【7/20オーバーラップ文庫から発売!】NTRエロゲに転生して婚約者を寝取られた俺を救ったのは、地上最強の取り巻きモブ女子Aでした   作:ぜんはいざ

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発売まであと8日!
オーバーラップ文庫から7/20ごろ発売!
後書きまでどうぞお読みくださいませ!


キモオタデブの友人を生贄に捧げた日。

「えーと……興味本位で用具室に盗聴器を仕掛けて遊んでいたら、たまたまその、アレ(・・)が聞こえたわけでして……」

 

 昼休み。

 俺は屋上でエマとヨゼフィーネの前で正座しながら、必死に言い訳をしていた。

 

 なお、もちろん全て俺の創作ファンタジーであり、クリームヒルト先生のオホ声(CV.涼花み〇せ)は俺の脳内にしか再生されていない。

 

「つまりー、ニコさんはそういう趣味があったということですかー?」

「そうなりますわね……」

 

 二人から(さげす)むような視線を向けられ、俺は恐縮するばかり。

 いや、だって、あまりいい言い訳が見つからなかったんだから、しょうがないだろ。

 

「ですけど、盗聴器はたしか、フーゴの魔導具じゃなかったかしら?」

「そうですー。なら、フーゴさんも一緒に聞いていたということですかー?」

「さ、さあ……どうだったかなー……」

 

 追及を受け、俺は視線を泳がせる。

 この場にフーゴがいなかったことが不幸中の幸いだが、いずれにせよ嘘がバレる前に、アイツに口裏を合わせるように言っておかないと……って。

 

「……ヨゼフィーネ様、フーゴ氏を連れてきた」

「い、一体何事でござるか!?」 拙者、何も悪いことはしていないでござるぞ!?」

 

 お腐れ様の手によって、早々に退路を断たれてしまった。

 このままでは、俺の嘘が露呈してしまうじゃないか。どうしよう。

 

「実はフーゴさんにー、教えてほしいことがあるんです」

「な、何でござるか……?」

「最近、ニコさんと一緒に、誰かのイチャイチャックスを盗聴していたことってないですかー?」

「っ!?」

 

 待って。『イチャイチャックス』ってなんだよ。ルミナスシリーズの世界に、新たな造語が爆誕したんだが。

 でも、機会があったら今度使ってみよう。学院内で流行らせてみたい。

 

「な、何のことでござるかなー?」

 

 顔を背け、吹けもしない口笛を吹く真似をするフーゴ。

 その仕草だけで、答えを言っているようなもの……なのだが。

 

(まさかコイツ、俺を(かば)って……)

 

 言っておくが、俺はフーゴと一緒に盗聴をしたのは、例のボンクラ皇子と女装したヤンデレ暴君の会話を拾った時だけ。決してエロ目的でそんなことをした覚えはない。

 なのにフーゴは、あえて泥をかぶることで、俺を助けてくれるっていうのかよ……っ。

 

「いいから白状なさい。黙っていたら、ただではおきませんわよ」

 

 腕組みをし、すごむヨゼフィーネ。

 その迫力に、M心を刺激された変態ブタ野郎のフーゴは、恍惚(こうこつ)の表情を見せると。

 

「ふう……仕方ないでござるなあ……」

 

 観念したとでもいうように、肩を(すく)め、やれやれとかぶりを振った。

 ちょっとイラッとするのはともかく、まさかここで裏切るつもりじゃないだろうな。

 

 フーゴの一挙手一投足を、俺は固唾(かたず)を呑んで見守っていると。

 

「ニコラス殿に脅されて、仕方なくでござる。本当は拙者も、そんなことはしたくなかったでござるよ」

 

 俺を指差し、流れるように裏切りやがった。

 一応は俺の嘘を補完する形になったため、これでクリームヒルト先生とアルミンの件は追及されないだろうが、今度は別件で酷い目に遭わされそうな予感。

 

「なるほどー。つまりフーゴさんは、親友のニコさんに全てなすりつけるつもりなんですねー」

「フフ……いい度胸じゃない」

「ブヒッ!?」

 

 (まと)う空気が変わり、不気味な微笑みを浮かべる二人。

 それを察知したフーゴは、豚らしい悲鳴を漏らした。

 

「とりあえず、彼の魔導具は没収したほうがよさそうね。エマ」

「んふ♪」

 

 ヨゼフィーネの言葉と同時に、エマがフーゴを取り押さえる。

 フーゴ? 食用に解体される前の豚のように、がたがたと震えているが?

 

「フーゴさーん。大人しく差し出したほうが、身のためですよー?」

「はは、はいでござる……」

 

 エロい目的のためなら皇室の落胤であるユリアンに敵対したフーゴも、さすがに地上最強の生物の前では無力。素直に盗聴器を差し出した。

 

「ではー、これはわたしが預かり……」

「待ちなさい。この盗聴器は、わたくしが管理いたしますわ」

 

 ヨゼフィーネの言葉に、エマの眉が僅かに動く。

 

「……ヨゼフィーネ様に、こんなふしだらな物を持たせるわけにはいきませんよー。なのでこれはー、わたしが持っていたほうがいいと思います」

「あら、どうしてかしら? むしろこの魔導具は、使い方次第では帝国にとても有益なものよ? なら、ヴァイデンフェラー家が管理するのは当然ではなくて?」

 

 冷たい微笑みを浮かべ、牽制し合う二人。

 あれ? ひょっとして、二人とも盗聴器が欲しかったりする?

 

「ではお尋ねしますけどー……その魔導具、何に使うつもりです?」

「っ!? ……例えば、要人(・・)への諜報活動とか、かしら」

要人(・・)、ですかー。それなら、わたしも同じなんですけどー」

 

 何故か頷き、こちらを見やったエマ。

 ひょっとして、フリートラント家が監視対象に入っているとか……って、さすがにそれはないか。

 

「ふう……ならこうしましょう。この魔導具、一緒に使うというのはいかが?」

「……それなら、仕方ないですねー」

 

 どうやら取引が成立した模様。

 エマとヨゼフィーネは互いに歩み寄ると、がっちりと握手を交わした。

 

 だけど……なんで二人とも、俺を見てるんだよ。

 あと笑顔が怖い。

 

「グ、グフフ……拙者の渾身の魔導具が、奪われてしまったでござる……」

「俺を裏切ったお前の自業自得では」

「酷いでござる! 酷いでござる!」

 

 涙と鼻水とよだれでぐっちゃぐちゃになったフーゴの駄々っ子パンチを(かわ)し、俺は思案すると。

 

「エマとヨゼフィーネは、誰を盗聴するつもりなのだろうか」

 

 そう(つぶや)き、首を(かし)げた。




お読みいただき、ありがとうございました!

『NTRエロゲに転生して婚約者を寝取られた俺を救ったのは、地上最強の取り巻きモブ女子Aでした』

オーバーラップ文庫様から7月20日ごろ発売!

オーバーラップ様の公式サイトでは試し読みも始まっておりますので、マッパニナッタ先生のレーアのオホ声イラストをぜひぜひご覧ください!

また、ゲーマーズ様やメロンブックス様では、有償特典のタペストリーも発売されます!

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