残念美女教師の決闘日記   作:もちマスク

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おい、決闘(デュエル)しろよ
僕もそう思います。



とどのつまり、転生です

緩慢な動作で動き出したのは優亜の方だった。

神と名乗った老人から興味を無くしたように視線を外し、のっそりと腰を上げる。

うっひょーくびれがエロい、なんて神は思っていない。心で感じているだけだ。

優亜はそのままゆったりと神の前を通り過ぎ、何かを手に取った後、再び腰を下ろす。

 

「優亜よ、自分がすでに亡者と知っているのならば、ワシがここにいる理由《わけ》もわかるの?」

 

「……(カチャカチャ)」

 

 

「お主の最期は立派なものじゃった」

 

「……(ピコピコ)」

 

「辛いのはわかるがの…この世界にお主の居場所は無くなってしもうたのじゃ…」

 

 

「……(プシュッ)」

 

ゴキュゴキュ

 

 

「話を聞かんかぁああッ!!?」

 

 

神が叫び、そこでようやく優亜の視線が再び神を捉えた。

ゴキュゴキュと喉を鳴らしながら「?」と首を傾げる。

 

「どこに神様を前にしてありがたぁああいいお話を下着姿でゲームしてビール飲みながら聞く女がおるんじゃ!?」

 

「……」

 

「……」

 

「え?ああどうぞ続けてぐらふぁー……」

 

「あぁもう欠伸なんてするでないわ、はしたない!ここは暗黒界ではないぞ!」

 

 

 

結局、落ち着いて話が出来たのはそれからしばらくしてのことだった。

部屋の掃除などを終えた神は肩で息をしながら、自らの足を運んだ理由を語る。

九鬼優亜にとってはどうでもいいことなのか、はたまた表情に出さないだけなのか、その表情にさして驚きはなく、取り乱すこともない。

 

神はそんな優亜に眼をやり、もしかして話を聞いていないんじゃないかなと、心配になる。

それくらいのリアクションのなさ、自然な振る舞いだった。

実際にはそんなことはなかったようで、しばらくして優亜は頷いて口を開いた。

 

「つまり、私が生徒を庇って死んだ姿に心打たれたから、別の世界に生き返らせてやるってことか?」

 

「うむ…。結果としワシには人を見る目がないということがわかってしまったがの」

 

「私は未練も何も残さないように生きてたから、このままゲームオーバーでもよかったんだけど。折角の好意は受け取っておくじゃん」

 

「お主…一発殴っていい?」

 

わりと真剣に言ったつもりだったのだが、優亜はうっすらと笑いながらビールを喉に流し込むだけで何も言わない。酒気を帯びた色気にどこか憂いを感じるように思えたのは神の錯覚だろうか。

 

やがて神が諦めたように溜息をつき。

 

「先ほど言ったように、お主には転生してもらう。ワシをこき使ったので地獄にでも落としてやりたいのじゃが、既に決定事項での。

転生に至って決めてもらうことはただ一つ。どの世界に生まれ変わるか、じゃ。年齢、性別、容姿はそのまま。戸籍なども全てこちらで用意するでな。」

 

「…どの世界にすると言われても困る。どんな世界があるかわからないし」

 

「当然の疑問じゃな。そうじゃの……アニメ、漫画をモデルにした世界などどうじゃろう。お主好きじゃろ? ファンタジーな世界でもよい」

 

そこで初めて、優亜の目の色が変わる。

 

「なんだとぅ!? じゃ、じゃああれか? お前すごいのか? このイケ☆メン!太っ腹!大富豪!」

 

露骨にベッドから飛び上がる優亜。

神は今まで反応に乏しかった優亜の変化に得意げになり、立派に蓄えたヒゲをいじりつつ、

 

「フホホホ!!チートとかもありじゃぁあああああいい!!」

 

「それはいらない」

 

「喧嘩売ってんのかヒューマン!!」

 

バッサリと切り捨てられた。惨めだ。

 

ちょっと落ち込んでヒゲがしぼんでる神をよそに、優亜は大きめの箱を取り出し、ドンッ☆と神の前に置く。

 

「…これは、遊戯王カードかの? よくもまあこんなに集めたもんじゃ」

 

「おかげでほとんどカップ麺生活だったじゃん…」

 

 

あぁ…やっぱりダメだなぁ、コイツ。と神は心の中で感想を述べつつ、優亜に確認を取る。

 

「遊戯王の世界に転生ということでよいのかの?」

 

「うん。時代はどこでもいい。ヌフフ、この世界ならゲームやって稼げるわ…フヒャヒャヒャヒャ」

 

「ふむ。ではこのカードもお主の転生先に送っておくとしようかの。あと、女子(オナゴ)がそんな汚い笑い方をするでないわ。では、もう送るぞ。お主の相手は疲れる」

 

「ん、ありがと。また私が死んだら、今度は一緒に酒を呑むじゃん」

 

「もう会いたくないが…考えておく。あと、ニートは許さんので、転生先(むこう)でも教師をやってもらうからの。所謂天罰ってやつかの?」

 

「……あ?」

 

 

彼女が眉にしわを寄せたときにはすでに神はおらず、目の前には禿げた男が豪華な椅子に腰掛けていたのだった。

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