ドラゴン娘とハリー・ポッター   作:ゴールドルナ

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最終話 ドラゴン娘とハリー・ポッター

どうも皆さん、お久しぶりというか、本当にいつぶりなんでしょうかね。ラシアンナです。

 

なんだか懐かしいですね。

 

昔は毎週のように皆さんを呼び出していた気がするんですけど、気付けば何年も経っていました。

 

いや、本当に忙しかったんですよ。

 

ホグワーツを卒業してからは、ハリーがずっと近くにいたので、わざわざ皆さんを呼び出して話を聞いてもらう必要があんまりなかったんです。

 

だって大抵のことはハリーに話せば済みましたし。悩み事があれば聞いてくれますし。私が変なことをしたら止めてくれますし。たまに仕事から帰ってきたらいますし。

 

うーん。便利ですね。

 

それに本当にいろいろありました。

 

最初に大変だったのは親戚です。うちの親戚。皆さんも知っていると思いますけど。あの人たちです。私以上に落ち着きがないんですよ。もう本当に。

 

ハリーを連れて実家の親戚の集まりに行った瞬間から大変でした。

 

大叔母さんはハリーを見て「思ったより丈夫そうね」とか言い始めますし、叔父さんは「どこまでやったんだ?」とか聞き始めますし。恥ずかしい。

何を心配しているんですかね。

 

私がハリーを食べるとでも思っているんでしょうか。失礼ですよね。それで私は親戚たちとハリーの間に入って必死にハリーを守っていました。うっかり殺しかねないですからね。

 

そうそう、意外だったのはシリウスでした。

 

最初はただの厄介犬だと思っていたんですよ。本当に。

 

でも一緒に暮らす時間が増えると、意外と話が合うんです。クィディッチは好きですし。悪戯も好きですし。規則を破る話になると妙に盛り上がりますし。しかも何故か私の親戚たちとも仲良くなっていました。

 

意味が分かりません。

 

親戚会議で大叔母さんと酒を飲んでいるシリウスを見た時は夢かと思いました。

そして家が完成しました。

 

シリウスが張り切って作った、ドラゴン耐性付き住宅です。

 

壁は厚いですし。窓には保護魔法がかかっていますし。地下には避難室まであります。

私が「そこまで必要ですか?」と聞いたら、ハリーとシリウスが同時に頷いていました。

心外です。

 

でも、シリウスに試してみろって言われて全力でチャージブレスを撃ったらなんと…………

 

 

燃え残りが出ました。

まあ、大半は…………無くなりました。

 

はい。全力でやり過ぎましたね。建て直しになりました。そういえばシリウスって私の全力をあんまり知らなかったんですかね。一般的なドラゴンにびくともしないって言ってた段階で止めればよかったです。でもすごいですよ。私、燃やしつくす勢いでやったのに生き残るなんて、本当にすごいです。

 

今度は私も保護呪文をぶち込んで強化しようと思います。ハリー、止めないでください。私ももう子供ではないので。

 

 

 

 

その後、私は魔法省の仕事も始めました。

 

正式な肩書は長いので覚えていません。でも簡単に言うと、アズカバン関係のお仕事です。

 

脱獄防止というか抑止ですね。囚人の皆さんに逃げたら食べますよって脅しを掛けて、島の周りを跳び回って花火を上げまくるという楽しい仕事です。咆哮もし放題なのでいい息抜きです。

 

 

それから数年して、私とハリーは無事に正式に結婚しました。

 

いやー。びっくりですよね。人生って分からないものですね。ってびっくりしたらぶっ殺します。私の魅力を考えれば当然のことです。誰もがメロメロになるのが当然です。

そして思い出しただけでもニマニマしてしまいます。あー、うー。

 

ちなみに結婚式は大変でした。うちの一族で酔っぱらって泣き始め、しまいにはドラゴンになりだすのとかが出る始末です。なんで私が式場からドラゴンを投げ捨てに行かないといけないんですかね。外でやって良かったです。

 

そういえば、ハリーの従兄がまた漏らしていました。うん、やっぱり教育が必要だと思います。

 

あと、残念なことにドラコは来てくれませんでした。最近会えていないのがなんだか寂しく感じます。ダフネから聞く限りは元気そうですし、お祝いに大きなカーネーションの花束、それも私をイメージした黄色いのを贈ってくれたので喜んではくれていそうです。何度も断ってきたので、招待状を連打したのが悪く思えてきました。

 

一番面白かったのはスネイプ先生がすごい顔をしていたことです。ころころ表情が変わって笑いをこらえるのに必死でした。そこをハグリッドが心配し、シリウスが煽っていました。

 

 

 

そして今日、久しぶりに皆さんを呼び出した理由なんですけど。

 

報告があります!!!

 

今度、子供が生まれます。

 

はい。

 

私もまだ信じられません。

 

というか周囲の方が大騒ぎしています。

 

お母さんは孫だと言って張り切っていますし。大叔母さんは名前の候補を百個くらい持ってきました。シリウスは完全に浮かれています。

 

ハリーは落ち着いているように見えて、たまに物凄く変な顔をしています。

緊張しているんでしょうね。

 

ちなみにロンとハーマイオニーはもっと早かったです。

結婚も先でしたし、子供も先でした。なので先輩ですね。

 

昔は喧嘩ばっかりしていたのに。二人とも今では親なんですよ。不思議ですよね。

でも、そう考えると私たちも随分遠くまで来たんだと思います。なんだかんだで、結構幸せな人生ですね。

 

 

……ただですね。

 

最近ちょっと心配なことがあるんですよ。

 

お母さんが妙に楽しそうなんです。それも私のお腹を見るたびに。

 

そして最近は、私が小さかった頃の話とか、お腹の中にいた頃の話を毎日のように聞かされるんですよ。

 

最初は微笑ましい話かと思っていたんです。ところが全然違いました。「あなた、お腹の中にいる頃から凄かったのよ」って言うんです。なんでも、お腹を内側から蹴りまくっていたらしくて、そのたびにお母さんは気持ち悪くなって吐いていたんだとか。いや、そんなことあります?

 

しかもそれだけじゃないんですよ。

 

生まれてからも、ときどき何をやっても泣き止まなくなったらしいです。

抱っこしても駄目。歌を歌っても駄目。おもちゃを渡しても駄目。ずっと泣いていたんだとか。

それである日、お母さんもとうとう限界になって庭へ連れて行ったら、私は2歳にしてドラゴンになって森を燃やしたんだとか。

 

怖すぎます。なんなんですか、その生き物。

 

というか、お母さんはよく育てる気になりましたね。私だったらちょっと考えます。

でも、お母さんは笑いながら「可愛かったし、元気だったわよ」って言うんです。

 

元気の基準がおかしいと思います。

だから最近は時々、自分のお腹を見ながら考えるんですよ。

もしかして、この子もそうだったらどうしようって。

 

いや。大丈夫です。大丈夫なはずです。多分。きっと。

うーん。なんだか急に不安になってきました。

 

でも、昔の私と違うことが一つだけあります。今の私は一人じゃないんですよね。

 

昔の私は、何かあるたびに皆さんのところへ来て、一人で喋って、一人で騒いで、一人で勝手に納得して帰っていました。

 

でも今は、悩みがあれば相談できる人がいます。嬉しいことがあれば、一緒に喜んでくれる人がいます。

 

だから、きっと大丈夫です。

 

皆さん。私はもう大丈夫です。

 

だから、改めてお別れです。

 

ホグワーツに入学したばかりの頃、人と話すのも苦手だった私が、ここまで来られたのは、皆さんがずっと話を聞いてくれたからです。

 

友達になろうと話しかけた話も。闇の帝王を食べた話も。ホグワーツを壊した話も。恋をして慌てた話も。そして、お母さんになる話も。

 

全部聞いてくれました。

 

本当にありがとうございました。

 

これから先は、ちゃんと現実の人たちと笑って、悩んで、助け合って生きていこうと思います。

 

だから、皆さんを呼ぶのは今日で最後です。

 

……まあ、もし子供がドラゴンになって森を燃やしたら、その時は流石に泣きつきに来るかもしれませんけどね。

 

その時は笑ってください。

 

それでは皆さん。

 

本当に、本当にありがとうございました。

 

さようなら!!!

 

 











ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

最初はもっと…………もうすこしだけ真面目な二次創作になる予定でした。

実は細かい設定もかなり考えていて、魔法界の情勢や各勢力の思惑、戦闘バランスなんかも一応決めていました。ニワトコ持ちのダンブルドアとか全盛期ヴォルデモートならラシアンナに勝てるくらいにしていたのですが、ヴォルデモートはいつの間にか復活即オチしてしまったので…………


その結果、本作は「闇の帝王との戦い」ではなく、「ドラゴン娘が暴れることで原作の事件がだいたい解決してしまい、周囲だけが振り回されるホグワーツ生活」を描く物語になりました。

そして、その最大の恩恵を受けたのがハリー・ポッターです。

命懸けの事件はだいたいラシアンナが片付け、ホグワーツでは比較的平和に学生生活を送り、その責任を取る形で最後はラシアンナと結婚してもらいました。

これも一つの英雄の形ということで。

最後になりますが、本作の犠牲者、被害者の皆様へ。

闇の帝王ヴォルデモート様ならびに死喰い人の皆様、度重なる捕食・焼却・威圧・理不尽な退場につきまして、深くお詫び申し上げます。

また、ドラゴン被害者代表のジニー・ウィーズリーさんをはじめ、アンブリッジ先生、炎のゴブレット、天文台、植物園、秘密の部屋、その他ホグワーツの施設各位にも、この場を借りて心よりお詫び申し上げます。

……なお、作者は反省しておりますが、ラシアンナ本人は一切反省しておりません。

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。


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