チュートリアル兼サポート兼裏ボスやってるタイプのお兄さん   作:ゲガント

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主人公のアンラさんはポケモンのゲームに出て来た地方には全て赴いてます。
ポケモンスリープの島々にも行ってます。
スヤスヤ眠るイエッサン…カワイイ、カワイイネ



それでは、どうぞ


空旅と再会

「そういえばパルデアのタクシーはイキリンコでしたね」

「他の地方でタクシー業を担っているアーマーガアはパルデアにおいては明確な天敵が存在していますからね。乗客等に降りかかる被害を考えると採用は難しいでしょう」

「あぁ……あの子らか。最近はガラルに滞在してたから忘れてたなぁ」

 

空の上にて、そらとぶタクシーの多人数用のワゴンに揺られながらそんな会話を交わす。

外を見れば眼下にパルデア地方の街並みがあり、そこにある人々の活気づいた営みも見えた。

 

「鋼飛行タイプの相手によくやりますよね、別に有利なタイプじゃないだろうに」

「天敵とはただ相性の問題で決まる物ではありませんからね」

「分かってますよ、自然界で不思議と成り立ってる物が沢山あるのは散々見てますから」

「ほほう、例えばどんな物が?」

「エサを取り合うランターンとネオラント」

「……それは、」

「タイプ相性的にランターンがガン有利な気がするんですけどねぇ。ポケモンは未だ分からないことだらけですよ……あ、野生のヤヤコマの群れ。すいません撮影しても?」

「大丈夫ですよ、お気になさらず」

 

一応断りを入れてアンラは旅行鞄からカメラを取り出して撮影を始める。

タクシーの横を通り過ぎてゆく鳥ポケモン達が驚かないようにフラッシュは焚かず撮影していると、不意にクラベルが口を開いた。

 

「そういえばアンラくんはスマホロトムは使わないのですか?」

「んぇ?あー……確かにあれば便利そうだし最近はポケモンの言葉の翻訳機能とかも開発されたとは聞きますけど……そこら辺は助手やってくれてるイエッサンが居たら全部解決するし早いから「また今度でいいや」ってなるんですよね、そもそも連絡位にしか使わないし。あ、でも宙に浮くならメモ帳として便利そうだなぁ」

「成る程、そういった理由もあるのですね」

 

理由を述べながらアンラはカメラで撮った写真を確認し始める。

結構高性能な物らしく、レンズとは反対側にある画面には躍動感溢れるヤヤコマとヒノヤコマの群れの様子が映し出されていた。

 

「ほほぉ、見事な腕ですね」

「野生のポケモンは資料の為に長年撮ってるから慣れてるだけですよ、本職には及びません。最近は……確かサザレってカメラマンが頭角を現してまして、私も彼女の写真を見たことありますが相当いい腕でしたよ」

「あぁ、彼女の写真なら私も拝見したことがあります。生き生きとしたポケモン達の姿を見事に切り取っているものだと感心した記憶がありますね」

「あぁ、そういえば写真で思い出したんですが、レンティル地方でイルミナ現象というものが………」

 

そんな雑談をしていれば時間は早く過ぎるもので、いつの間にか眼下には目的地の街が広がっていた。

 

「お客さん方〜!そろそろテーブルシティに到着しますよ〜!」

「おっと、そろそろですね」

 

 

 

 

 

 

「や〜、久々に見たが相変わらず立派な校舎だなぁ」

 

テーブルシティに降り立ち、街の中心にあるオレンジアカデミーの校舎を見上げれば、中心の建物にあるモンスターボールのオブジェが存在感を示している。

他地方を巡る中で数々の学校を見てきたアンラとしてもここまでの規模の物は記憶の中にも早々無い程だ。

 

「確か前来た時にもうすぐオレンジアカデミーが出来てから800年になるとか聞いてましたが」

「えぇ、今年で創立805年目になります。パルデアの人々に支えられ、今もこうしてパルデア随一の学び舎として健在する事が出来ています……とは言え、問題が無いとは言えないのですが」

 

そう言い淀みながら少しばかり落ち込んだように一つ息を吐く。

どのような気苦労なのかまだ来たばかりのアンラには測れない為どう声を掛けようか迷っていると、後方から生徒らしき子供達な正面の階段を駆け上がり始めた。

 

「あ、校長先生だ!」

「校長先生!おはようございまーす!」

「はい、おはようございます。今日もしっかりと勉強してポケモン達と仲良くするのですよ」

「「はーい!」」

 

手を振りながら返された挨拶に元気よく返事した子供達はそのまま階段上の学校目指して走る。

その光景を若干気配を薄めながら一通り見届けていたアンラは微笑ましげにしながら口を開く。

 

「慕われてますね。人の良さはあの研究チームにいた頃から変わってないようで何よりです」

「教師冥利に尽きます、私としては嬉しい限りですよ………さて、先ずは職員室ですね。授業が始まるまでまだ少し時間がありますから、アンラくんが補佐を務めるお二人と顔合わせをしておいた方がよろしいでしょう」

「分かりました」

 

 

 

 

 

「どうも~、おはようございまーす」

 

オレンジアカデミーの職員室、朝のHRが始まるまでまだ時間に余裕があるぐらいの時刻にそこへ入室する人物が1人。

 

「あ、キハダ先生、おはようございまーす」

「おはよう!もうちょっとシャキッとした方が良いと思うぞジニア先生!」

「すいません、少しばかり夜更かししてしまいましてね〜」

 

同僚の指摘にあはは、と困ったように笑いながらジニアは頭を搔く。その頭髪には少しばかり寝癖のようなものが見受けられ、ちょっとばかし抜けてる雰囲気を醸し出していた。

 

「そういえばジニア先生の担当クラスに編入生が来るのは今日だったな!」

「はい、どんな子か楽しみです〜」

 

その後も今日の授業の話や自身が受け持つ生徒達の話で盛り上がっていると職員室の入り口が開く。

 

「ジニア先生、キハダ先生、コチラにいらっしゃいましたか」

「校長、おはようございます〜」

「おはようございます!」

「はい、おはようございます。突然ですが2人に紹介したい方がいらっしゃいまして、今お時間は大丈夫ですか?」

「えぇ、大丈夫ですよ」

「しかし会わせたい方とは?」

 

突然の話にジニアとキハダは揃って首を傾げながら尋ねる。

その反応を予想していたクラベルは特に溜める事なく内容を告げた。

 

「もう連れて来てますよ」

「や、久しぶりだなジニアくん」

「アンラ博士!?」

 

クラベルの後ろに隠れるように着いてきていたアンラがひょっこり顔を出しながら笑顔で手を振る。

一瞬ギョッとした様子のジニアだったが、状況の整理が追いついたのか目を輝かせながら立ち上がってすかさず握手の為に手を伸ばした。

 

「お久しぶりです〜!いやぁビックリしましたよ〜、到着はまだ先だって聞いてましたから」

「久々のパルデアだからね、仕事の前に地形とかの把握をしておきたくって」

「あはは、アンラ博士らしいですね〜、あの研究チームに協力して下さってた時以来でしたっけ?またこうして会えて嬉しいですよ、お変わり無いようで何よりです」

「そういうキミは前よりも男前になったんじゃないか?」

「そうですかね〜?」

 

ニヤリと笑いながらの言葉に照れくさそうに笑っては返す。

そんな風にジニアが会って早々に親しげに会話し始めた一方、突然現れた見覚えのない人物に呆気にとられていたキハダはその会話に入り込めず困惑した様子でクラベルの方へ助けを求めるように視線を向けた。

 

「えーっと………校長、こちらの方は?」

「前々から通達していた臨時講師の方ですよ」

「おっと、挨拶が遅れて申し訳ないね。私はアンラ、主にキミとジニアくんの授業の補佐を務める予定だよ」

「い、いやいや構わないとも!久々の再会ならば積もる話もあっただろうからな!私はキハダ、バトル学を担当している!よろしく頼むぞ、アンラ先生!」

「コチラこそよろしく、キハダちゃん」

「ちゃッ………!?」

 

何とか気を取り直して握手しながら挨拶するも、予想外の呼び方をされたキハダは頬を赤く染めながら硬直する。

その様子を見ておや?と首を傾げたアンラは少しして理由に思い当たったのかあー、と声を漏らしながら苦笑い気味に頬を搔く。

 

「すまない、つい癖でね。先生と呼んだ方が良かったかな」

「い、いや!少し驚いただけだ!好きな呼び方で構わないとも!」

「そうかい?なら自由に呼ばせてもらうよ」

「アンラ博士も相変わらずですね〜」

「そうですね……おや?」

 

あたふたと弁明するキハダと普段通りの笑顔を見せるアンラ。

研究者時代に似たような光景を見ていたのか若干懐かしそうに眺めていたジニアとクラベルだったが、ふと周囲を見ると職員室に居た教師達が次々と席を立ち始めていた。

 

「むむっ、もうじきホームルームが始まるな!」

「おっとっと、もうこんな時間ですか~」

「詳しい授業内容の打ち合わせはまた午後からでも構わないでしょう。一先ず私はアンラくんに学校を案内して参りますので、お2人はそれぞれの教室へ」

「はい、行ってきます!」

「アンラ博士〜、またお昼にでも〜」

「あぁ、また後でねジニアくん、キハダちゃん」




イエッサン以外のポケモン達の出番はもう少しお待ち下さいませ。
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