転生したら人造魔人《ホムンクルス》だった件 作:ビッグシャイン
言い訳にはなりますが、書こうと思った時に就活やら実習が本格的に始まるわなんやらで書くのがどんどん後回しになっていました。
気を取り直して第6話!どうぞ!!!
あ、感想待ってます(小声)
やぁ、みんな、俺だ。リオン・テンペストだ。
俺たちは今、武装国家ドワルゴン内にいる。順番待ちせず、入国させてもらえたのは良かったんだが、少し問題があって…
俺たち3人は!今!牢屋の中にいるんだ!
なぜ俺たちが投獄されることになったのか……
そうあれは、今から小一時間ほど遡る。
約一時間前
「おいおい!魔物がこんなところにいるぜ?」
「まだ中じゃないし、ここなら殺してもいいんじゃねぇの?」
「おい、荷物置いてけよ。それで見逃してやるからよ」
こんな感じで変な奴らに絡まれて、そこで俺が前に出た。
「あの…俺のツレになにか?」
まずは穏便に、荒くれ者に話をしようとする。すると、荒くれ者はリオンの方を向いてさらに悪態をつく。
「あ?なにおまえ?」
「あ〜、コイツらの飼い主かなんか?ペットもペットなら飼い主も飼い主だな!ヒョロくて雑魚そうな見た目してるよ!」
「(ヒョロッ!?)あ、あはは…」
荒くれ者達に罵倒されるがリオンは苦笑いでお茶を濁す。そして、リムルに念話で語りかける。
『よしリムル…コイツらぶっ飛ばそう!』
『ダメだよ!何考えてんだ!』
『舐められたら負けだよ!ああいう輩は分からせなくちゃ!おやっさんもそう言ってた!』
『そのおやっさん直伝のヤクザメンタルは今は引っ込めろ!』
そんな感じの言い合いを終わらせて、俺たちはゴブタに前話したルールの3つ目はなんだったのかを問うと、ゴブタは敬礼しながら「人間を襲わない」と答えてくれた。ちゃんと覚えていてくれて嬉しいなんて思っている暇はない。
「うむ。では少し目を瞑り、耳を塞いでおくんだ」
「くれぐれも、目を開けてはいけないよ」
俺たちがそう言うと、ゴブタは勢いよく敬礼をしながら大声で、
「よくわかんないっすけど、了解っす!」
と言うと俺たちの言いつけ通り目を閉じて、耳を塞ぎ地面に伏せた。すると、荒くれ者が突っかかってくる。
「おい!雑魚の癖に俺ら無視してんじゃねーよ!」
「「雑魚?それは俺たちのことか?」」
「てめぇらに決まってんだろうが!喋るのは珍しいがな!スライムなんざ雑魚中の雑魚で、それ連れてるヒョロいオメェも雑魚だろ!」
はい、許しません。
「ほう?俺がスライムに見えるのか?」
「俺がヒョロいというのかね?」「いや、ヒョロいはヒョロいぞ」「あ゙?」
「いやいや、ヒョロいとかいう次元にいない奴に言われたくないね!」
「スライム相手にそんな事張り合う時点でたかが知れてるだろ…
「はぁー!もう怒った!許さねーぞ!リムル!」
リムルにそう言われ、キレるリオン。荒くれ者達をよそにやんや言い合うリオンとリムルの光景にしびれを切らした荒くれ者が凄む。
「だから無視してんじゃねーよ!どっからどー見てもお前はスライムだしテメェはヒョレーよ!」
「こいつら、ふざけやがって…」
「どうやら痛い目見ないと自分の置かれた立場わかんねぇみたいだな…えぇ?テメェらぁ」
顔に青筋を立てながら荒くれ者は鞘から剣を引き抜く。
「「あ、忘れてた」」
「ン゙ン゙ッッ!…ククク。いつから俺がスライムだと勘違いしていた?」
「違うってんなら正体見せやがれ!!」
リムルが不敵な笑み(?)を浮かべながらそう言うと、荒くれ者達がこちらに武器を構えながら突っ込んでくる。
「(いや、スライムではあるんだけどね)」
リオンが心の中でそう思っていると、リムルは煙をぶわっと出しながら姿が変化する。
「な…っ!?」
煙が晴れてそこにいたのは、2本の角を携えた額に巨大な牙狼族のような姿があった。
「どうだ?これが真の姿(ウソ)だ!」
《擬態
「(
リオンは懐からレプリゴルドダッシュのケミーカードを取り出して、不敵な笑みを浮かべながら荒くれ者に見せる。
「俺も、人間じゃなかったりして♪」
「ダーーッシュ!」
《暗黒に染まれ》
するとリオンの瞳が赤く光り身体から溢れ出した闇がレプリゴルドダッシュのケミーカードを包み込んだ。
「フフフ…(さて、どうなるかな?)」
すると、リオンは上半身に分解されたバイクの意匠があり、左腕にバイクの後輪部が付いている怪人「バイクマルガム」へと変貌していた。
侮っていたものが得体の知れないものに変わった光景を見た荒くれ者2人は、ビビるどころか更にいきり立ち、声を荒らげる。
「どうせハッタリだろ?見た目だけ厳つくても雑魚は雑魚だぜ!」
「おい、お前らも来い!5人でやっちまうぞ!」
その様子にリムルとリオンは目(?)を丸くして驚く。
『アイツら全然ビビってないんですけど!?しかも仲間呼んだしィ!』
『はえー…なかなか気概はあるみたいね〜さすがは冒険者なだけはあるか』
『感心しとる場合か!』
などと念話で話していると、荒くれ者たちが様々な攻撃をしかけてくる。
「うおおお!風破斬!」「喰らえ!」「火炎球!」
「……」プチッ
「あ…」
そのどれもがリオンには当たらず全弾リムルに命中し、彼の堪忍袋の緒が切れる音がリオンにはたしかに聞こえた気がした。
「お前らいい加減にしやがれ!!なんで俺にしか当たらねーんだ!!!」
「うわっ…!耳潰れる」
リムルは怒りに任せて「威圧」を発動しながら吠えたため、リオンは耳を塞ぐ。
すると、威勢の良かった荒くれ者達が全てダウンしていた。
「あ〜らら…」
《個体名リムル=テンペストの威圧の効果を報告します。逃走16名、錯乱68名、失神92名、失きn》
「(あ、いや…被害報告なんてしなくていいのよ)」
呆然としているリムルと呆れるリオンがその場でどうしようかと手をこまねいてるとそこに、ドワーフ王国の警備隊が怒鳴りながら走ってくる。
「コラー!そこのお前らー!!」
「あ」
「やっべ!」
警備隊を見て、急いでリムルとリオンは元の姿に戻る。それを見て目を丸くする警備隊の面々。
「は?え?スライムと…人間?」
「「え〜と…てへぺろ!」」
というのが事のあらましである。どう見ても俺たちはなーんも悪いことはしていない。
「…ね?俺達悪くないでしょ?」
「うーん…まぁ、見ていた者の証言と概ね一致するが…」
ちなみに、リムルが「威圧」の実行犯なので警備隊のおっちゃんへの説明は丸投げした。その間、俺とゴブタはせっさんやいっせーのーせなどの指遊びをしていた。
そうこうしているうちに、事情聴取は終わったようで誤解は解けた…ってことでいいんだろうか?
「いっせーのーせ3!!」
「うわぁっ!!また負けたっす〜!」
「ハッハッハ!まだまだだね!ゴブタくん!」
「さっきからうるせーよ!お前ら!!」
すると、扉が勢いよく開いて隊員が大声と共に入ってくる。
「隊長大変だ!鉱山でデカイ事故が起きた!なんでも、アーマーサウルスが出たとかで…」
「なんだと!?」
そう言うと隊長が椅子からガタッと立ち上がり、続ける。
「街に出てくる前に仕留めんと…」
「いや、そっちは大丈夫。すでに巡回中のヤツらが討伐に向かってます。ただ…魔鉱石の採取のため、奥まで潜っていた鉱山夫が酷い怪我を負ったようで…」
「なにっ!?ガルム達が!?」
「…俺たち空気な」
「そっすね」
「うーん…」
何やら物騒なことを言って慌てる警備隊の人達。それを横目に、俺達は牢屋でただ佇むことしか出来ない。
「戦争の準備だかで回復薬の類は品薄だ。このままじゃ…」
「馬鹿言うな!アイツらは俺の兄弟みたいなもんなんだ。そう簡単にくたばってたまるか!」
「「……」」
そう言い頭を抱える警備隊長さん。それを見た俺とリムルは顔を突き合わせて無言で頷く。
すると、リムルは、樽そして檻を抜け出し、警備隊長につんつんと触れ語りかける。
「旦那旦那」
「ん?」
「あ、おい何勝手に出てんだおま…!全員出てんじゃねーか!!」
「まぁまぁそれどころじゃないんでしょ?」
「これが必要だと思ったんですよ」
そう言うとリムルとリオンはとある液体をなみなみ入れた樽をゴブタに運んでもらう。
「これは…」
「回復薬ですよ」
「飲んでもよし!かけてもよしのちょー優れものです!」
皆さんご存知、俺達(哲学者・大賢者)製の回復薬。
魔物から提供された液体なんて普通は試すはずはないのだが…
「旦那の兄弟分、このままじゃヤバいんでしょ?他に打つ手ないならとりあえず試しちゃどうです?」
「こう見えて俺とこのスライムは兄弟分なんです。だから、あなたの兄弟分を想う気持ち。理解しているつもりです」
「……」
警備隊長は2人と回復薬を黙って交互に見る。
すると2人の言葉を聞いて、決心した様子で口を開く。
「お前らここから出るなよ!おい!行くぞ」
「隊長マジすか!あれ魔物でしょ!?」
「うるせえ!さっさと案内しやがれ!!」
部下とそんな会話をしながら隊長はドタドタと部屋を後にした。
「これでいいよな」
「あぁ」
そして待つこと1時間。リムルは暇つぶしに糸を操る練習をしており、東京タワーを作るなどハチャメチャにすごい域に到達しているように見える。
ゴブタは最初こそ、起きて色々話をしていたが途中から大の字に寝そべり惰眠を貪っている。こういう環境で寝れる図太さは素直に感心してしまう。
俺?俺は「錬金術」の練度をあげるため、置いてあった鉄製の剣や手錠などを翻訳した文章を再翻訳するかの如く錬成を繰り返し繰り返しおこなっていた。
例えば…
「剣から斧!ロッド!槍!盾!ん〜…ボウガン!」
「お〜…だんだん速くなってんな」
「Zzz…もうたべれない…す…」
「うん。だけどボウガンは構造が難しいからちょっと遅くなるな…特訓し直すわ」
「んじゃ、俺ももう少し練習しようかな」
「Zzz…えへへへへ」
「「どんな夢見てんだコイツ」」
そんな会話をしていると、外からドタドタと4人程の足音がこちらに近づき、扉が開く。
すると先程の警備隊長とその後ろに3人のドワーフがこの部屋に入り、こちらに頭を下げる。
「助かった!ありがとう!!」
「あんたがくれた薬じゃなきゃ死んでた!ありがとうよ!」
「今でも信じられんが千切れかけてた腕が治ったんだよ」
「……」こくこく
「(いや、なんか言えよ!)」
と三者三様にリオン達に感謝の気持ちを述べるドワーフたち。
そして、警備隊長が口を開く。
「いやホント。あんなすごい薬は初めて見たぜ!俺に出来ることなら何でも言ってくれ!!」
「いやいや…」
「それほどでも…」
この一件で警備隊長カイドウは俺達を信用してくれたみたいだ。情けは人の為ならずってのはこの時のための言葉だと実感したよ。
一時はどうなる事かと心配したが、これにて一件落着だな。
そして翌日。
釈放された俺たち3人は、カイドウの紹介で鍛冶屋に行くこととなった。元々の目的は建築関係に強い人を探していた。鍛冶屋にいけば、そういう関係の人に会えなくても、コンタクトを取れる可能性もある。願ったり叶ったりだ。
俺たちは辺りを見渡すと、ゴブリン村に比べてはるかに文明的で、いかにもスチームパンクな景色に圧倒される。
いかんいかん…これじゃまるで初めて東京に来たおのぼりさんみたいになってしまう。
すると俺は、店先に並べられたとある剣たちに目が止まる。
「(おん?なんだこの剣…)光ってる?」
「あ、それそれ。それ打ったヤツだよ」
「え?」
俺がつい漏らしてしまった言葉にカイドウさんが答える。それに対してもまた更に俺たちの疑問が浮かぶ。それにも、カイドウさんが答えてくれた。
「これから会う鍛冶師だ」
すると、立派な店が姿を表すと、カイドウはその中に入って行き、それに着いていくリオン達。
店に入ると、カーンカーンと金属を叩く音が店中に響いており、奥の方を見るとドワーフの男が鉄を打っていた。
その男に、カイドウは声を掛ける。
「兄貴いるかい?」
その言葉を聞き、手を止めた男は息を整えてからこちらに振り向き、ゴーグルを上にあげながら答える。
「なんだカイドウか。悪いが今忙しいんだ。急ぎでないなら日を改めてくれ」
いかにも職人気質なその人を見て固唾を飲む俺たち。するとリムルがある人物たちを発見する。
「昨日の3人じゃないか。ここで働いていたのか」
「あ、ホントだ。元気そうで良かったです」
「ああ、どうもリムルの旦那にリオンの旦那!カイジンさん、この方たちですよ。昨日俺たちを助けてくれた御仁達は」
それを聞いたカイジンの態度は先程よりは軟化して口を開く。
「そうだったのか…礼を言う。すまんが今ちょっと手が放せなくてな」
「いや、いいよ。邪魔して悪いな」
「お気になさらず」
すると細目のドワーフがカイジンに発言する。
「親父さん。相談してみちゃどうです?」
「む?いやいや、相談しても無駄だろ」
「でも、あんな不思議な薬を持っていた方たちですぜ」
「そうですよ親父さん」
「……」こくこく
何やらただならぬ期待を背負わされている気がする…だけど、何か困っているなら聞いてもバチは当たらないだろうし、聞くだけ聞いて見ないと役に立てるのかすらわからんし。
「話してみてくれ」「話してください」
「わかったよ。実はな…」
~ホムンクルス&スライム事情聴取中~
「——成る程ね。今週末までに
「素材が足りない…と」
カイジンは頭を抱えながら話を続ける。
「国が各職人に割り当てた仕事だ。引き受けた以上出来ないじゃ済まされねぇ」
その話を聞きながらリオンはある物に目を向け、それをカイジンに質問する。
「これは違うんですか?」
「あぁ、それはただの鋼の剣だよ。今回の依頼は「
「普通の剣とどう違うんだ?」
カイジンの説明に、リムルが疑問を呈すとカイジンは光を放つロングソードを取り出しながらが付け加える。
「ウチにあった在庫で出来たのはこの1本だけだ。見てみるか?」
その剣を確認すると、やはり店先の剣と同じように光って見える。すると、カイジンさんは続ける。
「魔力を馴染ませやすい「魔鋼」を芯に使ってある。簡単に言うと、使用者のイメージに添って成長する剣なのさ」
なんだソレめっちゃ欲しい!使っていくと、自分と同じように強くなるのか…どっかのサイキョージカンギレードもそんな能力あった気がする。
そんな風に興奮しているとカイドウさんが呆れたように言い放つ。
「まず、引き受けなきゃ良かったのに」
「俺だって最初は断ったさ。したらあのクソ大臣のベスターの野郎が…」
“名高いカイジンともあろうお人が、コノ程度の仕事も出来ないのですかな(笑)”
「とかこともあろうに国王の前で言いやがって…!」
「落ち着け兄貴」
その後も話を聞いていると、
「(そういえば…哲学者さん。質問なんですけど)」
《はい。》
「(俺たちが洞窟で見つけ次第採取してたのってもしかして…)」
《解。個体名ヴェルドラ=テンペストの魔素を受け、超高純度となった魔鉱石です。なお、精製すれば「魔鋼」が抽出できます。》
「(よっしゃ、ラッキー!!)」
そんな感じに心の中で喜んでいると、カイジンが汗を拭きながら一息つく。
「…とまぁ、こんな状況よ」
「なぁ、親父さん」
「ん?」
カイジンにリムルが語りかけると、リムルはそのロングソードを「捕食」しながら続ける。
「俺たちの村に技術指導として来る気はないか?」
「は?いや、俺は…」
困惑するカイジンを他所にロングソードを取り込み、「大賢者」で解析するリムル。
「いやー、親父さんの打つ剣気に入っちゃって」
「あっ、コラそれは1本しかない完成品だぞ!?何食ってんだ!」
「まぁまぁ、とりあえず見といてくださいよ」
そんな掛け合いの中、リムルがゴックンと捕食すると、ロングソードはリムルの中に融けて消えた。その後鋼の剣も捕食すると、リムルがスキルを発動し、店中に突風が吹き荒れる。
風が止むと、リムルの前に20本もの光り輝くロングソードが出現する。
「無理強いはしないさ。でも、検討してみてくれ。魔鋼のロングソード20本、完成だ」
「…ご査収ください」
職人が無理だと思っていた仕事が、喋るスライムによって完成した。この異様な光景に目を丸くするカイジン達。
そんな中、リオンは「哲学者」に語りかけられた。
《告。
「(わ〜…便利だぁ。なんかズルしたみたいだから黙っとこ)」
『わかってるぞリオン』
『あ、サーセンした…』
そんな自分の横着なところもリムルに見透かされていたリオンなのであった。
読んでくださりありがとうございました。これからも細々と続けてきますので気長にお待ちください…
せめて魔王覚醒まではいきたいなぁ