時は現代
世界には様々な悪の組織が存在し、人々の生活を脅かしていた
しかしそんな悪の組織に対抗すべく、人類は様々な方法で力をつけていく
これはそんな世界で生きている1人の人間の物語である
なんとなくパッと思いついたネタでサラッと書いてみたものです
まぁ、続きが気になるといった人が多ければ続きを書くかもですね
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逃げ惑う人々とそれを追いかけまわす全身黒い衣装に身を包んだ何人もの存在。
そしてそれらに指示を出している異形の存在。
彼らは逃げ惑う人々に襲い掛かると動けない程度に攻撃を加えてから箱のようなものへとその人間たちを投げ込んでいっていた。
箱の中からはうめき声のようなものがいくつも聞こえてきており、すでにかなりの人間が捕らえられていることが分かった。
「ぶひーっひっひっひ!大量大量ぶひっ!」
「なんでかは分かりませんが大量の人間が楽に捕らえられてラッキーでしたね。ブタリムさま」
「そうぶひな。まぁ、ほとんどが日本人ではなかったのは気になるところだが人類であることには違いがないぶひ。怪人の素材でも食料でもなんにでも使えるぶひからな!」
捕らえられていく人間たちを見ながらブタの怪人、ブタリムは愉快そうに笑い声をあげる。
なにかのイベントをやっていたのかは不明だが彼らは偶然大量の人間たちが集まっているのを見つけ、そのまま襲撃をかけてその人間たちをと捕らえていっていたのだ。
彼らにとって人間は一番の下っ端である戦闘員たちの素材であったり食料だったりするため、どれだけ多くいても困らないのだ。
ちなみに生かして捕らえているのはその方が素材に使った際に少しだけ頑丈になるのと、食料として食べる際に新鮮な状態を維持するためである。
「待てっ!」
「お前たちの悪事もここまでだ!」
「大人しく俺たちに倒されるがいい!」
ブタリムたちが人間たちを捕らえていると不意に大きな声が周囲に響き渡った。
見れば複数人の人間たちが並んでブタリムたちを睨みつけながら立っていた。
彼らの姿を確認したブタリムは忌々しそうに顔を歪める。
「ぶふぅ~……。お前たちが我々の目的の邪魔をしているという人間たちぶひか。たしか……、ジャスティスファイブとか言ったぶひかな」
「そうだ!俺たち5人の正義がお前たち悪を砕く!」
ブタリムの言葉に赤い服を着た人間、ジャスティスファイブのレッドが答えた。
そして、5人は腕に付けた機械を操作してその衣装を変えていく。
「燃える心は正義の心!ジャスティスレッド!」
「人を敬う誠実の心!ジャスティスブルー!」
「人と繋がる友情の心!ジャスティスイエロー!」
「人を愛する慈愛の心!ジャスティスピンク!」
「悪を許さぬ裁きの心!ジャスティスブラック!」
「「「「「5人揃って、ジャスティスファイブ!!」」」」」
それぞれの決め台詞とともに5人はポーズをとる。
ジャスティスファイブ5人がポーズを決めたのを確認したブタリムたちは戦闘態勢へと移行していった。
そんなブタリムたちの光景を少し離れた位置で見ている姿があった。
「はい。ジャスティスファイブと接触しました。自分はどう動きますか?……はい、はい。了解しました」
その人物はどこかに連絡をおこなっていたらしく、手に持った機械に向かって話しかけていた。
やがて話が終わるとその人物はまだ少し残っていた捕らえていない人間たちを一気に捕らえて箱の中へと詰め込んでいった。
どうやらブタリムたちの加勢よりも人間を捕らえることを優先するように言われたようだ。
それから彼が残っている人間たちを捕らえていっていると、不意にひときわ大きな爆発音が彼の耳に届いた。
音の聞こえてきた方へと目を向けてみれば、ジャスティスファイブたちがなにやら固まってなにかを撃ったかのようなポーズをとっていた。
さらに周囲を見回してみるとブタリムたちの姿が見当たらない。
どうやら彼らの必殺技かなにかでブタリムたちは倒されてしまったようだ。
そのことを理解した彼はすぐに周囲に残っていた他の下っ端たちに指示を出していく。
「総員、撤収開始。奴らとの戦闘はすべて回避し捕らえた人間たちを持ち帰ることにのみ集中しろ」
「了解!」
彼の指示を聞いた下っ端たちは手早く人間たちを捕らえた箱を閉じると、そのまま下っ端たち全員で持ち上げて走り出していった。
逃げていく下っ端たちの姿に気がついたジャスティスファイブたちは慌てて救助のために下っ端たちを追いかけようとする。
しかしそんな彼らの前をふさぐように彼は下っ端たちとジャスティスファイブたちの間に移動していった。
「くっ!逃が「いいや、逃げさせてもらうよ」す―――な、にぃっっ?!」
逃げていく下っ端たちの姿に焦ったのかレッドは間に立っている彼のことなど気にもせずに飛び出していく。
しかし、彼はそんなレッドの頭を片手で止め、さらに他のジャスティスファイブたちのもとへと投げ返した。
逃げ出していく下っ端たちと同じような格好をしている人物にあっさりと動きを止められ、あまつさえ投げ返されてしまったという事実にレッドは思わず困惑の声をあげてしまう。
「なんだあいつは?!」
「レッドのことをあんなに簡単に止められるなんて……」
「どうやら普通の下っ端とは違うみたいだな……」
あまりにもあっさりとレッドを投げ返した彼に残りのジャスティスファイブたちは警戒心を強める。
彼らの着ているスーツは身体能力を大きく向上させる効果があり、それによって怪人たちと普通に戦うことができるようになる代物だ。
その性能は凄まじいの一言に尽きるものであり、一般人の女性であろうとこのスーツを着れば格闘技の世界チャンピオンになれるだろうとまで言わしめたスーツなのだ。
そのため、そんなスーツを着ているレッドのことをいとも簡単に止めた上に投げ返してしまった彼を警戒するのは当然のことだといえるのだ。
「お前、何者だ!恰好はさっきの下っ端たちと同じだが明らかに強さが違う!」
「あん?ただのバイトだよ。 バ イ ト 」
「バイト……だって?!?!」
なにをされても大丈夫なように警戒をしながらブラックが彼に問いかける。
ブラックの質問に彼はめんどくさそうにしながらもバイトだと答えた。
彼の自身はバイトだという言葉にブルーは驚きの声をあげる。
「知ってるの?ブルー!」
「ああ、知っている!そして彼が本当にバイトなのだとしたらぼく達だけの手に負える相手じゃない!」
「な、なんですって?!」
ブルーの言葉にジャスティスファイブたちは驚きの声をあげ、警戒心を最大にして彼を見た。
ジャスティスファイブたちの様子に彼は少しだけ疲れたように肩をすくめる。
そんな彼の動作にすらブルーは体を強張らせており、それがさらにジャスティスファイブたちの警戒心を高めるのだった。
「“
「そ、そんなに強いやつなんてヤバすぎるじゃないの?!?!」
「くっ、でも俺たちが彼らを助けなければ……ッ」
彼についての情報を知っていたブルーの言葉にジャスティスファイブたちに動揺が走る。
海外のヒーローたちの強さがどれほどのものかはテレビくらいでしか知ることはないのだが、それでもトップ2ともなればかなりの強さを誇っているはず。
そんな存在に対して無傷で勝利したという情報はジャスティスファイブたちに絶望感を与えるのには十分すぎるほどのものだった。
恐れを含んだ目でこちらを見てくるジャスティスファイブたちに対して、彼はため息を吐いて小さく呟く。
「だから……、俺はアルバイトだっての……、ハァ……」
そんな彼の呟きは誰かの耳に届くことはないのだった。