ヒノデは、今日も事務作業に明け暮れていた。
「あー、今日も平和だね。」
「全くだ。こういう日が続けば良いがな。」
「教授、珍しいね。こんなとこに来るなんて。何か、依頼?」
「いやなに、久しぶり仕事に余裕が出来たから部下の顔でもと。」
シンバラ教授。このポケモン世界でポケモンレンジャーの存在を生み出した第一人者とも言える。キャプチャーなどの開発を主としている。
「そういえば、今日は、新人たちの合同研修だったな。」
「そうだね。もうすぐ着くころかな。」
「それにしても、大分大きな組織になったな。」
「うん。」
二人は、出会った当時の事をお思い出していた。シンバラは、常にヒノデに質問していることが、あった。
「ヒノデよ。」
「なに?」
「今でも後悔していないか?あの時、君をレンジャーに誘う形でチャンピオンという椅子から無理やりに近い形で降ろしてしまった。」
「……。」
「まだ、君にトップとしていてほしかった者達の事を考えるとな。私の選択は、やはり「もう良いんだ。」しかし…………。」
「良いんだよ、シンバラさん。僕は、人としてチャンピオンとしての道を誤ってしまった。それに、あいつらの手を汚してしまった。その時点で、チャンピオンどころかトレーナーとして失格だよ。」
「しかし!あれは、どう見ても君の責任では、ない!」
「うんうん。それでもよ。」
「く、なんでこんな若者に…………。」
「良いよ。おかげで、色んな人を救える力を貰えたんだ。これ以上は、ないよ。」
「しかし、君への恩いつか返させてくれ!じゃなきゃ」
「わかった。いつか、貰うよ。」
二人の会話は、ここで終わるのだった。場所が、代わって新人合同研修。ジャッキーは、事態に備えた方法や先輩の心構えなどを新人に享受する。新人たちは、ひたすらメモに残していた。ポイント地点に到着し、休憩する。そこでは、ジャッキーに質問する者、同期で会話する者、周りの自然に触れる者など様々であった。時間となり、本部に戻る準備を進めるジャッキーと新人たち。そこに、勢いよく走ってくる者がいた。
「頼む!!助けてくれ!!」
「「「!?」」」
「どうかしましたか。」
「俺の息子が!!変な輩に連れてかれた!!」
「!それは、まずい!そいつらは、何処に行った。」
「それが、あの洞窟です。」
「あそこか。新人の諸君は、研修を中止し本部帰還。隊長に応援要請を。」
「「「ラジャー!!」」」
新人たちと別れたジャッキーは、洞窟の中へ。すると、鎖に繋がれている1人の子供を発見した。話に聞いていた息子だろうと思った。ジャッキーは、少年に近づき声を掛ける。
「少年、無事か?」
「?お兄さん、誰?」
「ポケモンレンジャーさ。君のお父さんの依頼で君を助けにきた。」
「?」
「どうした?」
不思議がっている少年に質問すると、予想外の答えが返ってきた。
「お父さんもお母さんも今日は、仕事。だから、僕は、一人でここまで来たんだよ。」
「!?それは、一体『ガッ』うっ!」
ドサッ
「お兄ちゃん!!」
「ふう、大勢で居たときは、どうなるかと思ったぜ。」
「お、お前は、い、いったい?」
ジャッキーは、そこで意識が途切れるのだった。