ゲート封鎖、再開通の流れで終わり
原作と比較して誤りがあるかも。その場合はすみません……。
「没入感のあるゲーム、楽しかったですわストーム1。 また遊んでくださらない?」
「いやだ。 それより約束だ、もう悪い事はするな、良いな?」
「あぁん釣れないわねぇ。 でも良いわ、前向きに努力してあげる。 だから、ね? ストーム1死んで? 死んで永遠にわたくしと一緒にいて?」
「だが断る」
シミュレータから現実に帰還後、ハーディは霊体の状態で、ストーム1の腕に抱きつき懇願するも、本人は心底嫌な顔で塩対応。
そこに漬け込むようにして、もう片方の腕にロゥリィが抱きつきおねだりするも。
「そうよぉ、ストーム1の魂は私の体を通って戦いの神エムロイに召されるのよぉ」
「違う。 というか、もうそっちの世界の神様とは金輪際関わりたくないんだがそれは」
「とか言ってぇ付き合ってくれそうねぇ」
それも嫌そうに対応、丁重に断った。
遠目に見れば両手に花だが、実態は神様に魂をくれと言われているから悍ましい。
そんな様子を、1歩下がった場所で眺めるジゼル。 羨ましいと思いながらも、主上と先輩亜神がいては遠慮もするし不貞腐れてしまうというもの。
「ンだよ、遊びでも主上様に勝てたのはスゲェけどさ、姉様まで……オレが1番ストームのそばにいたのによぉ……」
ただハーディとロゥリィは、強い男を側に置いてアクセサリーとしたい部分があるのに対して、ジゼルは純愛に近い。
奇しくも、種族が違う娘が1番ストーム1の事を想っていたのだった。
そんな神様界隈に、プロフェッサーは悲劇が起きる前に眼鏡を光らせて咳払い。
今後の展開を説明していく。
「……この後の話だが。 冥王の力添えで、ゲートを一時的に封鎖、特地のクナップヌイで見られた現象が収まるか経過観察後、安定するようであれば間を置いて再度開く。 それにはレレイ、聡明な君の力が必要だ。 協力してくれ」
「私の?」
「そうだ。 冥王から、なんだ……ゲートを開閉する媒体なり術式を貰い、それを行使して欲しい。 君にはその才覚があるとの冥王の見解だ」
方法を自信なく説明するプロフェッサー。
科学者として、未知の存在には懐疑的故に。 それでもプライマーの超技術を嫌というほど見てきたから、まだ耐性はある方だ。
無かったら、いつぞやの参謀や少佐のように病院に行けと言ったり休めと言ったり、仕事に戻れと追い払って匙を投げたかも知れない。
補足するように、ハーディがストーム1に抱きついたままレレイに言った。
「そうね、この娘にはわたくしが魂魄を降ろしても耐えられる稀有な精神も持っているし、知識も十分持っている。 良いでしょう、ゲートの開閉方法と、その為に必要な媒体を授けます」
「? わかった。 後で教えて」
話が早くて助かるが、金髪エルフのテュカはプロフェッサーに尋ねた。
「それじゃあ、ゲート閉じて永遠のお別れってワケじゃないのね?」
「そう、一時的だ。 だが再開通にはどれくらい時間が掛かるか分からないし、そもそも確実に元の世界同士を繋げられるか確実とはいえないが───」
「また伊丹に会えるならヨシ!」
「……まぁ良いか」
事を荒げて面倒を増やす必要もないと判断して、プロフェッサーは現場ネコな彼女に何も言わなかった。
伊丹は遠慮がちに挙手する。
「あのー……俺はどうします?」
「特地で荷造りだろうな。 細かい事は君の上司である檜垣少佐から聞いてくれ」
簡潔に話され、頭を掻く伊丹。 どうにも消化不良感があってモヤついてしまう故に。
特地では炎龍やイタリカ防衛戦など、命の危機に晒されて碌でもなかったが、反して地球での日々は平和な日常で快適であった。
その差異に改めて地球、特に日本の平和と現代文明の有り難さを噛み締める事になったが、一方で特地にいたストーム1や他の隊員、己の部下らが危険に晒されていたと思うと、どうにもやるせないのである。
「はぁ〜……柳田中尉に嫌味言われそうだ」
意気消沈する伊丹だが、常なる最前線であったストーム1は励ました。
「狭間陸将のお膝元か。 特進した伊丹君を妬んで、何かと嫌味に絡む奴だったか」
「まぁアイツの気持ちも少しは分かるような気もします。 努力して防衛大出てエリートの道を苦労して歩んでいたら、功績だけで階級が上がったチャランポランがいたんですもん、自分の努力が蔑ろにされた気分にもなりますって。 文句の1つや2つ出ても仕方ないでしょうね」
「だとしても度が過ぎたら俺に言え。 顔は効くし、なんなら直接しばいても良い」
「あはは、そこまでじゃないので大丈夫ッス」
苦笑して話を終わらせる伊丹だったが、正史(?)では特地の石油資源を巡り、政治的な都合もあってお前らだけで炎龍退治やって来いやと柳田に指図されてキレる展開もある。
何だかんだあって伊丹は個人で準備して、ヒロインズや後から駆け付けた部隊の助けもありながら、犠牲を出しつつも炎龍を倒す事になるのだが……当作ではEDFのノリと勢いでドラゴン共は一方的に倒されて終わったのであった。
プロフェッサーは合わせて、ピニャにも説明。
「ピニャ殿下は、復権したモルト皇帝より正式に皇位を継承するべく、執り行われる戴冠式に出る事になる。 そのまま帝国のトップとして講和交渉を継続して正式な平和条約を話し合い終戦。 今度は我々の地球側との様々な取引をしていく流れになるだろう」
「分かった。 きっとそれが1番丸く収まるのだろう。 なのにゾルザル兄は……残念だった」
「お悔やみ申し上げる。 同じ轍を踏まないように一層努力してくれ」
ピニャは黙って頷くしかない。
プロフェッサー達に気の利いた言葉の1つや2つを求めてしまうのは心の弱さ、甘えであろう。
悪いのは玉座にふんぞり返り、圧倒的な戦力差を考えず、好戦的な態度を取り続けたゾルザルだ。
その脳筋な性格と思考といい、趣味の虐待といい、全く共感出来る相手では無かったが、それでも血族として多少なりとも情はあったつもりだ。
しかし、知らぬ間に兄の所為で多くの血が流れ、戦乱の世が長引いた。 これは罪だ。
そしてピニャもまた、知らなかったとはいえ地球で平和を謳歌していた。 その分の罪は、これから償わねばならないのだろう。
そう胸元でギュッと拳を固め、決意を固めるピニャであったが。
プロフェッサーも心中穏やかとは言えない。
戦犯のハーディは仮想現実の中でしか倒せず、それも今の態度からしてお遊び感覚。
またやらかさないとも限らない。
そして仕組まれていたとはいえ、戦争を起こした皇帝モルトもまた戦犯者。
なのに娘のピニャに後始末を丸投げし、本人は何も罰せられず、そのまま逃げて隠居ルートか。
(皇帝モルト……上手く逃げたつもりか)
それぞれがモヤモヤ、消化不良感を出しながらも、妥協点を模索して反芻、嚥下する。
プライマーはそれが出来ずに完全勝利に拘った為に滅びたとも考察されるが、ゾルザルもまた、似たようにして勝利に拘り過ぎた為に身を滅ぼしたのであろう。
……今度はそうならない事を願うばかりだ。
・・・
暫く刻は経ち。
EDFが特地より完全撤退後、レレイにより直ちにゲートが閉門。 ゲートは銀座とアルヌスから、忽然と姿を消した。
そこから何日も経過。 もう開かないのでは、という焦燥感や不安が募る中、ゲートが開門、再び姿を現した。
警戒するストーム1含むEDF隊員ら。
しかし、今度現れたのは異世界の軍隊ではなく。
「ストーム1、また会えましたね」
「あらぁ、お出迎え感謝よぉ」
「イタミ」「ヨウジ!」
美しい少女達であった。
その中にはジゼルも混ざっていて。
「よ、よぉストーム1。 また会えるなんて奇遇だよな……」
しおらしく、頬を染めて内股をモジモジと擦る。
そこに亜神としての威厳はなく、乙女な仕草全開。 その様子に周囲は揶揄っていく。
「あらぁジゼルゥ〜尻尾が揺れてるわよぉ?」
「なっ!? 嘘言わないで下さいよお姉様!」
「あらあら、主上のわたくしがいながら、殿方にうつつを抜かしているなんて、よよよ……」
「ち、違うんです主上ハーディ様!?」
「でも門を開くまで、1番落ち着き無かった」
「そうよねぇ? 恋焦がれる乙女だったわ」
「この小娘共が!?」
ジゼルが顔真っ赤で慌てる中、ストーム1はフッと笑いながら、そっと彼女の頭に触れて撫で回す。
「お帰り」
その微笑みとイケボに、ジゼルはあっさりとコロッとイッちゃって。
「…………ただいま」
ぷしゅぅ〜と頭より蒸気を出すジゼルなのであった。
こうして、地球と特地の交流は再開。
ピニャを頂点とした新生帝国と地球は平和条約が結ばれ、技術交換や共同の建物や商売が始まり、かつての戦場はいつも以上に活気で賑わっていった。
他種族への相互理解と研究が進む中、資源や文化的衝突もありながらも、EDFは再び現地に展開。
今日も双方の人命財産を守る盾となる。
多くの犠牲があった。
だが希望はあった。
新たな秩序が掲げられ、悪が蔓延る事は無い。
こうなると、初めから分かっていた。
何故なら君がいる。 平和を守る君達がいる。
その名を双方の世界に生きる人々は空に叫ぶ。
「「EDF!!」」
明るい未来を、人々は歩んでいく───。
後書き
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。色々モヤモヤする作品となってしまいましたが、これにて完結という事に。
長く放置していましたが、積み小説が片付いたような気持ちもあり、これで他の積み小説に移れるのかな、等と愚考したり。
感想でもありましたが、方向性がブレブレで一貫性の無さ、雑、gdgd感、クロスの相性が悪い事の指摘など、手厳しい意見もありました。
ご尤もですし、この終わり方も納得できないという読者様が大半かも知れません。作者も、もっと上手く書けたのでは、とか、最初の頃の勢いや方向を定めておけば……等の後悔もあります。
駄文続きとなり、打ち切り感のある、歯切れの悪い文章の羅列の中……それでもここまで書けた事、付き合ってくれた読者様に感謝を。
また何処か別の小説等でお会いし、そこでより多くの方を楽しませる事が出来たら幸いです。
改めまして、ありがとうございました。