NTR系同人エロゲのサレ夫に転生した俺、幼馴染で婚約者のステータスをオープンしてみたら既に寝取られてたんだが 作:ぜんはいざ
「えへへ、わたしは大丈夫です。でも、ありが……」
「ニコ!」
ずい、と身を乗り出して感謝の言葉を
俺、獣みたいなオホ声
「ぐす……ニコ、怖かった……っ」
「そ、そうかー……」
すすり泣くレーアが、俺の胸にぐしぐしと顔を押しつける。
この時の俺の胸中はというと、制服が鼻水で汚れたりしないだろうかと、そんな心配ばかりしていたとも。
そして時折エマのほうへ振り向いては、どこか勝ち誇った表情で
笑顔のままエマの眉毛が僅かにぴくり、と動くのを俺は見逃さなかったが、見なかったことにしよう。
「じゃあこんな怖い思いを二度としないためにも、このチャラ男にはキッチリ落とし前をつけてもらおうな。そのために、レーアには何をされたのか証言してもらわないといけない。分かるな?」
「あ……う、うん……」
これ以上耐えられなくなった俺はレーアを軽く押し退け、諭すように告げる。
だがレーアは嫌なのか、眉根を寄せてうつむくと、渋々といった様子でうなずいた。
「そういうことだから、コイツを連れてすぐに職員室に行くぞ」
俺はチャラ男を抱え、二人を連れて職員室へと向かう。
ちょっと……いや、かなり重いが、かといって女子にコイツを持ってもらうわけにはいかない。
レーアはというと、ただ無言で俺の後についてきているものの、うつむくばかりで一言も話そうとしなかった。
そして、エマはというと。
「…………………………チッ」
ええー……今、メッチャ露骨に舌打ちしたんだけど。
◇◆◇◆◇
事の顛末を単刀直入に言うと、チャラ男は無事退学処分となりました。
まあ、脅迫してレーアに迫るどころか、Gカップのおっぱいまで揉んだりしたんだからな。
何より、被害者であるレーアの実家は伯爵家。対してチャラ男の実家は男爵家だ。
家同士の力関係から考えてもすぐに重い処分を下すべきと考えたのか、学院は次の日には処分を下したよ。
そうしないと、学院側が管理不行き届きだとして、他の有力貴族からも目を付けられてしまうおそれもあるし。
で、俺達はというと。
「レーアさん、今日も休みだね……」
「だなー」
主が不在となった席を心配そうに見つめるテオの言葉に、俺は気の抜けた返事をした。
一応、チャラ男に襲われそうになったショックもあるだろうと、学院側が配慮して半ば強制的に休ませているわけだが、レーアの実家に配慮しつつ学院内でこれ以上波風を立てたくないというのが本音だろうな。
『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』でも、レーアが寝取られていることを学院が気づいていないのは、そういった
「むう……婚約者がつらい思いをしているっていうのに、ちょっと冷たいんじゃない?」
「そんなこと言われてもなあ……」
などと反論してみるものの、実際のところ心配なんてしていないというか、あまり興味がない。
サレ夫によくある浮気されて冷めてしまったからなのか、それとも、前世でNTR系ゲームばかりやり込んできたせいで寝取られヒロインに感情移入ができないからなのか、はたまたその両方なのか。
いずれにせよ、早く婚約破棄してレーアとの関係が終わってほしいと思っている。
そのためにもレーアの寝取られの証拠を揃えつつ、ゲームに登場する間男を全て排除しないと。
とにかく、俺達の婚約は貴族間の契約みたいなものだから色々としがらみがあって、簡単には破棄できないのがつらいところ。
まあ、前世でも片方が一方的に婚約破棄したら、相手から慰謝料を請求されたりするからなあ。
というかテオの奴、まさかとは思うが俺にストーカーだと指摘されたもんだから、『Ⅶ』のヒロインからレーアに鞍替えしたんじゃないだろうな。
さっきからやたらとレーアのことを気にしてるし、俺が素っ気ない態度してると怒るし。
すると。
「エマから話を聞きましたわ。今回のことは、まあ……大変でしたわね」
珍しいことに、教室にやってきたヨゼフィーネが慰めの言葉をかけてくれた。
一体どうしたというのだろうか。スキル【悪役令嬢】が仕事をしてないぞ。もっと口汚く偉そうに罵らないと。そんなご褒美を待ってます。
「大丈夫ですよ。レーアにちょっかいかけてきた奴は無事退学になりましたし、二度と会うこともないでしょうから」
俺はわざとらしく
きっとチャラ男は実家に勘当されて、路頭に迷っているはずだから。
「ですがあなたも、レーア嬢のことが心配なのではなくて?」
「そっちもそっちでご安心を。俺がいなくても、あいつの実家がレーアを甘やかしてるはずなので」
何せゲームで間男に寝取られて妊娠エンドを迎えた時も、娘の幸せのためならばと婚約者の俺の存在すらなかったことにして、レーアと間男の子供を優しく受け入れる脳内お花畑な両親。
今回も全力でレーアをよしよししているに違いない。
「で、でしたらよろしいのですけど……」
何か言いたそうにしているものの、気を遣っているのかそれ以上は何も言わないヨゼフィーネ。
そうなんだよなー。このヒロイン、世間知らずの不器用なツンデレってだけで、普通にいい子なので……って。
「そうですねー、ニコラスさんは大丈夫。……何があってもわたしが
取り巻きAよろしくヨゼフィーネの後ろに控えていたエマが前に出て、俺の手を取った。
地上最強の生物だから手もごつごつしているのかと思いきや、メッチャすべすべしてて柔らかい。
そんな彼女の母性に触れ癒されながらも、俺の脳裏にはあることがよぎっていた。
それはチャラ男が教師から尋問を受けた際に、ポロっと言ったとされる一言。
『お、俺は騙されたんだよ!
教師達は『あの女』というのが誰なのか問い
どうして俺が、尋問の結果について詳しく知っているのかって?
直接の被害を受けたレーアだけでなく、一応は俺も婚約者として精神的苦痛を受けたと判断した学院が、証言の裏取りを含め教えてくれたのだ。
「? わたしの顔を見つめてどうしたんですか?」
「い、いや、なんでもない」
首を
そうだよなー。今回の件、彼女を巻き込んだのは俺なんだし、エマがチャラ男をけしかけてレーアを寝取らせようとしたなんて、あり得ないよな。
俺はくだらない考えだと一笑に付すと、次のターゲットとなる間男のことについて思案した。