都市:キヴォトスの数々の歴史が詰まっているのだから、今更 見た目を取り繕うとしても、もう遅いのだけれど――――――。
そうして“目覚めの刻”のピークを過ぎ、
そのため、【怪特隊】代表を勤め上げた“預言の大天使”百合園 セイアの卒業後の進路がまさかの宇宙というわけであり、宇宙観測隊との友好的な交流を図ることを目指したのだ。本当に立派になって まあ……。
そこからもたらされるであろう未知の領域の無限の情報の解析には【ゲマトリア】も全面協力することを約束し、着々と宇宙に繋がる道が繋げられているのである。
つまり、「ソラ」から落ちてきた宇宙人“記憶喪失のオメガ”が怪獣と向き合いながら人々との交流を重ねていくうちに記憶を取り戻して“宇宙観測隊員のオメガ”に戻り、そこから新たな未来に向かって進み続ける“ウルトラマンオメガ”になるまでの物語を“序章”とするなら、
オメガに代わる新たな宇宙観測隊員が現れて“目覚めの刻”以前の宇宙人や宇宙怪獣といった外敵の侵略が防がれた状態が取り戻されるまでの“宇宙戦争”の時期を“第1部”、
それ以降の宇宙観測隊との友好的な交流を図るために現生人類が宇宙を目指す新章が現在“第2部”として始まっているのである。
これが何を意味するのかと言えば、“第1部”で新たに得られた戦力は宇宙観測隊員がいなくなった隙を狙って
現在の“第2部”では宇宙人や宇宙怪獣が侵略してくる前に大気圏外で宇宙観測隊員が撃破しているために、そういったものを新たに入手できる機会が非常に稀になっているということだろう。
けれども、その“宇宙戦争”で得られた戦利品もまた生まれ変わった“ウルトラマンオメガ”の激闘を潜り抜ける力となり、それが新たな宇宙人✕
それでは、これからその力の一端をみなさんにお見せしましょう――――――。
アユム先生「な、何なの、あの怪獣は!?」
アユム先生「ツインテールを捕食したグドンを捕食したッ!?」
星見 コウセイ「ひ、ひでぇ……。海が血の色に染まってやがる……」
星見 コウセイ「あいつ、【NDF】の攻撃もビクともしなかったグドンの身体をいとも簡単にバラバラにして食い散らかしてやがる……」
大木田 ソラト「まずいぞ、コウセイ、アユ姉!」
大木田 ソラト「あいつはネロギラスだ! あいつもツインテールやグドンと同じく
大木田 ソラト「見ての通り、その凶暴性は群を抜いているんだ!」
大木田 ソラト「他の怪獣みたいに炎とか光線とかは吐かないけど、グドンの身体をバラバラにできる怪力で時代の頂点に君臨した怪獣の1体なんだ!」
星見 コウセイ「じゃあ、近づかせたらダメってわけなんだな!」
アユム先生「それだけの情報があれば十分!」
アユム先生「ツインテールやグドンとちがって長い鞭は持っていないようだから、ここは間合いをとって戦って!」
星見 コウセイ「おう!」
梯 スバル「――――――そ、ソラトさんッ!? ああ?!」
錠前 サオリ「あの怪獣、なんて強さだ! オメガとメテオカイジュウの同時攻撃を受け止めて全員を殴り倒したぞ!?」
鬼方 カヨコ「……ネロギラス、本当に強い!」
奥空 アヤネ「先生ッ!」
アユム先生「……レーザービートルは待機。グドンにガイリュウガ砲を耐えられた以上はネロギラスもそれと同等以上の防御力を持っていると見て間違いない」
太平 ナダカ「ツインテールやグドンが同時に現れただけでも【NDF】は大苦戦だったのに、ツインテールを捕食したグドンを惨殺する怪獣まで現れるだなんて!」
太平 ナダカ「なんや、この! “目覚めの刻”“宇宙戦争”を乗り越えてきたってのに、まだ
アユム先生「これが“目覚めの刻”の本質。人類側の戦力が強化されれば、怪獣たちもまた強力なものが次々と現れていく……」
アユム先生「ガイリュウガ砲が通用しない怪獣がこうも現れるとなれば、もっと強力な兵器を生み出していくしかないわけだけど……」
アユム先生「これじゃあ、本当に血を吐きながら続ける悲しいマラソンみたい……」
アユム先生「私たちにとって幸運なのは、ゾメラの洗脳波動によって世界中の怪獣たちの“目覚めの刻”のタイミングが狂ったことで結果として防衛体制を強化する猶予が与えられたこと」
――――――そして、宇宙人×地球人×怪獣の 響き合う 友情の絆の力が私たちにはある!
シロコ*テラー「ヴァルジェネスハルバードが受け止められた!?」
仲正 イチカ「なるほど、武器を使ったところで振り下ろす力は変わらないわけっすから、柄の部分に怪力をぶつけてしまえば刃が届かなくなってダメージゼロってことっすね。戦闘IQが高いっすね、あの怪獣」
梯 スバル「ああ! ソラトさんの顔に赤い液体が――――――!? ただでさえ、真っ赤なのに更に真っ赤に!?」
錠前 サオリ「大変だ! 今までの傾向から言えば、あれは毒液や消化液のはずだ!」
アユム先生「ううん。あれは鉄分を多量に含んで赤くなっているから飛ばしているのは血液なんだ。つまり、鉄分が抜かれていない唾を勢いよく吹きかけたんだ。プロレスで言う毒霧だよ」
鬼方 カヨコ「何それ? 要は、目潰しってこと?」
早瀬 ユウカ「あのグドンを怪力だけでズタズタできるんだから、目潰しだけで十分ってことね」
早瀬 ユウカ「あ、マズイです、先生! ネロギラスが海に逃げ込みました!」
シロコ*テラー「受け止めることはできたけど、さすがにヴァルジェネスハルバードの威力に恐れをなしたみたい」
仲正 イチカ「本当にマズイっすよ! 【NDF】もですが、ウルトラマンオメガも水中戦は不得意っす! 水中に逃げ込まれたら、追う手立てがないです!」
太平 ナダカ「だとしても、ここで取り逃すわけにはいきません! あれほど凶暴な怪獣がいつまた現れるか――――――!」
奥空 アヤネ「先生、ガイリュウガ砲で水蒸気爆発させてネロギラスに攻撃を加えるのは――――――?」
アユム先生「……グドン以上の頑丈さと仮定して水中のネロギラスを倒せる?」
早瀬 ユウカ「…………もっと無理です」
アユム先生「そっか」
アユム先生「じゃあ、釣り出さないと」スッ ――――――Xioデバイサーとサイバーカードを取り出す。
アユム先生「アロナ、お願い」
アユム先生「これまでのオメガのアーマーにはなかったものを付け足す目的で開発したサイバーアーマー!」
アユム先生「そして、エレキングアーマーは“宇宙戦争”で生まれたピット星人との友情の証!」
アユム先生「ウルトラマン! エレキング電撃波の鞭でネロギラスを絡め取って!」
錠前 サオリ「おお! 見事な怪獣の一本釣りだ!」
梯 スバル「いけー! ソラトさん!」
早瀬 ユウカ「今です! ネロギラスにとどめを!」
鬼方 カヨコ「アーマーが解除された!」
仲正 イチカ「あの構え!」
奥空 アヤネ「必殺の――――――!」
シロコ*テラー「レティクリュート光線!」
アユム先生「相変わらずの活躍ぶりだったね、ウルトラマンオメガ」
秤 アツコ「うん。でも、【
星見 コウセイ「まあな。俺も管理人を辞めて、ソラトのやつももういないけど、代わりにアリウスのみんなが手伝ってくれているから大助かりだよ」
梯 スバル「はい。本当にお世話になりました、コウセイさん」
梯 スバル「しかし、今日もソラトさんに会うことができませんでした……」
星見 コウセイ「そうだな」
アユム先生「そうねえ」
秤 アツコ「それじゃあ、コウセイさん。もう管理人を辞めているけど、これ」
有限会社 太陽倉庫商会 殿。
アユム先生の社会復帰支援指導プログラムに賛同し、たくさんの我が校の生徒の受け入れをしてくださったことを称えて、ここに感謝状を贈ります。
アリウス生徒会 生徒会長 秤 アツコ
|
星見 コウセイ「おお、ありがとう。オーナーもすげえ喜ぶと思うよ」
アユム先生「【トリニティ総合学園】の全面協力もあって、ようやく【アリウス学園】も正式に【キヴォトス連邦】の一員として認められたことだし、これからが凄く楽しみだね」
梯 スバル「はい。ご卒業となった【ティーパーティー】先代ホストには感謝してもしきれません」
梯 スバル「ですので、私たちは【キヴォトス連邦】の一員となったのを機に、この流れが断ち切られないように留年を選択しました」
秤 アツコ「留年と言うよりは、自分たちで正式な学年を選んだわけなんだけどね。これまでは“自称:アリウス生”って扱いだったわけだから」
秤 アツコ「だから、嬉しい。みんな揃って【アリウス学園】の日々を送ることができるから、本当に夢みたい。卒業する時は【スクワッド】のみんなと一緒だよ」
アユム先生「とは言え、ピークを過ぎたとは言っても、“目覚めの刻”で怪獣たちが現れるようになった悪影響でなくなっちゃった学園がいっぱいだから、【アリウス学園】を筆頭に各自地区の再建を急がないとねぇ……」
秤 アツコ「うん。“宇宙戦争”もあったことだしね……」
星見 コウセイ「それでアユ姉は新しく【宇宙学校】を創ろうとしているんだよな?」
アユム先生「そう。宇宙観測隊との友好的な交流を目指すことになるから、それで【
アユム先生「で、【宇宙学校】の目玉になるのがサイバー怪獣というわけ!」スッ ――――――サイバーカードを取り出す。
アユム先生「具体的には 今日 活躍したエレキングアーマーを構成するサイバーエレキングのオリジナルとなるエリーちゃんのお世話をしてもらうつもり」
アユム先生「これにはね、【カネナリコーポレーション】のカネナリ社長も興味津々で、いろんなところから協力を得ることができたよ」
星見 コウセイ「ああ、懐かしいな。カネナリ社長って、たしかグビラを展示物にしたカネナリ怪獣パークなんてのを開こうとしてた人じゃん」
アユム先生「実質的に自治区全体がサイバー怪獣を生育させるための保護区域みたいになるから、やろうとしていることはカネナリ怪獣パークのリベンジみたいなものね。自治区全体でサイバー怪獣を育てていくの」
アユム先生「これがキヴォトス初のサイバー怪獣:サイバーキングアリゲトータス。【怪特隊】初出動で捕獲できたピーターくんのアバターね。体温調節機能に加えて巨大化能力を持つ超万能型」
アユム先生「そして、ゾメラとの決戦で切り札として使おうとしていたのがサイバーメテオカイジュウで、説明にあったスパークドールズそのものと言えたから、こうして実戦的なサイバー怪獣が生み出せたわけ。まあ、使わなかったけど」
アユム先生「それから、卒業シーズンまで続いた“宇宙戦争”で仲間になったエリーちゃん/サイバーエレキング。みんなで可愛がってあげてね」
アユム先生「そして、今は亡きベムちゃんのサイバーベムスターと、デイナちゃんのサイバー
アユム先生「サイバーアーマーはメテオカイジュウのアーマーにはなかった戦い方ができるように調整してあって――――――、」
アユム先生「エレキングアーマーは電撃を変幻自在に操って敵を翻弄するトリッキータイプ」
アユム先生「ベムスターアーマーは敵の攻撃を吸収して力に変えて反撃に転じるカウンタータイプ」
アユム先生「サイバーディノタンクアーマーは突進力と砲撃力を活かして距離を問わない重たい一撃を与えるタクティカルタイプ」
星見 コウセイ「基本的に怪獣を倒すだけだったらレキネス、トライガロン、ヴァルジェネスの能力で十分だったけど、」
星見 コウセイ「“宇宙戦争”の時は目の前の敵を倒す以上のことをしなくちゃならない時があったわけだから、レキネスたちの能力でも何とかなったかもしれないけど、サイバー怪獣の能力は細かいところに手が届いてメチャクチャ便利って感じ」
星見 コウセイ「しかも、エリーちゃんが発電してくれるから、サイバーカードの発動に必要なエレクトロ粒子の供給が安定して、サイバー怪獣の召喚もできるようになったからオメガに頼らずに怪獣を撃退することもできるようになったもんな」
アユム先生「そうそう。だから、エリーちゃんのことは大切にしないとダメなんだからね」
――――――まさに新時代の“目覚めの刻”ってところだね!
キヴォトス滅亡の危機である“目覚めの刻”“宇宙戦争”を乗り越えて着々と人類側の戦力は強化されている。
すでに【NDF】は光波怪獣:ガイリュウガが放つ光波ビームの原理を再現した高出力レーザー砲:ガイリュウガ砲の量産が行われ、展開力の強化のために小型化の研究の成果としてレーザービートルやトラックに載せられるようになり、並大抵の怪獣ならウルトラマン抜きでガイリュウガ砲の集中砲火で倒せるようにまでなっていた。
しかし、それだけに宇宙観測隊員の不在の隙を狙って侵略してきた宇宙人は【NDF】の主力となるガイリュウガ砲の対策を施した宇宙怪獣やロボット怪獣で攻撃してきたため、ガイリュウガ砲以上の超兵器の開発が急務となっていたのである。
そうした“宇宙戦争”が引き起こした軍拡競争の産物としてキヴォトスの結束が強まり、団結して侵略宇宙人に対抗しようという流れが生まれた一方、
“目覚めの刻”によって母星が滅び 新天地を求めて宇宙を彷徨うことになったゲネス人の教訓から、アーデルのようにこの惑星の文明を侵略することなく現生人類との共存共栄を目指すのなら、移民として受け入れられるように宇宙人への悪感情が渦巻く中で準備も進めていったのである。
倒すべきは侵略宇宙人であり、“キヴォトスを救った英雄”石堂 アユムにしても太陽系第3惑星:地球の出身の異星人として生徒たちを善導していることを具体例にして、防衛力の向上に伴って排外主義が行き過ぎないように采配してきたのである。
その原動力になったのが、学園祭期間に“目覚めの刻”を迎えて滅亡が約束された
アユム先生が口八丁で“目覚めの刻”を乗り越える奇跡を起こしてみせるとバロッサ星人:ギルダを言い包めて、そのために並行世界の地球の防衛チームの装備がないか お願いしてみたら 本当にもらえてしまった Xioデバイサーとサイバーカードであり、
ゾメラとの最終決戦までには エレクトロ粒子の理論の検証をして サイバー怪獣の実戦投入が 理論上 可能となり、ぶっつけ本番で相討ち覚悟でユナイトすることも可能となっていたところから更に前進し、
サイバーカードだけの空っぽだったサイバーエレキングの完成に加えて、宇宙からの脅威を調伏した得られた新たなるサイバー怪獣:サイバーベムスターとサイバー恐竜戦車が加わったのである。
それがウルトラマンオメガに装着される新たな力:サイバーアーマーとなり、更にはサイバー怪獣自体がメテオカイジュウのように
戦闘において有効な攻撃を行うためには相手の三倍の兵力が必要となり、基本的に防御は攻撃よりも有効な戦闘行動であり、攻撃三倍の法則は攻撃に対する防御の優位を説き、それは侵略宇宙人が
それにより、並大抵の怪獣を粉砕するガイリュウガ砲を擁する【NDF】の援護に加えて、エレクトロ粒子で
このように“目覚めの刻”を経て 怪獣がごく普通の存在となって 変革を余儀なくされた学園都市:キヴォトスでは、来る宇宙時代のための新しい学園の創設が提唱されることになり、【
その目玉となるのがサイバー怪獣:サイバーエレキングのオリジナルである放電怪獣:エレキング 愛称:エリーちゃんのお世話であり、エリーちゃんの放電能力が発電に利用されることで【宇宙学校】の自治区の都市設計や運営方針が決まっていったのである。
残念ながらサイバーベムスターとサイバー恐竜戦車のオリジナルとは悲しい別れをしており、だからこそ、忘れ形見とも言えるアバター:サイバー怪獣には並々ならぬ信頼が寄せられており、メテオカイジュウとの共闘には胸が熱くなるものがあった。
そうしてオメガに代わる新たな宇宙観測隊員が赴任してきたことで外敵の侵略が収まったことで“宇宙戦争”は一応の終結を見ることになり、卒業シーズンも終わりを迎えて新学期が始まり、新たな怪獣たちの“目覚めの刻”に立ち向かっていくことになっていったのである。
しかし、“目覚めの刻”の最終決戦で撃破した殲滅細胞怪獣:ゾメラの力を利用して宇宙征服を企み、“宇宙戦争”における史上最大の侵略を行った幽霊怪人:ゴース星人が繰り出した怪獣軍団との決戦の傷跡は未だに各地に残り続けていた。
特に、双頭怪獣:キングパンドンに殲滅細胞怪獣:ゾメラの細胞を取り込ませた地獄細胞怪獣:ゾメラパンドンを倒せたと思ったら、追い詰められたゴース星人が怪獣墓場から怪獣たちの怨念の集合体である暴君怪獣:タイラントを召喚し、
連戦となって消耗したウルトラマンオメガが倒れ、ゾメラパンドンを吸収した冥道細胞怪獣:ゾメラタイラントが“目覚めの刻”でこれまで倒してきた怪獣たちを蘇らせたことで学園都市:キヴォトスは地獄の怪獣大行進で蹂躙されようとしていたのだ。
こうして世界は怪獣墓場の瘴気が流れ込んで闇に包まれ、更にはゾメラタイラントが小惑星衝突の危機まで引き寄せ、学園都市:キヴォトスをキヴォトス足らしめているテクスチャが絶望に塗り潰されそうにしていた時、誰もがウルトラマンが欲しいと願った時、遠い銀河から 未来へ駆ける 究極のウルトラの奇跡が起きた――――――。
アユム先生「はあ、もう最高! まさに身も心も一つになった最高の相棒! それを特等席でこれからも見続けることができるだなんて!」
シロコ*テラー「先生も教官と一心同体になって怪獣と戦えるようになったよね」
アユム先生「ああ、これね」スッ ――――――サイバーアースガロンのサイバーカード。
シロコ*テラー「……アースガロン。教官が怪獣に立ち向かうために創り出そうとしていた 戦士たちが駆る 鋼の体を持つ獣」
アユム先生「本当は あの時、
アユム先生「
アユム先生「ゾメラのカエン102貯蔵器官にヒートパイルを直接ぶち込んで相討ちに持ち込む算段だったんだ」
シロコ*テラー「……やっぱり、特攻する気だったんだ、先生」
アユム先生「それがね、ソラトさんとコウセイくんが1つになってゾメラを倒してくれたから、その必要がなくなった」
アユム先生「これもまたウルトラの奇跡ってところかな」
アユム先生「ソラトさんはコウセイくんの命だけじゃなくて、同時に私の命も救ってくれていたの」
シロコ*テラー「……先生はソラトさんのことが好きだったの? それとも、コウセイさんの方が好み?」
アユム先生「ん?」
シロコ*テラー「噂になっている。先生とコウセイさんは同じ地球人同士で年齢も近いお似合いのカップルだって」
シロコ*テラー「間にソラトさんが居たから、ソラトさんとコウセイさんの仲の良さに目が行ってたけど、ソラトさんがいなくなったから二人の距離がグンと縮まったように見えるって」
アユム先生「別にそういうのじゃないよ、シロコ」
アユム先生「たしかにソラトさんとコウセイくんのことは最高だと思ってはいるけれど、私自身は恋愛とか結婚なんてできるとは思ってないから」
アユム先生「私が恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!」
アユム先生「生活無能力者でゲロインだし、男も女も何でも絵のネタにする気持ちの悪い夢女子で、惚れっぽくて好きな子がどんどん増えていく節操なしなんだから」
アユム先生「だから、私のことは“近所のおねえさん”だと思って、青春時代の甘酸っぱいの思い出だと思って、卒業したら新しい相手を見つけて綺麗になっていって欲しい」
アユム先生「そのヒントになる絵をたくさん描いてきたから、そういう表情や仕草が似合うってことで自信をもって自分自身の人生をセルフプロデュースしていって欲しい」
シロコ*テラー「なら、私はずっと先生の側にいる。元いた世界が滅んだ人間に卒業証書は必要ない」
シロコ*テラー「それに、先生の中に教官の魂も宿るようになった」
シロコ*テラー「だから、ずっと側に居させて、先生。私をもうひとりにしないで、教官」
アユム先生「写真で見た小さい頃の姿よりもずっと大きくなったね、シロコ」
シロコ*テラー「……うん!」
アユム先生「“宇宙戦争”の最後を飾ったウルトラの奇跡は凄かったね」
シロコ*テラー「うん。宇宙の歪みとされる怪獣墓場に侵食されてキヴォトスをキヴォトス足らしめているテクスチャが剥がれたことで具現化した混沌から怪獣総進撃が始まって、最後の力が枯れるまで戦い続けた時にウルトラの奇跡を手繰り寄せられたんだよね」
シロコ*テラー「私は“死の神”だから、怪獣墓場から蘇ってきた亡霊たちと繋がることができた。それが最後の勝利の鍵だった」
アユム先生「――――――ミラクルアークキューブ」スッ ――――――新しく手に入れたアークキューブを取り出す。
アユム先生「破壊されたキヴォトスの街並みはまあまあ修復されて、学園都市:キヴォトスのテクスチャは更新された」
アユム先生「もうちょっと地元に愛着を持ってくれていたら完全な修復が実現したんだろうけど、卒業シーズンもあって可能性に満ちた未来をみんなが信じる流れだったから、」
アユム先生「玉に瑕というか、欠点が個性になっているのがキヴォトス人の特徴でもあるから、もうね、完璧な生徒なんてキヴォトス人じゃないってわけだから、これはこれで学園都市:キヴォトスらしい結果に収まったって感じだね」
アユム先生「まあ、現生人類より遥かに優れた科学力や身体能力を持っていたとしても、それでやることが侵略や破壊にしか使えなかった可哀想な連中がこの宇宙にはごまんといたわけだし、」
アユム先生「宇宙観測隊員のオメガが見出してくれた私たちの可能性をこれからも育てていこうね」
――――――想像力から私たちの無限の未来が生まれていくのだから。
アユム先生「シロコ、
シロコ*テラー「うん、憶えているよ」ゴクッ ――――――バニラフレーバーの紅茶がリラックス効果をもたらす。
アユム先生「いろんなことがあったよね。私にとっても【アビドス】のことが最初の
シロコ*テラー「うん。変なロボットを連れた“シャーレの先生”が手始めに私たちを指揮して【カタカタヘルメット団】を追い払った後、」
シロコ*テラー「素直になれないセリカが誘拐されたり、【便利屋68】と腐れ縁になったり、【カイザーコーポレーション】の陰謀を暴くために“
シロコ*テラー「最後はホシノ先輩が悪い大人に騙されて【カイザーPMC】に囚われの身になったのをみんなで助けに行ったよね」
アユム先生「……
シロコ*テラー「急にどうしたの、先生?」
アユム先生「ねえ、こっちに来て」
シロコ*テラー「うん」
アユム先生「今夜はね、シロコと語り明かしたい気分なんだ」
シロコ*テラー「なら、今夜は一緒にいようね、先生」
――――――教官も一緒。アビドスのみんなも一緒。ずっと一緒だよ。
アユム先生「シュウおじさん、ユウマさん、みんな……」
アユム先生「なんだかんだで転職でやってきた
アユム先生「だから、この星で生きる人たちと 宇宙人と 怪獣と みんなで創る 新しい この惑星の未来のために!」
――――――ああ、なんて美しい
二人が見つめる先には 学園都市:キヴォトスの象徴であるサンクトゥムタワーのその遥か上空に見える巨大なヘイローに掛かる 未来へ駆ける
あれこそが テクスチャの崩壊によって学園都市:キヴォトスの概念や存在、構造といったあらゆる全てが消滅しようとしていた時に 先生と生徒たちの絆が新たなる未来を望み、思い描き、掴み取った証であった。
それはまるで『ノアの方舟』において神が二度と大洪水で地上の生き物を滅ぼさないという永遠の契約の印として空に架けた“契約の虹”のごとく、神が人間や全ての生き物と共にあることを示す希望の象徴として、新しい時代と共に新しい世界や新しい道筋を学園都市:キヴォトスに導いたのである。
さあ、テクスチャが更新された まだ見ぬ
未来はこの手にあるわ
手をとりあって
夢見ていこう
メラメラ ラ ラ ララ メラメラ
夢見ていたいんだ
メラメラ ラ ラ ララ メラメラ
夢見ていたいんだ