まだまだ俺達の思い出話は止まらない。永遠と話題が出てくる。
「そういえば…まどかちゃんのブランドまた新作出たね!」
「恋する乙女は無敵ですから、無限にアイデアが湧き出てくるんだろな」
「ラブラブだからね!」
奏太とあおいは、まどかの話をしていた。
△▼△
これは奏太達が高校3年生に進級した時の話である
ある日奏太は、春斗をスターライト学園に呼んでいた。
「悪いな、来てもらって…」
「いいってことよ!」
「突然パンクしちって危うく帰れなくなるところだったよ…」
「気にすんな!こんな可愛い子達と飯食えんだから!いくらでも届けに来てやるよ!」
新品タイヤを届けてくれたお礼に織姫学園長に許可をもらい、春斗をスターライトの学食に案内した。
「春斗くん、これからも奏太のことよろしくね?」
「あおちゃん!任せて!」
何故か春斗は、あおいのことをあおちゃんと呼ぶ。
俺達のテーブルにファッション雑誌を持ったピンク髪の女の子が近づいてきた。
「あれ?アナタは…?」
「ん?君は確か奏太の病室にいた…まどかちゃんだっけ?」
これが運命の出会いであった。
「そうですよ!天羽まどかです!」
「俺は奏太と同じ学校に通ってる榊原 春斗だ。よろしくね」
春斗はスッと右手を出して握手を求める。それを見たまどかも右手を出して握手に応じる。
「君は確か…中等部なんだっけ?」
「そうです!春斗さんは、杉崎さんと一緒だから高校3年生ですよね?」
「あぁ!それにしても…可愛いな」
「ありがとうございます!」
ニコッと笑うまどか。その笑顔を見た春斗は、ドキッとしてしまった。
流石アイドル…笑顔が素敵だな…ちょっとドキッてしてしまった…好きになっちまうよ!でも相手はまだ中学生だ…手は出しちゃダメだ!
「今日は何故スターライトに?」
「奏太のバイクがパンクしちゃったみたいでな!新しいタイヤを届けに来たんだ」
「杉崎さんもおっちょこちょいですね!霧矢先輩、私も相席させてもらってもいいですか?」
「もちろん!まどかちゃんも座って!」
「失礼しますね!」
なんだ…この不思議なメンツ…違和感しかない。
「春斗さんは、この近くに住んでいるのですか?」
「まぁ近いといっちゃ近いかな?」
まどかちゃんと春斗が2人だけで話し始めた。春斗が女の子と話すなんて珍しいというのもあるが、まどかちゃんが、春斗にアタックしているようにも見える。
「なぁ、あおい…」
「言わなくても分かるよ…!まどかちゃん、春斗くんのこと気に入ったみたいだね…!」
あ、察するのが早いですね…あおい、目がキラッキラッだよ…
「じゃあ!この辺に良くいるんですね!」
「奏太の家があるからな!」
「今度、私と…お出かけしてくれませんか!!」
「え!?!?えぇぇぇ!?」
「ダメ…ですか…?」
上目使いでこっちを見るな…奏太助けてくれ…
横に座ってる奏太をチラッと見るとニヤニヤしてこっちを見ている。あおちゃんに限っては、ニンマリと笑っている。この2人…今の状況を楽しんでやがる…!
「断る理由も無いし…どこか行ってみる?」
「いいんですか!?嬉しいです…!」
まどかちゃんの嬉しそうな顔、可愛いな~
妹と出かけるみたいな感じで出かけてきますかね…
俺、妹といないけど…
「来週の土曜日どうですか?」
「バイトも無いし…じゃあその日で!」
「ありがとうございます!楽しみにしてますね!」
なんかあっという間にデートが決まった…俺、彼女なんていたこと無いし女の子の友達もいないからデートなんてしたこと無い…
「じゃあ私、凛と待ち合わせてるので行きますね!お邪魔しました!失礼します!」
「ばいば~い!」
まどかに手を振る奏太とあおい。まどかの姿が見えなくなった瞬間、奏太は春斗に声をかける。
「春斗、やるじゃん!」
「まぁ…何でか知らんがデートに誘われたな…」
「まどかちゃん好きなのかな?」
あおいも気になっている。でも何故まどかは春斗を気に入ったのか謎である。
「なんでだろうな?俺あの子と会ったの、この前の病室が初対面だぞ?それ以前に出会ったことも無いし…」
「一目惚れか?」
「中学生なら一目惚れもあり得るな」
「春斗、まどかちゃんの事よろしく頼むぞ」
「おうよ!」
△▼△
緊張する…今からまどかちゃんとデートか…予定より早く着いてしまったが、遅刻するよりはいいだろ…
春斗は、初めてのデートで緊張している。しかも相手はアイドル。年下、中学生。
俺…今から中学生と出かけるのか…ギリ犯罪か?これ。
「春斗さん!お待たせしました…はぁ…はぁ…」
「まどかちゃん走ってきたの!?」
「だって…駅に着いたら春斗さんの姿が見えたので…つい…」
「まだ集合時間より20分も早いんだから焦ることないよ~!」
「いえ!待たせるわけにはいきません!」
「真面目だね~」
俺なんていつも遅刻してるわ…
「さぁ!行きましょ!」
「あ!ちょっと!置いてかないでよ!」
まどかと春斗という謎コンビが今からデートをする。
△▼△
「春斗さんって普段は何してるんですか?」
まどかと春斗は喫茶店で休憩していた。
「普段は…アルバイトしかしてない気がする…」
「なんのアルバイトを?」
「本屋だよ」
「本屋ですか!?もしかして本お好きなんですか?」
「好きって程じゃないけど…時々本を読むかな?」
「どんな本を?」
「実は…ミステリー小説とか読むのに最近はまって…」
「バイクの雑誌とかは読まないんですか?」
「読むよ!バイク大好きだもん!」
「そうですよね!杉崎さんも良くバイクの雑誌を読んでいますもんね!」
「アイツはそういうのしか読まないからな…」
奏太はバイクしか見てなくて女の子にあんまり興味ない…って思ってたのに彼女作りやがって…!おっと!いけない…いけない…楽しいデートを台無しにするところだった…
「そろそろ次のお店にいきましょ!」
「せっかくまどかちゃんと楽しくお出かけしてるから、色んなお店を見に行きたいな」
「じゃあ…手を繋いでくれますか?」
「え!?お、俺で良ければ…」
まどかから差し出された手を優しく握り、店を出る。2人は、握った手を離すことなく、街をゆっくりと見て回る。
△▼△
まどかと晩御飯を食べて、夜景を見ながらベンチに座っていた。
「あの…今日はありがとうございました!」
「こちらこそ楽しかったよ」
「また私とお出かけしてくれますか…?」
「俺で良ければ、どこへでも行くよ」
「嬉しいです…///」
まどかは、顔を赤くして下を向く。
「春斗さん…覚えていますか?」
「何をだい?」
「去年の12月に…私を助けてくれたこと!」
「ん?……あ!!!」
思い出した…そういえば12月頃に酔った変なオッサンに絡まれてた女の子を助けた。あの時、助けた子がまどかちゃんなの!?
「思い出してくれました…?」
まどかは不安そうな顔で春斗を見つめる。
「あの時の!変なオッサンに絡まれてた女の子!」
「そうです!」
「でも…あの時…確か、まどかちゃん帽子を深く被ってて顔見れなかった気が…」
「だって怖かったんですもん…///」
うっ!可愛い…///反応が可愛いんだよな…!
「そっか~!あの時の女の子か…!」
「お礼したい!って気持ちもありましたが、助けてくれた姿がカッコ良くて…///」
「なるほど…それで俺とデートがしたかったと…」
「はい…///それと私…!春斗さんの事が…!」
「好きです!って言おうとしてるなら…君の気持ちには答えられないよ…」
「え…」
「君はまだ中学生だろ?もっと色んな人と出会うべきだ。色んな人と出会って、知って、いい出会いが必ずあるハズだよ」
「そ、そうですか…」
「でもね…君が大学生ぐらいになった時にまだ俺の事が好きなら…その時は付き合おうよ」
「はい…」
まどかの目には涙が溜まっていた。そりゃそうだろうなと思う。好きな人に頑張って勇気を出して、デートに誘って、オシャレして、少しでも気に入ってもらえるようにしてきたのだろう。
「本当にゴメン…でも君みたいな可愛い女の子に好きになってもらえて俺は凄く嬉しいよ」
「春斗さん…私…」
「?」
「あきらめません!!絶対にあきらめないです!」
「ありゃ?逆に火が着いた?」
「こうなったら…色んな手を使ってでも惚れさせてみせます!」
「が、頑張れ…」
「今日はここまでにしてあげます!明日から覚悟してくださいね!」
「は、はい…」
△▼△
「って、コトがあってな」
「どういうコトだよ」
春斗のデートの話を聞いた奏太が驚いている。楽しいデートで終わったという報告かと思ったら、まさかのまどかちゃんに惚れられてるというビッグニュースだった。
「でも…まどかちゃんの事、頼んだよ」
「あぁ、任せとけ…!」
春斗は面倒見がいいから大丈夫だろう…
「その…まどかちゃんのコトなんだが…奏太、これを見てくれ…」
春斗から差し出されたスマホの画面を見ると、怖いくらいメッセージが送られて来ている。
「『春斗さん?メッセージ見てますよね?早く返信ください』だってさ…しかも可愛い自撮り付き…」
「可愛い写真はありがたいんだけど…メッセージが怖いんだよ…」
「これは…中々に大変だな…」
ぜひともまどかちゃんには幸せになってほしい。
△▼△
「春斗もついに負けて、まどかちゃんとお付き合いしてるもんな~」
「まどかちゃんも、諦めずにずっと春斗くんにアピールしたよね!」
「毎日送られてくる大量のメッセージは、怖いけどな…」
「私もやろうか?」
「あおいが、やると冗談じゃないくらい怖いから止めて…」
「嘘だよ!」
ケラケラと笑うあおい。大人になった今でもこうやって冗談を言える関係なのは、凄く嬉しい。
「そろそろ明日の結婚式の準備しないとだ!」
「えぇ~!あとででいいじゃん!」
「あおい!さっさと済ませて、ゆっくりするぞ」
「は~い!」
ベッドから勢い良く起き上がったあおい。胸の揺れ具合が、穏やかじゃない。
「奏太…胸ばっかり見ないの…」
「つい見てしまいました…」
「じゃあ…今からシちゃう?」
「あとで!」
「ちぇっ!ケチ!」
ケチとはなんだ。酷いな。
「あとでたくさんシような…///」
「素直じゃないんだから~!私のダーリン!」
隙を見て、ちまちまと書いてます。