私は君の手を握る   作:久遠の語部

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第9話-2 君をただ、見送った

 金曜日の夕方、学園は明日のパレードがあるので午前で授業が終わっていた。こうして学園を歩いていても人の気配を殆ど感じない。ただ、連絡によれば、屋上に集まっているらしい。いつものように非常梯子へ跳び移る。

屋上から見える夕焼け空を前に一つ深呼吸する。

 

 「……おう」

 

 見るからに怒っている。どうしたものか。それより、なんで東雲さんや雨森さんがいないんだ?

 

 「………………」

 

 櫛灘さんから電気と火が迸っている。このままだと、感情の余波で暴発するかもな。まぁ、櫛灘さんに限ってそんなことはなさそうだし、喰らっている場合でもない、確認しよう。

 

 「東雲さんと雨森さんはどうした?」

 「…………これ」

 

 しぶしぶ携帯端末を見せてもらったところ、外せない用事が入ったらしくキャンセルするという連絡だった。

 

 ──無理矢理とはいえ、時間を作ったって訳か。

 

 どうあれ、東雲さんは約束を守ったらしい。なら、するべきことをしないとな。

 

 「……聞きたいことがあるんだろ」

 「答えてくれるんじゃないの?」

 「俺としては出来るだけ話したくない。こういうのって、いつどういう形で漏れるか分からないからな」

 「なによそれ……って」

 

 なんだ、どこを見ている。

 

 「普段、そんなのしてないじゃない」

 「……なんのことだ?」

 「その両手よ。何で手袋なんてしてるのよ?」

 

 そうか。急いできたから外すのを忘れていたのか。

 

 「あー……これは、怪我防止用にな」

 「以前も魔法を叩き落とす時にしていた気がするけど、何で一貫くんが怪我する可能性あるのよ。よっぽどの魔法じゃないと、怪我なんてしそうにないでしょ」

 「ちょっと、作業をしていてな。怪我したくなかったから、着けていたんだ。ただ、急いで来たから外すの忘れていてさ」

 「学園を休んでまで、何の作業をしているの?」

 「……まぁ、ちょっとした準備だな」

 「なんの作業をしているの?」

 

 答えてくれないから怒っているようにも見えるし、分からないから質問しているようにも聞こえる。どうしたものか……

 

 「…………」

 

 いつかを思い出す。こうして真正面に聞かれて正直に答えた結果、アイツがどうなったのか……忘れなかった日はない。

 

 「ねぇ、一貫くんがやっていること、ちょっとは教えてくれてもいいじゃない」

 

 いつかのアイツと同じように、拗ねた子供のように、駄々を捏ねるように答えをせがむ。親しい人間以外には見せない姿なのは、容易に想像がついた。以前、後見先生から聞いたことが本当なら櫛灘さんは……

 

 「……万が一にも、他の人に聞かれたくない。学園以外でいい場所はないか?」

 「……じゃあ、ちゃんと話しなさいよ」

 

 こうは言ったけど、どこにあるんだ、そんな場所。

 

 

 

 

 「ほら、どうせ急いで来たんだろうし、喉乾いているでしょ」

 「色々、おかしくないか?」

 

 まさかまた、櫛灘さんの部屋で話すことになるとは。というか、良いのか。色んな意味で。

 

 「まず、一貫くんがしていることは何時からやっていて、何時終わる予定なの?」

 「そうだな。先週から俺以外の人が進めていて、今日の夜に準備が終わる。元々俺も手伝っていたんだが、魔法試験が入っちまったせいで、他の人に代わって貰っていた」

 「その作業って何?」

 「…………」

 

 当然、そうなるか。

 

 「風音から聞いたわ。その作業、今週の土曜日に備えているって。パレードの日に重ねて、何をするつもりよ」

 

 マジか。って、そっちを言わない義理なんてねぇよな。今、出しちゃマズい情報だけは避けるか。

 

 「そう、だな。まず始めに、俺は魔法使いが根本的に好きじゃない。だから、魔法学園へ通っている人には言えないことがある」

 

 以前も話したことがあるからか、そこはすんなり飲み込んでくれた。

 

 「俺は今……いや、1ヶ月半前から個人的にやっていることがある。もう分かっているだろうけど、学園生が行方不明になっているあれだ。大きな動きが無かったからしばらく様子見だったんだが……櫛灘さんが入院した日から動きが変わった」

 「そもそも、何でそれを調べ始めたのよ」

 「バイト帰りに見たんだよ。その日最後の配達が魔法学園だったんだが、その時の帰り道にさ、不審な連中を見掛けてたんだ。バイトの先輩にお願いしてトラック止めて貰って、少し後を追ってみたんだ。どうやらその時は、俺達がいたことにマズいと思って逃げたらしく、その学生は放置されたけどな」

 

 誰にも言っていなかったが、俺がこの誘拐事件を知った発端だ。

 

 「……何でそんな大事なこと、言わなかったのよ!?」

 「俺が言った所で、あの先生達が聞くと思うか?」

 

 櫛灘さんが黙り込む。それも仕方ないさ。魔法学園の恥と言われるような奴が、そんなこと言い出したところでな。

 

 「ここ最近、不審者というかレジスタンスが魔法区に入って来ただろ。その矢先に起きたのが、あのアパート爆撃事件だ。あれで大体、何が起きている理解した」

 「……1つ聞いていい?」

 「なんだ?」

 「どうしてホテルへ一緒に向かった日に、私と風音にあんなことを言ったの?」

 

 あぁ、その時は今みたいに協力して何かをやっている訳じゃあ無かった。どうしてあんな手助けするようなことを言ったのか、聞いているんだな。

 

 「そりゃ、魔法軍部に入りたくないって言っていただろ」

 

 まさかその後に、バーコードから退学宣告されるなんて思いもしなかったが。

 

 「分かった。一貫くんが何をしているかも、もう聞かない」

 

 思いの外、あっさり終わったな。もっと粘られると思っていたが……

 

 「あと1つだけ聞かせて。一貫くんはここへ来る前は……」

 「知らない方がいい。ここでは一般的に、褒められることじゃないからな」

 「……え?」

 

 櫛灘さんは俺がかつてやってきたことに気付きかけている。答えてしまえばきっと、協力してしまうだろう。

 そうして櫛灘さんの力を借りれば、容易に解決するかもしれない。だけど、それは許さない。他ならない、俺自身が。

 

 「悪い、それは答えられない」

 「……分かった。でも、驚いた」

 「何がだ?」

 「分からない。一貫くん、苦しそうな顔をしているの」

 

 どうも、アイツと櫛灘さんが被ってしまう。だからこそ、櫛灘さんをこっちに巻き込むのは駄目だ。魔法を使って戦う意味をまだ知らない。

 一度そうしてしまえば、魔法を使えるからと言う理由で嫌でも戦い続けることになる。

 そうして何時か……体だけじゃない、心も壊してしまう。そんな経験は、どっかの大馬鹿野郎だけで十分だ。

 

 「……ねぇ、それは何時から着けているの?」

 

 あ、あぁ。この手袋か。

 

 「替えがあるから何とも言えないが、3年くらいだ。何かあるのか?」

 「長く使い続けた物には持ち主の魔素、持ち主の魔法を宿すことがあるって知ってる?」

 

 迷信に近いやつか。聞いたことはあるが、実際に見たことはないんだよな。

 

 「どんな物質にも魔素があるからこそ、長く身に着けた人の魔法が宿るとか授業で聞いた気がするな。水魔法の使い手が愛用していた鞄が火災の時に本人の子供を守った……とか」

 「うん。だから、それを貰っていい?他にも色々聞きたいけど、とりあえずそれで我慢する」

 

 俺の魔素で一体、何ができるか分からないが……

 

 「別にいいが、サイズ合うかも不明だし役に立つとは思えないぞ」

 

 まぁ、部屋に帰れば替えもある。これを渡せば我慢するって言っているし、1セット位渡してもいいか。

 

 「手袋だけじゃなんだし、こっちも渡しておくか」

 

 向こうでの作業をする時にはいつもつけている手袋とアームカバーを外し終えた時、櫛灘さんが俺の腕を見ていた。

 

 「ねぇ、その左、腕……」

 「昔の傷だ。魔素の扱いが下手だった頃に至近距離で火の魔法を受けたことがあってさ……って、どうした?」

 

 火傷痣は左腕の上腕から肩にかけて、今見ても歪に茶色がかった色をしている。見せないように外すべきだったか。

 

 「ど、どうした?」

 

 ただ、櫛灘さんの様子が変だ。ゆらゆらと近寄って、俺の傷跡をじっと見ている。どうして、他人の火傷跡がそんなに気になるんだ。

 

 「動きに、支障はないの?」

 「ああ。これを受けた時はだいぶきつかったけどな。魔法の処置も早かったから、今は問題ない」

 「……ほん、とう?」

 

 その目を知っている。後ろめたい過去を持った人特有の、昏い目だ。きっと、火に関することで触れられたくない過去があるんだろう。

 

 「この火傷痣は俺が力不足だった時に受けたものだ。治らなかったのは、未熟だったから……って、おいどうした」

 「……だったら、私の方がもっと未熟だよ」

 

 魔法学園で極めて優秀な成績を誇る櫛灘さんが、声を震わせてしがみ付いて全身を震わせている。戒めの為にも残していた感知している火傷跡を見て、何かを思い出させてしまったらしい。

 

 「一貫くんはさ、魔素発現した時、放出される魔法が自分で制御出来ない、って知ってる?」

 「聞いたことはあるな」

 「わたし、ね……」

 

 消えそうな声で、櫛灘さんは赦しを乞う様に自らの過去を吐き出していく。それはきっと親しい友人にしか言えない、或いは誰にも言えなかった彼女の過去だろう。

 砂場に埋もれたガラス片を拾う様に、自分を傷つけながらぽつりぽつりと零していく。

 話せば話すほどに目には涙が浮かび、声は上擦った。そして、最終的に俺の胸元へ顔を埋めて泣き出した。

 

 ──そういうことか。

 

 疑問はあった。直ぐに縁が切れるだろうと思っていたし、魔法使いと積極的に関わるつもりもなかったから聞くのも野暮だと思っていた。それでも今、聞いてしまった。

 誰もが注目されている少女は、抉るような傷跡に今も悶え苦しんでいた。

 あぁ、それには覚えがある。罪悪感から目を覚ます日があった。自分の無力さに嘆き、豆が潰れる程に振り続けてきた日もあった。

 そうして、無意味にもやり直しを願った日が何度あったことか。それでも、その時をやり直せる魔法なんて……一つもない。

 

 時間にして数分。泣き止み、ようやく落ち着いたかと思えば、今度は恥ずかしくなったのか勢いよく間を取った……が、その勢いに魔法が加味されていたらしく、全身を勢いよく壁にぶつけてた。……割と痛かったんじゃないか?

 

 「おーい……大丈夫か?」

 「え、あ、いや、私、あの、その……」

 「櫛灘さんのことはよく分かった。それが、魔法軍部に行きたくない理由なんだろ」

 「あ、あの、その……い、今のことは……」

 「分かってる、分かってるって……だから、魔法を使おうとするその手を止めてくれ」

 

 櫛灘さんの魔法は洒落にならないんだ。

 

 それにしても昔を思い出す。向こうでも誤魔化す為に魔法を使おうとした奴がいたっけ。

 

 「それにしても、こっちに来てもう1年と半年か。俺は魔素の適性がありながら、魔法が使えないまま生きてきた。向こうではそれが活きたことはあったけど、出来なかったことの方が多かった。まぁ、それはいいか」

 「…………」

 

 身の上話は好きじゃない。いつも、誰かに憐れまれたから。俺は俺でしかなく、それに憐れまれる理由なんて無い。それでも、その傷を、痛みを知っている。

 

 「まぁ、こっちに来たら全部役立たずだ。今まで必死になってやってきたことも無駄になった。受け入れられなかったから、誰かに相談する気も湧かなかった。そうしていたらクラスでも浮いたが、気にならなかった。その時はまだ、魔法使いに対する偏見が抜けてなかったからな。変な話だが、高等部になって始めたバイトのおかげでマシになったんだ」

 「そんなのって……」

 「話が逸れたな。要は、俺は今までやってきたことを失くした奴だ。だから、他人の夢や目標についてどうこう言えない」

 

 櫛灘さんの眼が見開いた。そりゃそうか。櫛灘さんはやりたいことがあるからそうして魔法を頑張っている。対して俺は、何もない。

 

 「だけどな、分かることもある。東雲さんから聞いたが、進路先の推薦をするだけじゃなくて入るように催促もされているんだろ。土曜日にも魔法軍部の人に面会させた上で進路を聞くんだとか。ってことは、個人的な理想の押し付けか、そうならないと都合が悪いんだろ。で、だ。そんな奴の声を聞いて自分のやりたいことに蓋する理由なんてあるのか」

 「……ない」

 

 そう、言えるんだな。なら、付け足そう。

 

 「他人の意見なんて、所詮は選択肢の1つでしかない。櫛灘さんのやりたいことが魔法軍部じゃ決して出来ないなら言ってやれ、堂々と」

 「……ありがとう」

 

 昔話をしたからか、その時に言われたことを思い出す。あれはオヤジとの会話だったか。

 

 「いつかオヤジが言っていた。生きることは戦うことだ、と」

 「──」

 

 変なこと言う、と思っただろう。東雲さんにも別で話したけど、これは自分の中に強く残っている。間違っているか、間違っていないかではなく、この言葉は自分もそうだと信じている。

 

 「その時は深く考えなかった。ただ、その言葉があったから、こっちでも腐らずに済んだのかもしれない」

 「どうして?」

 「さっき言っただろ。こっちに来て浮いていたって」

 「う、うん……」

 「浮くこと自体は構わなかった。魔法使いだからって何でも魔法で解決しようとする奴らも多くて、何度も不意打ちでぶちのめそうかと考えはしたがな。それでも……そうじゃない奴もいた。魔法が苦手だけど、放課後にも練習している人もいたし、苦手な分は知識で補おうとする人もいた。勿論、櫛灘さん達みたいに魔法が得意でも偉ぶらない人もいた」

 

 中等部ので記憶は曖昧だ、そんな余裕が俺にもなかったから。それでも……

 

 「逃げたいとか、逃げようとか思わなかったの?」

 「逃げてもいい。だけど、後で辛くなるだけだ。楽になろうとして余計に苦しんで、そうして大事な物を失ってようやく間違いに気付くんだ。だから逃げない、逃げられないだけだ。まぁ、どうでもいい時は積極的に逃げるけどな」

 「──」

 

 最後は冗談目かしく言ったけど、あぁ、一貫くんは本当に……

 

 「そっか。一貫くんは昔から強かったんだね」

 「……今の話で、何でそうなるんだ?」

 「ううん、何でも。今日、話せてよかった。実は、ちょっと心細かったんだ」

 

 東雲さんの言う通りだったか。時間が無かったとは言え、試験合格祝いくらい出たほうがよかったのか。まぁ、祝われることに慣れてなかったのもあるけど。

 

 「悪かったな。ま、土曜日以降ならバイトなければ空いていると思う。だから、魔法試験の打ち上げもその時ってことで」

 「言質、取ったからね」

 「分かった分かった。それじゃ、俺は行くぞ」

 「うん……頑張って」

 

 

 

 夜、櫛灘さんと別れた俺は自分の部屋で石垣と話をしていた。最も、荷物置き場になっててとても生活出来る状態とは言えないが。

 

 「兄貴、言い忘れていましたが、魔法試験の突破おめでとうございます」

 「あぁ、あの三人には感謝しないとな」

 

 本当だよ。教わって色々気付いたこともあったしな。なんか、覚える為に書き写ししてたら微妙な眼で見られていた気がするが。

 

 「だとしても、まだ始まってもないだろ」

 「そうでしたね。兄貴的には何も終わってなくてこれから始まる訳ですから、気を緩める理由も無かったか」

 「ここまでがっつり関わっていて今更だが、どうして俺はこっちに来ても関わっちまうんだろうな」

 「本当ですよ。巻き込まれる身にもなって下さい」

 

 実感の籠ったため息と呆れた視線を向けられれば、苦笑いをするしかない。

 

 「悪いな。魔法区内でお前以上に信用できる奴がいなかった」

 「兄貴にそう思われているのは光栄ですけどね。それで何時、仕掛けるんですか?」

 「いや。魔法軍部へ奇襲はしない」

 

 ま、そりゃ驚くよな。

 

 「正気ですか。武装も、人数差もあるんです。こっちはせいぜい15人、追加で来てくれるという話を聞きましたが、来たとしてもその中で魔法使いがいるとも思えない。対して、魔法軍部は補充が利きます。大体、何百人いると思っているんですか。しかも、魔法スタジアムから車で十分あれば応援部隊は到着する。幾ら何でも、無茶ですよ」

 「レジスタンスが何の為にここへ来たか、既に聞いているよな?」

 

 この意味が分からない石垣ではない。そりゃ、難易度上がっているとは思うけどさ。

 

 「彼らに正当性を持たせるため、ですか。ただ、疑問です。魔法軍部が学生を格納したマニピュレーターを運び出すと思えないのですが」

 「いや、するさ」

 「嫌に強く断定しますね。まさか、魔法軍部が最近滅茶苦茶ピリピリしているのと関係あるんですか?」

 

 おかしい。ピリピリしているのは知っていたが、どうして石垣が知っているんだ?

 

 「……なんのことだ」

 「待って下さい。今の話は風潮さん達や他メンバーは全員知っています。ということは……やっぱり兄貴か!」

 

 怒ってもいて、呆れてもいる。何処か諦めたように、それでいて納得がいったと言わんばかりの顔をしている。いや、何があった。

 

 「いや、だから何の……」

 「おかしいと思っていたんですよ。何で行方不明になっている学生が、俺達しか知らないはずのあの仮拠点周辺で見つかったのかって」

 「…………」

 「ようやく繋がりました。文句言わせてもらいますよ。兄貴のせいで一般区と魔法区の境に構えた仮拠点がバレそうになったんですから」

 

 知らない間に、そんなことがあったのか。俺も魔法習得とかに時間を取られていたとは言え、全く気付けなかった。思った以上に迷惑をかけていたらしい。

 

 「俺もそれは知らなかったんだが、どう凌いだんだ?」

 「霧影さんが周囲の風景に同化する魔法を貼ってくれたので、何とかなりました。でも、向こうに魔法使いの兵士や魔素探知機があったら終わってましたよ!」

 

 揺さぶりをかける為とは言え、思った以上にやばかったっぽいな。ちょっとやりすぎたか。

 

 「本当に悪かった。俺が魔法軍部周辺でちょっかいをかけ続ければ、魔法軍部側も必要以上に警戒する。そうしておけば、マニピュレーターの存在を敢えて持ってくることで魔法軍部にはないと思わせて、こっちに見つけさせる算段だったんだ」

 「……だからか。ここ最近、魔法区にいる兵士が少なかったのは」

 

 インターホンが鳴る。迎えが来たんだろう。そろそろ荷物を持って移動した方が良さそうだ。

 

 「それにしてもまぁ……こっちに来てもこうなるのは、俺の性かね」

 「兄貴が得られなかった普通の生活を、どうしてまた自分から放り投げるような真似をするのやら。ま、俺はレジスタンスの味方でも、学園の味方でもないからいいですが」

 

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