【7/20オーバーラップ文庫から発売!】NTRエロゲに転生して婚約者を寝取られた俺を救ったのは、地上最強の取り巻きモブ女子Aでした   作:ぜんはいざ

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差出人は暗殺者ギルド長(ママン)。

「ふ、う……そ、その、恥ずかしいところを見せちゃったわね……」

 

 息も整い、ようやく回復したクリームヒルト先生。

 身体を起こして服を整えると、クッソ恥ずかしそうに告げた。

 

「い、いえ。さすがに媚薬まで使われてしまったんですから、仕方ないと思います」

 

 俺にできることなんて、気休めにもならない慰めの言葉をかけることくらい。

 よく考えてみろよ。心の赴くままに、『先生のオホ声、最高でした』なんて言った日には、きっと彼女は恥ずかしさでヒキニート一直線だ。

 

「とりあえず、この男……クリストフ教官は、俺達が学院に引き渡しますので、先生は今日のところはもうお帰りになられたほうが……」

「い、いいえ。被害を受けたのは私なんだから、学院には自分で話をするわ。その……そこまで生徒であるあなた……達のお世話に、なるわけにはいかないもの」

 

 俺がそう提案するも、クリームヒルト先生はやんわりと断る。

 だが、ちょっと顔が赤い気もするし、まだ媚薬が抜けきっていない様子。あまり無理はさせたくないのだが。

 

「んふふー。先生もこうおっしゃっているわけですしー、ここはお任せしましょう」

「……そうですわね。そのほうがいいんじゃないかしら」

 

 意外にも、二人は彼女の提案に同意の模様。

 ただ、二人のクリームヒルト先生に向ける視線が、少々殺気立っているような……。

 

(き、気のせいだよな……)

 

 俺は嫌な予感を払拭するため、かぶりを振る。

 お願いだから、これ以上は面倒事を起こさないでもらいたい。

 

 ……といっても、全部間男のせいなんだが。

「じゃ、じゃあせめて、一緒に行きましょう。それならいいですよね?」

「え、ええ……なら、お願いしてもいいかしら……」

 

 やはり頬を赤らめ、髪を耳にかけて頷くクリームヒルト先生。

 あの媚薬がここまで強力だとは、予想しなかった。

 

 俺はちらり、とヨゼフィーネを見やる。

 

「…………………………」

 

 眉間に(しわ)を寄せ険しい表情をしているのはともかくとして、彼女も間男ヴァイト=メンシュシャウエンの手によって媚薬の餌食になった。

 なら、同じだけ苦しんでいたとしても、おかしくない。

 

 だから。

 

「……ヨゼフィーネ様も、何か副作用とかあったら、ちゃんと言ってくれよ」

「っ!? も、もう! そういうところですわよっ!」

「ごめん……」

 

 そっと近づいて耳打ちをした瞬間、息を呑んだヨゼフィーネがポカポカと叩いて抗議した。

 むむ……驚かせるつもりはなかったんだけどな……。

 

     ◇◆◇◆◇

 

「やっぱり、今日の補習は休みかー」

 

 次の日の朝、学院から臨時休講になると連絡があった。

 

 あの後、クリームヒルト先生と一緒にクソイケメンを学院に突き出した俺達。

 案の定、学院長以下関係者は泣きそうな表情で頭を抱えていたけど、あんな間男達を採用したのが悪いわけで。

 

「グフフ……ようやく訪れた、束の間の休息でござる。これは、保留になっていたプールに行くしかないでござるな」

 

 よほど楽しみにしていたのだろうか。

 フーゴの奴が、下卑(げひ)た笑みを浮かべてやがる。爽やかな朝が台無しだ。

 

 一方で。

 

「…………………………」

 

 食堂の片隅で、お通夜のように一人項垂(うなだ)れるテオ。

 アイツにとっては、クリームヒルト先生との唯一の接点だけに、補習がなくなったのは残念極まりないだろう。

 

 というか。

 

(アイツ、先生の住所知らないのか……?)

 

 ストーカーのテオのことだから、休みとなれば屋敷の前で一日中監視していてもおかしくない。

 それどころか、ゴミを物色して持ち帰っていそうだと思ったのに。何もしないなんて、ストーカーの風上にも置けないな。

 

(そのほうが、俺としては楽でいいけど)

 

 つまり今日一日は、俺もテオやクリームヒルト先生の監視から解放されるということ。

 せっかくの機会なので、フーゴの提案どおり今日は約束のプールに繰り出そうじゃないか。

 

 などと変に期待してしたせいで、フラグが立ってしまったのだろうか。

 

「ニコラス=フリートラント君。君に手紙が届いているよ」

「俺に?」

 

 はて? 一体誰だろうか。

 寄宿舎の管理人(コップではないまともなほう)から手紙を受け取り、しげしげと眺めると……っ!?

 

「は、母上……っ」

 

 なんと差出人は、母上だった。




お読みいただき、ありがとうございました!

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