【7/20オーバーラップ文庫から発売!】NTRエロゲに転生して婚約者を寝取られた俺を救ったのは、地上最強の取り巻きモブ女子Aでした   作:ぜんはいざ

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NTRエロゲは、寝取られなければバッドエンドだ。

「え、ええー……」

 

 なんとコップの奴、襲いかかろうとして勢い余り、(そば)にあった電話らしきオブジェクトに頭をぶつけて、気絶してしまったんだが。

 

 何度も言うが、この『ルミナスの壊れた日々』は中世ヨーロッパ風の世界。だから電話なんて存在するはずがないので、たまたまデザインが似通っていただけだろう。

 

 たとえ昭和なダイヤル式の黒電話だったとしても、だ。なのでツッコミはなしで。

 

「えーっとー……ニコさん、どうしますー……?」

「都合よく気絶しているわけだし、今のうちに拘束してしまおう」

 

 ということで、呆気に取られている女子生徒を尻目に、俺達はコップを縄で縛りあげると。

 

「早速だけど、君の名前は……?」

「は、はい……私、〝ツェツィーリア=オービッツ〟です……」

 

 尋ねる俺に、女子生徒――ツェツィーリアはおそるおそる答えた。

 

 だけど。

 

(やっぱりそうだったか……)

 

 地下室が薄暗いため顔の確認ができなかったこともあり分からなかったが、彼女は『ルミナスの壊れた日々Ⅶ』において、コップルートのバッドエンドの要因。

 ……いや、このゲームにはそもそも『寝取られエンド』と間男との『純愛エンド』しかないんだから、言い方が違うな。

 

 要は、ゲームオーバーのフラグ(・・・)だということだ。

 

 ゲーム序盤、コップルートに入るといきなり選択を迫られる。

 それは、クリームヒルト先生に対象を絞るために性欲を我慢しオナニーに留めるか、欲望に任せて女子生徒を脅迫し凌辱するというもの。

 

 ここで前者を選択すれば、晴れてクリームヒルト先生の寝取られルートに突入できるのだが、女子生徒を選んだ場合はゲームオーバーになってしまうというもの。

 

 じゃあ、具体的にどんなことが起こるのかというと。

 

「え……?」

 

 気絶から回復したコップが頭を振ると、ツェツィーリアが驚いたような声を漏らす。

 暗闇であまり表情は読み取れないが、おそらくはバチクソ目を見開いているに違いない。

 

 だって。

 

「誰……?」

 

 彼女の知るコップ=シュティケンではない、別の誰かに入れ替わっているのだから。

 あ、言っておくが、外見は同じだぞ。あくまでも、中の人が違うって意味だ。

 

 説明すると分かりづらいし大変だから一言にまとめると、要はこの男の中には、二つの人格があるということ。

 鬼畜の限りを尽くすコップとは、別の人格が存在するのだ。

 

「オマエ自身は悪くない……とはいえないか。オマエだって、それなりに分かってはいたはずだ。だから」

 

 今も混乱している様子のコップを見つめ、俺は一拍置くと。

 

「これまで犯してきた罪を償え」

「っ!?」

 

 その一言で、コップは硬直する。

 やはりコイツも、今までの所業についての記憶と経験があるのだろう。ならギルティだ。

 

「え、ええと……わたくし達にも、分かるように説明してくださいませ」

「あ、ああ、すまない」

 

 完全に置いてけぼりのヨゼフィーネ達に、俺は一連のことについて簡単に説明した。

 コップが二重人格者で、今とは別の人格は女性を次々と脅迫し、凌辱する異常者であること。

 

 その標的に、クリームヒルト先生とツェツィーリアが狙われていたということを。

 

「……つまりー、一歩間違えれば、わたし達もこの男に狙われたかもしれない、ってことですかー……」

「ああ」

 

 もちろん『ルミナスの壊れた日々Ⅶ』に二人は登場しないため、寝取られたりするようなことはないはずだが、ヨゼフィーネや取り巻き二人のその後について、後発のシリーズや外伝でも『寝取られエンド』や『純愛エンド』以上のことが語られることはない。

 

 なら、コップの餌食になるアフターストーリーが存在していても、おかしくはないわけで。

 

「とにかく、怪我の功名とはいえ、俺達も補習を受けることにしてよかった。そうじゃなければ、俺達が寄宿舎に残ることもないし、彼女が被害に遭うところを食い止めることはできなかった」

「はい……」

 

 そう……今回は、たまたま運がよかっただけ。

 コップの危険性はもちろん理解していたが、それでも、このタイミングだったからこそ阻止できたんだ。

 

「いずれにせよ、男の風上にも置けないでござるよ。許せないでござる」

「ええー……お前がそれを言うの?」

「酷いでござる! 酷いでござる!」

 

 短い手足を振り回し、駄々っ子パンチを繰り出すフーゴ。

 だがこの男もまた、『ルミナスの壊れた日々Ⅲ』の間男の一人であり、超小型高性能カメラを使ってレーアを盗撮して脅し、寝取るのだ。

 

 未然に防げたからよかったものの、一歩間違えたらお前だって間男の犯罪者だからな。

 

「そういうことだから、この男は俺達が責任を持って学院に突き出す。だから君は、安心していい」

「は、はい。ありがとうございます……」

 

 そう言い残し、俺達は困惑したままのコップを連れて、地下室を後にした。




お読みいただき、ありがとうございました!

『NTRエロゲに転生して婚約者を寝取られた俺を救ったのは、地上最強の取り巻きモブ女子Aでした』

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今後も『NTRエロゲ』についてのイベント告知などが控えておりますので、どうぞお楽しみに!

それでは皆様、どうかどうか、本作のご購入をよろしくお願いいたします!!!
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