ヒロアカ世界のブルアカ転生者たちはハッピーエンドを目指す 作:ブルアカとヒロアカって響きが似てるよね
ジェントル・クリミナルに対する独自解釈をわりとガッツリ含みます
あと語録ネタもちょっと入ってます
その日、迷惑系現代の義賊系動画投稿者、ジェントル・クリミナルのもとに1通のDMが届いた。その内容は、要約するとコラボをしないかというものであった。
しかしながら彼は世間一般でいうところのヴィラン。当然そんな者とコラボをしようなんてメッセージが届けば、喜びより先に警戒が来る。実際に前にコラボを装ってこちらを捕まえようなんて計画があったばかりだしなおさらだ。
「ラブラバ、少し調べ物を頼まれてはくれないか?」
「わかったわ。その『少女忍法帖ミチルっち』っていうチャンネルを調べればいいのよね」
「ああ、これがもし本当に一ファンだったならそれは申し訳ないが、一流の義賊たるもの下調べは欠かさないものだからね」
「流石よジェントル!すぐに取り掛かるわね」
ラブラバがハッキングを駆使して調べてくれている間に、ジェントルはそのチャンネルにアップされた動画を見てみることにした。
動画の内容は主に忍者に関することばかり。自作の忍術を試そうとしてみたり、忍者映画のレビューをしていたりとよく言えば微笑ましい、悪く言えば面白みに欠けるものだった。
その判断の裏打ちをするように、動画の再生数はどれも2桁であり、チャンネル登録者もほとんどいない。
そんないわゆる底辺投稿者と呼ばれる状態を見て、彼は親近感を覚えた。
何故なら自身にもそのような時期があったからである。今は機械の扱いに長けた相棒のおかげで(あくまで当時と比べれば)再生数も増えているが、昔の誰にも見向きもされず苦しんだ時期のことも忘れてはいない。
なにも怪しいところがなければコラボくらいならしてあげようか、なんて思うくらいにはジェントルからのそのチャンネルを運営している少女たちへの印象は良好だった。
「調べ終わったわよ、ジェントル。一通り見てみたけど怪しいところはなかったわ」
「そうか。なら了承の言葉を送ってくれ。まだ幼い少女たちの願い、叶えてあげようじゃないか」
数日後、待ち合わせをした場所に向かったジェントルたちは、ただ立ち尽くしていた。
「ラブラバ、本当にここなのかい?」
「送られてきたデータによるとここのはずなんだけど……でも見かけは悪いけど中身はしっかりしてるって書いてあったわ」
そこにあったのはボロボロの廃工場らしき建物。まさか高度な嫌がらせだろうかという考えが頭をよぎる。
「まあとりあえずは指示に従ってみようか」
DMにあった指示に従い、内部の機械―奥から三番目、右から二番目―のレバーを下げる。するとさっきまでただの壁だった部分が音を立てて上に開いた。
「なるほど、そういう仕掛けか。中々に凝っているな」
できた道の先に進む。暗い道を進んでいくと、ほのかな明かりに照らされた扉があった。
扉を開けると眩しい電灯の光が目に入る。くらんだ視界が回復すると、そこには3人の少女がいることがわかった。
「よぅこそージェントルさんたち!ここが忍術研究部の活動拠点なんだぁ。あ、私は
先に伸びるにつれて黒色が濃くなっていく薄灰色の髪と頭に生えた狸耳がチャームポイントの少女。
「お初にお目にかかります。拙者、
狐耳を生やし、制服の上から和服を羽織り太腿には仕込みクナイまでつけている本格派忍者。
「ええっと……よ、ようこそお越しくださいました……!私の名前は
この中で一番の長身を誇る、ウサギの耳が垂れており片目を前髪で隠している少女。
この三者が出迎えの言葉を述べた。
「ふむ、では私も自己紹介といこう。私こそは現代の義賊、ジェントル・クリミナルだ」
「そしてそのアシスタントのラブラバよ!」
「よろしく頼むよ、お嬢さん方」
客人である2人に部屋に備え付けの緑茶が出されたところで、動画投稿者たちは今回のコラボについて話し合うことにした。
「この度はコラボ依頼をくれて感謝しているよ。それで今回の動画の内容はなんだい?」
「ふっふっふ……私は気づいたの。どれだけ忍者のかっこよさを伝えたところで、全部エッジショットに持っていかれる……ならそれに負けないくらいのインパクトを残せばいいの!」
「……つまり何をすると?」
「ヴィラン退治をするの!そこでかっこいい活躍ができれば登録者も増えるはず……!」
その案を聞いた時、ジェントルの頭の中には葛藤があった。
そもそも彼が今の道を選んだ理由には、彼が過去個性を使って人を助けようとした結果ヒーローの活動を妨害してしまったこと、そして過去の同級生から忘れ去られていたことからどんな手段を用いても歴史に名を残す、という強い信念を思い出したことなどの要因が挙げられる。
それでも彼が現代の義賊を謳いながらもはたから見ればしょうもないような活動ばかりしてきたのにはわけがあった。
彼の中には今もなお恐怖心があったのだ。人を助けようとしてまた誰かを傷つけてしまうのではないか、と。それはトラウマと言ってもいい。
故に彼は消極的な活動を続けてきた。それしかできなかったからだ。誰かの名声を傷つけるようなやり方ならば、誰も直接的に傷つけることがないから。
「わ、私は……」
だから今回も彼が選んだのは現状の維持だった。だれしも自らのトラウマをほじくり返すような真似はしたくない。この思いを覆すのは、本来一人のヒーローを目指す少年のはずだった。
しかしこの世界線においてそんな彼に待ったをかけたのは、ほかならぬ彼のファンだった。
「あら、いいじゃない!優雅に華麗にヴィランを倒し颯爽と去るジェントル……いいわ、絵になるわね!」
ラブラバが満の意見を肯定する。その原理は単純で、愛するジェントルのかっこいいところが見たいから。
そんなシンプルで強い思いのこもった言葉だからこそ、ジェントルの心は揺らぐ。
(ラブラバは優雅な真の紳士たる私を望んでいる……この声に背くような男に果たして歴史に名を残すことが叶うというのか?)
彼にだって夢はある。その思いが他人に劣るような軽いものだとは思っていない。
「ラブラバ殿はジェントル殿が好きなのですね!」
「もちろんよ!ジェントルは私の全てだもの!」
「誰かのために頑張れるって……す、すてきだと思います……!」
(そうだ……ラブラバはいつも言ってくれているだろう。私を愛していると。私のために今まで活動を支えてくれていたじゃないか!その信頼を裏切るような輩が夢を叶える?それはヒーローはおろか義賊ですらない、信念なきチンピラのようなものじゃないか……!私は……私は!)
「……満君」
「えっと……なにかダメだった?」
「いいや、実にいい案だとも。これならばファンも大喜び間違いなしだとも!是非協力させてもらおう」
「わーい!よろしくねぇ~」
今ここに、二つのチャンネルのコラボが正式に決定した。
忍術研究部部長、千鳥満は共に活動する2人と自分の違いを感じ取っていた。
彼女は前世からミチルが好きだっただけの普通の人間であった。なにか特技があるわけでもないし、下手でも熱心になれるものがあったわけでもない。だから彼女に憧れたのかもしれない。
でも彼女たち、泉奈と月夜は違った。本物と似ていたということもあるが、なにより信念のようなものがあった。一流の忍者になりたい、自分を肯定してくれた仲間の役に立ちたい。己の本心から出たその言葉を聞くと、誰かの影を追うしかできない自分がひどくしょうもない人間に思えた。だって彼女がこの世界に転生してやろうとしたことは先人、つまりミチルをなぞって生きることだったのだから。忍者という概念が嫌いなわけではなかったし、自分がそうなれるならかっこいいだろうなあとも思っていたからこそ動画投稿という活動を始めたわけなのだが、その道は過酷だった。
再生数は増えないし、動画のクオリティーもなかなか上がらない。まあこれには個性による本物をなぞる力の効果もあったわけなのだが、そうと知らない彼女は日々努力を重ねた。
そんな時、その動画を見つけた。原作を読んだ記憶も朧げになっていたがそのキャラのことは覚えていた。ジェントル・クリミナル、自身と同じく動画投稿を生業とする者である。
その時彼女はひらめいたのだ。彼とのコラボを、そして彼のヴィランとしての方向性を変える作戦を、なにより自身の知名度をアップさせる企画を。
そこからの彼女の行動は迅速だった。連絡を送り、コラボの打診をした。待ち合わせ場所にはエンジニア部や先生の手を借りて作った特製の部室を選ぶことでこちらのすごさをアピール。現場では何かダメな所があれば相手に合わせて柔軟に対応しようと考えていたが、案外するっと受け入れられた。
彼女は良くも悪くも影響力のある人材とのコラボに成功したのである。
そして撮影当日。
「これ、私いらなくない?」
満はこのような結論にたどり着いた。
ヴィランには出会えたし、撃退にも成功した。だがその中に自身の手柄と呼べるのものが何一つなかった。
ジェントルは強かった。長年
ラブラバもすごかった。そもそも今回のターゲットたる犯罪行為を企てていたヴィランの拠点をハッキングで突き止めたのは彼女であった。彼女がいなければ危うく動画の趣旨が成りたなくなるところだった。
いつも共に活動をしている彼女たちも活躍していた。泉奈はその身のこなしでうまく場を混乱させていたし、月夜も謎に見つからなくなる変化の術でいい感じに敵の逃走の妨害をしてくれていた。
満だけが、なにもできなかった。まあ当然と言えば当然ではあるのだが。なぜなら彼女に強力な戦闘技能などはない。EXスキルを真似て仕込み花火を投擲することくらいはできるが、ぶっちゃけ見た目重視で威力はない。彼女になにかを成せる実力などなかったのだ。
(ま、別にわかってたことだけどさ)
少なくともいい動画は撮れたのだし今日の目的は達成できただろう。そう思い込んで自分の心を見なかったことにした。
そしてその帰り道、わいわいとジェントルやら忍者の良さを話し合っていたところ、ジェントルが満に話しかけてきた。
「すこしいいかな?」
「うん?どうしたの?」
「何、君の顔がどこか曇っているように見えてね。なに、年上からの余計なお世話のようなものだと思ってくれればいいさ。君は……自分には何もできないと思っていないかい?」
「……!」
「私にもそんな時期があったのだよ。伸ばした手が誰にも届かず、自分は何をしても駄目だと思いこんでいた時期がね」
「……」
「動画投稿を行う今のスタイルになっても、悩み眠れない夜もあった。そんな私にとっての転機は彼女……ラブラバとの出会いだった。彼女が支えてくれたから今の私がいるのだと思っている。君にもいるのではないかい?声をかければ支えてくれる存在が」
「でも……私は……」
「それとも君は彼女たちを信頼していないのかい?」
「そんなことない!泉奈は、月夜はいい子たちだもん……そんなことわかってる……」
「ならば肩を預けてみるというのも一つの選択肢だとも。我々は一人でも戦うヒーローではない。信頼し合う仲間と共に社会を轟かす行動を起こす者なのだから」
「うん……ありがとね、ジェントル殿」
「なに、私の迷いを晴らしてくれた礼だとも」
1:名無しの生徒
今回の「少女忍法帖ミチルっち」見た?
2:名無しの生徒
見たわ
変わり身の術ってキヴォトス人だったら頑張ればできるんかな
3:名無しの生徒
教えてる側の語彙が感覚派なせいでよくわからん
なんだよ「そこでバッてしてとおっ!って感じです」って
4:名無しの生徒
逆になんであの指示で惜しいとこまでいけるのかがわからん
5:名無しの生徒
あのチャンネルも伸びて来ましたなぁ
6:名無しの生徒
うわ
後方理解者面だ
きつ
7:名無しの生徒
まあここにいるやつは初期からのファンだし
8:名無しの生徒
(なおだれもチャンネル登録はしていない)
9:名無しの生徒
>>7だってあのチャンネルの登録者が多いことが解釈違いっていうか……
10:名無しの生徒
お前の推し誰かわかったわ
11:名無しの生徒
わかりやすすぎるだろ
12:名無しの生徒
いいだろ別に
あのふにゃふにゃ声が好きなんだよ
13:名無しの生徒
あれ転生してもああってことは肉体的な問題なんかね
14:名無しの生徒
そうじゃない?
まあ意図してやってる可能性もあるけど
15:名無しの生徒
養殖か天然かってこと?
16:名無しの生徒
どっちであっても俺は構わん!
17:名無しの生徒
これはファンの鑑
18:名無しの生徒
そういや話変わるんだけどさ
ジェントルっているやん
19:名無しの生徒
あああの終盤で活躍する人ね
20:名無しの生徒
そういやこっちにいれば生で動画見れるのか
21:名無しの生徒
その動画にさ
忍術研究部が出てたんだけど
22:名無しの生徒
え、マジ?
23:名無しの生徒
どういう経緯を経てそうなったんだ
24:名無しの生徒
あー動画投稿者同士だからつながり自体はあるのか
25:名無しの生徒
誰かリンク貼ってくんない?
26:名無しの生徒
ほらよ
27:名無しの生徒
うわほんとだ
仮面つけてるけどこれそうだわ
28:名無しの生徒
もしかして一回ミチルっちが垢バンされたのってこれのせい?
29:名無しの生徒
多分そう
今はもうないけどその時は素顔ガッツリ出してたし
30:名無しの生徒
なんでそれで捕まってないんですかね
31:名無しの生徒
先生がなんかしたんやろ多分
32:名無しの生徒
まぁた先生の仕事が増えてるよ
33:名無しの生徒
てかこれ最悪雄英襲撃の時に忍者三人組連れてくるかもしれないってこと?
やばくない?
34:名無しの生徒
あーそのパターンもあるのか
35:名無しの生徒
いやでも転生者がそんなことするか?
逆に止めるんじゃない?
36:名無しの生徒
まあコラボ相手捕まるのわかってて止めないのも違うか
37:名無しの生徒
でもジェントルが捕まらんとダツゴク止められなくなるし
38:名無しの生徒
うーんわからん
39:名無しの生徒
まあ本人たちがなんとかするやろ(丸投げ)
40:名無しの生徒
忍者とヒーローのバトルちょっと見てみたいな
41:名無しの生徒
あいつらはヒーロー免許取る気はないんだっけ
42:名無しの生徒
そっち系の授業受けてないしそのはず
戦闘訓練なら最近出てるけど
43:名無しの生徒
これはもしかしてガチ現代の義賊ルート入ったか?
44:名無しの生徒
ドーモ、ヴィラン=サン、ニンジャです
45:名無しの生徒
アイエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?
46:名無しの生徒
この世界にその語録ないじゃん
47:名無しの生徒
つまり俺達がブームを起こせるってこと?
48:名無しの生徒
やだよ語録に支配されたヒロアカ
49:名無しの生徒
inm語録の使い手AFO概念?
50:名無しの生徒
先輩が見つからないのは脳無にされていたからだった?
51:名無しの生徒
戦いたくねぇよ攻撃するたび汚い声上げる脳無とか
52:名無しの生徒
これ以上いくと取り返しがつかなそうだからやめよっかこの話
53:名無しの生徒
じゃあ忍者っていうとこっちだとエッジショットが有名だけどそこんとこどうなの?
54:名無しの生徒
だからミチルっちは人気がないんや
55:名無しの生徒
忍者のかっこよさをどうのよりもガチ忍者がいるせいでそっちに話題が持ってかれるんだよね
56:名無しの生徒
でも今はそこから人が来ることもあるし……
57:名無しの生徒
どゆこと?
58:名無しの生徒
ほら今誰でも忍者になれる教室やってるじゃん
そこに忍者=エッジショットに憧れてる一般人がたまに見に来るんだよね
59:名無しの生徒
あれ本当に誰でもできるんか?
60:名無しの生徒
まあ憧れるのはその人の自由だし
61:名無しの生徒
本人が気づいてないだけでスペック自体は高いから一般人には到底無理な動きしてるって話する?
62:名無しの生徒
結構です
63:名無しの生徒
あのまま進行していったらどうなるんだろうな
64:名無しの生徒
そりゃパーフェクトニンジャが誕生すんだろ
65:名無しの生徒
そしたらそれはそれで見てみたいな
66:名無しの生徒
こうして今日もチャンネル未登録者のファンたちは動画を見漁るのであった
満
ミチルの転生者
そのキャラが好きなタイプ……と見せかけて感性もわりと似ているタイプ
同じ動画投稿者としてジェントルと関わった
本編後は何もできない自分だからこそできる素人からの成長を見せるシリーズを始めた
ジェントル・クリミナル
原作で描写されていない要素(ヒーロー志望だったのにヴィジランテにならずヴィラン側に寄った活動をした理由)をガッツリ補完した
矛盾はない……はず
少なくともこの世界線ではこういうキャラだったことにします