悪魔と契約しただけなのに(仮)〜とある転移者の公安生活〜   作:マクロソラックス-03(旧っっt)

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お待たせしました。忙しかったのですが、ようやく筆を取る余裕が出てきました。



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前話でコウイチとマキマがやらかしたこと

襲撃現場から回収された血液サンプルを無断で半分使用したが、犯人の手がかりを得られなかった。(コウイチ)

コウイチが無断で使った血液と同じ匂いが現場の外にまで伸びていることを発見したマキマが、待機中の捜査犬に餌付けして連れ出し、血の匂いを追わせようとする。

それを止めようとした捜査官とマキマが揉み合いになり、その拍子でポケットの小動物が脱走。現場が混乱

周りが混乱している隙に蛍光鉱物が大好きなコウイチがルミノール試薬を盗んで追跡開始。なお、ルミノール試薬の盗難は事件解決後まで誰にも気づかれなかった。

結局、血の痕跡が途中で途切れてしまったので、捜査している時、自分たちのことをチラチラ見てた一般人3人を捕まえて厳しい尋問をする。そのうち1人が襲撃者の一味であったことが判明したので拷問。彼らの拠点を吐かせる。さらに、彼と定時連絡を行なっていた者を発見して追跡して捕縛。その最中に民間人2名が重傷を負う。


よし、じゃあ(特異三課を)ぶち込んでやるぜ!

 

 

『重信くんのことを責めたり憎んだりしないでほしい。ただそれだけよ。あなたたちが今回初めての仕事だったように、彼だって初めて指揮をしたのよ。』

 

『お互い勝手というのがよく分かってないの。だから、彼のこともわかってあげて。』

 

 

一昨日衣山さんが言った言葉が昨日丸一日自宅で謹慎していたのにまだ残っている。まるで、嫌いな食べ物を飲み込もうとしても何度も口の中に戻ってきてしまうかのように。そんな調子でまた憂鬱な朝を迎える。どんよりした気持ちで特異三課のブリーフィングルームのパイプ椅子で船を漕ぐ。一昨日のやりとりを知らないマキマは終始ボケっとしている。だが、相変わらず呑気でいいな、そう思ったコウイチの視界の端で彼女の目から何か光るものが垂れたような気がした。

 

「あ?どうしたお前……」

 

「ネズーミ……」

 

「ああ“ん?ネズミだあ?」

 

「ネズーミ一号から五号、没収された後ジジイが何処かにやったって、返してくれなかった……」

 

何故か急に泣き始めたかと思えば昨日、重信たちに没収されたペットのネズミたちのことらしい。ジジイとは岸辺か武藤長官のどちらか…こういうことをするのは岸辺だろう。差し詰め、ここにくる前にネズミを入れた箱の在処を執念で見つけ出し取り返しに行ったら既に岸辺が更に何処かに持って行った、ということだろう。

 

「はぁ?今言われたって知らねえよ!」

 

「私のものが奪われたんだよ!ネズーミ一号から五号は私のものなのに!」

 

実をいうとアレらはそこら辺のドブネズミに支配の鎖を付けて勝手にペットにしたヤツだ。70年代の九州の田舎ではあるまいのに。不潔なままMUR隊長の部屋で運動させたりしたからこうなっても残当である。

 

「諦めろ!」

 

「やだやだやだやだやだやだやだァ!」

 

原作のナユタとどっちが酷いのだろうか。こちとら今日のブリーフィングで飛んでくるであろう重信の嫌味に憂でいるのだ。こんなガキの癇癪に付き合っている暇はないのである………

 

 

「喧しい!」

 

     バガン!

 

「ぐあ!」

 

「痛い!」

 

「いい加減にしろ……」

 

 ベキョオォォォォォォォォン!

 

ゴロンゴロンゴロン、ガーン!

 

「ドワッジ!」

 

「ヅダ!」

 

言い争っているうちに気がついたら誰かの鉄拳を脳天に受け、そのまま岸辺の容赦ない一撃を喰らって2人して吹き飛んでしまった。

 

 

そして意識がはっきりしないまま2人して何処かへ引き摺られていく。みんな公安のスーツを着ていたから敵襲ということはないだろう。では、何なのだろうか。この前のやらかしが大事になって処分されることになったのだろうか。それにしても移送が雑なのでそっちの可能性も低そうだ。ということはやはり……

 

ズザァ〜

 

気がつくと公安庁舎の裏口から外に出されて駐車場に連れて来られた。自分たちを後ろから見下ろすのは岸辺隊長。そして目の前にはしかめ面で仁王立ちの重信、その隣には三浦隊長がいる。

 

「岸辺隊長、ご苦労様です。」

 

「ん。」

 

重信に対して手をヒラヒラさせた後、岸辺はどこかへ歩いていく。それを見送った重信はこちらに向き直る。

 

「お前ら、出動だ。袖子さん、祟原副隊長、2人を荷台にお願いします。三浦隊長は運転を頼みます。」

 

「うん、おかのした。」

 

そして説明もなくコウイチとマキマは大型トラックの荷台に押し込められる。自分たち2人が1番奥、次に他の公安職員たち(全員特異三課の祟原副長の班)が入り、最後に衣山さん、御幸さん、重信が入り、後ろ手で扉を閉める。

 

「トラック出してください。」

 

『出すゾ〜』

 

トラックがゆっくりと発進する。ここまで来て、「出動」以外の説明が一切ない。

 

「重信、どうして出動だ?まだ調査段階だろ……『“さん”をつけろよクソガキ』……ゔっ!」

 

痺れを切らして怒鳴ったコウイチの頭にクリスタルの灰皿が突き刺さる。彼が苦しみもがく様子を一瞥してからそのまま重信はブリーフィングを始める。

 

「(よし、ようやく静かになったな。)それじゃあ作戦の概要を説明します。今回の作戦は件の襲撃犯の拠点の制圧です。今回のターゲットは埼玉県大宮市の廃工場、現在、指定暴力団「谷岡組」の傘下組織が所有している建物になります。少なくとも組織の悪魔密売の拠点の一つで、今回の襲撃犯が匿われていると見て間違い無いでしょう。」

 

重信がA2サイズの廃工場の見取り図を取り出して指で指し示す。

 

「我々は搬入ゲートから突入し、コウイチとマキマを大暴れさせます。おい、コウイチ!お前らが吐かせた情報が犯人の拠点の早期発見に繋がった。そのお礼だ……今回だけは好き勝手に暴れていいぞ。」

 

「あんがとよ、重信さん」

 

「さんを付けねえなら好き勝手はやらせねえぞテメェら。」

 

「「誠に有難う御座います、重信様!」」

 

「話が逸れたな……祟原副長の班はその隙に搬入口の北側の倉庫跡で悪魔密売の証拠及び、悪魔の回収をお願いします。そして私と御幸さん、衣山さんは襲撃犯が現れた時に備えます。コウイチの方に現れるか、副長の方に現れるかは分からないので、臨機応変に動いてください。」

 

「ハイ、質問!重信様!」

 

ここでコウイチは質問する。

 

「襲撃犯はどんなヤツでしょうか!悪魔か人間かすら聞いてません!」

 

「あー、お前らには共有していなかったな。今回の襲撃犯は2人とも悪魔でも人間でもあるが、魔人じゃ無い。」

 

「どーいうことですか?」

 

「アイツらは『⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎』だ。」

 

「『⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎』?」

 

全く聞き覚えもないし、原作にすら出てこなかった名前にコウイチは首を傾げる。

 

「武器の悪魔の心臓を宿し、各々の武器の悪魔に変身する人間だ。稀すぎて俺も昨日存在を知った。公安でも確認している事例は岸辺隊長の元バディのクァンシ含めて3件ほどしかいない。」

 

なるほど、原作で言う武器人間やウェポンズに該当する存在らしい。原作マキマ曰く、本編開始以前にチェンソーマンにとある個体が喰われて名前を失ってしまったらしい。と言うことは1987年、現在チェンソーマンに喰われる前なのだろう。

 

(あれ、この時代のチェンソーマンって弱ってポチタになってるよな?どうしてあんなに強いヤツがワンコロに食われるんだ?)

 

コウイチは訝しんだ。

 

「相手の能力は打撃系と切断系らしいが、ひとまず現れたら変身前に頭と手を破壊しろ。ヤツらは大抵腕に自信があるから臆せずに飛びかかってくるはずだ。」

 

「承知しました〜重信様。」

 

打撃系と言うことは鞭子ちゃんで、斬撃系の方は槍の武器人間だろうか。この2人はかなり昔から存在していると言う描写がある。いや、他の武器人間の可能性もある。

 

ガチャッ

 

「おい、コウイチ!もうすぐ着くからコンテナの中を水でタプタプにしろ!」

 

コウイチの後ろの窓が開き、MUR隊長が顔を出す。

 

「ええ…(困惑)どうして水で満たす必要があるんですか?そもそも俺の能力は水を生み出すんじゃなくて操る能力ですよ?」

 

「左側に川流れてるからそこから汲めよなぁ。はやくしろー。」

 

「ええ…(困惑)わかりましたよ……」

 

そう言ってコウイチは瞑想に入り、意識を自然に溶け込ませる。そして、50m先の川面の水を持ち上げてトラックの方に導いていく。ミミズのようにうねる水流は、コンテナの天井のハッチに入り込み、中を水浸しにしていく。それと同時に藻の匂いが充満していく。

 

「ところで隊長、どうしてコンテナを水浸しにするんですか?」

 

「そりゃ、衝撃緩和のためだゾ。トラックで突っ込むから当然だよなぁ。」

 

重信の質問に対する答えは非情なものだった。

 

「いやいやいや、突っ込むんなら隊長の方が危ないんじゃ?」

 

「お前漫画の読み過ぎゾ。トラックで突っ込む時は運転手の安全のために後ろ側から突っ込むのが当たり前ゾ。」

 

「はぁ?そんなの知らないですよ!そもそも作戦立案の時そんな話なかったじゃないですか!(祟原副長も頷く)誰がこんなイかれたこと考えたんですか!」

 

「そりゃ、今運転している人ゾ。」

 

「隊長、あんたかい!」

 

「待て、重信。三浦は助手席に座ってるぞ!」

 

祟原副長が恐ろしいことに気づいてしまう。

 

「と言うことは運転しているのは……」

 

「そう、俺だ。」

 

窓から岸辺のゾンビ顔がぬっ、と現れた瞬間、全員の顔が蒼ざめた。

 

「待ってください、飲酒運転ですよアンタ!」

 

「ここは公安だ。正気な者は生き残れない。Good luck……」

 

ピシャン!

 

水位が上がってくる前に運転席とコンテナの間の窓が閉じられる。

 

「待ってください、待ってください、待ってくだ……うぉっおっぼっぼっぼ……」

 

「コウイチ、俺たちを溺死させる気か!」

 

「あー、泡頭作るんでそれ被ってください。」

 

「お、ありがと……コ°ッ……!(悶絶)」

 

皆が川の水の臭さで悶絶する中、トラックはドリフトし後ろ向きに加速を始める。

 

「じゃあ(特異三課を)ぶち込んでやるぜ!」

 

 バァン!(大破)

 

後ろ向きに突っ込んだトラックが廃工場の搬入口のシャッターを突き破り、進路上にあるもの全てを吹き飛ばしていく。運悪くシャッターの近くにいた暴力団員は即死した。

 

だが、すぐさま殺気だった暴力団員たちが他の部屋から押し寄せてくる。中にはマシンガンで武装した傭兵っぽいものもいる。それをバックミラーから確認した岸辺はコンテナを叩く。

 

・・-- ・・・ ・--- -・-- ・-・- 

 

・-・・・ ・-・・ ・・-- --・-・ -・ 

 

コンテナ側から返事が返ってくるや否や、コンテナに無数の穴が空き、細く鋭い水流が殺意を持って暴力団員に殺到する。

 

そしてコンテナの扉を蹴り飛ばし、コウイチが悠々と外に降りる。

 

「さぁて、ひと暴れさせて貰うぜ。」

 

そして廃工場内で人外による蹂躙が始まった。

 

 

 





コウイチとマキマが自宅謹慎している1日の間に重信は御幸と一緒に襲撃犯のアジトを見つけ、岸辺や三浦と一緒に作戦を立てました。全てはバカ2人が襲撃犯の手下から吐かせた情報のおかげなので、重信は業腹だが2人に感謝を伝えることを決意しました。

コウイチはチェンソーマンの世界で生き残るために頭のネジを外そうとした結果、思考が悪魔寄りになってしまいました。元からADHDなど障害を疑われていましたがここまでふざけたり暴れたりする人間ではありませんでした。
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