類と司がラブホで遊ぶ話。
CP要素全くなし。
テンション高め。

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仕事帰りの金曜の夜。

久しぶりに再開した類と司は偶然にも同じイベント企画会社に関わることになっていた。

現場終わり、片付けを終えて気がつけば2人で居酒屋のカウンターに座っていた。

 

「いやはや、まさか類がプロの演出家になっているとは!」

「司くんこそ、まさか本当に舞台俳優を続けているとは思わなかったよ。

 ……しかも、主演の常連だなんて。」

 

グラスが触れ合う音。

懐かしい声と笑い声。

少しだけアルコールが頬を染めて、昔話に拍車をかける。

 

「あのときの結局僕が上からぶら下がって登場したあれ……。」

「ああ、あの時か!!

 ステージ中にロープが切れかけて、心臓が止まるかと思ったぞ!!」

「ふふ、結果的に成功だったじゃないか。」

「成功とは言わないんだぞ、そういうのは!!!」

 

酔いと笑いの間で、時計の針が深夜を指した。

外に出ると、都会の夜は酒で温まった身体にも少し肌寒い。

フラフラしながら、どちらからともなく歩き出す。

 

「……あれ、司くん、どこ行くの?」

「……どこって……この辺りの宿に泊まろうかと……思って、な……。

 えーと、えー……。」

 

スマホを取り出すが、指先が上手く動かない。

キョロキョロと周囲を見渡した司が、ゆるゆると指を指す。

 

「……ここでいいか?

 ''休憩・宿泊OK''らしいぞ。」

「''休憩''って……。

 ……どうせ寝てしまうし、そうしよう。」

「そうだな……。うっ……。」

「おっと、大丈夫かい。」

「む……少し飲みすぎたか……。」

 

そして、2人は知らず知らずのうちに、ラブホの扉を開けていた。

 

部屋を適当に選んで、中に入る。

まず目に飛び込んできたのは、照明の光を浴びてキラキラ光るミラーボールと、やたら丸いベッド。

司はベッドに寝転ぶ。

 

「……司くん、これ、回るよ。」

「回るのか?」

 

類がスイッチを押すと、ベッドがギュルルッと大きく回転し始めた。

 

「おおおぉぉぉぉぉ!?!?」

「見たまえ!!!人間スピンだよ、司くん!!!」

「やめろ、類!!乗るな!!!

 おい、落ちるぞ!!うわぁぁぁぁ!!!!!」

「ははははっ!!!楽しいねえ!」

 

ベッドの上でふたりはぐるぐると回りながら大笑い。

酔いと重力がすべてぐちゃぐちゃになって、ただ笑うしかなかった。

 

「はぁ……はぁ……。」

「司くん、司くん。面白そうなものを見つけたよ。」

「……DISCOモード?」

 

類が次に発見したのは、ひっそりと配置されていた謎のボタン。

 

「押してみようか。」

 

パッと部屋の電気が消え、部屋中の照明が切り替わり、ミラーボールが回り始める。

 

「おお!!光ったな!!」

「光ったねえ、司くん!」

 

類はどこからか見つけた星型のサングラスと、金色で書かれた「Happy Birthday」の文字が書かれたタスキを身に着け、司の手を取る。

司は羽つきの帽子を見つけ、類の手を取る。

 

そして、大声で歌い回り出す。

 

「類!!今のハモリ、完璧だったぞ!!」

「それは光栄だなあ!」

「痛っ……。はは、ベッドの角に小指をぶつけてしまったよ!!」

「俺もだ、類!!!」

 

ルームサービスで頼んだポテトと缶ビールを片手に、2人は歌って、踊って、笑って。

ディスコライトの中で、日常の多忙が忘れられるほど楽しむ。

 

そして、風呂場。

完全に酔いが回った2人は服を脱がず、そのまま風呂場へと入っていく。

 

「おお!!トウキョウが一望できるぞ!!」

「司くん、司くん、司くん!!

 トウキョウタワーが見えるよ!」

「夜景を見ながらの風呂は格別だな!

 ……おい待て、類。服を脱ぎ忘れてるぞ。」

「そんなのいいじゃないか、ほら!!」

 

類がまたどこからか水でっぽを2丁見つけ、片方を司に手渡す。

 

「どわああぁぁぁ!?

 おい、やめ……!!」

「ふふふ、水鉄砲をもう1個見つけたよ!!」

「こらぁっ!! 打つな、類!!

 〜〜!!類がその気なら、お返しだ!!!」

「楽しいねえ!!楽しいねえ!!」

 

びしょびしょのまま狭い浴室の中を笑い転げ、浴槽の中で子供のようにふざけあう。

気づけば服も髪も床も、全部ぐちゃぐちゃで、濡れている。

けれどその瞬間、2人は昔のままの2人に戻ったかのようだった。

 

気づけば夜明け前。

回転ベッドの上、ルームサービスの残骸に囲まれ、2人は水浸しのまま崩れるように眠っていた。

ディスコのライトだけが、ゆるやかに回り続けている。

 

「……うぅ……頭が割れそうだ……。」

「僕もだよ……司くん……。ディスコ、まだ回ってる……。」

「止めてくれぇ……眩しい……。」

 

鏡に映る2人は、髪はぼさぼさでシャツは湿ったまま。

でも、笑っていた。

なんだかんだ、楽しかった夜だった。

 

「……大人になっても、結局こうなるんだな……。」

「そうだね。きっと、子ども心が死なないまま大人に鳴ったんだよ。」

「……それも悪くないか。」

「服はどうしようか……。

 マネージャーはまだ寝てるだろうし……。」

「眼の前にコンビニがあっただろう。

 なにか着れるものを買ってくるか。」

「じゃあ、お願いしようかな。」

「ああ。類はその間に、チェックインを済ませてくれ。」

「わかったよ。」

 

2人は軽く目線を合わせ、部屋のドアを開けた。


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