NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが   作:ぜんはいざ

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夏の昼休みの屋上は地獄です。

 こんにちは、ニコラスです。

 

 カロリング王国との戦……というかエマによる一方的な蹂躙(じゅうりん)が行われてから、今日で一か月。

 季節はすっかり夏を迎え、あと二週間もすればいよいよ夏休みである。

 

 夏休みはどうするのかって? もちろん実家で引きこもってダラダラと過ごすが?

 

 だが、ゲームの舞台が中世ヨーロッパ風のファンタジー世界であるが故に、エアコンといった文明の利器は存在しない。なので毎日クッソ暑くて仕方がない。

 

 やっぱり昼休みに、屋上に来るのは失敗だったか。

 

「ブヒイ……実家に帰りたくないでござる……」

 

 などと情けない鳴き声を上げているのは、言うまでもなくフーゴである。

 俺と同じく引きこもり属性だと思っていたのに、実家に帰りたくないとは意外だな。

 

「エマはもちろん、実家のある領地に帰るんだよな?」

「いえー、夏休みは帝都のタウンハウスで過ごす予定です」

 

 弁当のおかずを俺の口に運びつつ、エマが答える。

 最近ではこうやってアーンしてもらうのがテンプレなんだが、こんなに甘やかしてどうするつもりだ。俺の未来はヒキニートかヒモしか残されてないんじゃないかと思う今日この頃。

 

「ニ、ニコさんは、そのー……実家に帰られるんですか……?」

「ん? そうだよ。……って言っても、同じく帝都のタウンハウスだけどな」

 

 兄上には皇宮の仕事もあるし、父上は父上で領地と帝都を行ったり来たりしているし。

 何より母上が、絶対に領地に帰りたがらないし。

 

 まあそれも、母上の職業が暗殺ギルドの長である以上、帝都を離れるわけにはいかないって事情もあるんだろうけど。

 

「そういうわけで、もしよかったら夏休みはどこかで一緒に遊んでもらえると……って、うおおおお!?」

「もちろんですー! 何でしたら、毎日ご一緒しますー!」

 

 ぱああ、と向日葵(ひまわり)のような笑顔を見せ、俺の手を取るエマ。

 勢い余って握った手がHカップおっぱいの谷間に埋まっていることは、絶対に言わない。もっとこのむにゅむにゅした感触を堪能したいんだよ。

 

「で、であるなら、拙者も帝都に残るでござるかなあ……」

 

 などと呟きながら、フーゴがチラチラとこちらを(うかが)う。

 どうやら構ってほしいみたいだが、俺、夏休みまでコイツと顔を合わせたいとは思わないんだけど。

 

 すると。

 

「あは☆ 欲しがりな目をしててキモ☆ 駄目だよキモブタセンパイ☆ センパイは、ぼくと遊ぶんだから☆」

「ブヒヒ!?」

 

 フーゴを押し退け現れたのはユミル。

 言っておくが、お前とも会うつもりはないんだが。

 

「だ、だったらみんなで遊ぶというのはどうでござるか? きっと楽しいでござ……っ!?」

「へえ……豚の分際で、この私を放ったらかしにつもりなの」

「ブヒヒヒヒヒヒ!?」

 

 背後から仄暗(ほのぐら)い笑みを浮かべ、フーゴの肩に手を置く黒髪の地味系女子。

 言うまでもなく、女王様である。

 

「そそ、そんなことはないでござる! もちろんリタ様にお声をかけていただければ、拙者、地の果てまでも馳せ参じる所存ですぞ!」

「どうだか。……結局お前にとって、私はそういう扱いだってことよね」

 

 そう言って視線を落とす女王様

 おやおや? これは嫉妬というやつではないだろうか。

 

「そんなわけないでござる! 美少女ばかりに囲まれる憎きニコラス殿なんかより、リタ様のほうが圧倒的に上に決まってるでござるよ!」

「別にどうでもいいわよ」

「リ、リタ様! 待ってくだされえええええ!」

 

 ぷい、と顔を背け、そのまま屋上から立ち去っていく女王様を、フーゴが泣きそうな顔で追いかけていく。というか、メッチャブサイクだな。

 

 だけど……女王様、笑ってなかったか?

 つまりこれ、結局のところただのプレイってやつなのでは。

 

「まあいいや。アイツもいなくなって静かになったことだし、エマのお弁当を楽しむとしようか」

「はい♪」

「センパーイ☆ ぼくもいるんですけど☆」

 

 ユミルが何か言っているが、無視だ無視。

 俺は引き続きエマのお弁当を頬張り、舌鼓を打つ。

 

「そういえば☆」

「? 何だ?」

「ランベルト殿下、すっかり見なくなりましたね☆」

 

 ああ、そうか。

 ユミルは事の顛末を知らないんだったな。そもそも俺、言ってないし。

 

「あの男なら、平民に落とされたらしいぞ」

「そうなの☆」

 

 語尾が『☆』のせいで、驚いているのかどうなのか、判断がつきにくいんだが。

 表情を見る限りでは、多分だけど驚いているんだろうな。知らんけど。

 

「ああ。兄上に聞いたから間違いない」

「へえー……☆」

 

 まあカロリング王国軍が攻め入るきっかけを作り帝国に危機を招いたんだから、そんな処分が下るのも当然である。

 

 というか。

 

「…………………………んふ♪」

 

 ……まさかとは思うけど、エマが絡んでいたりしないよな?

 例えば、あのボンクラ皇子を監禁して痛い目に遭わせているとか。

 

 さ、さすがに考えすぎか。考えないようにしよう。

 

「あ、こちらにいらしたんですね」

 

 フーゴ達と入れ替わるように現れたのは、聖女ソフィア。

 顔もスタイルも身分も魅力的ではあるけれど、サキュバスハーフの時点でなし……いや、あり寄りのありなんだが。一度残り一滴まで(しぼ)られてみたい……って。

 

 ……この聖女から、塩素の入ったプールの臭いがするんだけど。

 

 あれかな? 今日も暑いし、プールで汗を流してきたってことかな?

 とりあえず、臭いとか言ったら失礼だし、エロゲ紳士の俺は黙っておこう。

 

「聖女様、何か御用ですか?」

「ああいえ、ちょっとエマ()にお話しが……」

「エマ()?」

 

 この聖女、いつからエマのことを『様』付けで呼ぶようになったんだろうか。

 というかこの二人、仲が良かったっけ?

 

 首を(かし)げる俺とユミルを置き去りにし、エマと聖女はひそひそと話をしている。

 時折エマが(わら)っていたような気がするけど、きっといいことでもあったんだろう。深くは考えないでおく。

 

「では、失礼いたします。また夏休み明けにお会いできるのを、楽しみにしておりますね」

 

 聖女は深々とお辞儀をし、屋上を出て行った。

 

「エマセンパイ、聖女様は結局なんだったんです☆」

「んふふー、ちょっと避暑地(・・・)を紹介してあげたんですよ」

 

 夏休みだし、ひょっとしたらバルツァー辺境伯領の観光地でも教えてあげたのかな。

 機会があったら、俺もエマの実家かねがね行ってみてもいいかもしれない。

 

「そんなことよりー、気を取り直してこのおかずなんて……」

「フフ……ここにいらしたのね」

 

 エマが唐揚げを俺の口の中に突っ込もうとした瞬間、現れたのはヨゼフィーネと取り巻きBのローザだった。

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