ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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第32話 ドラゴン娘とドラゴン

えー、一つ目の課題なんですけど、なんと、なんと、ドラゴンなんですよね。

 

いや、びっくりしました。

 

 

だって普通に考えて、学校対抗試合ですよ?もうちょっとこう、殴り合いとか呪文戦とかかと思うじゃないですか。なのにドラゴン。最高ですね。いやー、テンション上がりました。最高です!!

 

……まあ。

 

周りの選手たちは全然顔色変えてませんでしたけど。

 

いや、なんでですかね?

 

私だけ「えっ!?ドラゴン!?」ってなってて、他三人が妙に落ち着いてるんですよ。ポーカーフェイスなのか、事前に知ってたのか。もしかして、ドラゴンってレア度低めなんですかね。ペガサス学校とか船学校に行ってる親戚の話は聞いたことないんですけど…………。

 

特にハリー、絶対知ってましたよね。あの顔。なんかこう、うわ、やっぱり来たか……みたいな顔してましたし。

 

占い?予知夢?なんかそういう魔法ですかね。それともまた例の帝王パワーですかね。

 

で、課題の内容なんですけど。

 

ドラゴンから卵を盗め。

 

……え?

 

いや、もっとこう、真正面からバチバチに殴り合う感じじゃないんですか?なんで窃盗なんですかね。危険っていうより、なんか普通に感じ悪くないですか?格好悪いですよね。

だってドラゴン側からしたら、急に知らない人間が来て卵盗んでくんですよ?最低ですよね。

 

しかもですね。くじ引きで。私が最初になりました。

いやー、嫌な予感しかしません。皆さんどう思います?

 

 

で、私の相手なんですけど。

 

スウェーデンショートスナウトちゃんらしいです。かなり小柄なドラゴンで、銀色の鱗が綺麗な子でした。多分私の三分の一くらいかな。

 

……かわいい。

 

こんなかわいい子と戦って、しかも卵盗むとか、なんかすごい悪者感ないですか?絶対あとでラシアンナは小さいドラゴンをいじめるやつみたいな噂になりますよ。そもそも小さいドラゴンを脅すとか、お母さんにも怒られそうですし。

 

でもまあ。これも友達作りのためなので。できるだけ、傷つけずに終わらせたいですね。

 

ということで。大砲の音と同時に試合開始です。

 

目の前には、鎖につながれた小さなドラゴン。

 

でもですね。銀の鱗は、まだ戦意を失ってなかったんですよ。

 

いやー、流石はドラゴンです。皆さんも目に焼き付けてください。これが誇りあるドラゴンですよ!!

 

でもまあ、あんまり傷つけるのもかわいそうなので。

 

とりあえず一発、威嚇してみることにしました。いや、皆さんもちょっと考えてみてください。

 

自分より遥かに大きいドラゴンが突然現れて、しかも本気の咆哮してきたら、普通は戦意喪失しますよね?

 

なので変身しました。

 

どーんって。

 

で、そのまま思いっきり咆哮したんですけど。

 

……あれ?そういえば。

 

私、本気の咆哮ってあんまりしたことなかったかもしれません。加減を忘れてましたね。

 

はい。観客席が大惨事です。みんな耳押さえてます。何人か気絶してます。逃げ惑ってるのもいます。いや、一応防御魔法は張ってあるって聞いてたんですよ?でもそういえば、音を防げますか?って確認してませんでしたね。

 

まあ、咆哮してる最中はそんなこと考えてなかったので。

 

そのままですね、近くの岩山に全力チャージブレスを真上から。

 

思いっきりどーーーんって。

 

いや、配慮はしたんですよ?飛び散らないように、ちゃんと上から撃ったんです。私、優しいので。

 

でもですね。最近ちょっと成長してるみたいで、チャージブレスの全力の威力が上がってました。うーん、これは…………。

 

はい。

 

熱風が吹き荒れます。灼熱の岩が飛び散ります。岩山がどろどろに溶けます。

 

地面に結構でかい穴が開きます。

 

そこにさらに、気持ちよくなって、適当にブレスをばらまいてみたら、はい、観客席の壁が崩れます。

 

……あれ?

 

しかもですね。

 

ドラゴン使いの人たちまで私を攻撃してきたんですよ。いや、酷くないですか?こっちはコミュニケーションしてるだけなのに。危うく反撃してぶっ殺すところでした。

 

まあ、観客席の一部が崩落してましたし、しょうがないですよね。そんな脆い建築物、ドラゴンの近くに置くほうが悪いです。

 

で、そういう感じの威嚇をした結果。

 

スウェーデンショートスナウトちゃん。

 

すっかり平身低頭で頭を下げてくれました。いやー、分かってくれましたね。なので、後ろ足で軽く頭を叩いて受け入れてあげました。これがドラゴンのコミュニケーションです。

 

つまりある意味で友達です。

 

……ちなみに、観客席の壁をガリガリ削りながら逃げようとしてたのは見ないことにしました。恥ずかしかったに違いないです。そんなに緊張しなくていいのに……かわいいですね。

 

で問題はここからです。

 

そう、金の卵探し、すなわち金玉探しの開始です。

 

いや、あっちこっちに岩の破片が飛び散ってるんですよ。しかも私、ちょっと焦ってて、人間に戻るの忘れてまして。

 

ドラゴン状態で卵探しってのはめちゃくちゃやりにくい。

あとですね、これも言うのもあれなんですけど金色なのやめてほしいんですよね。

私も金色なので。自分の翼とか爪とか視界に入ってきて、どれが卵なのか分かりにくいんです。

 

で、最終的に。端っこのほうに転がってました。

……誰がやったんですかね。

 

いや、岩の破片とか刺さって、普通に壊れかけてたんですよ。でもですね。私、思うんです。

ドラゴンの卵ってそんなに貧弱じゃないですよね?もっと丈夫にしてくれてもいいんですよ!!

 

ちなみにですね。特に拍手とかはありませんでした。いや、ちょっとくらいあってもよくないですか?

 

私、かなり頑張りましたよ?

 

咆哮しましたし、ブレスも撃ちましたし、ドラゴンと友情も築きましたし、観客席もちょっと壊しましたし。見世物としては満点だったと思うんですよね。

 

なのにですね。ふと観客席を見回したら。あんまり私のほう見てる人がいないんですよ。っていうか、あんまり人がいなかったんですよね。うーん、興味ないのかな。

なんかみんなですね。耳押さえてたり。伏せてたり。避難してたり。崩れた壁のほう見てたり。あと、救護班みたいなのが走り回ってたり。

 

……あれ?もしかして。そっちに意識が行ってた?

 

いやでも、ドラゴンはちゃんと見てほしかったですね。

 

あんな立派な威嚇、なかなか見れませんよ?私も結構本気でしたし。まあ、目的は達成したのでオールコレクトでしょう!

 

でですね。ここからが本当に納得いかないんですよ。

なんと私のあとにやった三人。みんなドラゴンがほとんど動かなかったんです。いやいやいやいや。待ってくださいよ。おかしくないですか?

 

みんなあっさり金玉を手に入れてました。これってなんか忖度みたいなのが流行ってるってことですか?それともほかのドラゴンが気の弱い子ばっかりだったとかですかね。

 

端っこでうずくまるドラゴンを観客席から見てましたけど、まったく卵を無視していて、三人とも普通に歩いてゲットしていました。いや、本当に普通に歩いてたんですよ。なんかもう、「あ、どうぞ」みたいな感じで。クラムなんて普通に近づいて普通に取って帰ってきましたし、フラーちゃんも優雅に終わらせてましたし、ハリーなんてわざわざ箒を呼んできて、それで飛んでひゅっと取って終わりです。

 

……あれ?

 

私の時だけ明らかに空気違いませんでした?

 

いやだって、私は開始早々にバトルみたいな雰囲気だったんですよ?ドラゴン使いまでこっち攻撃してきましたし、観客席は崩れるし、熱風で髪燃えてる人いましたし。でも他の三人の時、観客席のみんな普通に座って見てたんですよ。避難もしてない。壁も壊れてない。実況の人も落ち着いてる。

 

うーん。すがすがしいほどの差別。

 

ショートスナウトちゃんはもうちょっと闘志があったのに。

でもほんと、他のドラゴンたちはなんだったんですかね。やっぱり気が弱かったんでしょうか。それとも私の威嚇を見て、「あ、ああいうの来るのか……」ってなっちゃったんですかね。

 

もしそうなら、ちょっと申し訳ないことをしました。ほんのちょっとだけ。

 





皆さん、感想で私をほめたたえてください!!
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