R-18には引っかかりません。(多分)
「はぁ、はぁ、はぁ」
ここは私の部屋。
今は照明が無くて暗く、床には物が散乱しており、液体がたれていて元の面影もないけど。
そこで私は部屋の隅で身を縮こませて、息を荒らげながら、目の前の人を見ることしか出来ない。
私はただの人ではない。
私は聖女。
1000年前に生まれて、老いる事もなくずっと人を救って導いて来た、今では神の使いとして崇められていて、私の為の部隊、親衛隊ができたほど。
その私が、もはや抵抗も出来ずに追い詰められている。
相手は親衛隊隊長。
彼はエルフで私が聖女として活動を始めた頃からずっと私の一番近くで私を守ってくれた人。
親衛隊の設立者であり、私の唯一の相談相手であり、私が導くべき人であった。
そんな彼が今、私の目の前に上半身裸で立っている。
もぅ、ここまでのようですね。
諦めがついた私は、同意を示すように彼と目を合わせようとする。
全身が暑く、心臓もうるさい。体を動かすのも精一杯の中、なんとか彼と目を合わせる。
あぁ、貴方は何も変わらないのね。
初めて出会った頃と今の彼の姿は何も変わらなかった。
エメラルドの様な美しい瞳と髪色。
エルフの特徴である長い耳。
中性的な美少年の顔の形。
そして、
返り血で真っ赤に染まった上半身。
廊下へと続く扉が僅かに空いている。
だから、必死に私を守ってくれた親衛隊の方々の死体がよく見える。
私は聖女。
でも、支援に特化している私は、戦ってくれる人がいないとただの村娘と何も変わらない。
皆んなよく戦ってくれた。
でも、彼には及ばなかった。
「なんだよその目!!」
彼が声を荒げる。
私が彼に同意するような目線を向けたのが気に入らなかったらしい。
「そんな目で見るなよ!
俺は聖女を手にかけようとしている大悪人だぞ!?
責めろよ。それか憐れめよ。
ふざけるなよ…」
私はひんやりと首元に感じる刃物を感じながら、彼を見るしかありません。
私にも非はあります。
1000年間、彼を救えなかったのですから。
「あぁ、あぁ!!
マリア!!」
マリア。私の本名。
私と彼しか知らない名前。
「好き、大好き。愛してる。
ずっとこの1000年間みたいに過ごしたいよ!
親衛隊の皆んなともさ!!
でも、もう限界なんだ。
押さえ込むのは。
ねぇ、マリア。
救ってよ。このエルフを。」
悲鳴の様な声が部屋に響く。
彼の顔はグチャグチャに歪んでおり、目から水が出ている。
「殺したくないよ、君を…。」
彼は顔を下に向け、声を絞り出すように言う。
「今、理性で耐えてるのにさ。そんな目を向けないでよ…。襲いたくなる。」
思わず少し顔を近づける。
聖女としてもしくは、彼に恋してる人として
放置出来なかった。
「ごめんね。アロー。
私が先送りにしたばかりに、ごめんね。
アローが苦しいかったの知ってたのに。
私のわがままで先送りにして、
君の事救えなくて。ごめんね。」
「!?。だ、だったら今救っ」
「ごめん、アロー。
私。
アローの事が好きすぎで出来ないや。」
「なッ」
初めての告白。ちゃんとしたかったな。
若しくは、私に貴方を
「アロー。」
手を伸ばし、冷たい彼の頬を触る。
「これは君を救えなかった私への罰なんだ。
きっと神様がそう導いた。
だから、アロー自分を責めなくてもいいんだよ」
ドンッ!!
「きゃあ」
彼が私を勢いよく押し倒す。
彼が剣を振り上げるのが見える。
あぁ、彼に神の導きがあらんこ ザシュ ザシュザシュ ザシュ
これは1000年人々を導いたんだ聖女と、
性欲が殺人衝動へと置き換わってしまうエルフの最終話。
Q、エルフ何やってるの?
A、僕らで言う交わりをやってます。