彼は元軍人であり、現在はその過去を捨てて一般市民として生きている男だ。
これは、そんな彼が再びホロウの中に足を踏み入れる話。
(見切り発車、原作履修済み前提。以上の要素が大丈夫な方のみご閲覧ください)
需要があってモチベがあれば続きを書こうと思います
オボルス小隊、軍営にて
「……本当に、ここまでなのか?」
「あぁ、すまないな。俺はもう、疲れたんだよ」
「……っ、お前は本当にそれでいいのか?」
「あぁ、俺は…失った過去に背を向けることにしたんだ。これから先の未来に、新しい何かを探しに行く」
男は赤髪の少女と、その尻尾に取り付けられた小銃へ申し訳なさそうに言う。
「……っ!そうか。お前がそれを望むのなら私に引き留める権利はない。元々そういう約束だった」
「覚えていてくれて嬉しいよ、鬼火隊長。……こう呼ぶのももう最後だな」
彼はそう言って、赤髪の少女の尻尾に取り付けられた小銃であり、オボルス小隊の隊長である鬼火へ笑いかけた。
鬼火は少しの怒りを抑え込み、冷静な口調で答える。
しかし、その声には隠しきれない怒りと落胆が見え隠れしている。
「……お前がいなくなると、この小隊も寂しくなるな。──シードが去って以来、二人目だ」
そう言われて、男は目を伏せた。
笑って誤魔化そうとはしていたが、必死に過去の真相を追い求める彼女たちに背を向ける罪悪感は彼の中に確かに存在していたからだ。
鬼火が咳払いをして、声を張って言う
「コードネーム「ムネーメ」、お前は本日付で除隊となる。今後、お前はコードネームを名乗ることはなくなり、ホロウ内で仲間と肩を並べることも、銃を握ることもない。……お前の、安らかな未来を願っている。「レセアン」」
「……あぁ、ありがとうオルフェウス。俺はもうアンタの部下じゃないが、アンタの願いが叶うことを祈ってるよ」
この日、一人の男が防衛軍を去った。
彼こそ、オボルス小隊の最初のメンバーの一人、鬼火とオルぺウスの二人と共に小隊を立ち上げた男だった。
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数年後
「あっ、レセアンさん!またビデオ借りにきてくれたの?」
「あぁ、最近のマイブームなんだ。今日の店長さんのおすすめを聞いても良いかな?」
「私のおすすめ?……う〜ん、今日はコレかな!」
どん!とカウンターに置かれたのは少し古めのホラー映画。
先週まではこの店に無かったもので、新しく彼女が仕入れたらしい。
「この作品はなんといっても監督のこだわりがすごくてねぇ……、CGを一切使ってないんだって!お兄ちゃんと見たけど、ストーリーも面白いし映像も圧巻の一言だったよ!」
「ふむ、ではこれを借りようかな」
彼はビデオ屋の店長におすすめされたホラー映画と他数本の映画を借りた。
「せっかく妹思いの良いお兄ちゃんなんだから、あまり虐めないように」
「は〜い」
「では、また来るよ」
「うん、待ってるね!」
そんな短い会話の後、男はビデオ屋を後にした。
ビデオ屋でビデオを借り、その日のバイトを終わらせて映画を見ながら眠りにつく。
そんな無限に続く微睡のようなループが現在の男の生活だった。