ゲッターロボGなんだが?   作:アパテー

4 / 4
沈黙/ハッキング

 

クリティホロウ内、道中のエーテリアスを倒しながら進んだ後、アンビーが何かに気付く。

 

「……ほんの少しだけど、このあたりの空気が淀んている?」

 

「淀んでいるったって…、いや、待て。俺の視覚センサーの解像度もなんか気にすると下がってるな…。」

 

「すまんな、儂の動力源の出力を高くした。コイツはエーテルとすこぶる相性が悪い。今の場所と出力なら…最長で一カ月程度は身体に影響はないだろう。」

 

「い、一カ月って…!?普通ならそんな物があるって分かったら、大騒ぎどころじゃないわ!大手企業がこぞってあんたのこと狙ってくるわよ!!って……何処見てるのよ?」

 

「…………。」

 

サオトメの視線の先を見たニコ。そこにはイアスが何の反応もせず立ち尽くした姿があった。

 

「あっ、またぼーっとしてるわね、パエトーン!」

 

「………。」(ジッ,ジジジジッ,ガ,ピー)

 

「ニコ、少し待て。何か可笑しい……!!しまった!フィンガー・ネット!!

 

ポンプが動こうとした所で、サオトメの左腕、その指先から束ねられた網が投擲されると、ボンプを拘束する。

 

「おい、爺さん!パエトーンに何やってんだ!?」

 

「…やはりか。面倒なことになったぞ、お前達。イアスの目が赤くなっておる。何者かは知らんが、ハッキングされておるようだぞ…!」

 

「ハッキング!?そうか、それでさっきから立ち止まって反応しなかったり急に倒れてたのか!」

 

「それってヤバいじゃない!どうすんのよサオトメ!?」

 

「博士、一度見たって言ってたけど、何とかできるの?」

 

「…やれるだけやってみるが、誰でもいい!イアスを抑えておけ、今の姿では手が太すぎて細かい作業が行えん!」

 

フィンガー・ネットを戻し、邪兎屋の面々がボンプを抑えているのを確認した後、青くスマートな身体、頭には大きな2本の角が生え、左腕には傘状のアンカーを装備した『ライガー』と呼ばれる形態へと再合体し直す。

 

「そのまま動くなよ…。少し変な感じがするかも知れんが、我慢しておれ…!」

 

腹部の装甲を開き、そこからボンプの額部分に端子を接続して電子頭脳内へと侵入する。

 

(イアス本体には異常はないようだが…待った、アキラがH.D.D.をインターノットに接続してメモリディスクのデータを復元した、ということは……ここか。よくも面倒事を起こしてくれたな、一泡吹かせてくれる!!)

 

ボンプ本体には幸いにも異常は見当たらなかったが、繋がったH.D.D.側に出所不明の接続先を見つけた為、切断すると同時に細工をした。

 

(よし…これでよい。)「ふう…戻ったぞ、お前達。」

 

「おお、戻ってきたか爺さん!どうだった!?」

 

「やはりハッキングを受けていたようだ、全く。だが一つ細工をしておいた。…勝手にハッキングしてきた相手の場所を通報する代物だ、逮捕されるのも時間の問題だろう。…リン、聞こえるか?」

 

サオトメが確認のためにボンプに話しかける。

 

「…あ、あれ?急に接続が切れたと思ったらまた接続できて…何があったの?」

 

「プロキシ先生、これから何があったのか説明するわ。」

 

先ほどまで起きていたことをアンビーがリン達に説明する。

 

「H.D.D.がハッキングを…成る程、ログがエラーを吐いていたのはそのせいか。他に影響は…!?」

 

「─?アキラ、何かあったのか?」

 

「やられた、パエトーンとして使っていたアカウントと脱出経路を計画するためのデータが削除されている…!今は自動的にサブアカウントへ変更されているから通信には問題はないけれど…。まさか、さっきの切断の影響で?」

 

「あれ、おじいちゃん?口の部分がへの字になってるけど?」

 

リンの指摘により邪兎屋の面々はサオトメの顔を見る。本来なら笑っているように見えるフェイス部分が今はしかめっ面をしている。心なしか顔が青くなっているようにも見えた。(元から青いが)

 

まさか…儂のせいか……?

 

「いや、サオトメさんのせいじゃない。僕達が早くハッキングされていることに気付くべきだった…!」

 

「けど、このままじゃあホロウから出ることは出来ない。どうするの、プロキシ先生?」

 

「それについては、私達にも考えがあるの。まずはこのまま金庫の場所まで行こう!」

 

───────────────────────

 

 

クリティホロウ内、廃棄された地下鉄の深部。目当ての金庫までの道中、ハッキングされた際の話をしていた。

 

「…それで、原因は何かわかったのか?儂としては、あのメモリディスクを介して行ったとみるが。」

 

「その通り。こっちでH.D.D.の脆弱性診断を行ったけど、その可能性が一番大きい。」

 

「それじゃ、赤牙組の連中も誰かに依頼されて金庫を奪ったってことになるわね…。」

 

「俺たちと一緒だな!」

 

「…プロキシ先生の介入が無かったら、私達が正体不明の黒幕と対峙することになっていたはず。」

 

黒幕かどうかは別として、裏で何者かがいるのは事実だろう、サオトメらはその言葉に頷いた。

 

「やっぱ店長は頼りになるぜ!まるでスターライトナイトの相棒犬、メテオマットみてぇだな!」

 

「おいビリー、貴様誰に犬みたいだと言った……?」

 

「じ、爺さんストップストップ!肩強く掴みすぎだ痛ぇって左腕のドリル…じゃねえミサイルってなんてもん出してんだ!?」

 

「博士、落ち着いて。ビリーにとっては、最上級の褒め言葉なの。」

 

「……すまん、それならそうと早く言え。」

 

掴んでいた右手を離し、左腕のアンカー内にミサイルを収納する。小型ではあるが、至近距離なら無事では済まないだろう。

 

「ちょっと、今はそんな事してる場合じゃないでしょう!?はぁ…あの時は多額の報酬に目が眩んだけど、結局今回もロクな仕事じゃなかったわね。もう二度と情報屋の口車には乗らないんだから!」

 

「なら無事に戻って、追加で報酬でもむしり取っておけ。草の根1本とて残すことはするなよ?」

 

「博士、怒るのもわかるけど、落ち着いた方がいい。下手に判断力が鈍ったら、金庫の探索中に起こり得るアクシデントに対応出来なくなる。」

 

「……すまん、少し頭にきていたようだ。こんな所で道草を食っている訳にはいかんな。」

 

まだこのホロウ内には上級エーテリアス、デュラハンが徘徊している。こうしている内にも邪兎屋の面々やサオトメらを探しているだろう。

 

「まずはあの化け物より先に金庫を回収しなくちゃ!急いでターゲットを追うわよ!プロキシ、引き続きガイドをお願い!」

 

 

 

───────────────────────

 

 「見つけた!」

 

そのままデュラハンに見つかる事なく探索していた一行。暫くしてようやく金庫を見つけることができた。

 

「今日はツイてるぜ!」

 

「あたしの金庫!」

 

「はぁ、やれやれ…。」

 

話しながら金庫へと向かう一行。しかし。

 

「…っ!後ろか!ドリルアァァァム!!

 

エーテルで構成された剣がサオトメを襲う。咄嗟に彼は左腕のアンカーからドリルを展開し、その剣を受け止める。その隙を突いてビリーが援護射撃を行うも、相手はサオトメから離れ、盾で防御した。

 

「大丈夫か、爺さん!?」

 

「ああ、問題ない。クッ…できれば会いたくはなかったのだがな…。」

 

左腕にエーテル結晶で出来た身体を隠せる大盾、刃渡りが長く物や人を簡単に切断できそうな剣と一体化した右腕が特徴の上級エーテリアス…デュラハンがそこにいた。

 

「見つけた…!」

 

「今日はツイてるぜ…!」

 

「あ・た・し・の・金庫ぉ!!!」

 

「はぁ、やれやれ…!」

 

デュラハンを前に、彼らは戦闘態勢に入った。

 

 

 

 




同時刻、修理屋サオトメ。

その裏口が開き、そこから一人の少女が中に入ってくる。

「ただいま。……あれ?いつもなら早く終わって、自室で休んでいる筈…って、これは?」

眼帯を左目につけた少女は、作業台の上に置いてある置き手紙を見つける。

『ホロウレイダーとして暫く外に出る。留守は頼んだぞ。 サオトメ』

「博士ったら…また『隊長』と一緒にホロウに行ってるなんて…仕方ないわね。」

両手両足が義手義足の……何処となくアンビーに似た顔立ちの少女は、そう独り言ちた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

お前は部品(パーツ)だ!(おかのした!)(作者:黙々睦模目)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

▼ 前世でなんやかんやあり、死んだ陰キャで口下手なオリ主…。▼ 転生した世界はゼンレスゾーンゼロの世界で…(本人は知らない)▼ いかにも…『The』軍人です!って感じの人達に同い年くらいの子供達と囲まれ…その中でも偉そうな軍人に▼ お前らは機械の部品(パーツ)だから自我を出すな!出したら殺す!▼ と言われ、機械の部品として軍人として軍用機械の一部として戦い続…


総合評価:2337/評価:7.63/連載:14話/更新日時:2026年07月22日(水) 01:15 小説情報

テスカになって冥界で魂を導く話(作者:ナイ神父)(原作:Fate/)

▼此処はミクトランパ、なんの因果か死後に冥府の神に成った男は今日も冥府にて死者と語らい魂を導く▼だがここに来る戦士は皆違う世界の存在で…?▼・作者が思いついた死んでほしくかったり諸々様々な作品の人を冥界でテスカトリポカ成り代わり主が導く話です▼・その都合上多重クロスオーバータグを付けていますが各々のシリーズではテスカトリポカ以外は他作品と繋がることはありませ…


総合評価:5778/評価:8.57/連載:7話/更新日時:2026年05月23日(土) 23:10 小説情報

監察官のちょっと奇妙な冒険(作者:プロメイア推しの人)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

オリ主が転生して、赫灼熱拳するお話です。▼ストーリーは2.7から始めま~す。ん?まぁ、途中からにょきっと生えてくる感じで。(それでも過去キャラと絡みがあるのは許してちょ)


総合評価:867/評価:7.9/連載:10話/更新日時:2026年06月23日(火) 16:25 小説情報

僕のヒーローアカデミア~ジンオウガの章~(作者:四季の夢)(原作:僕のヒーローアカデミア)

 世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至った超人社会。▼ 皆がヒーローに憧れる中、同じくヒーローを目指す少年――雷狼寺 竜牙。▼ そして、彼に宿りし個性――“雷狼竜”▼ この超人社会で今、雷を操る牙竜種が解禁される。▼ 


総合評価:15629/評価:7.99/連載:66話/更新日時:2026年07月11日(土) 11:43 小説情報

ホロウの中で人のGO!を咎めるおじさん(作者:究極の出来損ない)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

知れば誰もが望むだろう!誰にも脅かされず、自己の命の存続を!!親しき者達の幸福を!!!  ▼他者に優しくっ!!他者に寄り添い!光の中を歩むっ!!!▼讃頌会は滅びるっ!!!私を生み出した咎を背負ってなぁっ!!!▼これこそが私の責!!!貴様らの業ぉっ!!!▼我々は滅びるべくして滅びるべきなのだよっ!人の過ちとして!!!▼気づいたら誰とも知らねークローンにされたの…


総合評価:2421/評価:8.37/連載:8話/更新日時:2026年07月06日(月) 17:12 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>