AIの力を借りて、自分の妄想を何とか文章化しました。
稚拙で読みづらい文章かもしれませんがよろしくお願いします。
乾いた風が、錆びた鉄と絶望の匂いを運んでくる。
中東、名もなき国の国境地帯。ここは地図から見捨てられた場所。政府の統治は及ばず、ただ飢えと渇き、そして暴力だけが確かな実体を持って人々を支配していた。
衛宮士郎は、そんな場所で「便利屋」をしていた。
ふと、脳裏に遠い日の記憶が蘇る。光の中に消えていった、少女の最後の言葉。
『貴方を、愛している』
あの言葉が、今も俺を支えている。あの誓いが、俺をこの場所に立たせている。だが、現実はあまりに過酷だ。助けても助けても、悲劇は終わらない。井戸を掘れば、その水を巡って争いが起きる。食料を分け与えれば、持たざる者からの嫉妬と憎悪が生まれる。
正義の味方。その言葉の空虚さを、この乾いた大地は容赦なく突きつけてきた。
それでも、彼は止まれない。止まってしまえば、セイバーとの約束が、彼女が肯定してくれた自分の全てが、嘘になる気がしたからだ。
昼間は瓦礫を運び、夜はキャンプの秩序を乱す者を「処理」する。その日も、彼は闇に紛れてキャンプを巡回していた。その耳に、医療テントからの微かな悲鳴と、男たちの下品な笑い声が届いた。中には数日前に保護されたという、東洋系の少女がいるはずだ。言葉も通じず、誰とも馴染めず、ただ静かに衰弱していると聞いていた。
テントに踏み込むと、予想通りの光景が広がっていた。悪徳な傭兵たちが、衰弱した少女の腕を掴んでいる。その少女は、怯えながらも、その瞳の奥に宿る気高い光で、男たちを睨みつけていた。それは、ただの難民の目ではなかった。すべてを統べる者の、侵略を許さぬ王者の眼差しだった。
「――その子から、手を離せ」
士郎の静かな声が、砂嵐の音に混じる。傭兵たちが嘲笑と共にナイフを抜く。だが、彼らがその切っ先を士郎に向ける前に、勝負は決していた。体捌き、打撃、急所への一撃。士郎は鍛え上げた戦闘技術で、一瞬にして二人を無力化した。
気を失った男たちをテントの外へ引きずり出し、士郎は少女に向き直る。
少女は、目の前の光景に息を呑んでいた。少年の戦う姿。その動き。その構え。それは、彼女の魂の奥底に焼き付いている、たった一つの鮮烈な記憶――あの人の背中に、あまりにも似ていた。
「怪我は?……大丈夫か」
日本語での問いかけ。その声に、魂が震える。違う。探し求めている人の気配とは、何かが違う。もっと皮肉屋で、もっと乾いた響きだったはずだ。目の前の少年は、あまりにも真っ直ぐすぎる。けれど、なぜ。魂が「この人だ」と叫ぶような、懐かしい感覚がする。
「……あなたは……誰、ですか?」
「俺の名前はシロウ。衛宮士郎だ。君は?」
「……ハクノ。岸波白野、です」
白野は自分の名前を告げた後、懇願するように続けた。
「私、探しているんです。ある人を。赤い外套を着た、その人の背中しか思い出せないけれど……」
赤い外套――その言葉に、士郎の脳裏に一人の男の姿がよぎる。冬木で戦った、凛のサーヴァント。まさか、と彼は首を振る。偶然だ。だが、この少女を放ってはおけない。彼女の瞳は、助けを求めるただの難民のものではない。何かを探し、何かを成し遂げなければならないという、強い意志を宿している。それは、かつての自分と、そして誰よりもセイバーと通じるものだった。
「なら、俺が手伝う。その『赤い外套の男』を、一緒に探そう」
士郎は、自分がその「探し人」の過去の姿であるなどとは夢にも思わず、純粋な善意から手を差し伸べる。
「それまで、俺が君の側にいる。約束だ」
白野は、士郎の真っ直ぐな瞳の中に、探し人の背中とは違う、けれど確かな信頼の光を見出し、小さく頷いた。
こうして、互いの正体も、旅の本当の意味も知らぬまま、セイバーを探す少年と、名も知らぬ騎士を探す少女の、二人だけの旅が始まった。