くぅ〜!マキマキぃ〜!な世界線から来たマキマさん 作:カピバラバラ
──東京都東練馬区にて。
血の匂いが蔓延する部屋は、人間の首無し死体で飾られている。
いや──元人間、と言った所か。床に転がる頭部には、人間らしさが欠損した異形の口が生えていて、人畜無害とは掛け離れた見た目をしていた。
そんな死体を背景に、刀剣を背に背負った男が金髪の青年の頭を窓へ押し付けている。
冷酷に、冷徹に。冷たい感情の言葉を吐き切った後に部屋を後にすれば、その場に残っているのは金髪の青年と死体だけだ。
「よし、エッチ確認」
元々の野犬の様な身なりは鳴りを潜め、爪の隙間が白く透明に見える程、清潔な状態が保たれている。
骨ばっていた胸部にも、肉の実りが見える頃。
『デンジの夢を私に見せてくれ』
「どうだ〜ポチタ。俺もマジでやってるぜ。契約どーり夢みてーなイイ生活送ってんもんな」
「…夢はもっとデケェ方がイイっつてもよ、もうゴールしちまってるし、アイツみたいに追いかけてる訳じゃねぇ…」
──風呂も毎日入れて、毎日いいもん食えて、ツラのいい女に好かれてて、仕事する度応援してくれてんだ。
もう百点、二百点の生活なのに…。
「なーんか、足りない気がする。なんだろな、マジでマジのゴールってのにまだ辿り着いてねぇのかも」
「ゴールに向かってる奴なら、分かんのかね。早パイは復讐的なアレだろ?下の奴らは家族護ってるらしいし」
「─────」
「マキマさんは?マキマさんも、なんかあんのか?」
「マキマさんも……………」
────。
胸ぇ、揉んでみてぇって考えばっかになっちまう。
胸揉んでみてぇ。デッカイ夢ってのを叶えたくて、叶えられないぐらい大きなモンの事考えてたらァ…マキマさんの胸ぇ揉むぐらいだ。
今の俺なら、強い意志と行動力、それに早パイが本気でヤレっつったから、本気で俺のゴールに向かえばいい!
…あー…マキマさんは俺の事を友達だって思ってる。好きって言ってくれてる。
──けどよ、友達から胸揉まれたら嫌いになるよな?
「……」
頭ん中沸騰してんのか?クソイてぇ。
胸揉む為には、友達を辞めなきゃなんねぇ、でもマキマさんの友達をやめたら、もうマキマさんとのデートは諦めて胸揉むのも出来なくなる。
マキマさんと友達でいなきゃなのに、胸揉む為にゃあどうすりゃいいんだよ……!!
「─────」
───そういう事だったのか。見つけたぜぇ…俺の本気!俺のゴール!
デッケェ夢を叶えられたら!ずっと夢見てたモンも纏めて叶えられる!胸ぇ揉んでも大丈夫な関係になりゃいいんだよ……!だから俺のゴールは胸揉む事じゃなくて…!!
「セックスだ!!!」
「せっくす?」
「おっ…せっ、おまッ!話聞いてないにも程があるだろバカ!!!」
「マキマさん、俺と結婚してくんねぇ!!?」
「じゃあ返事を今からマルバツゲームで決めよっか。私が手を丸かバツにするから、デンジ君は決まって欲しい方を大声で叫んでね。いくよー」
「マルっ!マルっ!!マルマルマルマルマルっ!!!」
「んー、どっちになるかなぁ」
「マルにして下さい!マルマルッ!マルッ、マルゥ〜〜〜〜〜〜!!!!」
「はい!バツ〜〜〜〜!!!またチャレンジしてね!」
「マキマキィー…!!そりゃねぇっすよぉ…!!!」
──その後、クソジジイ共にクソほど叱られた。
アイツらクソだ、人が本気でゴールに向かってるだけなのに、ワイダンがなんだの、モハンイシキだの、訳の分かんねぇ文句ばっか言いやがる。
『みてみてデンジ君、クソジジイにファッキュ〜』
『ギャハハハハハッ──!!??』
お陰様で、顔面がパンパンだ。マキマさんは殴られなくて良かったけどよー…!
「…マキマさん」
「ごめんね、早川君。話の続きをしようか…。デンジ君には今日からバディを組んでもらいます」
「バディ…?」
「公安だとね、小規模任務とかパトロールは二人一組!ほんとは私とデンジ君で組みたかったんだけど、みんなが許してくれなかったんだよ…──ちょうど良かった、来たみたい。ちょっとだけ気をつけてね?一応、彼女は魔人だから」
──部屋へと、ドシドシとした足音が近付いてくる。
音だけで推し量れる程の自信溢れるその音は、丁度皆の視線の先へと入り込んできて、
「おうおう!ひれ伏せ人間っ!!ワシの名はパ─────」
「わ〜〜〜〜〜〜〜!?!?!?!?わーーーー!!???」
「なんじゃあ!?うっさいのう!今はワシが…!!」
「パワーちゃん、静かに出来る?」
「ぁぅっ、あぇ、で、でも…ぁ…マキマの方が…ぅえ…」
──なんかすげ〜変な奴が来たのに、黙っちまった。
魔人がデビルハンターなんてやっていいのか?んまぁ、マキマさんがイイってなら、大丈夫なんだろ!
……つーか、なんでマキマさんは携帯握って口パクパクさせてんだ?誰と通話しようって……。
「ア、アキくん…!これ…!」
「───!」
「もしもし!!?きゃ───っ!!!!久しぶり〜〜〜!!!元気してた!?うれし───!!!」
「
「デンジ君!パワーちゃん!バディの件無し!!二人にはトリオを組んでもらいますっ!!」
「トリオ………コイツの他にもう一人来るんすか…!?」
「うん!きっと気に入ると思うよ、なんてったって彼女は、恋愛の大先生だから!!」
「───レゼちゃんが帰ってくるよ!みんな!」