人懐っこく、頑張り屋な彼女がこれからも頑張れるようにと思い、作りました。
こんな小説のイメージがありましたが、中々作れずにいて、今頃投稿出来ました!
今作もどうか面白いと思いましたら嬉しいです!
そこは飛鳥時代のあるお社の光景。
狛犬を祀る(まつる)お社であり、巫女が1人、覡(かんなぎ)が4人いる男性が多いお社がある。
「はぁ…俺達いつになったら戻れるんだろうな」
と俺、雅人(まさと)はお社を枯れ葉を箒で掃きながらため息する。
俺と一緒に掃き掃除しているもう1人の男性、龍もため息を吐き、
「そりゃあこのお社を復興出来るまでだろ?」
と話す。
何故俺達がいつ戻れるかと話しているのか?
それは、俺達は1回死んで、この時代にタイムスリップしたのだ。
まだ死ぬ前、俺は大学の夏休みで1人旅行をしようととある村の観光にバスに乗り込んでいた。
観光バスには俺以外に何人か乗っており、その村へ観光バスは走っていた。
その時はまだ順調に走っていたが、途端バスが操縦不能になる。
バスはブレーキも効かず、ハンドルも回せない状態、目の前には崖があり、曲がらないといけない場所だった。
しかし、今ハンドルは回せないので、バスに乗っている俺たちはそのまま崖へと落ちて行く。
あぁ…ここで俺は終わりなんだ
と落ちて行く中俺はそう思っていた。
様々な思い出が燈馬想(とうまそう)に頭の中を駆け巡っている時、知らない男性の声が聞こえた。
こいつらどうやらそろそろ死にそうだな
そうだ、こいつらを我が娘のお社の復興への手伝い人として働かせよう
なにお社が復興出来たら元の時代に生き返らせるから安心して行って来い
何故我が娘は我らの神力を奪い取ったのかが分からぬ…
と話していた。
なんの事かその時の俺達はまだ分からず、段々と自身の身体が軽く消えていく感覚がした。
だが分かった事は、その声の主は娘に対して疑問を抱いてた事だけだった。
それが俺達がこの飛鳥時代に飛んできた理由で、その時バスに乗っていた人達も来ていた。
社会人で仕事の休みに村へ旅行に来ていた龍さんと銀次さん、違う大学の生徒だけど村の伝承が気になりバスに乗っていた上島くんと俺を含めた4人が今お社の掃除をしている。
他にもバスに乗っていた人達もいた気がしたが、俺達だけこの時代へ今過ごしていた。
「そっちそろそろ終わりそうすか〜?」
「こっちのお賽銭の修理は終わったぞ」
とお社の中の雑巾掛けをしていた金髪でヘッドホンをしている上島くん、お賽銭の修理をしていたがっしりした体格の銀次さんがこちらへやってきた。
丁度こちらも枯れ葉の掃き掃除の方が終わっていたので、俺達がこの時代に来た理由をまた話し合う。
「そりゃあ俺達はこのお社さんの娘が使った神力というのを返し終える為にこの時代に来たって訳ですからね…あぁ!まだ気になる事あったのに!」
と上島くんはまだ調べきれてないのにこの時代へ来た事に対する残念感を出していた。
金髪でヘッドホンをしている彼だが、根は真面目で気になる事があると直接調査したくなる大学の生徒だ。
「つまりあれだろ?借金みたいなのもだろ?なんで俺達がその手伝いをしなければならないんだ…」
と銀次さんは仕事がそろそろあるのにと焦っていた。
彼は龍さんと同じ仕事の仲間で、丁度2人が仕事の長期休みでどっか行かね?となり、あの観光バスへ乗っていたのだ。
2人の会話を聞いて俺もまだやりたい事これから見つけたいと思っていたのにこの時代へ飛んできたので、早く元の時代へ戻りたい気持ちがあった。
そう俺達4人が沈んでいる中、1人の青髪の巫女が駆け寄ってくる。
「お〜い!すっごい神力の返済に良い仕事見つけたのじゃ!」
とそれはとても笑顔であった。
しかし、返済に良いという事は過酷でもあるから俺達は冷や汗をかいていた。
「え…え〜と、その内容はどんなのですか?おうかさん?」
と龍は一応内容を聞いてみようとそのおうかという巫女へと聞いてみる。
良くぞ聞いてくれたとおうかは思い、フッフッフッと笑いだし、
「なんと!悪霊退治じゃ!」
と堂々と言い放つ。
それには俺達は(またやばいやつだ…!)と思い、凹んでいた。
そう凹んでいる俺達におうかは「大丈夫じゃ!」と言い、自身の隠していた狛犬の耳と尻尾を俺達の前で現し、
「この狛犬の家来であるお主らならやれる!」
と俺達を自信つけさせる為に活を入れてくれた。
そう朝の時間が過ぎ、夜の時間となる。
夜は明かりが無く、都はすっかり暗い闇へと包まれる。
俺達の時代なら建物の明かりや電柱の照明で道が分かりあんまり怖くなかったが、この時代は全然明かりがないので、より夜の怖さが伝わっていた。
そんな闇の中、俺達は装備を十分に備え、悪霊退治に臨んでいた。
ただこの時代へ来ただけでなく、俺達には狛犬の家来としての備わっており、身体能力がかなり上がっていた。
だがその分頭には犬耳が生えており、生えていたのを初めて見た時はかなり驚いてしまった。
身体能力が上がっている他に、俺達それぞれに備わっている能力もあった。
龍さんは式神を使う能力、銀次さんは修復する能力、上島くんは情報を開示する能力、俺には封じる能力があった。
一見俺の能力が強いと思うが、俺が出来るのは動きを封じるだけの能力である。
こんな能力の俺達だが、こう見えてかなり戦って勝ってきた。
だが、勝つ度に不思議な記憶が流れていく。
誰かが泣いている声
たくさんの死体が道端に溢れる都
そんな記憶があるが、特に気になったのは、
俺達4人の死体と他の死体がある事
「もう一度…やり直す…」という誰かが泣いて、何かしらの術を唱えてる事
それら2つに俺達は困惑していた。
何故俺達の死体があるのか、もう一度やり直すという事とは、そんな疑問が浮かんでいたが、今は元の時代へ戻る事が先決で考えないようにした。
ただいま都の中を俺達犬耳を生えた4人が歩いている。
夜の都は不気味で何処からか悪霊に襲われるか不安になるが、その時頭の中に声が聞こえた。
『あ〜あ〜、マイクテストマイクテスト』
そう、おうかの声が聞こえてくる。
狛犬の家来となった事で、俺達の頭におうかの声が聞こえる事が出来、おうかがこうして指示を出してくれる。
『その先の道を右に曲がれば目的の悪霊どもがいるぞ。気をつけてかかれ。』
と教えてくれる。
こんな事が出来るのならおうか自身が戦えばいいのにと言ったが、その時に
『すまん、戦える力も失ってるから戦えないのじゃ』
と申し訳そうに言った。
もし戦える力取り戻したら連れてこようとその時の俺は思っていたが、他の3人も同じ意見だった。
そう色んな事を思い出しながらその先の角を右へと曲がると、何かがいた。
姿は鬼の姿、しかしその身体から黒い瘴気みたいなのを感じ、彼らが今回の討伐の悪霊であった。
その数は10匹、新鮮な人の肉を喰らおうとウロウロとその場を探していた。
まずは様子を見て、どう行動するか作戦を立てる。
「では最初に俺が情報の開示をするっす」
と上島くんは悪鬼達にバレない遠くから悪鬼達を見つめる。
上島くんの開示能力は見つめるだけで相手の情報を見ることで、何が弱いのかを確認出来る。
「あ〜彼奴等は目よりも音に鋭いのかな?例え咳き込むだけでもバレそうっす。身体能力は高いけど、その分術の耐性は弱いみたいすね」
と上島くんの開示は終わり、術系が弱い事が分かった。
それなら俺の封じる能力で動きを止める事が出来るかもしれない。
「なら俺の式神でこちらへ呼び出して、雅人の能力で全員動き止めるのならどうだ?」
と龍さんはたばこを吸い終え、懐から術式の書かれた紙を取り出す。
それには俺も賛成で、龍さんにお願いした。
「おけ、とりあえず雅人以外は隠れて誘い込むぞ」
と龍はその紙に親指を噛みちぎって出てくる血を付けて飛ばす。
するとその紙は人の姿へと変わり、悪鬼達の前へ姿を現す。
龍さんの式神を使う能力はどうやら龍さんがイメージした姿へ変化する事が出来、こうして人の姿へと変化出来たのだ。
悪鬼達は目の前の獲物を見つけると走り出し、捕まえようとする。
式神は1人の女性の姿で着物を着ているが、かなりの速さで走り、捕まらずにこちらへ誘導出来た。
そして、俺は悪鬼達と対面する。
最初はこいつらと命を賭けて戦う事にかなり怖かったが、おうかや龍さん、銀次さん、上島くんの4人の一緒に戦ってくれる仲間がいる事でこうして戦う事が出来ていた。
目の前の女性が消えた事に疑問になっていた悪鬼達だが俺を見つけると咄嗟に俺に襲いかかる。
俺は地面に手を当て念じると、術が地面に広がり、悪鬼達10匹は動く事が出来なくなる。
封じる能力が成功出来た俺は、「今だっ!!」と掛け声を上げる。
「「「任せろ!」」」
と龍さん、銀次さん、上島くんが塀から飛び出し、それぞれの武器を持って攻撃する。
おうかから貰った武器は魔を滅する事が出来る術を付与しており、俺達は自分自身が使える武器を選んでいる。
俺と龍さんは刀、上島くんは槍、銀次さんは小槌を使い、一匹一匹の悪鬼を倒していく。
最後の悪鬼を俺が切り捨てると、悪鬼の身体は空気に溶けていくかのように消えていく。
それと同時に夜更けの時間になり、太陽が上がってくる。
『皆のもの、お疲れ様!無事討伐は終わりじゃ!今お社に神力が注がれておる!』
とおうかの声が聞こえ、お社がある山の方を見る。
お社は今黄金に輝いていて、段々といつもの赤色のお社の姿へと戻っていき、今回の討伐の神力の分が返済された事が分かった。
「さて、討伐終わったし、皆の武器を見せてくれないか?私の修復する能力でまだ使えるようにするから」
と銀次さんは武器のメンテをするから渡してと言ってくれる。
お言葉に甘えて銀次さんにお願いする。
刀、槍、小槌を銀次さんは刃毀れ(はこぼれ)などしてないか良く見て、壊れかけてた武器があったなら、銀次さんが武器に意識を移し、修復する能力を発動する。
修復する能力が発動されてる武器は暖かい光が発生し、その光が収まると新品同様の武器に直るのだ。
もし次の討伐があった時に十分に戦えるから、この修復する能力には凄い感謝を感じていた。
こうして討伐を終え、お社へ帰ろうとすると、俺達の頭に頭痛が走る。
この痛みはよく討伐後に起きるもので、また不思議な記憶が流れ込んでくる。
今度は誰かの幼少期かな?
お城みたいなのに住んでいるから偉い人だと思う。
その少年は1人で寂しそうに遊んでいると、誰かがお城へ乗り込んできた。
1人の少女だ。
少女はその少年に話しかけ、一緒に遊び始める。
一緒に遊んでくれる人が出来て少年は嬉しそうだった。
「いてぇ…」
と俺達は頭に手を当てていた。
どうにも記憶が流れてくると激しい頭痛が来るので、討伐後には結構身体にきつく感じていた。
「早く戻って休もうぜ」
と龍さんはそう言い、銀次さんと上島くんはそうだなとお社へ向かって歩いていた。
だが俺だけは少し足を止めて、先程の記憶を思い出していた。
あの少女の顔は分からないけど、服装がどうもあのおうかさんと同じ感じの巫女服であった為、これは一体何の記憶か疑問に感じていた。
もし俺達は元の時代に戻るのなら、戻るだけではなく、何かしら大きな事がこれから関わってくるのかなとその時の俺は思っていた。
だが今はこうして神力を返済するしかない為、俺は3人の後を追いかけて帰るようにした。